温泉ツーリングスポット
五色温泉までは完全舗装だ。 正面山麓にみえる山肌のあたりが五色林道。 県道は五色温泉まで。ジークライト鉱山から。 温泉前を抜け(写真右の細い道)て滑川に行くのが 新五色林道である。 新しい展望露連風呂、男女湯船が二つ存在する。 道路脇には春の花「サクラソウ」が咲き誇る
●米沢八湯に数えられる、 上杉家御用達の温泉。 山形県の最南端といえる米沢は南を福島と新潟に接し、中央分水嶺を含む深い山並みに囲まれる。 三県にまたがる飯豊山連峰は未だ人を寄せ付けず、山男の楽園として君臨する。 その米沢市は福島県と県境を接する上杉家のかつての居城という城下町で、郊外には八つの温泉が湧く。 白布・新高湯・大平(おおだいら)・姥湯(うばゆ)、滑川(なめかわ)・五色・湯ノ沢・小野川の八温泉を「米沢八湯」と呼ぶ。 少し前までは、これに栗子・笠松鉱泉を加えて米沢十湯と呼称していた。 個人的には白河ダム上流に在る広川原温泉も入れて「米沢九名湯」としたい所だが。 そんな懐深くには、名湯と呼ばれる温泉郡が存在し、それぞれに味わい深い雰囲気を醸し出すが、その山深さ故に人を寄せ付けない、「人それを秘湯と呼ぶ。」だが、昨今は秘湯ブームなるものと旅館店主の地道な広報活動(つまり人呼んでと言う前に自ら名乗ってしまっている、昔のテレビヒーローか?)により、何よりアクセスルートの林道がバリバリ舗装化されてしまい、ドカドカ人が押し寄せるのだ。 山道を伝い走り、温泉で一献立てるoff-roadファンとしては悲しい限りである。 だが一方で、ロードバイクにより秘湯が満喫出来るというのは、それはそれで良い事でもある。 かつてカムイワッカの滝壺にZXR750で挑んだ際は、その砂利道に辟易したものだ。もちろん野性味あふれる滝温泉は何よりの馳走だったのだが、楽にロードバイクで行ける秘湯が合ってもいいじゃないかという思いもある。 国道13号線の峠である栗子スキー場の山裏に板矢という所がある。奥羽本線上にも同じ名の駅が存在するが、この板矢峠の近辺は秘湯が幾つか存在する。 その中で米沢市から最も福島市よりの温泉が五色温泉だ。 かつて板矢の村はジークライトの鉱山で栄え、今でも少量ながら採掘は続いている。その為鉱山に近く、昔スキー場(五色スキー場)が併設されていた事もあって、温泉までのルートは完全舗装なのだ。 道幅もあり温泉までのつづら折れは楽しい高原道路だ。海抜800M辺りの元スキー場のゲレンデに向かって、温泉旅館は鎮座する。バイクの足で国道から20分かからない。
ここ4〜5年(03'公開時)来てなかったが、旅館の方と話が合わず、よくよく聴くと新たに展望露天風呂を作っていた。 これは、是が非でも入浴しなければなるまい。入浴料400円を払って、バックに入れたビールを悟られぬように風呂場に登ってゆく。 おお、ちゃんと男女に風呂が分かれてる!前の沢下にあった露天風呂を知る者にとってはがっかりしたようなほっとしたような焦燥感に一瞬駆られる。しかし風呂場に入るとそんな思いは何処かに行ってしまった。 時は五月晴れの晴天、所は天空の露天風呂、下界の景色を眺めつつ、野を駆けるニホンカモシカを肴に飲むビールの味はまた格別なモノです。かくて、ビールとデジカメ片手に2時間近く入り浸るのだった。 温泉の泉質はナトリウム炭酸水素塩温泉、俗にいう重曹泉で無色透明のもの、源泉温度は48,9℃とある。しかし実際湯船の温度は40〜42℃くらいで、さほど熱くは感じなかった。 なにより、さらりとした爽快感がある。切り傷や神経・筋肉痛などに効果があるとされる。 スキー場の片隅には、あのニホンカモシカが悠々と草をはんでいる。 近くには有名な滑川・姥湯の温泉があるが、今となっては五色温泉の方が静かに永く入っていられる温泉だなぁなどと思う。 姥湯じゃ、あの距離までカモシカは来ないだろう。て、いうかウジャウジャと観光バスで秘湯に乗り付ければ、僕がカモシカでも敬遠してしまう。そう思いつつ、後ろ髪を引かれる思いで湯船を後にした。
泉質 :ナトリウム-炭酸水素塩温泉(重曹泉) 源泉温度:約45.9℃ 効能 :婦人病・貧血・神経痛・切り傷・火傷・慢性皮膚炎・筋肉痛・関節痛・五十肩 内風呂 :あり。(宿泊すれば別源泉の内湯にも入れます/03'当時) 入浴料 :大人500円、小人250円、小学生未満無料