ご使用上の注意!


このデータは、
あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。

走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて
無断で補正しています。

また、
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大変危険です。

当サイト掲載内容による
いかなる被害も当方は
保証致しません。





2021林道罹災証明書 02
「鱒沢林道」(安ヶ森林道)にて
ふりだしに戻る。



旅先Photo !


2020春にも来訪!!! 2018年以来、あれからどうなった?
(2020春、撮影)


 歴史の名林道の被災 1

 
鱒沢林道は江戸時代の鉱山道から始まり昭和30年に隣の栃木県湯西川村との共同で福島県初となる峰越え村営林道を開削、昭和36年に完成、開通式は舘岩村始まって以来の林道開通式におおいに湧いたとされ、現在に至っている。 しかし、森林資源の輸入材攻勢、パルプ材の輸入低価格化、他道路の改修と新規開通などによりその道路価値はさがり、現在はかつての繁栄の跡も見えないほど普通林道化している。
 県境北側、つまり福島側を鱒沢林道と呼ぶ方はオフライダーでも少なく、殆ど地元の方か釣り師、山菜採りに入る人くらいだろう。



「この先通り抜けできません/南会津町
フツーに往けそうな感じなんだが?。(2018撮影)


 この林道が福島県下でも最も早い村民による林道開設であり、しかも森林鉄道末期の村営林道として昭和36年に福島県初の自動車専用林道だった事は、もはや舘岩村誌か峠の開通記念碑を読まない限り解らないだろう。
 因みに、
隧道の先に江戸時代からの鉱山があり明治初頭まで操業していた。現在の林道はこの鉱山道の上に建設されたようである。
 
林道の路面状態はこれ以上は無い程普通であり、バイクはおろか普通乗用車でも十分に通行可能だ。
 昔から田代山・馬坂が通れなくても安ヶ森は大丈夫と言われた程の林道である。村の管理はほぼ完璧と言えるだろう。
 フラットダートは食いつきも良く程よい直線と高速コーナー、アップダウンのある低速コーナーの組み合わせは十分に面白い。


ホント、普通の林道。


10年単位で間伐と伐採が区画毎に、
無駄無く行われる。





開いてるけど「通行止」そのココロは?(2018撮影)


「支流ズタズタ!!」こいつき橋の欄干の上を濁流逝ってるっ!!
(2018撮影/KLX125逆向き)


上の橋に被害は無い
随道までは谷も深く、被害が少ない。

 
比較的初心者向けと称される鱒沢沿いとはいえ、本気モードで走るとなかなか気の抜けない林道である。
 また何かしら地元の車両が入っているので対向車や駐車車両にも注意を払う必要がある。
(林道日記041 鱒沢林道より抜粋)
 
 2018年秋の状況。 2

 そんな鱒沢林道が被災したのは、平成18年9月、10月の二度に渡って来襲した台風による集中豪雨の為だろう。
  



「鱒沢隨道(仮)昭和37年竣工、村営林道のトンネルは
福島県初の随道である。
(2018撮影)


「ああ、この道は湯西川に出られないよ」この日、たまたま林道の入口で荷物満載のセローで地図を見ていると、この林道の改修を請け負ったと言う地元の土建屋さんに出会い現状をお聞きする事ができたのだ。 話によると、令和元年(2018)年9月の「台風19号“令和元年東日本台風”」の改修工事が終わらないウチに10月の台風20号に伴うの集中豪雨に連続で教われ、更に被害が拡大してしまったらしい。
 
激甚災害認定に共ない、国や県から災害支援の形で給付がありはしたが、当初の予算を大幅に上回り追加の金銭的援助もその林道の重要度の薄さから出ずに、村の土木部は予算以上の補修を行えない事態となったらしい。



だんだんに蝕まれてるな。
少しずつ崩れてゆく北側抗口。
(2018撮影)
「つまり、鱒沢林道はこのまま未通のままで終了なんですか?」
 実は18年に工事中ながら現場にトツゲキして流失した路盤改良現場でUターンして来たMRがここにいた(笑
「基礎や岩盤なんかも流失して、ヒデェもんだよ。
予算が組めなきゃこれで終わりだな」

 あの時は工事していたが、18年に治せるだけ治して事業継続出来なかったと言うのか?



