●2Day's 〜2011秋の紅葉ツーリング〜

 私事だが、今年は神の実家の稲刈り手伝いが震災の影響で無く、どうやら2日間の時間も開きそうであった。
 そこで神様には言えないが目論んでいたキャンプツーリングに行こうと画策を開始。
HPにて公開すると参加したいとお書き込み頂くが、各々時間が合わなさそうだ、まあ何とか
成るだろう。

そんな感じなので、あまりガッチリ予定を立てないで二つに絞る。
1)箕沢林道(黒森林道?)の通過。
2)多々石林道(戸坂峠)の通過。
3)残った時間とその時点の参加者の意向に合わせた林道Tour。
4)久戸沢林道の通過。
・・・・・・・・?

何処が二つなんだ?盛り沢山じゃねーか?と言う事で、実に3年振りのキャンプ
ツーリングをする事に。
 しかも、1日目と二日目でお相手が違う、流石ネットだと時間が合わないのはそう言う事になるのか?。

センサーが光を感知し、主電源を伝達する。風力計が風向きを感知し電動モーターが風車を風上に向ける。
そして、巨大な翼が
"動き出す" 
秋の南会津"紅葉" Tour
〜2011"SouthAIZU"DoubleTour! Round2-Autumn 03〜


●Go!Go! West!
 朝6時に集まった3台は、猪苗代湖の文字通り南側に位置する郡山市湖南から布引山高原に上り詰める。
 MR、おぉじぃ氏、S氏の3人は布引山風力発電所に辿り着いた。今度は特に時間的束縛が無いのでここで休憩する。午前7時30分、止まっていた風車からモーターの回る様な機械音が聞こえて来る。
 よく見ると、取り付けてある風力計からデータを得た風車が、風向きに向かって首を振り始めていたのだ。
「ほおぉぉ」
「よく出来ているな」
 
首振りの終わった順から巨大な翼がゆっくりと廻り始める。如々に回転が速くなり、風切り音と共に本日の営業運転に突入する。
 それを見届けると、3台のバイクは安藤峠に突入していった。
 登りこそ中々に荒れた路面だが、先週の台風12号の影響かすっかり流されたらしい羽鳥側は、
事も在ろうに大量の山土と砂利がバラまかれ、操舵不能に陥る程の路面状況である。
 D604という通勤用タイヤのセローは辛そうだ、流石に泥濘部分では遅れを取る。というか路面の荒さに
おぉじぃ氏がラインを逸らすのを初めて見た気がするMRである。
Photo Album


安藤峠を通過。東山方面は通行止め。


シルクバレーキャンプ場に到着。
管理人さんに許可を頂き、先に荷物を置かせて頂く。



"世代交代" 緑の1型セローが懐かしい・・?


 それでも3台は何事無く国道118号と121号線を貫いて、9時過ぎに田島に到達、給油がてらに作戦会議をする。
 アタックにしてもキャンプ用品満載ではマズいだろう?と言う事で、取り敢えず本日のキャンプ予定地であるシルクバレーに行ってチェックインまたは荷物を預けよう、と話がまとまり移動を開始、10時にキャンプ場に到着する。

 一般的には3連休と言う事も在って、キャンプ場は中々の賑わいである。ライダーも多い様子だ。
管理人さんに聞くと「好きな所に置いて行って」との事。
 管理棟や炊事棟の廻りは既に満杯なので、少し離れた沼?の西側にテントを広げて荷物を置いてゆく。



すぐ近くにある唐沢林道。
会津の峠にも名を連ねる。



「DTMに憑き物」
それは泥濘。今回も真っ先に遭遇する。

●天空の回廊へ
 挨拶を兼ねて、管理人さんに聞いてみる。
「帝釈天林道は通れますかね」
バイクは行けるっていう話だね」

 連れの二人はこの辺の林道は走った事が無いと言う。ここからだと間近なので午前中に田代山〜帝釈天と廻り、お昼に檜枝岐、午後から例の黒森アタ(この時点ではまだ黒森林道)を提案するとアッサリ了承される。
 二人とも玄人なので昼過ぎには着くだろうと走り出す。木賊から一つ西の尾根沿いにある田代山林道に向かうが、途中唐沢林道に引っかかる。
 
