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2021 晩秋「七ヶ岳林道/中山峠」2
ふりだしに戻る。




晩秋の旧道、中山峠をゆく!

 制限はマニアの為に、 5
  三叉路を右に曲がると直ぐに「通行止」の看板が立ちはだかる旧国道352号線,中山峠通行止区間が現れる。
  勿論廃道なので
侵入は個人の裁量ではあるが、現在は営林署が林業の為に台風で壊れた道路の大半をほぼ
補修完了している。
 そもそも、元国道なだけに道幅はともかく中山峠は基本舗装路だ。
 
明治の馬車道の風情だった峠道は、昭和35年の国道法改正に伴う国道300号線化の恩恵を受け、道路を管理する田島町と館岩村は国からの補助金を原資に、道幅の拡福や線形の変更、大形のヘアピンを複合して設け登り勾配の緩和、鋪装やガードレール等の安全設備の設置が復数年に渡って行なわれる。
 しかし地方の主要道の改良よりモータリゼーションの方が遥かに早く、またそれと同時に道路土木技術も驚く程に進んで、昭和57年頃から現在の新道へ変換される。


旅先Photo !

七ヶ岳林道起点、さて、すっかり見通しの
良くなった三叉路を右折、西へ。


Pohto2019
旧道も登山道も通行止め。旧道は2016年頃に土砂崩れで
一時通行不能に、登山道は18年に鉄砲水で道が粉砕されたらしい。


「3年連続で来てるが」年々モチベが落ちて行く封鎖。


 通行車両の増加と車両そのものの大型化に中山峠は耐え切れなかったのである。
(いや、だからといって同路線上にある「松坂峠」が耐え抜いたとはとても言えないが)


 因に先ほどの七ヶ岳林道起点地点から現在の国道までは道幅5m程のつづら折れの舗装路が続いているが彎曲率も傾斜もそれ程では無い、比較的穏やかな線形だ。
 全く手が入ってないのは、この
七ヶ岳林道終点から町境で有る峠迄の区間だけだ。因みに先ほどの喜三郎小屋にあった通行止めの羽塩登山口も旧道の通行止フェンスの隣に揃ってゲートで仕切られている。
 
では定石通りにスルリと行ってみよう。

 先程も書いたが、基本的にこの旧道区間も全線舗装路である。
 
工事や営林作業に依って舗装が瓦解して砂利引きになったり、流れ込む沢から漏水などでアスファルトが流失したりして砂利や洗掘の区間も幾つかの存在するが、一応舗装路である。
 ゲートから突入後も、旧道は峠に向かって割と緩やかに登って行く。
 
例のよって最初は比較的ゆるやかな道程で、道幅も5mが続いている。植林の森を抜けると、かつての営林土場と思われる広い空き地を過ぎ、道は山脈の南に面した左側が崖の道筋に出る。
 
旧道はガードレールなどの安全装備も散見されて、もはや廃道である(笑。
 しかし薮に隠れてガードレールが完全に隠蔽される頃には、ひび割れた舗装から高くススキが繁殖して、道幅の見え係りが1m程度の道となる。


所々欠けてはいるが、基本綺麗な舗装路だ。


まずはワイヤーガードレール


そしてガードレール
昭和の道路設備のオンパレードが続く。




「美しい!」ローアングルで撮ると広そうだが、
実際は道幅5mを割る。この辺では当時の大型車の離合は困難だ。



「紅葉が近い!!!」いやいや侵食されてるだけだから。
薮に隠れてるがしっかりガードレールが存在する道幅は3m程。



大きく尾根を廻るコーナーを越えるとついに
「ガードレールも消失する」
あとは中山峠まで一直線?。


南に開ける峠。峠の南側のふもとには
田島町側の現行352号線が通っている。
 
 既にセンターラインの痕跡すらなく、いや最初から無いかも知れないが、仰々しいカーブミラーがあさってを向く深いコーナーを過ぎると、遂にはガードレールも無い崖っ縁の道がついに道幅2m位まで狭まっているのだ。
 この時点で大形トラックや乗り合いバスと遭遇でもしたら相手はヘアピンまでの長いバックに苛まれるのだろうな。
 盛大に繁殖した雑草に紛れて、
時折崖側の路盤が落ちていたり、流れた水がクレバスを形成して来訪者を谷へ誘い込もうとするので常に注意が必要だ。



