「眼下に国道118号と塙町」 梅木沢橋。板庭〜入宝林道"最大の橋"から眼下の塙町を一望する。
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最標高地点は工事区間。
実は写真右手は分岐だが、伐採道の入口か?。
路肩の処理などは、この辺の林道と同じ仕様だ。
いよいよ工事区間、舗装寸前の未舗装路だ(笑w
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すっかり舗装となった林道は国道118号線と平行して南北に連なる山脈の西側に上り詰めて行く。
林道起点は山脈の北東側だが、道は北からゆっくりと西側に展開して登って行くのだ。地図に在る九ツ山(477.2m)をほぼ一周しながら標高を上げる。
尾根の突端で向きを北から南に半回転すると、眼下の塙町を一望出来る見事なスカイラインとなってゆく。
日向でもアイスバーン、日陰は圧雪残雪で、二駆のままヘアピンに突っ込んだジムニーは穏やかにテールが流れ、カウンターを当ててもそのまま車体が半回転してしまう。
『だよね〜〜!』
さらに登ると、最初の大きな分岐というか、東側より寄り添う様に林道が合流してくる。林道標柱が設置されている正式な支線の様で「厚木沢林道」とあった。
もう殆ど上がない位の所で、大規模な伐採現場と、道路工事の看板に出合う。
前回来た時は、日曜日にも拘らず作業中で追い返されたが、今日は伐採作業も無く、無事通過した。
そして、この林道のハイライトとも言うべき「梅木沢大橋」に到着する。
H25.3月末には舗装終了と言う事らしい。「ふるさと林道緊急補修2401工事」が今回の配給の隠れ蓑か?。
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あ、起点と書いてある。
あっちは終点か、ホント読めねぇ。
道幅は十分。でも車が動けるのは一車線分しか無い。この広さ、万世大路かよ、ここは?。
路肩は完全に沈黙!。
待避所も完全に沈黙!侵蝕されています!。
そして林道は急速に登ってゆく。
傾斜が緩くなる頃にダートとなる。
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相変わらず、抜群の展望は健在だ。眼下にはまさに箱庭の塙町が横たわり久慈川が泳ぐ様に水田地帯を蛇行している。
写真を撮って、いよいよこの林道の最標高地点に達すると、そこが矢祭町と塙町の町界であり、工事現場そのものだった。だが現場に人影はなく、塙側はゲート封鎖すら無い状態で、ジムニーは悠々と現場を走り去る。
そしてこの工事現場から、林道は舗装を脱いで、地肌を見せ始めた。
既に林道は水平飛行に移っていて、道は尾根筋なりに僅かな上下を繰り返しつつ全体的にはほぼ同じ標高を北から南に進んでいた。
工事区間の終わり頃に林道分岐があったが、先程の厚木沢線と違い標柱も無く、おおかた伐採道の入口と見て取れた。
林道は工事区間の終わりと共に本来の生まれたままの姿と言えるダートに変身!完全回帰し、一気に道幅が狭まったのだ。
そう、09'に通過した際も、放置未整備に近い林道は、左右から襲いかかる雑草で本来の道幅の1/3しかなかったのである。その為に冬枯れした林道であっても路肩に車を寄せ付けない単独一車線状態なのだろう。 そしてどうやら、舗装工事は塙町(山脈北)側のみで、次の分岐が該当する矢祭町(山脈南)側はそのまま放置プレイが続行の印象を受けた。
「この調子だ !!」
やがて、工事現場の終わりに西側から太い林道が合流して来た。
工事現場も南側はゲートが在り、一般人の出入りを規制していたが、特にカギもなく、出入りはフリーの状態である、助かった?と言うべきか?。
「林道舟見・高室線」
の林道標柱は工事看板のアンカー代わりに縛り付けられ、広い林道とは裏腹に肩身が狭そうだ。
標柱には平成4年度竣工とある。。
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「林道舟見〜高室線に合流」
工事用ゲートは在るが開いている。気を利かせて閉めて置きました。
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矢祭町が管理のこの林道、延長2.9Kmの終点がこの地点の様だ。
だいぶ草臥れて入るが、建植当時は立派であったろう案内板が在る。
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なんか本線の方が・・・。
「貧弱、貧弱ぅぅうぅ〜」
路肩は完全に沈黙!。万世大路か?ここは。
そして林道は尾根を跨いで下り始める。
無駄に幅が在るのに、使えないとは・・・。
夏場、この辺は凄まじい藪で、車が擦らずに抜けるのはほぼ不可能である(笑w。
防風林の様に雑木林が強風に喘いだ跡が残る?。
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さて、合流した舗装林道はここが終点と言う事だが、企画年のせいか?はたまた矢祭町の独立行政のたまものか?林道はこの「大規模林道 板庭入宝坂線」より一回り広く感じたが、本線とも言うべき「板庭入宝坂線」と実は同じ道幅4mである。
いかに本線が放置プレイでおざなりか解る状態と言えよう。
しかも「大規模林道 板庭入宝坂線」では見た事も無い立派な自立案内看板が在り、林業の町が林道にも傾注している一例と言えよう。まあ実際にはこの本線林道も舗装林道でもおかしくない状況ながら"敢えて"ダートのままにしているのなら、矢祭町の対応は喜ばしい限りである。
よく見るとちゃんと杭打ちされてて、標柱に取り付けてある訳ではない?。
「林道舟見/高室線」を後にジムニーは更に南下を開始する。
4mの筈の林道は完全に1車線分・・・半分の道幅にしか見えない。
両脇には枯れてオブジェとなった雑草が悪戯に転がっている。路肩崖側に至ってはまるで万世大路の様に道が雑草に蹂躙されているのだ。
現役のしかも大規模林道でコレは無いだろう・・?まあ、大規模林道はソレ自体酷いものなんだが、この放置プレイの様はいつぞやの某未通林道以来じゃないだろうか?