会津の峠にも名を連ねる唐沢林道だが、昨年唐沢トンネルが完成して村道に昇格し、旧道は林道のまま埋没した・・・かと思ったが、まだ生きて通れた。
 しかし途中のヘアピンは上から泥流が流れ落ちたままの泥の海で驚いた。
「どのくらい深いだろう・・?」
などと
見当を付ける側からおぉじぃ氏がトツゲキ!あっさり通過したので続く。



すぐ近くにある唐沢林道。
会津の峠にも名を連ねる。


田代山林道に入る。



「流石田代山、ハーレーも走れる?」(爆
写真は同行者と思われるBMW-F850GS?


 いよいよ田代山、一般県道栗山館岩線である。余りの道路維持費に市町村が悲鳴を上げて県道に昇格させたと言われる天空の回廊だ。
 福島側は田代山の猿倉登山口がある為に車が多い。また台数だけでなく飛ばす車にも要注意だ。バイクもそこそこのスピードで・・・!?
「ハーレーかい!!!」その後ろはBMWのGSか?
 流石にゆっくりだが北海道ばりに林道を走るハーレーというのを久方ぶりに見た。
(北海道ではデフォ)
 それにしても、あまり紅葉していない気がしてたが、登山口の駐車場にある大銀杏が真緑なのにも驚いた。今年は紅葉が遅いのか?
 福島側の葛折れを登り上げると県境だ、恒例だがここで小休止する。
 写真を撮りつつ通るバイクを眺め、再び栃木の尾根沿いを走り出す。


とにかく長大な田代山林道。
特に登山口まではそう感じるナ。


やっと県境、何年振りだろう?。


「県境天空回廊」林道に見えるが一般県道栗山館岩線(K380)である。




振り返って福島県側。こちらは林道なのか?。

 福島側と違って栃木側は県道の金で着々と舗装化が進んでいた。またダート区間も段々とフラット化が進み、そのせいか砂利も深く少し走り辛いコーナーもあった。対向するバイクもけっこう飛ばし気味である。
 相変わらず景色は上等だが、紅葉は殆ど無い。3年前とはエラい違いだ。
 やがてゲートが現れ、田代山林道の県境ルートが終了。広いY字路で小休憩すると戻る様に隣りにゲートを開ける馬坂林道に入る。

 完全舗装でツマらない馬場林道から川俣檜枝岐林道へ。この林道、帝釈峠の前後約4Km程が「帝釈天林道」という重複路線である。


山チャリも多い!しかも速い!


バイクも結構飛ばしてる。



馬坂林道起点?と旧田代山林道終点?が列ぶY字路。
馬坂林道はほぼ舗装済みである。



馬坂林道の途中にある檜枝岐川俣林道の終点分岐。
矢印の所、
何気に「スズメバチ注意」の紙書きがある。
つーか、
早く駆除しろ。


 入口は工事中の為かゲートが閉まっていた、撮影しているとイヤ〜な羽音と共にそいつが現れた。カメラのレンズ越しにハチと視線が交錯した。
「わ〜!スズメバチ」
見ると
ゲート右側に「スズメバチ注意」と言う紙が張ってある。というか貼ってある切り株のうろに一際デカい巣が喰っている。
「張り紙するくらいなら駆除しろよ」と怒りつつ通過する。

分岐には檜枝岐村13Kmと在るが・・・?


工事車両が走る為か?超フラットな路面。


ここから工事中。
路盤が砂防ダムに落ちているのか?



どうやら鉄砲水?。法面も沢も路盤も総て作り直しの模様?。
良かった、
誰も居ない。


●紅葉タイム
 川俣檜枝岐林道は07'に崖崩れで通過が叶わなかった林道である。特にこの帝釈峠から馬場林道の区間は殆ど未撮影なので、ここは二人に先行して貰いMRは一人撮影モードでスタート。
 セロー225とXR250Rは気合いの入ったエキゾーストと共にたちまち視界から消え去る。
 紅葉の方もようやく馬坂沢沿いに葉に色が入ってきた。やたら透明度の高い砂防ダムの畔で行われていた路盤工事も今日は流石に休みの様だ。
 馬坂沢が砂防ダムの末端から再び林道と合流する頃には廻りの木々も紅葉と呼べそうな色合いに変わって行く。