「ここが中山峠」案内板がぽつねんと建つ。


「ここは会津山地 緑の回廊」
かつてここには峠の茶屋があったというが、ここが旧道化した頃に撤退したらしい。


「けっこう広い」乗用車にして5〜6台分はあるな。
道路正面もヘアピン故に8m近い道幅がある
(奥の土手まで舗装路だ)


オイオイ「標識が書き換えられている!!」


Pohto2019
元が何だか判らんな?。

 多分現役の時には荒海川沿いの集落と田園風景が楽しめたのだろうが、今は未整備の木々が邪魔をして余り風景は良くない。紅葉も色はいいが周りが雑草だらけで、カメラを構える気にならない。
 かつて峠の茶屋があったらしい中山峠に到着。それらしい奥行きのあるヘアピンに看板が建っている辺りに茶屋は建っていたらしい。
 茶屋は国道が換線して旧道化するとたちまち撤退したらしいが、建物事体は長い間放置されていたという。



「ここから本当の峠道だよ」せ、狭っ!!


さ、沢になってる!。


 茶屋の駐車場か峠のヘアピンが超道幅広く設計されたのか?今はただただ雑草だけが生い茂る。 

 本気の本性。 6

 
標高1175mの峠とも言える町境を越えて田島町から館岩村に入ると道は急激に下り坂に変わる。
 
先に言っておくが道路の整備状況は明らかに田島町の方がいい。予算が桁違いの印象を受ける。

 このヘアピンの入口にある標識は、その表示内容が営林業者に書き換えられると言う事態が発生していて面白い、他ではこんな大胆に替えられて物は見た事が無い。
 そして、南郷側は流石
戦後間も無く開削された道らしく、道幅は先程通った館岩側のよりさらに狭い2mから2.5mという所、加えて猛烈な下り坂だ!どうやらここからが中山峠の本性らしい。



「虹色の地獄!!」バイクを降りて撮影の為に歩くと、
やけに軽い足音や紅葉の溜まりでもないのにフワフワの感触におの退く。



「光の燦爛」の下は
「沢の氾濫」

 林道と同じく時折不意に路側帯があり大型車の離合を可能にしているが、勿論センターラインが現役中に描かれた事は無いだろう。
 ゲート突破の最初こそ、登って来る時もダブルトラックと化した舗装路の真ん中にうっすらと息も絶えだえに白線の痕が見て取れたが、峠のこちら側(西側)は完全に一車線しか残っていなくて、
3ケタ国道というより普通林道の廃道感が強く漂って来る。
 道は小さな沢と共に下って行くのだが、路傍のやや廃れた道路を背景に美しい紅葉が燃え上がる。
 
しかし走りながら見とれてはイケない、その足元はガッツリと紅葉に埋まった洗掘の罠が、中途半端に欠け落ちた路肩が、水藻でスケートリンクの様に滑る奇跡的に綺麗なアスファルトがモグラ叩きの様に存在するのだ。



「綺麗」ネオン管に絆された様な滲み出る


「長い廊下の床に貼りたい」
見事にブラウンサテンブラスト塗装されたかの様な道、針葉樹の落葉も美しい。


  わぁ 路肩落ちてる!?

 綺麗な薔薇に棘がある様に、紅葉に見惚れる所は危険なルートなのだ。必ず停車して鑑賞しましょう(笑
 アスファルトの下に敷かれる砂利が濁流に流されて無く、走るとカタコトと音が鳴る舗装道をゆっくりとスタンディングで走って行くと、ついにアスファルトすら流されてほぼ岩盤の砂利道が現れる。
 そのダートを更に下ると沢はいつしか谷となり、対岸に美しい紅葉を望む。


ぁ 路肩また崩落してる!?


