廃道日記(Riding・Report)



卒塔婆峠で、廃道祭り。




廃道日記 28-2「Revenge! 卒塔婆峠」


13人の落ち武者が
村人に狩られてしまった山
「クビカケの森」。


阿武隈
山系は
低い山が連なる山脈なので、
入り組んだ沢に迷い込むと進退窮まる。

塩の道を
峠の尾根沿いに造る相馬藩の手法は、
現在の登山の原理そのものである。

きっと、
巧みに沢に筋にと追い込まれ、
村人の手にかかったのであろう
落ち武者達。

その魔の山の懐に、
今、俺達は居た。





ご使用上の注意!
このデータは、
あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。
走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
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当サイト掲載内容によるいかなる被害も、
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参考文献一覧

著者、編纂

製作、発行年

福島縣道路改盤沿革概要

福島県

福島県 昭和3年

塩の道を行く

朝日新聞福島支局 編

歴史春秋社 昭和60年

「歴史の道」
 相馬街道(奥州西街道)中村ー本宮

福島県教育委員会

福島県教育委員会
 平成17年10月

 明治12年に信夫郡瀬ノ上村起点から伊達郡保原村と掛田村を経て相馬郡中村に繋がるルートとされ、同年をもって縣道2等線に仮指定をしている相馬中村街道。
 明治9年に着任した某鬼県令は 明治18年、相馬中村街道は県庁から分岐する渡利、大波
(里道から改良を持って)経由の路線に再び換線した。


今回のルートマップ。玉野から中村(新田川)まで、全長は結構ある。
1)ルートは道をロスト。現在2)のB)区間の卒塔婆峠付近。

オレンジの線は2011年探査時の通過ルート。午前中には2)区間すべてを走破する予定。


 この決定は当時信夫郡の名士を自認していた保原・川俣の郡長や三役を唸らせ、彼等は県道指定を外れた後も旧道に改良を加え続け、縣に是正を求めていた。

 長い争乱の末、結局縣道は大正8年に縣道福島中村線として渡利、大波経由のルートが再度申請された。

 
再三揉めた縣道指定、決着が付いたのが大正9年と言うから県と信夫郡は35年も綱引きがあったと思われる。しかもきっかけとなった当時の県令三島閣下も明治21年に死去していたのだ。
 そして、杉林から境界ルートにスイッチする瞬間が林道との交差点と思われた所は、ついに見付けられなかったのである。

今回のルートは
TouringMapple2012.3版に一部掲載(点線表記、部分的に表記なし)。



立入禁止区域の外苑。
背徳の峠だ。
(Photo:2011.4)


「スタンド埋まった」
何故か力尽きたWR250F。


 ジャングル戦線。

 と言うより交差点を見付けられぬまま、道は様々な理由で何カ所も分断していたのだ。
 その最大の理由は
廃止されてからの時間経過である。いかに踏みしめられようとも、昭和初期に放棄された街道は、ざっと70余年りの時間経過を受け、道を森に戻してしまったのである。


「下見て来ます?」
先遣隊はおぉじぃ氏、手前のセローはS老師


「下はダメだよ」
フカフカでモトクロスタイヤでは掘るよ。


「誰か切ってる!」「あ,俺!!(爆
09年のままなのか?(笑w。


本来の道幅は法面の崩落によってなだらかな地形に変化していた。
「そこに倒木だよ」流石に難易度が高い


根性入れて切れ!。


そして突破!3倍のスピードで。


 一度は通過したことがあるS老師とBS師匠がそれぞれに自分の記憶と方向、山並みを確認しながら進む事となり、加えて春先とは言え、昨年全く手が入って居ない所の藪は想像を絶する深さと思えた。

 そして、倒木、路盤欠損、激薮と障害物のハードルは放射能値と共に高く跳ね上がり、T師匠の高笑い?と呼応して騎馬隊の前進スピードは遅くなる。
何だか道が無くなると嬉しそうなT師匠。


