Owner's Report



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550 EPI Intercooler Turbo「じゃじゃ馬侍1号」機。(JA71-C3)


 550 EPI Intercooler Turboは、鈴木が当時2ストロークのエンジン(SJ30)に替わって出した550M4ストローク版の最終形態である。550 EPI Turboとして登場するが瞬発力が今ひとつで低速の粘りもなく、フロントヘビーの重量配分に止めを刺して、ことクロスカントリーでは”2スト"に軍配が上がった。(その分使い勝手や最高速度は格段に良くなったが)
 この低いオフ性能をパワーで撥ね除けようとしたのが、550
EPI Intercooler Turboである。


 550ターボは従来から14馬力アップの52馬力に高出力化を果たすが、流石にこの排気量では全域高出力とは行かず段付き加速に代表される特異な性質を生み出す。 
 この評価は雑誌などではあまりいいものではなかったが、個人的には2ストバイクの様で実に楽しかった。グリップの良いダートやガレ場などでブースト圧を下げなければ高い走破性を見せたからである。
 しかし1年約2万キロ程で早くも3本のショックを潰してしまう。情けない純正ショックの次は同じく純正ながらカヤバのダイヤル可変式7段ショックだった。これがあの段付き加速となかなか相性がよく、アクセルの開度とダンパーの減衰力を調整してリアの振り出しから止めまでコントロール出来てゆくのが楽しいマシンとなっていった。反対に雪路や泥など路面ミューの低いところでは災いしコースアウトを繰り返してゆく。
 純正として評価が高かったのは
LSDや無印良品のフォグランプ、SF401いう標準タイヤだった。 このブリジストン製タイヤはなかなかのオールラウンドタイヤで買って最初のシーズンはそのまま冬タイヤとして使ってしまった。当時スタッドレスは出たばかりでさほど強力ではなく、このタイヤはその優れたパターンで、斜め方向のグリップの高さからそこそこ乗り切っていけるのだ。

 ただ、これもダンパーを固めた事で違いが出たかもしれない。確認できなかった理由は林道ツーリングで高速横転事故を起こしたからだ。

 幸い、指の骨折程度ですんだものの、幌のボディ、フレーム、駆動系にガタがきて全損となってしまう。ロールバーが運転席側に10度程傾いたが死傷者が出なくてよかったものだ。



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660 EPI Intercooler Turbo「ザブングル侍2号」機。(JA11-C1)

 車両保険を頭にもう一度ジム二ーを買う事となって届いたのが660 EPI Intercooler Turboだった。ボディ色がポリバケツのような色なので「ザブングル」と名づけられる。そしてこの車体こそシリーズ最強のリーフリジット車として名実共に雑誌を賑わせるモデルなのだ。

 これは単に馬力が55馬力になったからではなく約20%増となったF6Aエンジンの排気量によるもので、乗り換えると確かにパワーに段付きや淀みがなくなり、特に低速におけるトルクの厚さが違う、高さ20センチの段差越えなど550は勢いが必要なのに660はなりに走ってしまうのだ。また脚周りも落ち着き、路面のからのピッチングも少なく、トルク伝動の効率化もあって脚の伸びは同じでもグリップ効率は格段に良くなった。そして構造に無理がなくなり、走行時の車内はわずかに静かになった気がした。もっともこれは、の遮音対策によるところが大きい訳だが、高速で三桁もスピードを出すと、台風の中を走るかのような音圧は昔のままだった。

 しかし、初期生産分と言う事で4000Kmを走ったところで修理工場送りなってしまう。原因は3番ピストンのコンロッド異常湾曲ということでクレーム修理、コンロッド、ピストン、リングなどの交換を行った、その結果実に13万キロをベルト、クラッチ未交換で走り抜く事となる。


 さて、このザブングルくんは最初の車検で3万キロ近くを走り、早くもダンパーを交換する事となった。もともと純正リーフはヘルパースプリングが特殊でバックの際に引っ掛けてしまいがちで、当時、親友にして悪友のT2君が一足先に550 EPI Turboに
オノウエのトライアルウィンショックアブソーバ(ハード)セットを導入し、固めの脚ながらその路面追従性に舌を巻いていた。コストパフォーマンスを考えた場合「へたっても純正より保ちそう」と判断し、自分も導入する。ただ、T2君のは固すぎと感じた自分は(ソフト)を選択し、ゴム、ブッシュ類もウレタンではなくノーマル純正とした。これはT2君の乗った感想としてハンドリングがやキックバックがシビアすぎる事を嫌ったためだ。サイズも4インチアップで、2台並べてみないと高さの判別がしにくい。個人的に「ノーマルっぽい改造」がスキなのであるが、車検上は改造申請認可車両なわけで、この後段々改造ジープらしくなってしまう。
 550の時買った
ビキニトップに自分で設計したトノカバーを組んでみた。この結果、冬でもビキニトップで走る事となる。温泉ツーリング用にリアシートスライドレールを導入。後部座席の居住性を広げる。
 この頃純正タイヤがようやくその使命を終え、
ノマデックマッドテレーンに履き替える。このタイヤは強烈を通り越して凶悪な鬼タイヤだった。初期トルクの伝達力が極めて高くオフロードクロウリングで抜群のグリップを誇った。

 サスペンションとの相性もよく、対角スタックする場面も操作次第、2輪接地でクリアする。ラッセルでも660の方が良く走った。LSDの効きが実感できるようになり、排土性も良く泥はもちろん
ラッセル走行など積雪のみの路面ではスタッドレスより走ってしまい、結果として2度の横転に見舞われてしまう。(核爆)横転を避ける為、フロントのスタビライザーを外し加重の局部集中を避け、フロントの自由度を上げてより高い走破性をめざした、のが良かったのかどうか解らないが、今のところ事故ってないので正解なのだろう。揉み出しをしていたらフロントのフリーホイールハブのロックが外れてしまった事もあった。


 こうなると人情で、仲間づれで宮城の「オフロードコース四駆村」に遊びにいく様になってしまった。外装としては止めに
オフロードパイプバンパーを採用、名実共に立派なジープ型改造車になってしまった。又、そういう部品が安価に多種にあるのもこのクルマの魅力といえよう。