ヘアピンある所暗渠あり、暗渠ある所漏水あり!!


ほらな、アスファルトが流されている。

 カーブ手前の美しく灯るカエデの葉を気の済むまで何枚もアングルを変えて撮影し、楽しむ。
 気が付くとついに路面にアスファルトのアの字も消え去り、本当に林道のように姿を変える旧県道352号線。
 
すると唐突にコンクリート製の真新しい暗渠が現れる。2016年に被災した橋は営林署の事業で復活していた。
 そもそも国道時代はコンクリート橋が掛かっていたと思われる地点は、僅かに橋台らしきコンクリートが在ったと思われる残骸を残し谷ごと濁流が押し流した様だ。
 営林署は橋の再建を放棄し20M程上流の比較的安定した平場に
中央が窪んだ堤「洗い越し」が造築されていた。




そして濁流は路肩ごと沢に流れ込む。
解っているのに止められない。あ、そりゃ……


なんだこりゃ。橋ごと流された沢に新しい堤と洗い越しが!

土手から田島町(北東)方面。ヘアピンのとっかかりを見る。
矢印奥で逆ターン。


土手から館岩村(南西)方面。
さらに先に「まといリス」ヘアピンへと続く。


ここも治している。ここだけ6m道路?。
 
 そしてここが、館岩村営林署が現在(2010)作業している最奥でもあったのだ。ここから先は最早砂利敷きではなく赤土の作業道と変わる。
 間も無く右手の裏面(北側)が伐採され明るくて開けて来た。
 先の土場には沢に降りるスロープがあってお遊びがてらに渡河すると、しっかり対岸の山奥まで伐採用にブル道が続いていた。



「萌える様な紅色」


「ヘアピンに花壇状態?」白樺が良い味出してるなぁ。


あ、まといリス!。山口営林署謹製。
 
 沢沿いの紅葉をカメラに収めつつここで一服する。

 御褒美もある。 7

 休憩の後更に前進を再開すると更に下の土場で大ヘアピンに到達する休憩の後更に前進を再開すると更に下の土場で大ヘアピンに到達する。
 イン側の広葉樹が燃える様に紅く染まっていた。



「胸が高まる良いヘアピンだ」
しかも美しい、このヘアピンにはエクスタシーがある。


でも、下のターンは“虹色地獄”」
全面落葉積層陣。爆裂するな、ロードバイクなんかで来ちゃうと。


黄金の道を下る。

 白樺の木が、素晴らしい紅白のコントラストを描き出して居る。
「ワンポイントのブローチに“まといリス”の赤いトタン看板が実にいいアクセントだ」。
 昨年に通過した時はこのまといリス、無かったよなぁと思いつつ何枚かシャッターを切る。
 ずっとオレンジ系がメインだったので紅が眩しい程だ。




「くもり」より一層黄色が深まりを魅せる。


「はれ」まるで自然発光したかのように不安定に灯を点す。


たおやかな燈。光と風の加減で次々と点滅してゆく。


思い切り急傾斜なヘアピン。


立派な支線があるじゃない。

「林道手取線」どうやら作業道を繋げて
林道化した新しい物件の様だ。

 この大ヘアピンを回る頃には道は廃道から旧道へ、旧道から作業道へと様変わりして10tトラックも余裕で行き来する直線的な4m道路となる。

 ラストエンドは
 ループで。
8

 どうかご安全にと独り言を言いながらセローで下り続ける。
 やがて再びヘアピンと思われた所は、別な林道の分岐点があり、その林道「手取林道」の起点でもあった。
 
ここにも在るよ、館岩村独特の林道表示板。KLX25を停めて一度GPSをリセット、2020年は初めて分岐林道へ迷い込んだ。



「素晴らしいコントラストだ」青空、燈、紅、
そしてエボニー(カワサキ黒)(笑。



ダートっぽいけど舗装路です。
沢沿いを降りて行きます。

 
 平たく言えば手
取林道は国道沿いに流れる館岩川に合流する支流“峠ノ沢”を遡上する形で尾根沿いの縦走登山道を目指して行く(途中から登山道)“峠ノ沢林道”に合流する林道だ。
 名も無い峠を超えて道は下りに転じるが、峠以外は生育の良い区画から順に伐採が進められ、斜面の地肌が見えるかの様な所も散見された。
 下りはこれからと言う風情で、まだ間伐程度の作業が進められた所だ、まだこれから林道として活躍するだろう。
 
