次の林次の廃道日記に。む。


廃道日記(Riding・Report)


「光と影」という言葉がある。
観光客で賑わうこの里山の風景も、
先人の努力と苦労があってその繁栄を謳歌している。
廃れるとは、
そんな苦労の時代の抜け殻、感傷と言えよう。
しかし、
それは決して忘れてはならない小さな歴史である。
今ここに、
そんな里山のおとぎ話が消えようとしている。


ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
大変危険です。
当サイト掲載内容によるいかなる被害も、
当方は保証致しません。


このルートは、近隣住民から上記のようなクレームが出ているルートです。
散策するハイカーなどに十分留意願います。
また、このReportは
通行を奨励するものではありません。


キャプこのContentsは、適当に増殖します。ョン
廃道日記(Riding・Report)003

 今回は恐ろしくマイナーな所です。
 そもそもは10数年ほど前「花見山の奥にジムニーとバイクしか入れない林道がある」事を知りました。
 そこは折り重なるように登山道も絡む道のりで、車両が通れるルートは2つ。本道は渡利地区から花見山の南東を抜け、十万劫山と呼ばれる標高428.9mの山頂に出るルートでした。ほかに住宅開発の跡地を抜けて北側の花見山地区にでるルートが存在しました。
因みに福島市渡利地区は福島県庁から南東に流れる阿武隈川を挟んだ対岸にあり、県庁からバイクで林道入口まで10分を切る距離。こんな所にこんなお宝スポットがあるのも「流石田舎!」という感じだろうか?(自虐的な)
 十万劫山はその頂上に水神様を奉る山でありますが、現在のルートはやはり造林を目的に造られたモノのようです。現在はその一部を携帯電話のアンテナ塔などの管理道路として生かされていますが、使われない部分はここ数年廃道化が進み、一部は車両が通れる限界点まで来たことが言えるでしょう。

 廃道化のきっかけは我々マニアによる通行にも一端がありました。特に一時ナンバーの無いレーサーが林道を走っていたり、大人数で車両を持ち込み、通行していたハイカーと揉めたりと、風の噂は絶えませんでした。ついに町内会や教育委員会が苦情を元に動き出し、一時は夜間にパトカーが見回りに来る程、騒ぎは大きくなってしまいました。

 我々の足も遠のき、あれから5年・・・
いまや十万劫ヒルクライムは、過酷なサバイバルと化していました。


お寺入口の看板が目印。県道渡利山口線は国道4号線から渡利地内を抜け国道115号線の山口地内に合流するシュートカットとして利用される。


 例によって。
1

 
雪の降り始めた12月。ほんのお遊びで久しぶりに逝った十万劫。たまたまその日は半日の仕事帰りと言う気軽さで足を踏み入れた訳だが、これも偶然思い出したように山頂側から突入してみたのだった。
 これはあくまで様子見と言うことで、コース上唯一気軽に回頭が出来る場所が山頂の空き地だったからに他ならない。
 十万劫山の頂上へは裏からも入ることが出来ます。一番近いのは県道308号(山口渡利)線、花見山のメインルートでもあるこの県道を東に向かって抜けると二つ沼公園に出ます。その先のY字路から県道を離れ右手に進みます。角にお寺の看板があるので分かり易いかと思う。
 集落を抜けると山側に向かうヘアピンから舗装は消え、いきなりの林道状態、しかも斜度は20%以上あろうか?という過激な登りである。

今回のルートはTouringMapple2005.3版に点線表記(一部表記なし)

側には福島市観光課の建てた
ハイキングコースの標識もあるが、殆ど判別不能。


民家の中、つづら折れの舗装路を駆け上る。



民家が途切れると、道はその素顔を見せ始める。舗装が途切れると急激に角度を付け林道化する…?



 そういやこのカーブ、昔クラブのジムニーが滑って上れなかった所だ。思わずの思い出し笑い。幾つかのヘアピンを折り返し登ってゆく。途中、残雪のない区間があったので、通常路面も撮影。基本的にはこんなですが、ヘアピン等は少々ぬかるむ場所もあります。
林間コースの中にあるT字路を過ぎると雪の中たった一つの轍が消えて、ルートは先日降った残雪残る冬眠道となりました。
下がアイスバーンの様で流石のジムニーも厳しい所。おお、よれるよれる。ここはお寺への渡利側からのルートでもありますがご覧の通り冬は使われておらず、既にこの時点でラッセル状態です。初冬でこうなのだから、シーズン中はまず普通車の通行は無理でしょう。ましてバイクなんて・・寒くなけりゃ楽しいんだろうけどなぁ。
大きく山を回るような緩やかな右コーナーを抜けつつ、急激に上り詰める直線の上は十字路。ここが十万劫への入口(裏口=初心者用)である。右に十万劫山頂、左が下の看板に出てたお寺の正門である。
当然ここは右折である。

車の走るわだちもやがて・・・?。


最後の民家と思しき所でなくなってしまう。


写真の広角ぐあいで広く見えるが実際はきついヘアピンコーナー。下はもうアイスバーンかい!


そうかと思うと、ごらんのような林道の姿を見ることもできる!


