林道日記(OFF-ROAD・DIARY)



ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。


キャプこのContentsは、適当に増殖します。ョン
林道日記(OFF-ROAD・DIARY)005

原町の林道群は変化にあふれる。森林鉄道を基盤に派生した林道が主軸である。
写真は冬佳林道尾根沿い部分。晴れた日には太平洋を望む。
Photo:0703



●これは一種のタイムカプセ ル!?原町・浪江の周辺林道群
  川俣・原町・浪江を軸とした広域三角地帯には、地元の方が芋煮会に来る程の美しい渓流美を備えた林道が幾つか存在する。
 南相馬市(旧原町市)の野手上・高ノ倉・横川ダムを結ぶ「林道黄金の三角地帯」に走る林道群は個性的だ。
 近年は道路開発と林道舗装化が進み、数は減少しつつあるものの、林道の一部が「原町森林鉄道」の軌道跡であるこの林道群には、まだまだ未確認、未踏破の林道が溢れている。
 江戸時代、相馬中村藩御用達の森林は斧を入れる事を赦さず、明治期に本格的な開発が始まった。
 御影石などの石材や鉄などの鉱物資源、建築材や燃料・パルプ原材としての森林資源が明治・大正・昭和初/中期の日本を支えていた、いわば産業の原点ともいえる森林地帯だ。
 その開発の歴史の澱として、現在の林道群は存在するのである。
 特に若葉鮮やかな早春・紅葉の絨毯が敷き詰められる晩秋・初冬には、ぜひ走っておきたい林道だ。

 尚、紹介する林道の中には廃道や山道、電力管理の道路もあるので、林道に限らず、十分安全に留意して通行して頂きたい。


県道12号線側入口。看板側に入口がある。
Photo:0507


回転場?土場?の奥に山に向かう道がある。
実はこれ、旧県道12号線なのだ。
旧道は生涯未舗装であった。


林道は直角コーナーを介して冬住林道ゲートに向かう。
じゃなくて、ここはT字路。
直進は旧県道12号八木沢峠、右折が冬住林道なのだよ明智君。


●冬住(ふゆずみ)林道
区間総延長:約4Km(全線未舗装)
(掲載時名称:冬佳(とうけ)林道)
概要
 冬住林道は県道川俣原町線の矢木沢峠に出入り口側がある林道である。


しかし、やはり冬「佳」林道と読める入口の標柱。「、」には見えない。
実際には「冬住林道」である。
Photo:0703
 
 部落から徐々にアップダウンを繰り返して尾根づたいに進んだ林道は、途中助常林道の支線に接続し、原町森林鉄道ゆかりの新田川周辺の助常林道本線に繋がり、峠を越えるとやがて県道62号線に合流してゆく。

 今回、リンク先の「林道への案内板」BBS上でまず林道名称のご指摘があり、実際に逝ってみるとそこには無数の聞き慣れない林道が犇めき合う、スゴいトコだったのである。

TouringMapple2005.3版に一部路線のみ掲載(林道表記なし)冬佳線は伐採林道のため部分点線表記。
地図によってはこの2本が繋がっていない場合もある。



直進・・・て?
実は廃県道?12号線旧八木沢峠


右折、つーか普通右コーナー、冬住林道。
Photo:0507


冬佳?住?林道終点?もはや読めません。
Photo:0507



冬住側のゲートは地元の人が入山していると開いてる場合がある。
MRが行くと、大抵閉まっているが(爆


TouringMapple2008.1版未掲載。
 
では、実際に走ってみよう。
 常磐道延伸誘致の看板が目印となる入口はバスが回頭できる程広く、林業関係者の車両置き場を兼ねるようだ。
 その空き地の奥に山なりに進む道と下って部落に向かう道があるが、無論山なり直進である。やがて不自然に右コーナーと冬住林道の標柱やゲートが現れるが、実はここはT字路で、直進は県道12号八木沢峠の入口である。
(八木沢峠を見る)ゲートは基本通年封鎖であるがバイクは通れる様だ。

 毎年、新年度になると道路補修を行うようで、暫くは良く整備された路面状況だが、基本的に伐採道の集合体のような道なので、突然の直角コーナーやむやみにアップダウンの在るルートが面白い。また入口の旧八木沢峠の道筋の様に、直角コーナーと見せかけて実は直進路も廃林道や伐採道の入口である事も多い。
 林道の途中には、近年新たに設置された「水源かんよう保安林」の標識と共に営林署の作業小屋もある。
 驚いたのは、この標識にある林道の大半が自主的廃道化事業の最中であるコトだろう(爆


