林道日記(OFF-ROAD・DIARY)

ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。



このContentsは、適当に増殖します。


林道日記
(OFF-ROAD・DIARY)
064






開湯は享保年間(1716〜1735)
と言われる微温湯(ぬるゆ)温泉。
吾妻山に抱かれる山中に向かう県道は、
明治から時を止めた様な佇まいを見せる。

無論「険道」ではあるが、
その装いは早春や晩秋に鮮やかさを極める。





微温湯泉まであと8Km?
ここも福島を代表?する『険道』である。でも、このままそっとして置いて欲しい。


木立の中を細い舗装路が延びる。


待避所があるものの杉も道幅ギリギリで、
トラックのドアミラーを摺りそうだ。



野乃花園という私有の公園らしきものがあるY字路。

●福島の「奥座敷」と呼ぶに
 相応しい「古来からの道」

 県道福島微温湯線は、文字通りに福島市から郊外の微温湯(ぬるゆ)温泉に向かう県道である。
 しかし、
福島市民なら誰もが知っていると思われる”悪路"で、その僅か4Km程の為に、「険道」などという有り難くないカテゴリーに本人の意思とは関係なく分類されてしまった道だ。

 微温湯(ぬるゆ)温泉の開湯が享保年間(1716〜1735)というが、この県道は、無論開湯した当時の道筋からは大きく変わり新規に作られた道ではあろう。



待避所の後にコンパクトなヘアピンカーブ。教習所だな?こりゃ(笑w


折り返しのヘアピンは広い。大峠の一コマの様だ。


振り返ると福島市が見える。真ん中左の霞みに掛かる山が信夫山だ。


延々と道也に続く電柱が、
人間の存在を感じさせる。


 だが『古道』『林道』の見地から切り取れば、明治の車道開削から殆ど道筋が変わらないのでは?と思う様な表情を見せる。
 微温湯(ぬるゆ)温泉には露天風呂が無く、当HP「東北露天情話」に取り上げる予定は無いが、いかにも東北の秘湯らしい道筋は、ガツガツせずにカメラを片手に林道散策を嗜むにはうってつけの「古道」と言えよう。

そんな晩秋の県道微温湯線を堪能して来た。
TouringMapple2008.3版は勿論県道表記。だが一部の広域地図には県道のクセにやや細めの表記がされている場合もある(核爆!



「これが最後の県道表記!」
この先にヘキサなし! しかも、あと6Km・・・何処も終点じゃねえし(爆



ここからダート。 県境を示す官地杭があった。


落葉の為、舗装路とダートの区別がつかん。


やたら走り易いんですが。


いつの間にこんな広々と・・・?


すっくと起った県道表記。しかも終点で発見出来なかったが(笑

●福島県道126号線
 福島微温湯
(ぬるゆ)
区間総延長:17.6Km
     (起点、福島市太田町/
      終点、
微温湯温泉)
走行区間延長:7.9Km(部分未舗装)
未舗装区間:3.9Km
概要
 県道福島微温湯線は、昭和46年に第三次県道認定を受けた全長17.6Kmの福島県道である。この内、東の最終部落である桜本字愛宕前地内から路線最西端にある終点の微温湯温泉までが、いわゆる「険道区間」と言われる。
 今回は、その最終部落の愛宕前から温泉手前の基幹林道7号線、いわゆるパイロットファームと呼ばれる畜産振興の為の農免道路の交差点迄のダート区間と終点までの山道の区間約8Km程を取り上げる。
 ニコTは勝手知ったるフルーツラインと微温湯線の交差点から西に吾妻山を登ってゆく。実際に山道が始まるのは  部落の最西端にある「野乃花園」と呼ばれる個人所有の公園の前にあるY字路からだ。
 ここに分岐する支線は名称が不明だが後々取り上げるとして、ニコTはそのまま県道を登り上げる事にする。
 "険道"の渾名通りにここから道幅は2mとなる完全な林道サイズだ。
当然、不等ピッチながらも待避所がある事実上の片側交互通行である。
 また、舗装とはいえ路面は不揃いの上、ブラインドコーナーの連続と成る。その具合は悪名高き険道62号線に通ずるモノすら感じられる。
かつてはこのY路路からが未舗装であったとMRは記憶していたが・・・?

とにかく、いってみよう。
 杉林の中、舗装化に併せて拡幅されたであろう2段のヘアピンを駆け上がると、林を越えた県道は近隣の山々や後方東向きに福島市中央を望む。
 
ここから信夫山が見れるとは?ちょっと驚いた。道は再び林の中に埋没する。



「ここからも福島が見えるゾ?」
すっかり伐採された国有林で紅葉の山々を堪能?する。しかも路肩に雪・・・(TwT;)

そうそうこのへん?
10年前くらいに路肩が谷へ逝っちまった所だよな?


営林署謹製の排水路、改めて言うが、ここは県道である。 

 2Km近く走ると最早待避所扱いのやたらに広いコーナーにすっくと起った愛しいヘキサゴンを確認する。
 『微温湯温泉まで6Km』というサブ表示板を付けられた県道表記はすっかり苔の苗床となりつつあった。
 流石に県道指定の昭和46年製ではなさそうだが、それでも10年以上はここに居るのだろう。
 暗橋で沢越えする渓谷の様なVラインを登ってゆくと唐突に舗装が途切れた。
険道の本領部分だ。
 
記憶ではこの後殆ど展望のないまま県道とは思えぬ立派なモーグルを交えてパイロットファームに接続した記憶しかない、



「うわぁ・・」 うっすらと降り掛かる雪と色鮮やかな紅葉が夕日に透かされる・・。

狂おしく身を捩り、険道は美しく上り詰めてゆく。



ため息しか出ない、極彩色の道。


周りに山が消える。険道は谷筋から尾根筋へ


 いや待て?最後は積雪でダブルスタックで後退したハヅだな?
よくよく思い出すとここ雪道ばっかだな?

