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林道日記(OFF-ROAD・DIARY)

ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。



このContentsは、適当に増殖します。

西五百川(にしいもかわ)林道(愛染峠)

朝日連峰の登山口にある林道。

愛染峠(あいぜんとうげ)とは何とたおやかな響きの峠名なのだろう。
愛機DT125Rは朝日鉱泉からその峠を目指した。
・・・・が、辿り付くことは出来なかった。



「いざ、朝日鉱泉へ」

林道日記(Riding・Report)Ym-413




●観光道路の夢破れ・・・
本来の生業すら戻せない道。


 西五百川(にしいもがわ)林道は、朝日連峰の登山基地であり秘湯と言われる朝日鉱泉から、白鷹町の奥端にある黒鴨の部落に連なる黒鴨林道に接続する基幹林道である。

 戦後の登山ブームを背景に白鷹町が朝日町とともに登山口までの便宜を図る為に作られた2本の登山観光林道であるが、朝日山系の極めて峻険な地形にへつる様に作られた林道は大変もろく、作っては崩れるを繰り返す難事業となり、企画から実に20数年を経た昭和46年頃にようやく朝日側の西五百川林道と合流・完成した。

 西五百川林道は早くから朝日鉱泉までの部分は開通していたものの、やはり深い渓谷である五百川の本流、支流に苛まれ延伸はなかった。
 最初に訪れた昭和60年代には道幅1車線を切るへつり道で落石のため普通乗用車の通行は事実上不可能な状態だった。無論、登山客は朝日鉱泉がキャンプベースとなるため、実質道路の必要性は薄かったのである。


TouringMapple2008.3版に林道表記。峠名アリ。広域マップルにも全線表記。
 


「大規模林道」「スーパー林道」・・・
名前が替わっただけの自然破壊。


無論、対向車も無いので補完修繕もしない。
壊滅的なダメージが無いと堕落するのか?



雄大な朝日山系の山並みを見る事が出来る。西五百川林道のハイライト区間である。
晩秋の夕日とか綺麗そうだが・・
「舗装路カヨ(TxT;)」


●林道西五百川(にしいもかわ)
 林道総延長5.3Km  未舗装区間:3.6Km  舗装区間 :2.1Km
概要
 その転換期は唐突にやってきた。
バブル期の大規模林道計画の策定である、悪名高き
緑資源機構は無謀にも朝日スーパー林道を直接小国町に繋げ、直ぐ隣の大規模林道飯豊檜枝岐線に接続する事を謀略した。
 これにより西五百川林道は
大規模林道真室川・小国線に組み込まれ大資本で開削が行れる事と成った。大規模林道は幅7m(工事総幅は8m?)その総延長は51.5km。3区間に分けられ、西五百川林道は朝日、小国間に当たり、愛染峠までの10Kmの工事が行われた。
 旧鮎貝村長土屋栄吉氏の夢はようやく実現したかに思われたが、大規模林道の終点は小国であり、愛染峠から分岐し、大規模林道は南西に延伸するハヅだった。

 だが、バブル期においてすら既に登山は国民の主たるレジャーではなく、バブル崩壊後はさらに観光客が減少する事態と成った。



「よかった、下は未舗装路だ(TwT;)/」 それにしても雄大な風景だ


 大規模林道という事業そのもののズサンさも手伝って、収益の見込みがないと判断された事業から中止撤退が相次いだのだ。
 朝日小国間の林道工事は中止、既存の黒鴨林道を運用する事で決着する。
 あの愛染峠の謎の舗装Y字路、南西に向かう道が、大規模林道の成れの果てだったのだ。

 かくて、当初の目的である観光林道の開通による観光資源の活用という旧村長の願いは半分しか達成されず、残ったのは土石流の巣窟に取り残された林道だけとなってしまったのである。

「では、逝ってみますか」
 
愛染峠を越えると、林道らしからぬ舗装された林道が、延々と見渡す限りに続いていた。

「なんだい!?舗装カヨ!!!」
 
その谷の奥には雄大な朝日山系の山並みが鎮座ましている。
 事実関係が判らないMRにすら思い当たるこの風景、一見ちゃんと舗装林道に見えて、赤錆のガードレールや草ぼうぼうで落石の除去もない放置プレイ全壊の状況・・・?
「大規模林道の成れの果てか・・・?」
 間もなく、大胆な経線と共に林道を一望出来る巨大S字に辿り着く。どうやらこの区間の先はダートの様だ。
 愛染峠を挟んで黒鴨側約1.1Km、西五百川2.1Km程が舗装だった。