素晴らしい道幅が残る所も在る。
廃れ具合もいい味だ。




植生の違いが境界の証。写真右側が南相馬、左が霊山玉野中井塚。
道沿い正面東方向が新宿(新駅)方面のハズ。



 MRが写真を撮影している間に騎馬隊と離れる。あわててMRが薮に飛び込むとそこは湿地帯。薮はそれ自体直角コーナーで、MRは解らず直進したのだ。
 転倒こそ無い物の足下はテロテロズブズブの泥沼、焦って何とか道に戻ると、またしても擂鉢状のVターンでおぉじぃ氏がハマって動けない。先程よりもミニマムだが、もがくそばから転倒。後方3人掛かりで救助となる。
 お次は擂り鉢状の路盤流失の前後に倒木などというイヤらしい場面に、
必殺の"鋸"が登場する
というか、
参加者全員がナタやノコギリ持っているところは流石だ。
 倒木を切らずに擂り鉢の下を走る案も出たが、前回やって脱出不能に陥ったらしく、そのルートはT老師が却下する。
 その後もV字枯れ沢や倒木が繰り返し襲ってくるが、やはり平坦地や浅い掘り割りなどが最も雑木林化が進み、まるでだまし絵のようにS老師らを幻惑させる原因となっていた。

 道は再び尾根沿い南側ルート路なる。
卒塔婆峠の本当のピークを過ぎると、道は完全に森の一部となり、この次期以外の人間の立ち入りを拒絶するかのような凄まじい薮の残骸で、かつての道は埋め尽くされた森の仮面を被ってそこに佇んでいた。

 もはやここは林道跡でもなく街道跡ですらない"阿武隈の森"に戻ってしまっていた。

 唯一、道と分かる場所は、即ち町境であり植林の境でもあった。同じ原町営林署管轄ながら、町営の森は相馬、南相馬、霊山玉野らのグループがそれぞれに営林組合を持って森を管理している。


道はやがて登り始め、沢の様相となり
体積した腐葉土と格闘して走る事となる。
倒木を何本か潜る。



三度目のちいさな峠を越える。
「いい香り」RMXの廃気煙にソソられてしまふ。


ジャングルだ。道が不鮮明となる。
だが植生からして道はここしかないだろう。



道だけど・・・
倒木祭り開催中!。



トツゲキ!!。うりゃうりゃ〜!。


ああっ!。
「結構登るよな?」「こんなに登るとはおもわなかった」冷静に判断されてます。


スゲえ、専用の金具で吊っているゼ。

その為、北側に植林、南側に雑木林というパターンが多かった。
緩やかな坂を降りる。
  暫く町境を東に向かって走ると、道は再び浅い掘り割りとともに、その先で三たび尾根沿い南側を走るルートとなっていた。浅い掘り割りが断続的に進み、また少し標高を落とすと、南斜面で倒木の嵐に巡り会う。



どっちを越えよう?根元か先か?。
その先でもおぉじぃ氏が思案中。



見事な落葉が情緒を醸す二等仮定縣道/街道跡。

 
 騎馬隊は可能な限り倒木には手を付けず、それ以外のあらゆる鞜破手段を検討し、実行してゆく。
 時には乗り越え、時には高巻きして倒木をやり過ごす。
 先程の擂鉢状のコーナーで倒木などという逃げ場がどうしてもない場合以外は、落ちている物にタイヤは掛けても手を掛けはしない潔さがある。

 南斜面の倒木祭りで流石のBS師匠もリアウインカーレンズを無くす。彼も今の所転倒は無い様(実は転倒していたがリカバが早くMRは確認していない)だが、すでにその手前で外れていたのかもしれない。


実は浅い掘り割りに横一文字の倒木。
SD氏がルート判断ミスで立ち往生する。
わからねぇよな、普通。


腰まである熊笹の海が広がる。山陰からして、そろそろ新駅部落か?。
放射能残留値は高そうだ?(笑w
いや、笑い事ではないんだがな、笑うしかないだろう?今更。



 厭味な程に等間隔に倒れた倒木を高巻きしたり根元から越えたりする。唯一虎タイヤのMRの269改も赤土の斜面を駆け上がるが、バイクに乗り手が付いて逝かず、4度目の転倒。でも本当にタイヤに助けられて、こんなハードなのに転倒は極端に少ない。

 先頭のS老師とBS師匠、殿のMRのお守り役を買って出てくれたT師匠らがノーミスだろうか?。
 
それにしても、それらしい合流点などは見当たらない。
 
現時点で卒塔婆峠の向かいの空き地が道っポイとか、尾根別れがそのまま道っポイとか、それらしい痕跡めいた物はあったが、分岐と断定出来る物は無い。
村人に騙されたか?>俺。


