林道日記(OFF-ROAD・DIARY)

ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。




このContentsは、適当に増殖します。

二口林道「宮城編」はこちら


二口林道(山形側)


時代の要求に挫折を繰り返す街道は、時間制限アリの渋滞路。


当時は"山岳観光道路ブーム"であり
「秋保」「山寺」という二大観光地を結ぶ
観光道路を作る
もくろみ
であったと言われる。



「標高934mの直接玄関」

林道日記(Riding・Report)Ym-415


「山形側より二口峠を望む」
江戸時代、塩や海産物を背に積んだ牛が、幅一間程の道を伝い歩いたのだろうか?。


●12年振りに復活した
夢破れた観光道路・・・。


(戦前の話は、二口林道「宮城編」にて概説、確認はこちら
  現在の二口林道は、自動車の通行を目指して1960年代から改修工事をはじめ、1973年(昭和48年)に開通した。工費は宮城県と山形県あわせて合計約4億4千万円、林道として予算執行されている。

 が、当時は"観光道路ブーム"であり「秋保」と「山寺」という二大観光地を結ぶ観光山岳道路を作るもくろみであったと言われる。
 しかし、屏風状の山脈を葛折れで繋ぐ林道は極めて脆く、残雪や台風で毎年どこかが崩れて通行止めになり、開設費用の倍以上の改修費が嵩む"お荷物"林道であった。
 営林署の費用では全く補えなくなり、予算獲得のため林道は県道に昇格(笑w した程なのだ。


峠から北を望むと面白山方面だ。標高1365mの大東岳、1225mの南面白山、1130mの小東岳と続く。
 
 そんな事とはお構い無しに、林道は1999年(平成11年)8月の集中豪雨で数カ所に渡って路面崩壊を起こし、宮城県側が全線通行止めになった。


観光山岳道路の片鱗を見せる距離表示柱。
裏側には県境までの残りの距離。


地産木材を活用したガードレールか?
コンクリートに木を嵌め込むタイプだ。
初めて見る。


一度ゆったりと僅かに標高を落とした林道は再び
頂点に達する。



「設計速度20Km/hどんなに体裁を良くしても所詮林道である。


 その後一時部開通したが、峠までの全面開通に必要な事業費4億3000万円の内、宮城県負担分が国庫補助事業では50%だった為、県土木課は工事を断念、林道は放置プレイとなる。
 MRはこの頃にパジェロやXRで通過したが、双方とも部分工事中であった記憶が在る。
TouringMapple2011.3版記載。林道表記。ずっと通行止めの為に「お勧め」から外れている。


北西の尾根沿いからは眼下に山寺の町並みを望む。

●林道二口線(旧県道62号線)
総延長:約19.19Km
     (ほぼ半分が未舗装)
山形県側起点?県境:約8.963Km
     (全面舗装)

「では、逝きますか」
 当時まだ二口林道の山形側は未舗装が残っていた。その日はジムニー2台、エスクードコンバーチブル、パジェロJ-Topという布陣で初夏のオープン走行という事だった。
 山寺の前、山形県道62号線「山寺仙台線」を抜け、ボトルネックの如く細く成った林道区間は一部がまだ未舗装だった。
 キャンプ場前の分岐には覚えがあるが、現在のゲートとその分岐にある「高沢馬形林道」は全く覚えがない。キャンプ場前には林道の起点標識があり、そのちょっと前に92'XR250Bajaで走った時には、標識を確認していた。
その際にも標識の所に「工事中」の看板が立っていたと思う。


2011/11月3日現在。ここが山形県最新の舗装部分。

 断続的舗装区間は次第に傾斜と共に未舗装区間が多く成ってゆく。現在の第二ゲートが在る所だったろうか?現在の緑のゲートではない別な冬期閉鎖用のゲートが在ったと思うが、思い出に定かではない。
 そこから先は現在の宮城側と同じかソレより荒れた路面の二口林道である。
 初夏の日差しを浴びて林道に突入した4台だが、雲一つ無い青空の下、と言えば聞こえが良い爽快なイメージだが、実際はとにかく凄いホコリっぽくて、フルオープンの各車がダートに入った途端に車間を大きく取った事を覚えている。



宮城県側はダートだぞ!?。
いいのか?ハーレーで。


くわぁ、ナンだこの道路は?。


普通車が擦れ違えるギリギリの寸法だな。
法面の側溝のフタがないと擦れ違い不能。


先程の葛折れを見上げる。
凄まじい道だ。


山形側第二ゲート。二輪封じのU字溝が両脇に設置されている。
それでも突破した人も居たんだろうなぁ・・・?