「鱒沢隨道(仮)南抗口現場打ちの波板の跡が残る洞内。
独特の雰囲気と新緑が眩しい。
(2018撮影)


現場打ちコンクリート南抗口。
連なる道は双方直角コーナーという線形の悪さ。


随道の先は工事区間。
路肩下の暗渠排水も、林道路肩のコンクリートも、応急的に処理してその先に進んでいる。
(2018撮影)

 の先にもっと猛烈な、この歴史ある林道にトドメを刺した絶対限界点があると言うのか!
 あれから2年、未だネット上に鱒沢林道の顛末は伺えない。
 
 逝くか。 3

 業を煮やしたMRはその重い、(物理的に)極めて重い腰を上げて呟いた。
「確認してくるか?判らないなら、行って見て来ればいい」
 こうして被災林道増沢線アタックは幕を開けた、前人未踏ではなく通行不能の確認という、
ある意味いつもの林道パトロールである。
 まあ、八溝の嶺越え林道「八溝真名畑線」だって2年ごとに行くけど誰か走った跡が在るものなぁ。
 流石超有名林道だ。こうして折角だから紅葉の時期に行く予定を立て、今日ここに!この鱒沢林道の入口広場にKLX125と共にいるのであった。
ここ数ヶ月の最新情報は無かった鱒沢林道。2018年秋に来訪したMRではあるが、もう直せないと現地ジモティから聞き及んだのが翌年2019年春だ。
 セロー君でキャンプ用品満載堂だったので行けるところまで行ってみて、更に先行車の轍を確認したが涙を呑んで撤退した。

「今日は最後までゆく!可能なら県外進出だ
 2021年、目標は県境の記念碑前でカップラーメンを喰らう事にしよう。
GPSをセット、カメラ類の作動と予備電池を確認して走り出す。



「うわぁ・・ずっとこの調子かよ?」
これ護岸工事の基礎から作ってるよ。(2018撮影)


「終了か!?」
2018年はここまでだった<俺


 爪痕。 4

 沢と林道が付かず離れず寄り添う鱒沢林道は、またここの紅葉も素晴らしい。
 既に廃墟と化した林道に舘岩村独特の標識を過ぎると野球場並みの広さがある土場があり、そこの林道の入口側にポツンと
「通行止め看板」が立ててある。もう一度GPSを確認すると通行止め区間に突入してゆく。
 
ここからは2018年に撮影した災害復旧工事の写真も交えて見て貰おう。

 よく村民がBBQや芋煮会で使う植林エリアはスピードを控えめに進む。道路的には高速直線区間で川から離れてる事もあり水害に遭い難いので路面状況は最良の部類だ。
 飛ばす人には高速ウッドステージといえる直線ではあるが木の根や排水路が窪地となって林道を横断してたりもしてる上下運動の激しい区間でもある。
 
竿を持ったまま森や林道を行き交う人が多い季節は最新の注意が必要だ。
 また秋の芋煮会シーズンだと木陰から飛び出す子供が恐ろしく危険な区間でもある。



2年後、2018年工事区間は
無事突破するが?。



「ん!?」土砂崩れかよ。
 峠に向かって進行方向右手にある鱒沢に左から比較的大きな沢が合流する地点に差し掛かる。ウッドステージの終わりに簡易な通行止め看板があり、それスルーして行く。
 ここで急激に絞られた鱒沢は再び林道脇まで迫る。林道から約8m程下を流れる川には大きな石と共に根っこごと押し流された大木が水圧でフクロにされて捨てられている。
 あんなに美しく静かな沢は、いや今も静かではあるが
眼下には凄まじい災害の光景が刻まれていた。
 