倒木に足跡。一人だけ真ん中越え。
残り全員が写真左の根岸から越え・・・。
「ダレ?」


Q;街道?縣道?何処ですか?という状態だわな。



A:ここは段差越えがありつつ緩やかな右コーナー?。


 迷走遊戯 7

 騙し絵状態の林を縫って、先頭の2トップとなったS老師とBS師匠が停車し現状を確認する場面が増えてくる。しかし、一度迷いが生じると伝播するのか?それまで水を得た魚の様に廃道を泳いでいた騎馬武者達の判断も鈍り、思わぬ所でイージーミスが続いているのかもしれない。
 もう何度目のなのか?の浅い掘り割りは倒木祭り。すかさず騎馬隊が左右に分かれるがSD氏が行き場を見失う。
  その先は再び延々の熊笹薮の道が今度は尾根線の北側に続く。熊笹の中に中途半端に倒木が在ってイキナリびっくりする。
 突然、SD氏がまるで見えない手に首を掴まれ、後ろに引き抜かれる様に転倒。幸い距離が在りT師匠RMXの餌食にならないが、何がどうなったのか解らない、まるで時代劇の落馬シーンの様にWR250Fが一人で走って、SD氏の体にハンドルを取られて倒れる。
 その転倒を見て、WRってホントにバランスいいんだなぁ。などと思ってしまう。体に当たらなければそのまま走って行きそうだ。
 T師匠に肩を借りて立ち上がる彼に聞くと、避けたつもりのツタがヘルメットのチンガードに引っかかり、バイクから引きずり降ろされたとの事だ。インパクト溢れる転倒である。

 さらに先の倒木ではおぉじぃ氏がミスルートで木に引っかかる。
 T師匠に手を借りて、脱出。いづれも笑いながら助けてくれるが基本動ける内は手を出さないT師匠。


S老師は、危険を感じた所に自ら立って指導している。流石だ。

 その後、騎馬隊は四度目の掘り割りから小さな峠を越えて再び尾根沿い北側のルートに踊り出る。

 
先頭の足が止まる。
 振り返るとどうやらT字路らしいが、まるでそうは見えない。S老師はここで大方の現在位置が確認出来た様だ。と、おもったらBS師匠に確認をとっている?新旧セローの話がまとまるまでしばし街道上で休憩する。
 
だが、改めてこの時の写真を見ると、雑木林に佇んでいる様にしか見えない。



あやうく絞首刑になりかけたSD氏。
まさに「クビカケの森」の恐怖!


排気煙キター!
この香り、今日も良い日だなァ・・・。


誰かガイドしてる!




S老師も迷う、BS師匠も迷う。ここは何処?元道路なのは間違いないが・・・?。


どう見てもただの窪地なのに・・・?



これがT字路?! 色分けしないと道と解らない。
手前の赤色が今通ってきた道(振り向いて撮影)。

 新駅集落へ。 8

 
そして、二人が判断したルートは、イキナリの街道(または林道?)からの離脱、どう見てもただの斜面を薮に向かってトツゲキという方法だった。
 
一人、また一人とアタリマエの様に薮に消えて逝く面々、MRの方向感覚からすれば、東に進んでいた騎馬隊が急に北に転進したかのようだ。
 おおざっぱな感覚でしかないが、4つ無いし5つの山を越え、そろそろ北の方角に向かわねばならない頃合いなのは確かだが、自分の知る限りこんな直角コーナーのルートではない筈だ。



藪に光学迷彩化してゆくRMX。
藪の中には騎馬隊5台が居る。




道発見?!何処がダヨ。全く足下が解らないが実は元"土場"?
伐採や間伐の端材がゴロゴロしている一大地雷源とも言える。


 そんな事を考えてる内にT師匠の番だ!T師匠は小柄な体を目一杯伸ばして足の長いRMXを精力的に使うタイプであるが、後続確認のため
こちらを振り向く顔はまさに満面の笑みであった。(ホントにいい笑顔だよなァ。)
そして甲高いチャンバーからの排気音と共に脱兎の如くトツゲキ!甘い香りを吹き付ける!