 特に西五百川の方は落差20mはあろうかという路肩補強によって支えられていた。基礎工事だけで橋を造るくらいの金が掛かっていそうである。


古い橋がある。「あなみさわはし」。

「税金で舗装路造って、通るのは軽虎とオフバイクだけかよ」
 林道を造るなとは言わない。営林車が10tトラックを入れるには必要十分でもある。でも1年にどの程度の造林業務があるのだろう?
 百歩譲って観光林道としても、愛染峠を普通車で通行する事の意義は感じられない。
 時間のかかる林道の経線は危険極まりなく、自然変化にも対応出来るとは思えない。抜け道としても期待薄だ。


折り返しの途中で舗装路からダートへ。
何時頃のアスファルトなんだか?。


コンクリートの駒止がある区間は恐らく大規模林道前の林道企画だろう。排水溝もキチンと健在。


直線と緩やかな曲線。フラットな下りの路面。
飛ばすな!つー方が無理ぽ!


てっきり沢は西五百川かと思ったが、
地図には「朝日川」(笑w。


コレは・・
大分痛んでいるな
道幅旧企画だな。・・・?
見覚えがあるぞ?



「昭和43年11月竣工・・・!」。
やっと沢が近づいて来た?十分高い気がする。


 それなら舗装路である理由は微塵もないと思う、そんな道だった。
 ダートになっても変化が乏しい林道は、そのまま西五百川にそってほぼ直線に下って行った。
 やがて古いコンクリート橋に到着する。



次の橋は真新しいよく見る欄干だ。
三本杉沢橋というそうな。


「おお・・片桟橋だ。」
道路中央にかつての林道の路肩コンクリートが顔を覗かせる。ここだけは、大規模林道様々だな。


凄まじいボロさ、下の沢迄の高さも凄まじい。橋は「穴沢大橋」という小振りの橋だが、銘板には昭和43年と打たれていた。
まるで戦前の橋ですか?と聞きたくなる様なヤられ様だ。いかに雪深い事だろうか?
「うん、こんな橋だったかもしれない」
 手繰り寄せる記憶に次の橋はなかった。会津の様な豪雪地帯の林道によく見られる作りの新しい橋は「三本杉沢橋」とある。


平成13年竣工という真新しい橋だ。連続して続く橋は片桟橋でこの風景は見覚えがあった。
 片桟橋の半分は昔通った林道の跡であるが、道幅が倍になってもまだ狭い!
 最初も道はまさに断崖絶壁にへつられて居た事だろうか?駒止を削った様な跡も散見できた。
 間もなく、かつて無視して強行突破したゲート前にて、保安林の案内看板の前で写真を撮ると、もうその先は朝日鉱泉だった。



「起点は何処だ?」朝日鉱泉の奥にある空き地(土場?」が皆さんの休憩場所?。
ここでよくゲート閉鎖をされてしまう。起点標柱があるはづなんだが?。


え?
西五百川林道の起点は何処だ?
地図看板は東の朝日鉱泉の方を向いているが、地図事態は西から見る図だ。
あの古い橋が架かる「穴倉沢」も出ている。


調査日(09/8/16)の状況:
 総じて飛ばしやすく快適で極めて危険な林道です。名も無い無数の沢は時折道路に水を氾濫させ、ライダーを悩ませます。
 補修は常時入るようですが、今イチな修繕でかえって走り辛くなる場面もあります。すれ違う車も少ない為、何があっても他人は当てに出来ません。
 出来れば役場やネットなどで通過が可能か確認してからの方が好いかもしれません。迂回路らしい道はないので、抜けられないと随分な遠回りが待っています。
 成り立ち故に登山客も居ます。対向車に十分注意し、シーズン中はワラビやキノコ取りで、いきなり茂みから道路に飛び出すGBにも対応出来るスピードでの通行を、お願い致します。



「時間が無くて入浴出来ない(爆」て、いうか・・・
(><;)「虻がいっぱいだ〜」。


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