「栃の業橋」と言う名を見て三島県令を思い出すのはMRの性か?
 橋と言うより泥沼の様な橋を渡ると、明らかに風景が変わる。やがて見た事のある風景に出くわした。
「ここは・・・・
 07'の崩落地点だ。」



馬坂沢沿いに紅葉が始まる。
 

飛ぶ様に曲がるS氏。捩じ伏せるライディングは今日も絶好調。


スルリと曲がるおぉじぃ氏。魚が水中で障害を避ける様に走り去る。



 見上げると確かに崖上に道が在る。先日の台風12号によく持ち堪えたな?と思いつつ長いスパンでヘアピンを転進すると、やはり上の路盤も危険な状態で、辛うじて持ちこたえている印象を受けた。

2007年は崖崩れで通過が叶わなかった。 Pohto:07.7

 
途中、進路確認のため待っていたおぉじぃさんらを追い越し、撮影中に再び追い抜かれる。


橋の上なのに泥濘って、どんだけ?。


その橋の名を聞いて三島県令を思い浮かべる少数派のMR?
「栃の業橋」
昭和55年11月竣工



土砂崩れの跡形も無い。写真中央だが右の枯れ木の辺りが現場。


その上は再び崩壊予想・・・?。既に路面に大きくヒビが入っている。


 そして崖っぷちと成って沢と共に峠を目指す頃には、落ちれば抜け出すのに苦労しそうな洗掘があちこちに現れ始めていた。 
 再びアクセルのフケが悪くなる頃には、頭上の紅葉の美しさとは裏腹に、路面は幾十にも枝分かれした流水が過激な洗掘を路盤全域に描いていた。
 実は標高千mを越えた所からキャブが不調のニコ改、田代山では既にフケが悪くなっていたが、馬坂林道で回復していたのだ。不調再発である。
 先行した二人の轍もいよいよ厳しい綱渡りとなり、時には大きく泳いだり、段差のラインを踏み外す様になる。
 そして峠が望める頃にやっと
「帝釈天林道」ゲートが登場!既に圧雪倒壊状態だが、路面も崩壊寸前だわ(爆

●檜枝岐へ
「お疲れ様」


いよいよ紅葉も良い感じになってきた。
標高も1000mを越えただろうか?


当日の写真がピンぼけ(血泪w。前回通過の際の東側(川俣湖側)ゲート。
当日はここも荒れまくりだった!
Pohto:07.9


 帝釈峠には通行止めのゲートがあったが、あまりやる気の無い印象であった。誰もがそう思うのか?通行止めと書いて在るにもかかわらず、また1台、バイクが降りて行く。
「登りは良いけど下りはヤだよね」
「登りも辛かったです。ラインないんですもん」
「タイトだったよね。でも通れたから良しとして下さい(笑」
 峠では新たに登山者用の施設が建設されていた帝釈峠。一休みした3台は栃木側から比べれば雲泥の差と言うか、これが普通の表情と言うべき帝釈天及び檜枝岐川俣線を通って檜枝岐に辿り着いた。

一応林道通行止めのゲートは実在する。
Pohto:07.9



1日目の豪華ランチ。画面左上が"はっとう"
やさしく甘い上品な味がいい。



「客、少ないな・・・?」
 檜枝岐川俣林道のゲート付近には何時も使っているキャンプ場がある。しかし客は疎らで3割もサイトが埋まっていない。今回使うシルクバレーの賑わいは異常に思える繁盛振りだ。

 12時30分、檜枝岐共同浴場「燦の湯」前の村道を左折、3台は檜枝岐の目抜き通りである国道352号線に右折、村内に入って行く。
 前に食べた旅館は食堂を止め、その隣りの
裁ち蕎麦「まる屋」さんで昼食。
 新蕎麦直前だが、美味しい「蕎麦」と自慢の「はっとう」を頂く。はっとうは5年振りに頂いたが、ここのはっとうは甘さ控えめで美味いの一言に尽きた。
 腹ごしらえが終わると相棒にも給油して例の林道に向かう。檜枝岐はガソリンが安い。これは県から補助が出ている為である。

