に乗る。

家に戻る。


Kawasaki ZXR750 Model1989


「生涯無二の初恋」



プロローグ




このバイクに乗っていた8年間、
それはまるで初恋の彼女とデートするような興奮があった。

恥ずかしいモノローグだが、考える程にそう思う。

Kawasaki初のビッグレーサーレプリカ。
今までと一線を画す世紀末新規軸。
新世紀・ZZR1100・現在のZX-12まで連綿と続くその孤高のkawasaki-Spirit。
しかし900に始まり750に終わる、が、逆転したバイク。

Kawasaki ZXR750 89'
山形県道4号線沿い、米沢の白川ダムにて。



第三世代川崎の先兵


Kawasaki ZXR750は1988年秋発表、翌89年2月発売された。
スーパーバイク選手権を念頭に開発され、販売された川崎初の標準型レプリカマシンである。ホンダなどと違いこの当時までの川崎には、もともとレプリカと呼べそうな形態の車両は殆どなかった。
現在のZRX1100なども元をたどればZ1000のローソンレプリカではあるが、最初からレーサーとして川崎が販売したのではなく、ローソン側が単にZ1000を使っただけと、それを後年川崎がレプリカ仕様にして販売したとおいらは思ってる。
KR250も有名だがSPと言ってもダウンチューニングされた車体は骨太大パワーに程遠く、ホンダマシンから比べるととても
とてもレプリカとは言えないと思った。
実際、KR-1Rで初めてレプリカといえる内容だった。

Z900に始まる第一世代、初代忍者GPZ900Rを第二世代。
ともに900が大成して国内仕様の小型版750が造られた名機だ。
しかし、ZXRからその手法は大きく変化する。
第三世代は750から1200まで深化したのだ。



ご覧の通りの場所にて、初めての北海道。



I M P R E S S I O N


彼氏・彼女の事情。

ZXR750に関しては沢山のラブレターが残っている。
その幾つかをご紹介しよう。

解説
5000〜10000Km   10000〜15000Km  15000〜20000Km



また、今回は手元のデート(ツーリング)写真も掲載。
北は北海道・南は九州まで、8年間に走った5万Hをダイジェスト。

北海道編   東北編   信州編     九州編


当時のカタログ(残念ながら90’モデル)。





ROAD IMPRESSION「強心臓」


川崎が「世に問う」マシン群に共通する事がある。
それは、 Z900に始まる第一世代、GPZ900Rを第二世代にも共通する
「エンジンの緻密な構造と耐久性」である。
レプリカの一言で片付けるのは簡単だ。
しかし8年間、約5万H走破してバルブの狂いは殆どない。
バイク店の店長と二人、他社のレプリカの比ではない!と笑った。
ホンダ狂いの店長が太鼓判を押す。
それは純粋に、一途なエンジン。

そしてもう一つ、公道バトラーであること。
両極の対ともいえるホンダマシンは早さの為ならあらゆる手法を正当化するが
川崎マシン群はストリートの心を忘れる事はなかった。
レプリカのくせに乗り心地の良いマシン。
ZXR750シリーズもレプリカと言いつつストリートユースを考慮した積載性を有し、ZZ-Rシリーズに負けない超高速巡航性があるマシンであった。
後年、
ZXシリーズに引き継がれると、それまでのような積載性は薄れZZ-Rシリーズとの差別化が鮮明になるが、僕にとっては90年代最後の川崎はツアラーとして特別であった。



OFF-ROAD IMPRESSION「変幻自在」


当時、カムイワッカの滝までは延々とダートだった。
初めて訪れた勝狩峠や下見で来たアスピーテラインは圧雪だった。
舗装と信じて疑わなかった奥志賀林道のラストは未舗装だった。
泣いてパトカーに追われた高千穂は嵐の雨だった。
松島五島を越えて七浦へのショートカットは林道だった。

結論。
バックトルクリミッターを持つZXR750は、
最低地上高さえ気にしなければオールラウンドな(乗り手にとって)手強い林道マシンにすら変身できる。



国道389号線沿い、大江天主堂にて。



エピローグ(使用記録)

DATA

保有期間 1989〜96(約8年7ヶ月?)

保有期間総走行距離 13〜51.000Km

メータ読み最高速度 時速220Km/h
(●北道上り線●宮あだ●ら●A手前直線にて、他車追走による記録は230Km/h)

満タン式最長燃費 リッター29.7Km(91'春のロードツーリングで記録)

使用オイル 川崎純正T4(10w-40)

    3,000Km毎交換、E、6,000Km毎交換。

使用タイヤ ミシュランM23マカダム(F/R)

その他装備品 アマチュア無線機・ウォークマン



長野県道40号線沿い、今は無きキャンプ場から諏訪湖を望む。



に乗る。

家に戻る。