廃道日記(Riding・Report)

その廃道は、笹藪に埋もれてゆく。
Photo by SJ30v

「羽鳥ブラックホール」
それは、
廃棄された旧林道に生まれた
小さな新宇宙。

通過する総ての物を飲み込む
巨大な穴が初めて観測されてから
8年・・・・。

急速に拡大した宇宙は、
我々の想像を超越した、
「羽鳥超銀河的 
ブラックホール星団」

に深化を遂げていた。





ご使用上の注意!
このデータは、
あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。
走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
大変危険です。
当サイト掲載内容によるいかなる被害も、
当方は保証致しません。



キャプこのContentsは、適当に増殖します。ョン
廃道日記(Riding・Report)014
2012年度版

西部林道 旧道 (西郷村村道 2080号線)


「廃道 どうでしょう」 ええ、パクりですが何か?


●熊笹に囲まれた地獄。

●西部林道(廃道区間)
区間総延長:約2.1Km(全線廃道)

TouringMapple2005.3版に未掲載(正確には表記ミス)
TouringMapple2008.3版に未掲載(正確には表記ミス)
TouringMapple2012.3版に未掲載(正確には表記ミス)
その他の市販地図の一部、グーグル等のWeb地図でも誤記のままである。


概要
 本来釜房・西部林道支線は羽鳥湖スキー場の駐車場下を通り抜けてゆく林道であった。
 そう、
マップルは正解なのである。だが、現実にこの道は使われておらず、営林署は通行止めにしているのだ。
 平成元年前後に羽鳥湖スキー場が改修・拡張され、いままで山だった部分が駐車場になると、林道は駐車場の方にも接続される事となる。
 スキー場も林道も管理者が同じなのか!?(持主は西郷村?)と思うウチ、いつしか林道はすげ替えられ、路盤整備もスキー場側から、とスリ替えられてし


04'羽鳥湖スキー場入口の看板。
手前に橋があり、その左手に旧道がある。



舗装が途切れた先は普通の林道の様だが・・・
写真は08’


まったのだ。
記憶が正しければ、2002年頃には通行止めだったような・・・?
しかもスキー場からだと
約3分で通過できる。



これが「西部林道廃道区間」である。


 この林道の最大の特徴は「まだ、ツーリングマップルほかでも現役林道」であり、尚かつ、全くオススメ出来ないのに「オススメ表示」である事。
しかも、当初西部林道と表示されたマップルのこの区間が、実は林道ではなく
「西郷村 村道2080号線」である事。(重複区間である/追記12'8)
 林道途中に
巨大な穴が空く形で路面が流失し、転落=即脱出不能であること。
それ故
「林道ブラックホール」と呼ばれるのだ。
羽鳥高原に広がる西部、奥西部林道は普通の林道なのだが・・・・。
ここだけは在る意味
「甲子よりアツい!!?」村道(林道?)なのである。


●閲覧上のご注意と警告●
掲載した写真は「2004年」「2008年」バージョンを混合して道路順に掲示してます。

今回の2012Ver では
ほぼ通行が不可能な状態ですので
その点ご留意願います。
荒廃の酷さに写真撮影が困難であったとお考え下さい。
また、閲覧後に現地で起こる事柄に、当方は一切関知致しません。
自己責任で対応願います。
m(_ _;)m

写真凡例
コメント文字色/Orange=04'Ver
コメント文字色/Red=08'Ver
コメント文字色/White=12'Ver


では、逝ってみよう。
覚悟はいいか?!

 林道は最初こそ普通だが、スキー場の水源施設を通過すると、突然荒れ始める。
 基本的に08'は前回よりHBH(羽鳥ブラックホール)までは比較的楽になっていた。
 というのも、既に元の路面はあらかた流され、むしろフラット化していた為である。無論林道レベルを遙かに超越した大銀河的荒れ放題ではあるが、取り敢えず08'甲子林道レベルである。

 無論、秋のこの頃ではあるから、落ち葉の踏み抜きは厳禁である。
 十中八九深さ40センチクラスの小沢がカモフラージュされているからだ。
 幸いなのは、笹地獄に入る手前まではまだ日の光が当たるせいか?比較的路面状況が良い部分(道路真ん中のヤマ部分?)がある様だ。

 
ところが!!!
 12'は前回と違ってHBH
(羽鳥ブラックホール)手前から洗掘が始まっていたのだ!
 そしていよいよ林道幅が狭まると、早速ヤツが現れたのだ!



林道の最初はフラットダート。


500m辺り。奥に見える道なりヘアピンを左に
曲がるとスキー場の水道施設がある。



なんだコレは・・・?


 2011年秋、あの会津線に打撃を与えた「平成23年7月新潟・福島豪雨」の際に,この原型が作られたと見られる。
 只見に一日300mmの雨を降らせた集中豪雨は、この羽鳥でも相当荒れ狂ったと思われる。その為、道路敷きの砂利が総て押し流され、その下の赤土の岩盤が露出したのだ。

 その後も昨年末までに気候不安定に伴うゲリラ豪雨が頻発、冬の積雪と春先の融雪に伴う多量の水の流れは、今年春までに洗掘化を押し進めていた様だ。上のスキー場の斜面を掛け下った水がそのまま道路に流れ込み,排水能力がほぼ無くなった道路をそのまま駆け下る典型的な路盤流失である。
 途中に2カ所存在した林道を横切る側溝は無惨に埋まっていた。