まるでカタログのような林道の風景にダマされては逝けない(笑w

 さて、林道として開発された道は荒れていても基本的に均一の道幅が確保されているものだ。一方、伐採道や作業道はそもそも有り得ない経線や勾配でキャタピラー車などしか入る事が出来ない状況だ。この原町の林道群は、実際にはその場限りの伐採道ではなく、キチンと路盤補強のある林道の形なのである。
 勿論、廃道なので結果は同じなのだが、林道となれば管理省庁や県・市町村等に籍があり、事業計画と共に予算がついた道路と言える訳で、伐採道が何処まで往っても「工事道路」であるのに対し、林道は一応「公道」(実際には作業道で立ち入り制限があっても)なのだ。私達のような一般人が出入り可能となると認識している次第である。

何気ない右コーナー。アウト側に空き地。


最初は土場かとも思ったが、様子を見てみると・・・。


廃林道なのだ。地図にも点線で描かれる。
こういったかつての林道が縦横に走る。


本道の方は長くアップダウンの激しい。


営林署の山小屋前は
実は十字路である。
写真奥のサミットには右(北)に向かう廃林道。TTR手前から左奥に道筋が在る。
そして地図標識!


バラ坂林道に行ってみる。

パッと見判りにくいが実はこの辺の林道はあらかた表記されている。
県道12号八木沢峠の南側には、冬住林道・太古林道・バラ沢林道
橋場冬住線・助常(沼ノ平)林道・沼ノ平支線などが描かれる。


トップの尾根沿いルート、アップダウンもかなりあるが思い切って開けてゆく。


 また林道に寄り添うように電力の高架送電線があり、電力の鉄塔管理道が旧来の伐採林道と絡み合う状態である。これが林道ラビリンスに拍車を掛けていると言っても過言はない。
 矢木沢側から入ると天気がよい日は相馬・原町・浪江沖の太平洋が望める尾根沿いのルートもある。秋には台風通過後にガリガリ荒れるので、その頃も面白そう。
その後、林道は徐々に尾根を下ってゆく。反復するかのような直角コーナーを幾つか繋いで、やがて逆Y字の分岐路に出る。かつては鬱蒼と茂る杉の造林と雑木林の分かれ目だったが、いつの間にか杉林は切り出され、広く青い空の下に本来の地形と電力の高圧鉄塔がすっくと立ち上がっていた。



電力管理道だ!(覗いてみる)。


 特に何もないが、
恐らくここが冬住林道の終点と思われる。

 南に下るのは多分助常林道、Y字をヘアピンに曲がるように北に向かうのはバラ沢林道である。

 調査日(03/5/18)の状況:
 路面状況は「普通」で通行可能でした。相変わらず助常林道支線が少々荒れ気味な程度。近くに手頃なスタンドはないので給油は確実に。

 地元の方が曜日を問わず入山するので、山菜採りの2GBには要注意である。また晩秋、初春には腐葉土確保のための軽トラックが出没する。
 また余談ながら、腕に覚えのある方は冬にスノーアタックや多くの廃林道アタックも可能なルートでもある。

 調査日(06/3/5)の状況:
 気にも留めなかった森林鉄道という観点から林道を見ると、新田川沿いの軌道跡は傾斜が均一に緩やかに取られている事が伺える。一方前後の起点・終点の山越えはいかにも自動車道路らしい経線を見せる。
 切り口を変えて事象を見ることがいかに大切か?改めて考えさせられる林道である。


冬住林道の終点と思われる尾根の土間。 Photo:0507


冬住の分と思われる林道距離柱、助常側には見当たらない。


冬住林道終点。同時に助常林道終点(仮称)バラ沢林道終点でもある。
写真は助常(南)から撮影。左端が今来た冬住林道、真ん中がバラ沢林道だ。

実際には写真肥左が冬住林道(終点)直進がそのまま助常林道本線であり、
600m程先の
土場で終点と成る。
その土場が、そのままバラ坂林道の終点と思われる。

2014.6月探索、2015追記。


 調査日(08/11)の状況:
 原町森林鉄道という観点から林道を見る様になって3年、この冬住林道に限れば、鉄道とは直接関係が無いような物件である。
 昭和37年以降に出来た道路専用の造りであり、林鉄由来となれば、むしろ県道12号沿いの太古林道やバラ沢林道の方が怪しい程だ。
 例の地図を見る限り、双方ともかつては冬住林道と繋がっていたのはほぼ間違いがない。
 十数年前に初めてここを走った時より林道はより林道らしくなってきた。
 喜ぶべき事なのだろうが、やはり林道には「危なっかしい」所も欲しいと思う、そんな贅沢な林道になってしまったのかもしれない。


大昔、あの鉄塔までバイクで登った人を
見かけた事がある。
て・・・
階段あるじゃん!!