 恩恵を受けた3台はR352をそのまま北上、伊南村山口からR289に乗り換えて駒止パイパス経由で七ヶ岳に戻り、箕沢林道(黒森林道?)入口に着いたのは午後3時を過ぎた所であった。
 例によって、もといあれから更に箕沢林道は荒れていた。もはや停車して撮影は無理、
絶対に無理だ。停車したら二度と発進不可能な路面状況である。
 つーか、道幅以外路面であった痕跡すら薄い。こういう沢だ、と言われればそのまま信じる程である。
それでも前回と同じ場所に辿り着いた。
「なんだこれは」


これが噂の”ビーバーの巣”


最早林道ではなく単なる沢だ。
しかしてその実態は登山道らしい。


同じ所で
左が夏、右が秋。
写真では解り辛いが
洗掘の深さは倍ある。


「ビーバーの巣ですね」(爆
 
7月に来訪した時よりずっと見通しが良いのは、道幅に沿って下草が刈られてさっぱりとした為、この道が林道と名が付いてはいるものの登山道の一部である事を如実に表している。
 しかし、構築されたビーバーの巣は
台風12号の豪雨で、道幅一杯に道路が冠水、濁流化した証である。
 ここで濁流は本来流れるべき林道西側の箕沢とよりを戻している。そして当然の結果として、路面を蛇行する洗掘は最早デスバレーもかくやと言うべき深さに達し、ボトムでは既に
車軸を上回る深さとなっていた。
「コレは・・・全日本トライアルのコースレベルですねぇ」
「遡上します?」
「スイマセン、私が甘かったです」
「仮に朝一発目にここでも正直辛いですね」
「セローもアタックタイヤ履いて上がれるかどうか・・?」
「下ればどうにか成る
んじゃない?」
 どちらにしてもこの時間から攻める場所ではない、と言う所で意見の一致を見て今日の所は引き上げる事と成った。
 既に時計は3時をまわっていたのである。

●明日の為に
 
国道289号線で記念写真を撮って二人と別れる。福島まで約3時間半の復路である。到着は7時頃か。


こりゃ駄目だ!
トボトボ・・・(血泪w。


でもいつかきっと
リベンジしてやるぅ!



おぉじぃ氏、S氏。本日はお疲れ様でした。
たまに遠くの林道もいいでしょう?


「また遊びましょう」
 遠ざかるエキゾーストと共にセローとXRが視界から消えるとMRは踵を返して再び七ケ岳林道に突入する。富喜沢の終点接続で箕沢林道の出口を再確認、データに押さえるとダート末端の長沢林道を降りて国道121と352を経由して再びキャンプ場に向かう。
 解散から約1時間後、シルクバレーに到着してやっと一休みとなる。
気が付くと紅白饅頭さんからのメールが入っていた。
「今夜は一人か・・・」
 ごった返す管理棟の賑やかさを遠目に見ながら、今年で17年目と思われるダンロップツーリングテントの脇で、何時もの通りの夕食となる。木賊温泉川原露天風呂の前の酒屋で買って来たワンカップ「花泉」をチビチビと舐めながら、デジカメのデータをパソコンにバックアップしておく。
 Konちゃんが心配してメールを何度も寄越してくれる、かわいい人だな。

 パソコンの中で"竹内まりあ"様が「家に帰ろう
(マイ・スイート・ホーム)」を声高らかに歌っていた。
木賊の夜が深けてゆく・・・。



七が岳本線(正面)、画面右上が北。
振り向けば・・・?



富喜沢林道終点の分岐脇に箕沢林道の終点も確認する。


そして南を向くと
七ヶ岳林道の本線と七ケ岳連山への登山道がある。




〜2011"SouthAIZU"DoubleTour! Round2-Autumn 04〜
秋の紅葉、二日目へ。
Round1-Summer 01
2011夏の南会津Tout!
Round1-Summer 02
2011夏の南会津Tout!
Round2-Autumn 03
2011秋の紅葉Tout!
Round2-Autumn 04
2011秋の紅葉Tout!