廃道日記(Riding・Report)
































  
氷の宮殿へ。







ワイド版(笑。



廃道日記 50 2022旧国道13号線「厳冬の万世大路/二つ小屋」

「氷の宮殿」

リンク先の皆様は
もう10年のも前から
その美しさの虜だった。
毎年正月過ぎに訪問し、
その年の年末の忘年会で
その氷の宮殿の話をする。

あれから10数年、
コロナ渦で忘年会の話も無いまま
今、僕は彼等の見た
宮殿に居る。






















ご使用上の注意!
このデータは、
あくまでおいらの走った
ルートの覚え書きです。
走行距離は主に
バイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて
無断で補正しています。
また、
掲載される内容は大変危険です。
当サイト掲載内容による
いかなる被害も、
当方は保証致しません。

















 プロローグ。 1



 当初の予定では午前に山形、米沢坑口にトライし往復、お昼を食べて移動し福島側に移動、二つ小屋隧道往復という予定を立てた。
 
しかし今年は休みの日の天候が合わず、加えて豪雪であり、特に米沢側の積雪は半端ない状態だった。
 
取り敢えず別日に米沢はヤるとして、まずは2月6日に足慣らしも兼ねて二ツ小屋を攻略しに出かける。
 予定した駐車スペースが除雪車の回転スペースの為閉鎖、警備員を横目に東栗子トンネル北側の空き地を除雪し、なんとかエヴリィを滑り込ませる。














 早い展開。 2



 スノーシューに履き替えゆっくりと登り始めた。

 天候は曇り、肌寒いがどうせ汗をかく予定なので気にせず登る。
 昨年より明らかに足跡が多い気がする。というかマジ去年よりルート増えてる?
 去年の事を思い出し、旧米沢スキー場ロープウェイ直下に誰かが歩いた跡をトレースしてゆく。
 去年は少し林道沿いを歩いたが、さてどうだろう?




樹木跨ぐ足跡、なにげにハート形に踏まれてる。



おそらく飯坂温泉観光教会が設置したリボン。
ルートは間違い無い様だ。




















            
 先行者はベテランの様だ、のらりくら
りと谷を躱し、斜面を均等の角度で登っ
てゆく。これは楽でいい。      
 なーんて思っていたら林道に取り付く
斜面は滑り台してる!クソっ帰り道か。
 何人もの他の足跡に沿って傾斜が緩い
斜面を斜めに登り、林道に駆け上がる。
昨年のユンボコーナーより先のヘアピン
の様だな?林道沿いに歩く人はまばらで
殆どが更にショートカットで斜面を登っ
ている。              














 誰かが作った階段をスノーシューを突
き刺すように使って登る。正しい使い方
か何て解らないが、とにかく登れる。
 ヘアピンの突端から突端へ登る。
 まるで宇宙戦艦ヤマト(初代)のワー
プ航法解説の様だ。






樹木跨ぐ足跡、なにげにハート形に踏まれてる。





飯坂温泉観光教会が設置したリボン意外にも。
無数の足跡が!。






















 


















どこからともなく真田さんの声が聞こえるよ。(幻聴か?)

 去年はもっと林道を歩いた気がしたが、今年は速い分過激だな、後半は斜面ばかりで疲れるぜ。
 最後にキツい斜面を登る。
 先行者の足跡が居なければとても単独で上がれない。感謝感謝を唱えつつ、登り上がる。

 
見た事ある風景は、何と昨年と全く同じ登り口からの二ツ小屋隧道入口コーナー前だった。


























昨年秋のツーリズム看板が内部に格納されている。
トラックで運んで来たんだろうな。


天井まん中に突き出る水抜きのエンビ管。
素人のMRでさえ「そこじゃないだろ」と
つっこみたくなる。
しかも漏水無し(笑
















 氷の宮殿へ。 3


 
隧道入口には萬世大路130年の看板が置いてあった。昨年秋のトレッキングの物だろう。
 去年より入口が狭いのはここ数年で最も深い積雪と坑口向かって左側が雪崩の為だ。付近は相当寒いので道は
安定してるのかも知れない、
「来年は来なくて良いかなーー?」
 去年はすれ違った人も含めて、会ったのは20人いなかった。隧道内で会ったのは8人程度だ。
 今目前に置いてあるスノーシューだけで、12〜3人居る。
 しかも後から2人、また3人と増えている。MRがスノーシューを脱いでスパイクに履き替え、カメラを準備する間に3〜4人が先に入洞する。皆さんスマホ撮影のようで、奥から素っ頓狂な声が聞こえるとすっかり観光地気分だ。
 
相変わらず、いや去年より太く、透明度が高い標柱が並んでいる。
 去年より倒壊している柱が少ない。急激に暖かい日が少なく、平均して低温を維持しているので強度があるのか?地盤に含まれる水分も昨年よりあるのかも知れない。
 
表層近くは凍ってしまうので地下水が豊富でないと綺麗な漏水は発生しないだろう。
「いやそもそも道路トンネルに漏水は有り得ないのに、観賞用は綺麗な漏水かよ」 誰ともなく突っ込むもう1人のMR。
 
何より隧道自体の気温がメチャ低い、去年より確実に寒い。
 その割に氷のカーテン付近では道床の凍結が広い。
 
昨年より漏水量が増えているのでは無いだろうか?先ほどから聞こえる悲鳴は奥の凍結部分でスリップ転倒する人のものなのだ。

















去年より支柱が太く…
つまり漏水量が増大している(笑


去年より支柱が多く…
つまり漏水個所が増えている訳か?
廃トンネルでそれマジやばい(大笑


流石にジム二ーもここだよね。
ちゃんと漏水無い所に格納している(笑


 観光地と化しているものの、氷柱自体は確実に昨年より太く、透明度が高い感じがした。
 萬世大路保存会が設置したロードコーンで隔離された所は側面から天井までコンクリートが剥脱し、天井の支保工である木製の丸太が見えるほどだが、もはやニョロニョロもとい氷筍の部落と化していた。
 
もはや支保工と相まって気
持ち悪い程である。    

そして米沢側の抗口に
来てしまった。

 完全凍結の二ツ小屋大滝の流入口
から清水の替わりに冷気が舞い降り
てゆく。 凍える寒さ故の美しさを
動画に収める。

 驚いた事に昨年より更に積雪高があ
る米沢側坑口から鳥川橋にカンジキの
足跡が延々続いているのだ。    
 今日も? 10人以上の人が厳冬の栗子
山を目指していたのだ。      

「帰ろ」      
                   











偏額とアーチが素晴らしい。
(笑























 勿論登山技術も経験も極小なMRは、写真を撮って踵を返す。
 予定どおり福島坑口でお昼のカップラーメンを食べて、帰路についた。
 帰りも10人以上とすれ違い、みな東栗子トンネルの手前の駐車スペースから歩いて来ている様だった。

PS
 来訪後の2月11日、同随道で長さ1M程のつららが落下して破片が観覧中の男性に当たる事故が発生した。
 ドクターヘリで搬送されたが、命に別状は無いと言う事だった。
 自然の物なので落下は仕方ないのですが、お気を付け頂きたいです。
 あくまでMRの主観ですが、今年は道床の全面凍結が非常に広く、MRの来訪の時も観光客でスパイクやアイゼンの様な滑り止めを履かずにスノーシューを脱いだまま歩いて氷上で転倒する観光客を見ました。
 滑ってバランスを崩し、手がかりに氷を掴む人も見ました。
 ご来訪の皆様もどうか装備を万全に御観覧下さい。
 規制が入ってからでは遅いと思いますので。



 そして観光地化した。 4