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林道日記(OFF-ROAD・DIARY)

ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。





8月、生い茂る緑のダートを快走する。
森に吹き抜ける風が、心を癒す。ヘルメットの中、ときめく思いが放たれる。


キャプこのContentsは、適当に増殖します。ション
林道日記(OFF-ROAD・DIARY)051-2



実は津川林道、本名林道の
双方の終点となる県境
大規模林道と一括りにされることが多いが
基本的には管理は県ごとになっている。


●大規模林道という名の「負の遺産」に残る、良心的ダート。
福島県域で単体としては最大級の全長を誇る大規模林道本名津川線。

 ご存じの通り、大規模林道は昭和31年に森林資源の開発・観光を目的に設立された林野庁の天下用外郭団体の一つで、現在はその事業を平成11年に新たに設立された緑資源機構という傀儡政権が引き継いで居る「悪しき団体」の事業である。
 大規模林道の中でも昭和40年代に計画され、50年代に完成した林道については、当時の基準が昔の営林署の林道に準じており、比較的良心的な作りもあって、まだ抵抗感が少ないように感じる。この本名津川線もそう言った「昔の林道」に見られる風景を残した数少ない林道と言えよう。

しかし、今回、新潟県側については、実際には補修名目で徐々にダート部分が舗装化されてしまっていた。涙を飲んで県境に辿り着くと辛うじて、山頂付近から福島県側は未舗装が残っていた。
休憩の後、いよいよ本名線下りに突入する!。

TouringMapple2005.3版でもおすすめ掲載。たしかに福島側はお勧めです。


一段上に山神様と祭られる。
支柱に双方の距離と終点表記がある。
距離が合わない・・?


やっとダート。
ああ、恋い焦がれたカントリーロード。



前に来たときはここで陣取ってランチしたよな・・?。
夏風に乗って駆け下りる。先行したバイクの排気音がこだまする。


96'県境走破計画ではここが二日目の昼食場所だった。Photo by ion

●大規模林道
本名津川線(県境〜本名ダム)
区間総延長:約18Km(09/8現在)
舗装区間:約2.9Km(断続的)
未舗装区間:約15.1Km(断続的)
概要
 前回(96')に走行した時は舗装区間が全体の1割程度しかなかった県境〜本名間。
 この林道へのアクセスは、福島側からだと国道252号線金山町にある本名ダム(本名発電所)脇(北側)に起点となる。レポートは前半戦に沿って県境からのダウンロードの順であるが、霧来渓谷からはジムニーによる本名側からの写真となることを、あらはじめご了承願いたい。
 先にも申し上げたが、新潟側に比べて福島側は
舗装化が進んでいないので、比較的開削当時の状況で林道が残っているのは嬉しい限りだ。
 しかし、実際にはS46~56
年迄に霧来渓谷周辺で断続的に橋の架け替えや大規模な経線の変更があり、その結果現在は安定している、と言えよう。
 県境付近はハイスピードコース、中間はクネクネと曲がるテクニカルブラインド、霧来渓谷周辺でまた高速直線と新潟側の憂いを吹き飛ばすコース設定である。
 ただし、霧来渓谷は深いので、突っ込み過ぎによる転落には要注意だ。


96’の路面状況。一部舗装もあるが、福島側は当時と殆ど変わらない。

 県境の駐車場を後にすると、林道は見通しの良い大振りなヘアピンコーナーを介して豪快に下ってゆく。


目に優しい、
そして身体に嬉しい未舗装路(笑w。
調子に乗ってバンバンスピードあげると・・。


「なんじゃこりゃぁ〜〜!!」
Gパン刑事も驚くブラインドコーナー!
クランクコーナーを横切る
コンクリート排水路!

SJさんのタイヤ痕が
「くっきり」
しかも谷側に豪華カント付き!〜!
「死ぬかと思った・・・」


いやぁ、なまじスピードが出るだけに
下りは危険だわ、この溝。
登りは割と平気だけど。


舗装路にでる。でもこれは初期の暗橋が被害を受けたので直しまスた、という印象。
コンクリート製のガードもちょっと洗練(?)されている。


 そのまま尾根下を直線中心に構成されてゆく。対向車がなければ3桁に届きそうな勢いで下れるが、時折忘れた頃に現れる車やバイクのために少し速度を緩めるべきだ。林道は徐々に林の中に埋没してゆく。
 視界から尾根が見えなくなる頃には林道も沢筋の脇に繋がれ、ヘアピンコーナーも極低速の小振りなRとS字で組み込まれてゆく。
それでもまだトータルでかなりのアベレージスピードだ。
 その時
「あれ」が襲ってきた!
写真のコメントにある侠角クランクコーナーのコンクリート溝である。
本名側からの登りはまだ見通しが利くので解り易いが津川からの下りはブラインドになるので、かなりビビった。



路面状況はまずまずだ。
おかげで更にハイペース化しそうだが・・?