さっき洗掘の上流?部分。
水源は雨だけだが、道全体が川の様になった痕跡が有る。


初めて現れたブラックホール(原型は左下の写真)は収束気味だ。
ここは2008年前後にジムニーなどの通過の為に
仮設のフタ
(ひとつ手前の側溝のフタ)で橋渡しされている。無論乗っては危険だ。


 路面流失が収まりを見せた頃、羽鳥ブラックホール(HBH)と銘打った最初の巨大洗掘が現れた。道路を横断する側溝が洗掘した場所だ。


ちょっと待て!聞いてねーよ
なんだ
あの穴みたいなの!
(へなりさん調に読む/04'当時)

すぐに次のBHが現れる。



ここも洗掘が進み、路肩は完全に崩壊した。
側溝がダムの役目をして、濁流をコーナーの外に出している。



 ジムニストらによって掛けられた橋(側溝のフタ)で辛うじて車幅が確保されたBHだが、相変わらず開口約1m、深さも1m以上ある大穴を誇る。側溝の下もすっかりもぎ取られ側溝崩落も時間の問題と言われながら、はや5年が経過した。


ダムの様に残った側溝がいい角度で道路の外側に水を流す。大量の雨水で路肩は流失。まるで滝の様相。

 ホッとしたのはホントにここだけだった。この後、もはやこの道が沢となった証拠を見せつけられる。
 次の側溝もその手前が大きく毟り取られ、HBH化が始まっていた。
コーナーの真ん中にある側溝が功を奏し、濁流は側溝本体がダムとなってコーナー外側にある2m下の沢に水を落としていた。ここからほぼ最後まで洗掘だらけの沢登りとなる。
前回、Kon氏と彷徨った笹薮区間は洗掘区間となって襲いかかる。
 ほぼ擂鉢状に抉れてカントの付いた路盤はモトクロスなどの競技用タイヤ以外を受け付けない。ニコTは空気圧0.8のツーリスト110が食い付き、何とか登って行く。
路盤に既に砂利はなく、小型のBH予備軍が次々に生まれて行く洗掘が、時には二条ほど出て来る。
どう走っても何処かで必ず洗掘を跨がなければ遡上が出来ないのだ。


この先洗掘は左側!
洗掘の角度が浅いここで,対岸に渡る。
道がまだ路肩に20センチ程残っている。


いよいよ熊笹区間、写真だけ見ると沢の源流の様にしか見えない。
なんじゃこりゃ~~~!?!

ジムニーがギリギリ入らないBH。中途半端に落ちる事は死を意味する。


 この区間では最初のBHを遥かに凌ぐ、超巨大BHが幾つも生まれていたのだ。写真のBHは開口縦2m横1.2m、深さも2m以上在る。
まさに
「車も飲み込まれる」BH
である。
 
逆進入すると下り坂で笹薮の視界不良が重なってまず間違いなく転落するだろう。
自力脱出は不可、
リカバリーにはウインチ車が必要不可欠だ。
 バイクは比較的浅い位置でスキー場側の僅かに残った路肩から逝けそうだが、笹薮区間はその西側の路肩もかなり流失しており、事実上の
「廃道一本橋」と化してる。
 洗掘も
かなりの深さで黙ってアクスルより10cm以上深いのがアタリマエ、法面で滑って落ちれば、まず自力脱出は困難を極めるだろう。


別なBH
写真左のヤブに突っ込んで越える。
思い羽音と共にクマバチが哨戒飛行をしている。



洗掘3条痕?両脇,真ん中と洗掘があるが左右がかなりの深さだ。


あまりの振動に落とし物。枯れ沢の様相である。


 伝説の"羽鳥ブラックホール"は今や「羽鳥大銀河ブラックホール星団」と言える、想像を絶する超壊滅的BH多発地帯に深化したのだ。

 そして、意図的に放棄された旧道故に、その深化は誰にも留める事は不可能な状態である。

 
このBH多発には一つ背景があると思う。
 
この区間の直上にあるスキー場の駐車場の終端がこの笹薮区間の上の位置であり、駐車場は末端が低い水はけを考慮した地形の為、その排水が一気に下の林道に流れるのだ。
 つまり、排水設備らしいものは殆ど無い広大な駐車場の雨水は、そのまま
林道に流れ込む構造なのだ。
 ゲリラ豪雨による、まさに降って湧

後日、単独で車でも様子見に来たが、
逆進入でも最初のBHまで辿り着けない。

いた大量の雨はこうして林道に集約さ
れ、路盤流失を引き起こしたと考えられる。
 
笹薮区間を抜けると同時に廃道区間は終了し、道は現道に復帰する。



ようやく脱出!!(T^T)!
道は一本しか見えない、鴨?


調査日(12/07/22)の状況:

 前回08'のレポートの書き込みに、
"
笹地獄の本領は、好天が続いても道路に日が当たらずいつでもマディ
しかも豪華広葉樹の落葉トッピング
頼んで無いけど特盛りつゆだくなのだ。"
という謳い文句があります。
この
事象が突き詰められるとこうなる、という結果を初めて目の当たりにしました。 
 言う迄もなく単独の突入は自殺行為です。特にHBH群より先は、全く予断を許しません。もうご利用なさる通行車は7月にもかかわらず皆無と見ました、トレッドパターン0台。

 現場では営林署の通行止め看板がついに紛失し、スキー場側から入り放題になっていますが、
確実に罠ですので決して振り向かずにお願いします。
 また、反対側の鎌房/白河方面からはまずそこに道が在るとは思えずスルーと思いますが、
決して探したりしないで下さい。
 遭難しても、当方は一切責任を負いませんので、廃。




沢沿いに捨てられたかの様にあった通行止め看板。
今回は発見出来なかった。