まあ塙町じゃないけど、補修ついでに舗装したくなるのも無理は無い事だと思ってしまう。
こういう場合、よく地元の部落の方が山をお借りして管理し、林道の面倒を見てくれたりするものだが、そんな雰囲気は見当たらない。それこそ夏場はバイクであっても進路が見えなくなる程の、藪の様な状態の所があるくらいだ。
そんな林道は「林道舟見/高室線」合流の後、徐々に下り始める。
下りになってもご覧の様に残雪が道を塞いでいるが、路盤がダートと言う事も在り、登って来た舗装路凍結より滑り難い状態だ。一瞬バイクでも走れるのでは?などと勘繰ってしまう。
小さなクランクで小さな尾根越えをした林道は尾根に対して東側にルートを変えて、引き続き南下と降下を続行してゆく。すると間もなく東側から登って来て合流するもう一本の林道と合流した。
「民有林林道 木野坂線」である。
どうやらこの林道も程よくダートが残っていそうだ。延長1.72Kmの小振りな林道である。
林道木野坂線。東側から上がって来て本線に合流するダート林道?
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「木野坂の方がメインルート?!」
大多数の車はまさにここから主線林道に入って行く様だ。
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幅員4mは嘘じゃないと思わせる下り。
対向車も皆無で路盤破綻も見受けられない。
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「民有林林道 木野坂線」を横目に、写真に収めて進軍する。
この林道分岐を過ぎると、流石の残雪も後退を始め、道幅も改善を始める。早春とは言い難いが、やはり地元県北に比べると、格段に雪が少なく浅いのだ。そしてそれは唐突に、忘れた頃にやって来た。深い掘り割りをS字に下ると、面した国道349号線の土手っ腹に林道は合流したのだ。
ここが、坂庭〜入宝坂線の終点である。
R349から見ると、青看がなければ果たして繋がっているのか?と判断に迷う様な佇まいである。だが、何気に立っている古びた林道標柱が、この林道の生い立ちを物語っているのだ。
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「!!・・・T字路だ!」終点、国道349号線に合流する。
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林道の入口からは絶対に内容が見えない様に
設置された青看。
普通、道路に出すと思うんだが?
実はコレが本来の標柱
文字がスコッチカル切り文字なので平成に入って新造された二代目とオモワレ。
警告板が微妙に古い。
林道は、とても道幅5mとは思えない。
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竣工年昭和58年〜昭和62年、総延長11.9mはこの辺では八溝の林道群と同格と言える長さだ。
ここで初めて、林道の総幅が5mという事実に遭遇、え?4mじゃないの?じゃあ、あの一車線区間は、完全に植物に占領されていたのか!
最終竣工年は最早読み出し不能だが、昭和60~年は間違い無い。
結局、矢祭町側はダートのままで、しかも今後も舗装するかは未定という感じを受けた林道板庭〜入宝坂線。
復興予算の無駄なバラマキで最後まで舗装化されるのか?矢祭町が独自の方針で放置現状維持となるのか?
ダートファンには未だ目の話せない林道であると言えよう。
調査日(13/2/12)の状況: 2009年、10年と訪れたMR。
しかしまさかの舗装化は震災とは無関係に始まったものである。
したがって、現在の舗装状況がジャブジャブの結果とは言い切れない、百歩譲って"渡りに舟"的かもしれません。舗装となれば、まさにライフライン!小型のロードバイクで景色を堪能するのもアリでしょう。実際、途中の舟見〜高室線は舗装なので、ここから降りて矢祭町の駅前に出るのもいいかもしれません。
まあ下の国道118号も、川を挟んで並走する県道230号線もまず渋滞する事が無さそうな道なので、本当に箱庭林道を楽しむだけと言えますがね。
無論、舗装路の路盤は良、ダートはやや重という感じでした。これは春の雪解けのシーズンで、絶えず轍が濡れていた印象の為。
夏にはホコリが舞い上がる林道でもあります。突然軽虎が現れたりしますので対向車にはお気を付けて。
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