中間セクションでは小振りなヘアピンコーナーで高低差を稼ぐ。
道幅は十分あるが下りはスピードが乗るのでキープレフトを心がけたい。


そして、御神楽山登山口の分岐点に到着。
因みに写真は本名側から撮影、左が実は本線である大規模林道本名津川線。
右(直進に見える)が登山口に向かう林道。林道は大鍋又沢沿いを登ってゆく。


御神楽山登山口に逝ってみる。




メモ帳に「三条」林道と書き記してあったが、写真を見ると上に何か「別な名前」がありそう。


総延長は850.9mとある。実際登山口までメーター読み850.7m

 
林道は霧来沢の源流に沿って下ってゆくがやがて大鍋又沢という最大支流と合流する。その合流点に恐らく土石流で流されたのであろうか?真新しいコンクリート橋が出来上がっていた。橋を渡ると一旦登りとなり、間もなく御神楽山登山口との分岐Y字路に出る。
 御神楽山に向かう方が道路整備状況が良く、本名側から登ってくると間違って直進しそうだ。幸い、立派な標識があるので道を違える事はないだろう。逆に津川側にはガイダンスが無かったような気がする。(笑w



土場の脇には小鍋又沢沿いに登る枝林道。「小鍋又林道 総延長1955.8Km」とある。当日、手持ちのロードマップでは沢の名前が無かった。


本名側から来ると標識がある。
津川側には無かった様だが・・?。
因みに、書いて在る距離は登山道も含まれている。


一昨年末に作られた大鍋又沢を越える真新しい橋。
旧橋は流されたのか?。


この辺は枝沢が多い。斜面からも流れていた。


今年07'/8まで断続的に通行止めだった。
ゲートがまだ残っている 。
すぐ隣に大きな土場があった。



今年07'/8まで断続的に通行止めだった為、6月訪問の際はこのような警告看板があった。
この土場には、先ほどの橋や法面工事のための土砂・採石などが置かれていた。


 ここから、道幅も心持ち広くなった様な気がする。これはこの区間を大型トラックが頻繁に出入りした結果、路肩の雑草が後退しているせいである。
実際、道理幅自体が変わった訳ではない。

 そして、珍しく舗装路になったと思ったら、そこはかつての集落「三条」のようだ。道路脇東側にもう一本細い道があり、道沿いにほぼ全壊した廃屋が既に林と一体化して雰囲気を出している。本名側に居沢橋があり、居沢には旧橋も存在していた。
渡れそうだな?と思い立ち護岸沿いを歩こうと・・・
「わ!蛇」
「だ〜!何匹居るんだ!」

昭和54年11月竣工とある。大規模林道に昇格?して掛け替えたのだろうか?。


同じ様なコーナーでも、
見通しの効く川沿いのルートはペースが違う!。


三条居沢地区。ここにはかつての
森林基地だった住居跡などが廃れていた。



遅い春、6月の居沢橋。奥にかつての林道?と幅1.5m程度の細い旧橋?が残る。
橋の上と袂は
「蛇の甲羅干し(矢印部分)会場だった。


 護岸から橋に至るコンクリートの上、さらに旧橋の上に至るコンクリートの橋上には、午後の暖かい光を浴びてでんぐり返る?大小の蛇どもの憩いの場と化していた・・
「蛇橋だ・・・」


居沢橋・・「蛇橋」と改名が必要だ。不幸な犠牲者が出る前に(爆。


 ここから先、同伴してきた霧来沢は急速に深みを増し、本流である只見川の標高に戻ろうとする。道路とは高さが大きくなり、道路が跨いだ沢などはそのまま滝となって道路に流れ落ちる程となる。「霧来渓谷」と言う訳だ。
そしてこの辺から竣工年による意匠の違いか?様々な橋が続いて、空中回廊となっている。


三条辺りから急速に谷が深い。


暗橋も含めて、小さな沢を幾つか越える。



霧来渓谷のハイライト区間。
断崖絶壁にへばり付くように都合4つの橋が現れる。
それぞれ竣工年が違う為か?独特の意匠を感じる橋達である。
一番奥がこの
「第2長渕橋」、変形片桟橋?である。