一方、そのまま旧道は館岩川に沿って降ってゆく。





なんだこりゃ。全面LED発光体か?しかも電球色?。

ここが『ジパング』

 これが国道かと首を傾げる道幅やクランク状の崖落ちカーブがあるものの、峠から支線林道までと比べればかなり大人しく、緩やかだ。道幅も4mクラスの中低速ダートが続いてゆく。
そして200m前後の直線区間が現れると。目を疑う金色のトンネルが表れた。
 
沢沿いに谷が広がって行くと、紅葉がモノスゴイ事になって来た。



「いいねえ」造林の中に燃える


「あ、落石注意」の右コーナーを曲がると

 もはやこれは金色の廃道だ!

 そんなこんなで旧道をゆらり降りて行くと、いかにも国道らしい立派なコンクリート橋が表れた。
 
全長約18m、その幅約6m程の、ゆったりとRを描いて峠ノ沢を渡る。橋の名前は不明だ。



「ここも、紅葉最盛期」

「こりゃまた綺麗なオレンジだぎゃ。」
標高が900m位の沢沿いの南面 、紅葉満開だな。


これは「コンクリート橋」?。


 
何故ならば、現存する4本の親柱に在る筈の銘板が凡て失われているからだ。
 この橋もその意匠が独特で管理者である館岩村に当時関わりのあった設計者によるのではないだろうか?、と推察する。
 
館岩村初の峰越え林道でも在る鱒沢林道*安ヶ森林道も昭和37〜40年台ながら戦前のような橋の意匠が素晴らしい。




「凡庸に見えて精一杯の意匠が」
路面事体にも破綻が無い。旧道化する直前に補修を受けたか?



銘板が無いっ!!!。

こっちも銘板が無いっ!!!。


「橋桁は鋼鉄ビームだな」その上にRの橋が上がる。
欄干の鉄棒が上が太く下が細い凝った意匠。


「土場も兼ねた広い路肩」
国道時代からの広さだろうか?

「峠ノ沢林道 起点」昭和57年開設。


絶対に路肩に寄れない、危険すぎる。

森の上の木陰を車が通る。いよいよか?


あ!「コテージ?」登場。

県道が旧道化した後の竣工か?


 撮影していると橋桁が直線である事に気が付いた。
 現場打ちコンクリートなのでまだ彎曲コンクリート桁の製造が困難か高価だったと推測する。
 恐らく昭和40年後半から50年台に架けられた橋だろう。
 
橋を渡った所で先ほどの林道に繋がる広い三叉路で林道が接続。
 この橋から道幅も更に広く安定して舗装路が完全復活し、さらに緩やかな左コーナーと供に、沢沿い最後の登りとなる。

 そうして本当にサラリと旧道からたかつえスキー場のメインルートに合流したMRの目前にコテージの様な建物が見える。

「たかつえ高原スキー場に連なるペンション群かな?」
と何か見忘れた気がして振り向くと、あるじゃないか重要なアイテムが!



完全抜け。おざなり簡易ゲートと通行止め看板がお出迎え。


ぽつねん。おっと忘れ物!、
道路情報案内板「通行止」「当分の間」

「道路情報案内表示板ではないか!」
 ちょっと勿体無い程の急ブレーキと甘い香りのタイヤ痕を残してサイドキックターン!
「ちょっ!旧道上でサイドキック?」(笑 そして撮影。
 
仕上げに、何となくゲートで閉鎖されている旧道と「通行止め」の看板も撮影。
 無事、たかつえスキー場ルートに合流する。完抜け!これが「旧国道352号線 中山峠廃道区間」だ。



これが「中山峠廃道区間だッ」堪能しました。





 
おしまい。