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このContentsは、適当に増殖します。
林道日記(OFF-ROAD・DIARY)


「トツゲキあるのみ!!」

始めての出会いから比べても遥かに
猛烈な変化を遂げている。


ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。


このContentsは、適当に増殖します。
林道日記(OFF-ROAD・DIARY)079


2013 春の陣。



春6月、満を持して突入した4度目の真実。今日は何が何でも突破しなければならない。
さあ、ゴールデンタイム"リバー"だ!。


国道289からパイロットロードをまっすぐ上がると問題の三叉路に。
写真右が七ヶ岳林道本線へ、左が
○○道向山線
(Photo:2007)


う〜ん、この時点で既に廃れている。
(Photo:2007)


石を埋め込んで道床、流れれば石がゴロゴロ・・・だよねぇ。バイクは進行方向が逆、写真右が本線、左が鴨沼のほとりへ。
(Photo:2007)

鴨沼の先はより林道の傷みが激しい。
レベル2の路面状況。
(Photo:2007)


林道起点から箕沢林道に沿って道は登り始める。
終始林道は登って終了となる。
(Photo:2011)

●廃道に極まる林道

 
その林道は昔、日本一周野宿林道旅の大家である、さる偉大な野宿師が走っていた。
 その時の、野宿師
の手帳には「黒森沢林道」と書き記された手書きの七ヶ岳周辺林道の略図が撮影されていた。

 実際に現場には、パイロットロードの分岐点に在る
「○○道向山線」という標柱が一本あるだけ。この林道は他の開拓道路と同様に、七が岳の山里を開拓する為のモデル地区の為の道であり、幾つかの林道と分岐しつつ、本線は再び七ヶ岳林道に合流する。地図を紐解くなら鴨沼という沼の横を走るこの林道を目指せば自ずと道なりに今回の林道に辿り着く。
 いや、手前にもう一本ピストンの伐採道が在る。あの2本の林道を体験した我々が
「裏黒森沢」と呼称している林道だ。
 最初は、どちらの林道がどの本名なのか混乱していたのだが。

Touringマップル2013版に掲載。広域マップルに一部が掲載。


「○○道向山線」とある林道標柱。
全長1.187m/幅員3.6mとある。規格から言えば昭和50年代の林道規格と同等か?。竣工年は未確認。

 さて
「箕沢林道」は地図の沢の配置と道の表記から、恐らく林道西側の沢に沿って上の林道に繋がる伐採道ベースの林道で間違いはなさそうだ、と思われる。
 片方をそう断定した結果、その手前にある
「黒森沢林道」も林道の東側を流れる沢の名前が由来なのでは?と推察している。なんせ双方とも現地に林道標柱が存在しないので(仮)とつけるべきだろう。


問題の林道入口。道順からまず分岐の手前に橋が「黒森沢」、この沢沿いの道が「黒森沢林道(仮)。
分岐の奥の道が「箕沢林道」、標識の奥に沢が在り、これが箕沢だ。共に林道の起点は不明である。

 この林道は有名なので、どちなの名前でも既にYouTubeで検索すれば幾つかの動画が視聴出来るが、現地を見る限り凡て「箕沢林道」の方である。



ビーバーの河原に到着。
遥か林道の上から流されて来た大量の枯れ枝がまるでビーバーの巣の様にうず高く堆積している。
林道を蹂躙した猛烈な土石流はここで箕沢(写真右の土手下)に合流する。
この時点で箕沢との高低差は1mを切っている。


ああ、あれだ!
この林道の「強羅絶対防衛線」を目視で確認!。



これが、道か?
これで、道なのかよ?