 ままよとばかりに269改を林の道(の跡)から出すと、緩やかな赤土の斜面の先はどう見ても深い薮だ。先を行くT師匠の背中に時折点滅する赤いハザードランプが気味悪い。すると先頭のS老師が薮の中から右側(谷の東側)の山際に駆け上がり、道が無い事を確認して叫んだ。
薮の中に道が無いか?とT師匠に聞いている。
 2Stフルサイズの濃厚な排気音と排気煙を上げてT師匠のRMXが同系色の薮に光学迷彩化してゆく。すぐに道を見付けて(つーか道には見えんぞ、ココ全部)皆を呼び始める。

 ナンだろう?、RMXの甘い排気煙を嗅ぐ度に"今日もいい日と小さな幸せを感じる" MRである。
 現実には密生した薮の中、営林署が放置したであろう間伐の端材にハンドルを取られまくり、やっと前進していたのだが。
 騎馬隊のメンバーもこの放置間伐材には手を焼いていたが、
なんとここでS老師がまさかの転倒。騎馬隊総出でセローを起こして老師が無事立ち上がる。問題はなさそうだ。
 それにしても、S老師は実に普通の格好だ。他のSD氏やT師匠らは、いわゆるオフロードルック(死語、既に埋葬済み)なんだが、師は普段着ポイのである。
 仕事で使う様な濃紺のジャンパーに草臥れたスキー用?のオーバーパンツ。



広大な藪はやがて収束し、足下には1本の林道が
現れる。そしてその道は・・・・。



新宿地区の 新駅集落に出る!!!
赤い矢印の田圃道に出てくる。想定外の位置だった。


 
靴こそFox辺りのConp5ブーツだがグラブはゴルフ用?といういでたちだ。
 アライのシールド型ツーリングヘルメット使用もS老師とMRだけで、他の方はゴーグル派だし、見た目よりコストパフォーマンスと考えるのだろう。

 盛大な薮の谷も、降りて逝くに従って収束し、その先にはあの薮突入直前に分岐していたであろう道に無事合流していた。
 そしてその道は・・・MRの予想を大きく超えて、
新駅集落にある廃れた畜産農家の前に出た。
 出た林道が中井塚林道(仮)と思われ、この後道は市道新宿線(仮)に合流するのだ。

あのコーナーの先で皆さん休んでます。
薮の所は総てかつての田圃だ。


 当日、この最後の部分だけは地図上の出口とも違っている気がした。
 地図ではその200m程西側の営林署詰め所(住民が出た後、営林関係者が事務所替わりに使っていたらしい民家、自宅前の初期型トゥディ放置が目印)のY字路が目標と思われたのだが?。何はともあれ、
これで最大の難関と思われた卒塔婆峠を無事攻略出来たわけだ。
えがった、良がったなス。ありがとう皆さん!


イヤ、肝心の問題が一つ、ついに未解決だよ。
(まあ、問題が一部すり替わっても居るんだが・・・?)

そんな思いで休憩を終えて、騎馬隊と共に新駅を離れるMRであった。


●旧相馬中村街道(部分)
 旧福島縣道二等線
(部分)
@軽井沢林道 本線 起点〜旧道分岐(渡河地点)          :1.6km
@旧道(廃道)
          旧道分岐(渡河地点)〜卒塔婆峠        :2.1km
          卒塔婆峠〜新宿部落(部分林道)        :2.2km
@区間総延長(全線未舗装)                    :5.9km
        (GPSログテータより推算の為、おおよその距離となります)
調査日:12/4/28の状況:
 大変解り難い、ほぼ完璧な廃道(元の森に回帰済み)の為、旧道トレースによる通過は極めて困難です、と言うより出来ません。大人しく来た道をお戻り下さい。
 今回教わったルートも、もう一度行けと言われても行けません。ちゅーか在る意味"逝けちゃう可能性"すらアリ。因にラストの新駅に出る寸前に街道から離れてしまって通過してます。(当日はそれすら解らない程に自然に戻っています)







廃道日記 28-3「Revenge! 卒塔婆峠」




13人の落ち武者が村人に狩られてしまった山
「クビカケの森」。


阿武隈
山系は低い山が連なる山脈なので、入り組んだ沢に迷い込むと進退窮まる。
塩の道を峠の尾根沿いに造る相馬藩の手法は、現在の登山の原理そのものである。
きっと、巧みに沢に筋にと追い込まれ、村人の手にかかったのであろう落ち武者達。

その魔の山の懐に、今、俺達は居た。



今回のルートマップ後半部分、新宿(新駅)から坂下まで。
オレンジの線は2011年探査時の通過ルート。赤が午前中の卒塔婆峠ルート。
新駅区間は車も大丈夫なかつてのメインストリートで、時折廃屋もある。
今回は坂下側の山上にある廃道区間に来訪。こちらは単車のみ通行可となる。



 エピローグ
 
坂下の旧道。
8

 午後の部の解散の後、一人で残りの相馬中村街道を補完すべく、改めて新宿まで逆進入してみた。ルート自体は既にレポ済みである。
 1年振りに見る昭和9年竣工の胴切橋(坂下橋の旧橋)を遠望しつつ、坂下山上地区へ。
見頃となった満開の桜が出迎えてくれたゲート前。S老師達に申し訳なかったかな?と思いつつ、写真に収める。見事だ。


今回のルートは
TouringMapple2010.3版に一部掲載(点線表記、部分的に表記なし)。




街道沿いの元山浄水場。夕日を浴びて咲き誇る桜達、今日も良い日だなァ・・。


ゲートがない!。
水神様のご褒美か?魔の森の思し召しか?

