林道日記(OFF-ROAD・DIARY)

ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。


死闘を演じた橲原地区。
ふるさと林道栃窪橲原(とちくぼじさはら)線から更に続いてゆく!

キャプこのContentsは、適当に増殖します。ション
林道日記(OFF-ROAD・DIARY)058


●繋がる南相馬林道行脚。

ふるさと林道に隣接する終点標柱。裏に「延長5086.0米 幅員3.6米」とある。

 
橲原地区・・・まさかこれ程通い詰める事になろうとは、当初全く予想がなかった。森林鉄道の跡地である助常新田川冬住林道と、旧八木沢峠から始まる県道12号線の沿線を訪ね歩く内に見付けた林道である。
 
そもそもこの地区が、江戸時代から抜け荷と称する裏街道の里道で在った事、林業の盛んな地区で森林鉄道廃止前後のモータリゼーションから急速に伐採道の普及が進んだ事・・・。


橲原地区から峠を登り詰めると、林道の終点がある。何げに通り過ぎそうだ。


林道は180°ターンして現ふるさと林道と並ぶ。
林道らしくダートに変身。



眼下を走るふるさと林道の名もない峠。
地図上ではここが標高192mのふるさと林道の最高点である。


 それらが混然一体となって、
橲原地区は一種の「営林ハブ」的位置付けとなるのだろうか?
 今回、塩の道を追って行くにあたり、平行して北上する林道を走って行くと、いつしか舞台は原町から相馬に入ろうとしていた。

TouringMapple2005.3版は林道表記。
民有林林道 落葉松線
区間総延長:5.9Km
  未舗装区間:約5.5Km
  舗装区間 :約0.4Km
概要
 名前からして?が点滅している。
「松
は針葉樹なので落葉しないのではないか?」と思わず考えた。
それとも「雑木林と言えない事情」でもあるのかと思わず勘ぐりたくなる路線名だ。
 概要としては、
橲原地区の峠から県道34号相馬浪江線に接続する林道である。支線と思わしき枝道があり、同じ橲原地区に繋がっている。
 途中に水神様を祭った溜池が複数あることから、かつての相馬中村藩の時代から道があったと思われる。


沢側に一部路肩の不安定な所がある。

では、いってみよう。
 ふるさと林道栃窪
橲原線の最標高地点から分岐する林道には「終点」と銘打たれ、思わず起点は何処かと聖書TMを手繰るとどうやら繋がっているようなので突入してみる。
 一時ふるさと林道と並んだ
落葉松線は、つづら折れを繰り返してひとしきり登ると、沢に沿って下り始める。


この林道は終点からだと東に向かって走るが、
最初はヘアピンと直線でさらに標高を上げる。


下りに転じると最初こそコーナーがきつい。
排水設備はちゃんとしている。


林道は東の大日川に向かって注ぐ支流づたいに
進んでゆく。


「いい感じだ」
緩やかなコーナーと見通しのよいフラットダート、下りでも安心して走れる。


 植生も最初は雑木林だが沢が形を成す頃には造林の杉林となる。しかし名前のような松林は走れど進めど現れない。(笑w
 全長約6Kmの林道の内、西側約1K程がスカイラインで、あとは沢沿いの坂道である。
 残り約5Kmに大きなヘアピンなどはなく小刻みなコーナーが大半で、地図を見直すとほぼ一直線と言っても差し支えないハイスピードコースと言えるだろう。路面自体も終始フラットダートである。


時折橋がある。枝沢を跨いでいるのだが欄干がないと判断できない程に風景に溶け込んでいる。



溜池に向かって唯一大きく蛇行する林道。路面がいいのでペースを落とさず曲がる。


 
(!o!)オオ!、明るく開けてきたな!と思ったら、名も知らぬ比較的大きめな溜池だった。

溜池はこの地方に大変多い。
 
江戸三大飢饉と言われる亨保・天明・天保には大量の餓死者が発生し、一部では人肉を食べる輩も居た(八木沢峠墓碑による)と言われる。約9万人に達していた相馬藩の人口は天明・天保の飢饉の後に3万2千人にまで激減したといわれる。
 事態を憂慮した相馬中村藩が推進したのが二宮尊徳が提唱する興国安民法、相馬藩で言う
「御仕法」だ。
(詳しくは相馬市HP参照)