第2長渕橋は昭和52年11月竣工とある。

 
長渕橋は大きな岩塊を跨いで都合二つの橋がかかる。双方には勿論ほぼ滝の状態で沢が流れているが、岩塊の上では1本の沢なのだろう。津川から下ってきて最初の第2長渕橋は切り立った法面との差が無くほぼ片桟橋状態、あの大峠山形側に存在した小猿倉橋を思い起こさせる。何故か同じく第2の方が小さいのに立派な銘板が付いている所も笑える。


「長渕橋」の竣工年は失念。銘板を確認できなかったが・・?。

 すぐに“第1”「長縁橋」が現れるが、こちらは至って普通・・? 欄干が左右で違う。沢の方がガードレール、山側がコンクリート?良く見るとその奥には一部地続きで旧道らしき跡がある。第2長渕橋より後年の竣工だろうが不思議な形状の橋だ。

 さらに下りると「函渕橋」。ここは入り江のような沢を橋で跨いでいるが、入り江に沿って旧道と「旧函渕橋」が現存していた・・・が、既に林道も橋も巨大な箱庭と化していた。


川面となる西側のみ欄干がある。
その南北に銘板がある。


「長渕橋」ここも妙だ。
川面がガードレール、崖側がコンクリート。写真右手の崖下には旧道らしい部分も残るが・・・。


「函淵橋」昭和56年12月竣工
この欄干は昭和50年代から現在までの、
会津地区の林道に見かける意匠だ。



崖側には
「旧函渕橋」と接続する道路が、そのまま巨大プランターとなっていた。
コンクリート製の旧橋は今だ健在である。



6月に来訪した際はそこかしこにヤマユリが咲いていた。

 林道を下ってゆくと名称不明の橋。これは手持ちの地図にも沢の名前が無く、欄干にも名前が無かったので「名称不明」である。補強付きのガードレール欄干がついた、これも会津地区ではお馴染み?の橋である。笠木の湾曲は雪の重みに因るものだろう。

 霧来渓谷を望む橋を4つ通り過ぎると、霧来沢は林道と一時距離を置く。ハイライト区間はこれらの橋のお陰で2Km近いほぼ直線を形づくっていて、橋を気にしなければ豪快に飛ばせる区間だ。ただ崖は20m前後の落差があるのでやみくもに飛ばして紐なしバンジージャンプにならないようにしたい。



昭和57年竣工の猿木沢橋。本名側からはいると最初の橋。




橋に銘板がなく「名称不明」橋。他の橋とは
欄干の形状が異なる。



「猿木沢橋」長渕橋と同じ意匠の欄干。
最近だと七ヶ岳で見たな?


本名ダムの北側に位置する霧来沢に架橋する
鉄鋼吊橋「霧来沢(きりきさわ)橋」
車が渡れる平成架橋の鉄鋼吊り橋は、ここ以外に知らない。


 雑木林に入るとさらに一つの橋を渡る。林道はいよいよ本名ダムに辿り着く。津川から来ると上流只見側、西側に橋が見える。
最近では珍しい鉄骨製吊橋、霧来沢橋である。
直ぐに西側に下るY字路がある。

霧来沢橋を渡ってみる。


07'6月、入口には工事中の看板があった。8Kmは大鍋又沢の橋だろう。


平成15年の工事看板。沢の名前が記載されているが・・・県境から新潟側か?

 そして、本名林道起点に到着、国道282号線に合流する。

調査日(08/8/26)の状況:
 路面状況は良。整備状況は基本的に良好。県内屈指のロングダートは健在。本名林道の約8割はダートのままだ。
 極めて個人的な意見だが、天候が荒れた後の方が面白く走れそうな感じだ。が、実際にはロング故に全線通しての通行車両が少なく、一度アクシデントがあれば非常に危険な林道である。2〜3日後の、出来れば管理者が道路整備する前がよさげだろう。往復でもいいのでは?


霧来沢橋への分岐、左下に下りるのが橋。
橋を渡ると湯倉・橋立温泉へ。



ダム湖畔のルートは排水に難があるようだ。


本名ダムから入ると「期待させるルート」
に見えるが・・・。
「落石注意」は望む所?なんだが・・?


大規模林道本名津川線、本名側入口。写真左手に曲がる舗装路は国道252号線。
本名ダムの上を、国道はさながらシケインの様なクランクコーナーで抜けてゆく。
写真左手の矢印標識の付いたコンクリート擁壁は、本名ダム本体である。




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