 
山上地区は部落の末端に浄水場が在り、水神様が祭られている。
 江戸三大飢饉以降、相馬、原町に跨る相馬藩では水に対して病的な迄にこだわる。
 旧藩内に多く点在する沼は殆どが人造であり、藩が手厚い保護をして水源となる森を守り、後の飢饉や大戦中の稲作を大いに援護したのである。
 その末裔の一つがこの山上の元山浄水場である。原子力災害以降、一時的に運用が停止していた様だが、嬉しいことに浄水場は満開の桜と共に稼働状態で出迎えてくれた。




ダートのつづら折れの先に!旧街道の入口がある。


旧道上には電柱。このライフラインがある限り、
この道は死なないだろう。


昭和40年代まで使われた道。
時の流れが紡ぎ出す、緩やかな道。



振り向けば、旧道

 そしてご褒美のように、堅く閉ざされ放置プレイだったゲートは跡形もなく、269改はフリーでダートに突入した

 昨年確認した区間は健在だった。
 例の分岐から旧道に入る。
 初めての時は T63のタイヤと言うこともあって下りのみだったが、今日は虎廃仕様なので登ってみる。
 思った通りに食い付きが良くスルスルと登ってゆく。

 夕暮れの廃道は早春の香りで雑草も少なく、いまだ雰囲気を残す良い状態で居てくれた。



自己再生する森、抗う道。限りなく自然に近い、人工。


大所帯で楽しく走る廃道も良いが、やはり一人で思いのままに走るのも魅力的だ。

 一度通過の経験があると、安心感も別格である、が、無論油断は禁物だ。
 倒木をかわして写真を撮り、を繰り返してあっという間に現道と合流する。やっぱり高低差がけっこうあるな?と思って気が付いた。

 
成る程、「坂下」「山上(神?)」の地名由来はその辺か?と。




最後のヘアピンを駆け上がる。いいね、このうねり具合。


廃コンパクト!このサイズとなると小型車以外は曲がれないな。
小型オート三輪なら余裕で曲がれるかも?


緑の光に満ちた旧道。

 
その後、例の如く旧県道を繋いで逆走、例の祠から市道新宿線と解れ再び旧縣道/街道に入り、午前中の休憩場所である新駅に到着した。
 時計は4時を廻り、MRは休憩無しに集落跡を後にして、仮称中井塚林道を下り、国道115号線に合流、無事帰路に就いた。

確認検証に来なければ!
 取り合えす今は、家に向かってスロットルを開けていった。



現道に合流する!夕日と共に今日の所は引き上げだ。


●旧相馬中村街道(部分)
 旧福島縣道二等線
(部分)
@中井塚林道(仮称) 中井塚〜新駅峠(仮称)            :2.7km
@市道新宿線(仮称)
          元山浄水場ゲート〜新駅十字路(旧道入口)   :4.2km
          新宿/新駅十字路〜新宿部落東Y字路(旧縣道区間):0.8km
          新駅部落東Y字路〜中井塚峠(仮称)       :0.6km
@区間総延長(全線未舗装、実地走行可能区間)           :8.3km

@廃道区間(TTR250改)                      :0.5km
 
調査日:11/1/16の状況:
 車の場合、通行は可能ですが厳重なゲート設置のため、通過は出来ません。大人しく来た道をお戻り下さい。
 新宿部落から麓の山上地区ゲート手前までは、全線未舗装です。


調査日:12/4/29の状況:
 あの厳重なゲート設置が解放でした。ここがネックなので、
入れれば中井塚林道経由で国道115号線に出られますから取り敢えず大丈夫。基本全線普通ダートです。
現時点でのゲートがその後行ってないので不明。閉まっていたら大人しく来た道をお戻り下さい。スイマセンm(_ _;)m

 その後、旧道がさらに2カ所在る事が解りましたが激烈な薮の残骸が相当深く、断念(爆!。電波塔も同様で断念しました(自爆。



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