一瞬、「田圃か?」と思ったが・・・。



「溜池か?」防提の奥に水神様が祭られていた。


 
そしてより多くの水を貯める為、人は山奥まで道を造り、多くの溜池を残したのである。この溜池も「御仕法」事業の一環で藩内には実に692箇所の溜池・用水池があるのだ。
 江戸時代の開墾にのみならず、昭和に米の大増産が開始されると、この溜池の水が田園を潤してゆくのだ。
まさに先人の遺業と言えよう。


東北電力相馬線の送電鉄塔を示す案内板。晩秋早春は楽しそうだ。


溜池から流れる「川」を跨いで林道が逝く。


ん?何か建ってる?。


「枝道がある!」聖書TMには点線表記だが、果たして・・・?。
因みに本道は写真右奥から手前へ。

そして、T字路を左に!「林道は続く!」

ここから沢は川に変わり、立派なコンクリート製の橋で林道は川を渡ってゆく。
 と思ったらすぐにY字路が現れ、左に沢沿いに進むのが本道、右に再び山を登るのが枝林道のようだ。
路傍の標柱には「民有林林道
橲原小山田線」と書いてある。
元の部落に戻れる林道がある。
さらに枝も?

 本道をさらに下ると。突然視界がひらける。木造の建物は温泉のようだ。
成る程、玄関に「べこ湯」と書いてある。
 振り返ると、鹿島町教育委員会が設置した史跡の標柱に「女牛湯(べこゆ)」とある。この温泉から舗装で、すぐ先の橋の袂にあるT字路に落葉松線の起点標柱を確認した。
 後日、この温泉を検索すると
「山荘旅館 鉱泉べこ湯」としてHPがありました・・・。
http://bekoyu.net/
え、ご主人がオフBライ持ってて、レンタルのオフ車がある?
これは入浴に逝かなければ!



相変わらずの橋だ。名もない沢を越える。


後から排水設備が追加されている。
例のゴム製の奴だ。


どうやら小山田に出たみたい・・・?。



山荘旅館 鉱泉「べこ湯」
チラリと見たガレージにはカモシカが数匹・・・?(無論山羽製のやつ)


調査日(09/6/15)の状況:
 路面状況は優良。見事なまでにフラットダートですね。細かく言えば溜池から西は比較的砂利っポイ?東は時期によって若干排水が悪そう?な程度です。べこ湯は来訪が早朝7時頃だったので入浴してません。


水神様として祭られている源泉「女牛湯(べいこ湯)」。
旧鹿島町文化愛好会が建てた標柱がある。


振り返ると標柱?紫陽花がいい味出してました。


T字路がある。バイクの横に起点標柱。

キャプこのContentsは、適当に増殖します。ション
林道日記(OFF-ROAD・DIARY)058-2



先程の右に出ているT字路を見る。
「逝けるのか?」


橋にはバッチリ水たまり。


橋にはバッチリ水たまり。


良いあんばいの林道となる。
ダブルトラックがいい味だ。


●繋がる南相馬林道行脚。
民有林林道 橲原小山田線
区間総延長:4Km
  未舗装区間:約3.7Km
  舗装区間 :約0.3Km
概要
 現地の道標を見ると
橲原小山田線はこの分岐が終点で起点は橲原に在ると思われた。しかし聖書TMや広域マップルには道路を示す実線が途中で消え、さらにその途中から点線の道が描かれるというあまりに適当な繋げ方をされている。
 これが事実なら、橲原地区への枝道は車も難しい伐採道の筈だが、実際にはどう見ても繋がりそうな道がつながっている。(ん?