 これには理由があり、林の中の狭い林道県道故に雪かぶりが少なく、基幹林道7号に比べ日が当たらないので良好の積雪と軽いパウダースノーが望め、クラブ時代最後はよくシーズンインのラッセル走行会に使った道だからなのだ。
 ところが今回、10数年ぶりに走ると、中間部分がゴッソリと伐採され、舗装路同様の福島市が見える風光明媚な道となっていた。
 紅葉も悪くない。これまでの薄暗い険道のイメージを塗り変える変化だったのである。加えて、全日本林道モーグル化推進委員会お墨付きの悪路は、その伐採で貨物車が均したせいか?
実に走りやすいフラットダートになってしまい、登りはともかくスピードが乗る下りは何気に紅葉を眺めているとファイト一発のかけ声とともにコーナーから落ちたバイクを引き上げる事態に成りかねない道と成っていたのである。
「フツーですね・・・」
 かつては存在しなかった営林署謹製の木を渡す横断側溝も付いた道は何処をとっても完璧な林道である。
(アレ?



道幅が一瞬戻る「でもダートだがな」


使われている気配のない作業小屋。


ヘキサじゃないけど立派な標識が起つ。
が、農免道路の標識の方が気にかかるなぁ。


パイロットファームの基幹林道と県道の重複区間?なのか?T路があり、延々北への直線がある。これが7-1号支線道路?

 やがて明るい木漏れ日の中直線を駆け上がると唐突に原っぱの真ん中に放り出される。
「放牧場だ」
 使う人が居るのか?と勘ぐる様な荒れた倉庫を横目に、ニコTはパイロットファーム基幹林道との交差点に辿り着く。ここにも標識が立つがヘキサはない。交差する農免道路が7号幹線道路で幾つかの支線道路を示している。ここらから再び舗装が復活!険道部分は終わったがこの時はまだ先に県道終点の標識が在るカモと考え、温泉迄登る事とする。だが周りはあからさまに路肩が残雪だらけだ、ホントに逝けるのか?。
 笑いを堪えつつ写真を撮ってさらにバイクを進める。



写真左から接続する農免道路基幹7号線はここが終点か?右は支線の様だ。
無論、県道は直進である。ここから再び舗装路だが・・・


水神様が奉られる。由緒ある温泉の情緒を感じる一コマだ。


 かつては辛い山道を登って来た湯治客の喉を潤したであろう湧き水と共に水神様も奉られている。まさに古道だ。時折クランク状になりつつ、沢にそってほぼ一直線に西に登る県道。
路肩に美しく雪化粧を施した紅葉が現れ、しばし写真に興ずる。



 やがて県道は沢筋越えの為にZ形の経線に身をうねらせ、急坂で反り上がり峠を越える。
 するといよいよ道は水平に西に進んでゆく。見知らぬ支線林道が北に分岐し、沢に下ってゆく。
やがて、桜の回廊とともに道路以外は雪化粧となった。時計は3時半、4時を過ぎれば路面が凍みてブラックバーンだ。回廊の奥に木造二階建ての建物が見えた。

「微温湯だ」
 なんと、まだ営業集?
 
余程入って行こうかと悩んだが、その温泉温度の低さと帰りの凍結が怖くて、やっぱ帰りました(爆。


いいねぇ、この色合い。


桜並木は1Kmくらいあるだろうか?
春も綺麗そうだが・・開花はGW後か?



「営業してマスタ!!」
休日としては、ほぼラストだろうな。地帰り入浴の方もチラホラ居ました。



こちらはその1ヶ月後の来訪。積雪は約40cm前後、ジムニーでも足を取られる。



調査日(09/11/3)の状況:
 路面状況は基本的に良。完全なハイスピードコースに変貌しておりますが、シーズン中は温泉客が多いのでスピード厳禁でしょうね。福島側はクネクネとヘアピンが多いですが、基本直線の林道ですね。初心者向き。
 ぬるゆ温泉と、パイロットロード南端にあるあづま温泉をセットにその辺の林道を散策するのが宜しい使い方ですかね。幾ら林道そっくり(爆!
 でも県道なのでその辺の加減を弁えて頂ければ宜しいかと?m(_ _ )m

調査日(09/12/20)の状況:
 ぬるゆ峠付近で積雪は50センチ前後、流石のジムニーもノーマル単独は危険な深度です。写真から駐車場でも高さ80センチのタイヤが半分以上埋まってます。樹氷が綺麗でした。


微温湯(ぬるゆ)温泉
泉質:
  酸性-含鉄アルミニウム-硫酸塩温泉
 (旧泉質名:含緑礬・酸性明礬泉)
  低張性酸性低温泉
  無色澄明、無臭で弱酸味
源泉温度:31.8度 PH:2.9
湧出量:194P/mln
   (自然湧出を浴槽に動力揚湯)  効能:眼病・ヒフ病・貧血等に特効 
入浴時間:朝8:00〜夕方17:00
料金:500円 
期間:4月下旬〜11月末
   (冬季休業)
備考:シャンプー・石鹸あり。
   沸かし湯の檜風呂があるが、
   メインはバスタブの源泉浴。
   当然夏場がお薦めの温度だ。



「福島市内を遠望!」 ぬるゆ峠と名付けそうな最後の鞍部を今度は降りる。