 ちなみに、共に造林目的の林道では在るが黒森沢林道は地図の上では中の森と鋏山の中間で事切れているのだ。
 戦後のパルプ産業育成に始まる国有林民間活用に伴い林道を開設したと思われる林道である。

 ただ、箕沢林道は当初は明らかに永年使用を目的とし、標識の設置や箕沢の護岸補強施行を散見出来る。
 それに比べて黒森沢林道はそのような設備は無く、林道としては格下ではないか?伐採道のまま?とも思われたが、尾根の反対側は古桧
(こび)峠なので、かつての「間道の間道」という可能性が出てくる側面もありそうだ。

 というのも、会津の峠(下)では現在の車道の古桧峠は新道で江戸期の道は別に在ると記されているからだ。そして、古桧峠のサミットには分岐が在り、丁度この黒森沢方向なのだ。




ついに路面洗掘が始まる
「キたよ、これ」


こうして下るライダーは多い。
(Photo:2012)





さて、
『トツゲキ!!!』

まあ、なんだ。
弘法の筆の誤りというか、猿も木から落ちた?というか・・・。



「いっけええええぇ!!」レベル3スタート。



「廃道どうでしょう」。


道路の半分が洗掘、明るい分だけあそこよりマシか?。

 基幹林道の七ヶ岳線が、開通記念碑によると昭和63年10月竣工とあるが、実際の林道開削は昭和40年代に車道として開削されている様だ。この同時期に箕沢林道も古桧林道なども開削されているハヅだが、正確な竣工年式は現時点で不明である。

箕沢林道
総延長:約4.36Km
 (
○○道向山線分岐支柱より
 全線未舗装

 では、逝ってみよう。
 分岐からすぐに道は荒れ始める。鴨沼の辺りからもうかなりガレ始めている。同時に道幅が狭くなり始め、特に鴨沼上のヘアピンは日当りも良く、薮が激しいので路肩の洗掘には要注意だ。
 ヘアピンを回ると林道は杉林の中に入ってくる。ここ迄来ると樹齢40年代の高い杉林が薮を退け、道幅はハッキリしている。
一直線に登る林道はよく足下を考えて走らないとたちまち洗掘に足を取られてしまう。
 林道は鴨沼から終始、富木沢林道の入口と同じ処まで凡て登りのルート設定である。



「ほいっ!!おっとと!?」なんちゅ〜ライン取りだ・・・?。


虎タイヤ、使いこなしているよなぁ。
 
 ハッキリ言ってこれは
「登らなければ男じゃねえ!」と言わんばかりだ。
 しかし、ぞれは序の口というか、まだまだ
露払いのレベル2である。
 レベル2で既に路面上左右の轍が交互に洗掘している、その深さは既に軽トラでも腹を摺る深さであり、ドライバーの腕次第ではスタックするレベルと言える。路面には子供の頭程の丸石がゴロゴロしている程で、これがまた走りにくい。



「あらよっっ〜とな!!」一気に登り上げるが、河原の足場は悪い。



路盤全体が河!いよいよ
レベル4か?(笑w


杉林の終盤、進行方向左に分岐がある。多分これが黒森沢林道?と思われる。
 2012に間違って登っているが、よくよく確認すると、この道1998年頃にもXR250で途中まで登っていて引き返している。
 時間があれば、雪解けの頃にもう一度アタックして間道かピストンかどうかチェックしてみたい林道であるが、今日の所はスルーする。



「河をかわして陸(おか)へ!」でも多分ここが最後の陸だろうナ。



完全に河、完全に被写体。


「どりゃ!」軽いバイクはいいねぇ。

 そして杉林を抜けると、目の前には青い空と山と、どう見ても道に見えない殆ど沢の様な道と、清らかな水を讃えた河原の様な広場が現れた。今回で実に4回目、今日は意地でも登ってやる。
 普通ならこの時誰もが、これは沢でしょう?と世界の中心で叫びたい気持ちになるに違いない。と同時に本当に貫通林道なのかと大いに疑うだろう、
 だが、これは事実である。少なくとも2013年6月迄は確実な事実だ。
 道路は生き物なので、果たして現在はどうなっているか?放置プレイならさらに困難な地形に変化している可能性は高いと思われる。
 この河原で取り敢えず休憩して気分をリセットする。

 ここ迄来ると、開けた道の右側(西側)の薮の中から道より静かに沢が流れる音が聞こえる。地図など無くても多分これが箕沢だろう。
どうして林道の方が水音が!
 答えは簡単、既に林道側を流れる水の方が多く、もともと林道なので開けているから音の通りが良いのでは?
 