振り返ると、やっぱり雪は多い。


ここがこの道路(林道?)最標高地の十字路


 泥沼ヒルクライム。
2

 
右折するというより、Y字路に近い入口から、一回り小さな山道が更に奥へと登ってゆく。直角コーナーを抜けるとその先に広場があり、ここが一応の駐車場となる。
 ここからは普通車はもちろん、並の四駆すら入ることが出来ない孤高のスカイラインである。
とはいっても、ライフル片手に犬をつれて狩猟ジムニーが登っていたりもするのだが。



2枚の写真を繋いだせいか?十万劫へのルートの方が道幅が広く感じる。
が、実際は電柱部分で普通車程度の道幅しかない。

電柱は携帯無線等や気象関連の為にあるようだ。

記念撮影エリア。本道は更に奥に進む。



登り切る 。すると祠の裏側に出る。

その目前に案内板が建つ。

同時に、ここは完走の際の記念写真(集合写真)場所でもある。枝にある道は奥の電波塔のものと、すぐに見分けが付くが、問題は本道である。当日山頂付近は霧雨のため写真写りが悪いが、どうも伐採が入っているようだ。伐採道あがりの林道の本領発揮である。
そう直前のヒルクライムは、まさに泥糠のアリ地獄となっていたのだ。
まず、ダッシュをかます平地部分が巨大な沼と化し、助走のパワーを大きく奪う!急激な角度はノーマル位置にあるリアナンバーに引っかかる程のデパーチャーアングルとなり、脆弱なスタットレスタイヤの溝を埋め、たちまち即席スリックタイヤが、ドライバーの意志とは無関係に出来上がってしまう。

実にアタック5回!雪道とはいえ、かなりの時間を費やして、ついに頂上の「ゲート」に辿り着く。



十万劫。奈良東大寺建立の際に資金調達のため訪れた名僧行基によって開かれた。
祠には雷神を奉った石碑と横一列に列んだ地蔵が建つ。


戻り足のジムジム。そう、これが世に言う「十万劫ゲージ」。


そう、ゲート。
いや、敢えて今「ゲージ」と呼ぶべきか?
松の木2本に囲まれた水神様の裏道は、この松を境にこの世とのアクセスを絶たれるかの様に現実に「車幅」を判断基準として分けられてしまうのだ。
私が知る限りここを通れる最大幅の車両は旧型のエスクード(1.6L標準幅2ドア)のみである。

十万劫の由来の書いてある標識が建つ山頂からは霧が深く福島市を望むことが出来なかった。
下りを下見すると路面状況は極めてスリッピーだ!「マジやばい」どころではない。最悪単独でスタックすれば、ただでは済むまい。車を回頭させると、諦め悪く下からの突入を試みるのだった。

そしてそれは、思いも寄らぬ林道の廃道化を目の当たりにするプロローグだったのだ。


あやしい言霊で書かれたお経のような案内板!。

そして、目前には獣道と化した林道!。


このゲージはドアミラーを格納した最初期型エスクード 2ドア以上のモノを通さない 。

り始めて5分走り始めて5分

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キャプこのContentsは、適当に増殖します。ョン
廃道日記(Riding・Report)003-2



 仕切直し。
3

 そして本来の入口からのヒルクライムは熾烈を極める。
 大体、標柱が倒れている辺りからも只ならぬ気配が感じられる。市で遊歩道や散策路に指定してるのに管理されていないのは一目瞭然だ。





 20mも進まないうちに現れるV字溝は恐ろしく深く、脱輪すれば抜け出すことは容易ではない。
 助手席側のボディからは枝が接触する音が絶えず聞こえる。
 無理繰りこのV字溝を突破した目前には信じられない光景が広がる。

今回のルートはTouringMapple2005.3版に点線表記(一部表記なし)

「道路がない」
 写真一番奥の「谷」の落差は本来の路面から少なく見積もっても60センチ以上は抉られている。
ジムニーのタイヤ外形が70センチと考えると、それほど大量の土砂が流れ出た事になる。(何処へ流れ出たのかも解らないが?)
 しかしこの谷の幅が1.3mあることでこの谷を跨ぎ、その先に進むと、路面状況は目を覆うばかりとなる。
 いくつもの「縦割れ」が覆うこの状態は、もはやルートの選択すら許さない状況だった。
 そして、あっけないほどにジムニーの足は止まる。比較的浅く見えた所も、実は大量の落ち葉によって半腐葉土化したミネラル溢れる泥沼に変わりつつあった事を!


車の入った跡はすぐ消える!その先は何もない。


気合いの入ったV字溝!。


逃げ道を無理矢理造って進むしかない。


跨げたから良いという問題でもなさそうな。



路面が完全に流失している。これは川だ。
(オンマウスで5年前の本来の路面位置。多少誤差はあるけど)




わずか100mちょっとに侵攻・撤退で1時間・・・。
そしてついに雪解けに単車の投入となったのだ。

沢だよ!これは・・・。


案の定、逃げ場がない。こうしてみると行けそうだが・・・?


すでにフロント側はブレイクしてます。加重がかからず3輪スリップ状態。


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