全長8.9mのほぼ中間に位置する第二ゲート。ところで大雨って、どのくらいの?


「秋田営林局、山形営林署・・青森営林局管轄内?」
区分けがよく解らないんですが・・・?、二口林道は間ノ沢沿いに第二ゲートが在る様だ。


 そしてオープンにしたルーフから見上げる位置に銀色に光る壁を見付けて驚いた。
「道路か!?」

やはり絶えないゴミの不法投棄。もしかしてゲートはゴミ避け?。

 
正確には林道のコンクリート補強された法面に太陽光が乱反射したか、通過している車のガラスが反射したのだろうが、青空の中に浮かぶ様にそそり立つ屏風の様な尾根沿いに波状に連なる林道を見上げて驚いたものだ。
 実際にその位置まで上がってみると、眼下はラピュタ状態で、当時まだガードレールの無いヘアピンなどはコワい程である。
峠部分は今の様な道路然としていないで、作業道のへつり部という位、貧弱な印象しかない。
 宮城側に入り、いわゆる展望台ヘアピン迄その貧弱な状態のままだった。両県とも峠の前後に崖崩れに伴う工事区間が在り、特に仙台側はヘアピンを介して上下の道が崩れて居たと記憶している。
 そこから二口温泉迄は一部の側溝や暗橋の前後、コンクリート橋を除いて総てダート、特に宮城側の二口渓谷源流部は”コースじゃねぇのか?」と思う程に無謀で豪快な路面状況であった。

 そんな思い出のある90年代の二口林道も現在は山形側は全線舗装となって、コト路面状況等は全く気にしないで走れるスカイラインと成っている。


地図に言う「間ノ沢(魔ノ沢?)」を跨ぐ
この道路の標高差。


山形側の紅葉もなかなか良い。
ただ当日は"曇り"なので発色は惜しい所だ。


第一ゲート?写真の左外側に門番のオジさんがいる。
ここも"抜け止め"のバーが左右に付いている。


 因みに、この一週間の開通期間、各ゲートには担当の係員(土建屋下請け?)が配置され山形、峠、仙台の各ゲートは時間と共に施錠されていたようである。
 山形側ゲートは高見馬形林道の分岐にある下のゲートだったが、当日係員にお聞きすると、朝9時のゲート開放から2時半までの山形から林道に入った通行量は500台程だったという。
 彼の予想では山形ゲート通過の総数は最終的に千台を切る程度だろうと言う事だった。仙台側から二口渓谷だけを見て帰る客も居るので、アバウト2000台が二口林道に入り、6割程度が二口峠を通過したと思われる。


第一ゲートの右側に接続される
「林道高沢馬形線」


「二口林道、起点」左折は山寺キャンプ場とある。
地図で見る限りは遊歩道のみで何処にも繋がらない様だ。


「延長19.019m」
起点は山形側らしいが、そもそも起点/終点の命名基準が判らない。


「山形県道62号線」二口林道起点から約1Km。
県道表記のヘキサが現れる。


調査日(11/11/3)の状況:
 何時もの舗装林道を写真を撮りながらチンタラ下るMR。
 余程渋滞にアタマに来ているのか、あちこちで今だけ林道珍走団に退化した連中がチラホラ。
 LEDで武装した黒いハイエースが迫って来た。たちまちTTR269に追い付く。サイドミラーにアタマ悪そうなオッチャンが見える。ヘアピンを回って出るとハイエースは消え、次のコーナー迄の下り直線で再びガブリ寄りで煽る!
「あんたねー」
 カメラを仕舞って次のコーナーはブレーキを掛けずに倒し込みのみで曲げてみる。法面から飛び出して生える雑草に、ミラーが触れる。
目の前を赤い車が横切る。
”バフン!!!! ”
何の音?その後、そのハイエースを見る事は二度と無かった。
・・・・・・・・・と言う訳で、渋滞は致し方ないので、林道は落ち着いて運転しましょう。


はたして来年は、
通年通過が可能に成るのか?



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