半沢状態のレベル3路面の登り林道を、ジャンケンで順番を決めて突入。



レベル3の末期路盤のほとんどが河と、その洗掘の土手。


 本日の"登坂試験"には遠路はるばる福島から"おぉ氏"と地元から"熊デ氏"(双方匿名と言う事で宜しくお願いします)にご協力いただきます。
 さてさて、目測軽虎サイズの轍の片側は完全に沢と化し、昨年セローが頭から入浴した滝壺がさらに深まり、より完全水没しやすい深さに成長していた。先頭は"熊デ氏"、二番手は"おぉ氏"で、とくと見て頂こう。
 
レベル3の道はすでに歩く部分が全体の1/3しかない。沢底との最大高低差はざっくり1m位だ。滝壺の最大水深は7〜80センチだろうか?昨年より、より川幅が増している。



深さはざっと4〜50センチぐらい?。バイク立て架かるもん。


美しく澄んだ沢水が先行者のファイトで
泥水の様だ。(笑w

 カメラの前を通過する二人は、まさにはち切れんばかりに笑顔である、
きっと何かのビョーキに違いない。
 最初の沢区間を通過すると2回目の全面河原状態となり、
ここから林道全体が沢というより河になる。陸地の部分は殆ど無い上、あげく拳大の玉石の下はナメの岩盤で良く滑る。レベル4だ!

この河原で、
なんと
先客が居た。



レベル4突入!「皆さん良く登りましたね?!」
逃げる路肩が在るうちはレベル4なのだが・・・


人が居る!
一緒に登るのか?マジで?。

しかも動画で撮っていた(爆!(間違えていたらゴメンなさい)
 
さらに山の神は林道の難度を上げに掛かる。
 道全体が隣の箕沢の河川の、護岸積石を残して林道全体を洗い流してゆく。恐らく林道開削時には、ここは護岸のコンクリートに転圧の盛土だったのだろう。盛り土部分は完全に流され、岩盤のナメを沢水が流れていた。場所によっては平行する箕沢の方が高い位置を流れているカモ知れない。
 KLXに跨がって横を向くと護岸部分の高さだ。驚くなかれ林道全体が深さ1.5m以上洗掘されている。



逃げ場が無くなると
レベル5!! ますます深まる洗掘。
バイクより深くなると
洗掘というより塹壕だよな。


良い沢だが、魚はいない。
つーか、これでも林道だ。



横を向けばグランドライン。

この土留めから右が箕沢。左が林道。落差はほぼ同じ1.5m?
ここを走れば良いんだよ!と誰が言ったか・・・?


   レベル5の真骨頂だな、
  これは。

   
いやいや、笑ってるバヤイじゃ
  ねえぞ、こりゃ。



この写真1枚だけ見せたら、誰もが"河"と思うだろう。


「絶妙のアングル?!」写真が?上り坂が?


「乗っている」と言うより「伝っている」と言う表現が正しいカモ・・・。

 
貫通しているというのなら、この高低差を何処かで埋めている筈だ!それは何処だ?!

あった・・・ついにレベル5の核心!!