振り返って左側の支流も今KLXと共に乗っている昭和35年謹製の橋の真下、目前まで土石流が来ていた。あともう少し勢いが増していたら、この橋は無かっただろう?橋桁に散乱する人の胴体ほどの木が暗にそれを予感させる。
 破損した橋の欄干には流された枝や雑草が纏わりつき一時は橋も冠水した事が窺える。
 写真を撮って前進、鱒沢が狭く、深く変化してゆく。隧道までの残り3つの橋はどれも健在で素晴らしい渓流美を見せようとしているが、その足元である橋脚の基部に大量に咥え込んだ流木と土砂に苛まれている。
「健在か?鱒沢隧道」便宜上そう呼んでいるが銘板が無いのだ。




「うおぁあぁぁ!!!」高ッ!!!!!!!!!!。

被災区間は大体10mくらいかな?
取り敢えずバイクは通行可能、慶虎は手前で
折り返してた。

鱒沢隧道は無事だった!
 ひとまず胸を撫で下ろして撮影する、北側抗口の右上のコンクリート欠けや内碧の欠損など、殆ど前回と変わらなく見える。余程強固な岩盤なのだろうか?
「ま、何にしても無事でよかった。」
 相変わらずトンネルの中から見る情景は格別感がある。出口側も盤石で問題はなさそうだ。無論水が上がった形跡もない。
 隧道部を含めたこの地形は沢に捩れと滝などの段差もある為或いわ氾濫も考えられたのだが、
先を急ごう。



「キタコレ、洗い越し!!」コレは新規?ここにあったっか?
撤退時撮影の為、セロー君向き逆です。


「ここも洗い越し?」
コレも新規だな?暗渠の上が凹型だ。
撤退時撮影の為、セロー君向き逆です。

 暫く直線的な急流が続き林道もそれに沿って登る。
 
前回2018に来訪した際林道側の護岸修復地点に到達すると道は補修が完了していた。
 前後に支流の沢の氾濫で被災した路面もコンクリート橋やもの凄い角度の洗い越しに補修されたいた。

 洗い越しの先に直ぐ支流を越える橋があり、
そこから先は明らかに未普請の、車の跡がない区間に突入する。いや失礼、軽が来てるな。
「誰か軽虎で入ってるな?」
 
ジモティだろう?なんせ名前も知らないキノコが流された灌木や、とにかくそこらじゅうに生えてる。



「未補修区間に到達」確かに3年も放置プレイっぽい。


ここはフルペイのセローでも何とか。


「最後段差越えアリ」
うおお幅も半分以下だ、無理はすまい。

 林道に木が生え始め、車も避けながら進んでいた。
しかしそれもここで終わる。
「おおおおおおおおおおおおおおお!
一点突破ぁ!」

 そこは樽沢によくある山砂地質の所で上から崩れた砂で路盤が覆われていた。一番高い所で1mくらい盛られたか?既にバイクで乗り上げ通過の跡があるので、ある意味安心して乗り上げ、写真撮影する。
 さらに本流を渡る橋を抜け、隧道から先ずっと渓谷の右手に林道の図式が逆の林道左側となる。橋の辺りで滝も終わり、ここから比較的高低差のない渓流?区間に入る。
 この緩やか流れは再度標高を上げる最後の峠区間、もと鉱山との分岐がある橋まで続いてゆく。


 少し登ると早速大きく抉られた林道が現れた。
「ここから本チャン、未補修区間だ」
 
一応護岸をコンクリート化してあったが残骸もない。
 
2021年春、フルペイロードのセローでの侵攻を断念。
 
同年秋に再びKLX125を持ち込んでの再挑戦と成る!



セローはここまで。
川も林道も狭まって、いよいよ後半戦へ!。




 
  
そして、歴史的林道は後半戦に…。
 

 その驚愕の結果は……?


         
つづく