では、逝ってみよう。
 最初は枝沢に沿って比較的直線に登って行く。緩やかなコーナーとフラットダートの組み合わせは本線と同じだ。ふと振り向くと、営林境界の伐採道に小さな木橋がかかっている。
 踏み跡もあることから管理者のこまめさが伺える林だ。やがて夢中で走ってると気が付かない程のなだらかな峠を越えてゆく。


営林境界の伐採道に小さな木橋がかかっている。橋の右が造林、左が雑木林だ。



沢沿いを
登ってきたハズなのに林道はここでクランクとなり橋を渡り、
また
沢沿いに下りに転じる。
写真は「民有林林道 落葉松線」入口側から撮影、写真右端に林道標柱がある。


一度下った林道は
再び登りに転じる。

 登りの頂点なのに何故か橋があり、林道はクランク状に曲がっている。
そう、その中間が橋なのだ。
「またY字路だ」
 ここに本来の支線がある。
 道端の林道標柱には「
民有林林道 落葉松線」とある。どうやら地図にある道路標記のルートはこちらのようだが、橲原小山田線との差は殆どなく、標柱と通過車両の轍がなければ間違いなく直進してしまうイキオイである。
 それにしても橲原小山田線に何故
落葉松線の支線ヶ接続されているかは謎である。因みに落葉松支線は800mと標柱に記載されていたので逝ってない。



先程の1/3程度の溜池がある。


名もない峠を越える。


一見、何の変哲もない標識だが・・・。


そこそこ急なつづら折れのコーナー。


橲原地区の部落で舗装路になる。


 クランク状に曲がり沢と共に下った林道はまた登りに転じ、二つ目の峠に向かってゆく。
 途中にもう一つ溜池があり、林道は水源の沢筋まで平行してゆく。暗橋で沢を跨ぐと急な坂道となり、すぐに二つ目の峠を通過した。
 曇りである天気と、割と深い掘り割りが峠の眺望を妨げている。
 路肩の改良部分のみガードレールがある下り道にその標識はあった。
「120m先車まわし」
「は?」

 
よく"バス回転場"とか目にする事があるが「車まわし」という表現で正式な標識つーのは多分初めてだろう。
 立案者にはボキャブラリーがないのだろうか?
 しかも120m先は単なる待避所でとても車を1回で切り回す幅はない。路肩にある空き地はすでに「マント群生」状態で車は入れない。アクセルターン専用なのか?(笑w

謎が謎を呼ぶ標識である。

林道用のキロポスト、500m刻みである。

 地図上点線表記の「民有林林道橲原小山田線」 で在るが、民有林林道専用のキロポストも3〜4基建てられて、何故地図上では点線なのかは判らない立派な林道となっていた。
下りはヘアピンとまではいかない急なコーナーの連続で降りて、部落の屋根が見える頃に舗装路となった。
 その次のターンにはこれまた真新しい砂防ダム「竹の花沢筋砂防堰堤」があり箱庭のような風情でダム管理道路が繋がっている。


「竹の花沢筋砂防堰堤」と書かれた標示板がある。



サザエを連想させる管理道路とその法面の段差。
林道自体は手前のヘアピンを回り、部落内へ。


起点標柱。その形状から昭和50年以降に建てられたものと推測される。。


ヘアピンの林道で向きを変えると、そこはもう元の橲原地区であった。林道は消防団の屯所前が起点であった。

調査日(09/6/15)の状況:
 路面状況は優良。峠を越えて
橲原地区側は砂利が多めでした。
擦れ違う車こそいなかったが、路面の轍はけっこうな交通量を示す。
起点の部落への下り、ちょっと砂利に足を取られ気味だが、峠までは雰囲気良い林道である。
峠に眺望はなさそう。
手の空いた方は枝道入ってみて下さいな。


橲原地区の部落で県道の旧線に合流する。