 河の中で1m50の沢を滝登りである。しかも、先客はギャラリーやって撤退すると言う。まあ、こちらは予定通りで。

 流れる滝の中、何とか5分山のD605を空気圧0.8で登りきる。
 しかしその後も道幅の8割が滝壺化した
レベル5を通過。
 ギャラリーが居ると自分の能力以上の力が出せるらしい"おぉ"氏が目の前で果敢に登りアタックしてる。
 先に甲高いチャンバーの響きと共に無事成功した"熊デ"氏があわてて撮影に駆け寄る。起用にも両足が付くセローのリアを乗りながら軽く持ち上げ、自分の理想位置に向きを変える芸の細かさが素敵だ。



「どっせぇ〜!!」いやぁ 純正が滑る! スベるぅ〜!!。


そして河は、今日も林道の掘り下げを
続けるのだ・・・。


 そして完璧な2度吹かしで足を僅かに触れただけで、鮮やかに登ってゆく。先の"熊デ"氏から比べてもよりローパワーで、まさに体重移動だけでの登って行く。
「素晴らしい・・・」
「お上手ぅ・・・」
 KLX125の五分山D503OENタイヤで何とか、カツカツ、ズルズル滑りながら登ると、ギャラリーから拍手を頂いた。そして彼らは何事無く撤退して行ったのだった。折角だから登ってみれば面白いんだがなぁ。

 
この滝を登りきると、林道は何事も無かった様な顔で・・・なワケは無い。
 レベル2にトーンダウンしただけで、相変わらず洗掘が続いていた。
 
 分岐の手前で山から合流する沢が、明らかに鉄砲水の様相で、
この区間の洗掘の水はほぼここから供給されていたと推測された。



「写真左手に沢」左側土手全体が、この"林道洗掘化計画"の
原動力と言うべき水源そのものである。



箕沢から遠ざかり始める・・・のに、まだ洗掘。


ああ、またビーバーの巣が?
走り辛い・・・。



一つ前の写真の奥の土手をいきなり登り始める林道。どこに行くんだ?。


最後のヘアピンはほぼスイッチバックの様相。

 勿論本来は林道を跨ぐ水路が在った様だが激しく破損しているため、もとの形の想像すら赦されない状態であった。やがて枯れ沢になった林道を更に登ってゆくと、道は完全に箕沢から分離し、つづらに登り始める。

 熊デ氏が待っていた三叉路から先、林道はそれ迄の箕沢沿いの道と表情を変えてくる。
 
 相変わらずの登りだが性格が変わったかの様にゆっくり登る素振りで道が急いでいる印象だ。
 決定的だったのが、兄貴分の富喜沢林道と合流する直前のヘアピンターンだ。明らかにスイッチバックを意識した作りであまりのタイトさに軽虎でも一発で切り返せないだろう。
 三叉路から先は、恐らく後付けの伐採道などと思われた。

そして、林道は無事富喜沢林道、七が岳林道に合流したのだった。

調査日(13/6/22)の状況:
 2009年以降、4回目にして漸く貫通した箕沢林道。しかし毎年の様に洗掘は深くなり川幅は広がり、もはや現在は人外魔境の廃林道と化しました。
 凄いのはこの状況ながら管理者側からは通行制限や補修などのアプローチが何も無い事だろう。
 もしかしたら目当てに集まるマニアの為の釣り餌なのかと勘ぐる程の全開放置プレイである。茨城県道218号一本杉峠のミニチュア版
(この例えでいいのか?>俺)と言える荒廃振りは、むしろ清々しい清流を讃えた沢の様である。そして案の定「釣り上げられている」MRも居る訳である。
 

富木沢林道終点、七ヶ岳林道の合流点に在る標識。箕沢林道を登り上げると、この標識を見る事になる。

 
路面状況は見ての通りなので、今更説明の必要ない人外魔境の状態である。



「ここもUターン?」これを見る限り、箕沢林道は本来ピストンだが、
後年に伐採道と繋がったのではあるまいか?


車か?つまり林道合流か。
 
 まあ、可能な限り行く事は薦めませんし、ここを見て面白そうだと思って事故っても、
当方は情報提供のみの個人サイトの日記なので、一切の責はご容赦願います。
 文句は言わずに黙って走るか?帰るか?現場で叫ぶのかを、ご自分の判断でお決めする事をお願い致します。



無事合流。写真左右が七ヶ岳林道本線、これに二つの林道が合流する。
富喜沢林道側には道路標識が在る。この林道は昔からの登山ルートでもある