ご使用上の注意!

このデータは、
あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。

走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて
無断で補正しています。

また、
掲載される内容は
大変危険です。
当サイト掲載内容による
いかなる被害も当方は
保証致しません。





コロナ渦の「2020の夏休み」
ふりだしに戻る。



焚き火はいい!炎の色合いを見ながら飲む酒は別格だ。

 思いのままに風任せに 5

 いつしか耳に届く雨音で目を醒ました。IPadmini5の画面には4時前のデジタル時計が浮かび上がる。 昨夜の千畑温泉の箱庭のような露天風呂を反芻しながら再び二度寝をしてしまう夢心地。
「え?雨だと?」
 再び見た時計は7時を指していた。結構な強さでテントを叩く雨粒だ。
 トイレを兼ねてテントを出ると、正面に置いたセロー君を誰も居ない炊事棟の屋根下にある誰も使わなかったバーベキュー用の囲炉裏の前に移動する。
 カメラ片手にキャンプ場を一巡して用を済ます。
 雨が降る中、炊事棟の端をバイクと供に間借りして朝食を食べる。
   ちょっとした野球場2面分の細長い敷地の外れに在る炊事棟に来るキャンパーは驚く程少ない。
 それもその筈、昨晩はざっと7家族5グループでざっくり50人くらい?その7割が唯一トイレの在る奥の炊事棟に集中したので入口手前のMRのいる炊事棟はガラガラだったのだ。


旅先Photo !

さらに夜逃げ感が増幅した、
炊事棟への逃げ込み。


「こちらがメイン?」唯一のトイレがある南側に客が集中する。


「潟尻沼」写真正面の沼北側に展望台がある。
標高は453.2m、歩道なのでバイクは入れないので諦める。



「眼下に六郷を望む」
巨大な3連ヘアピンの最上段から北側を見下ろす。何故鋪装なんだ?。


「黒森神社入口」
ツーセロ君の手前が駐車場、台数は4台程度。山頂への登山道入口でもある。

山頂までは30分程度、黒森山山頂は標高765m。
社は途中にあるらしい。



参道鳥居から3分かからない。
 
 たまたま食器洗いに来た家族連れのパパ曰く、「最初は田沢湖畔のキャンプを予定してたが、行ったら物凄い混み様でしてね、ここまで来れば大丈夫かと。ここは温泉も在りますから」まあコロナ渦も収束に向かうとの報道も在る(2020.7時点)し。
 ある意味人出も解らなくもないがね。
 朝食が済んでも予定外の霧雨は止まず、
これはツーリングの神様が俺に憩えと言っているのか?
 
ところでツーリングの神様って賀○利氏か寺○氏か?(業界二大神?)この日はきっと○崎神が降臨したのだろう、多分
 俺には見えないだけで、テントの何処かで日本酒かっ喰らっているかもしれない。


「黒森峠、通過!」標高は約600mほど、浅い切り通しだ。


8から10%程度の猛烈な下りが始まる!
景色を見ながらニュートラル走法(笑。
 
 裏ターン!。 6

 雨が止むのを待って出たのは、基本レインウェアを持たない為だが予定した林道に入る頃には青空も見え始めていた。
 昨日断られた「あったか山」温泉施設の横を抜ける秋田県道12号線をひたすら登って行く。元は黒森林道というややありふれた林道名では在るが、周りの景色から場違いな程の全線舗装6m幅道路が、まさに黒い杉林の中を朝方の雨が嘘の様に晴れ上がった青い空に吸い上げられて行く。

やまやまGPSでみると、何やら岩手県境に進む道がある。

これが標高604m付近にある
「笹峠」に向かう道だ。

大体1Kmほど先からと歩道の点線に表記がかわっている。
尚MRは右下に向かってゆく。
この辺が「大松川ダム」の源流付近だ。




これがその三叉路(写真左が)笹峠の入口だ。


「あぶない!
はいってはいけません」


 反復全長50mを越える巨大なヘアピンカーブでは、眼下の六郷とその奥に大曲市の町並みが見える。
「何で舗装なんだよ?」
 
軽く毒を放ちつつ撮影すると前進開始、直ぐに黒森峠とそこから黒森神社を経て黒森山山頂に向かう登山口があった。まるで円錐形の御殿のような美しい山の標高は766m、峠はざっと標高700mくらいか?
 案の定峠故に下りが始まるが道は尾根沿いに繋がる舗装路、別にセローじゃなくてもロードバイクで十分な道だよ。

 そんなスカイラインを進んで行くと、まずは一つ目の分岐を見つける。笹峠の入口だが、それを見た瞬間今日の重装備のままでは無理と判断出来た。



「大松川林道 終点」
昭和58年竣工、意外と若いな。



横手市管轄の林道か?
まあここまで県道12号な訳だし。



合流する赤倉沢という支流の手前100m辺から、
何故か未舗装路となる。起点側だぞ?

 
 入り口に荷物を置いてトツゲキも考えたが、入口脇にさらりと置いてある
かなり古びたロードコーンを重石がわりに
「この先あぶない」の垂れ幕が!
「てか、これ単管パイプ用の奴じゃん」
 
そう、工事現場の出入り口なんかに設置される単漢パイプのバリケードなんかに吊るされる奴だよ。
 笹峠は菅峠にも連なる真昼山への縦走峠の一つである。



「本流である大松川を橋で跨ぐ」
写真左側で左からくる支流の赤倉沢と合流している。


親柱4本は現存するも、銘板全喪失。



橋が作られ、痛んでも替えられない理由、
それは水道管。


さらにダートは続く、これならヨシ!。


さらに橋が在る、ダートにしか見えない。
先ほどと同じく銘板全喪失。


地図上では山頂経由で道は繋がってる様だが、崖崩れの為と油性ペンで書いてある(笑
 と言う訳で時間も押してるので今回は諦める。
 そして三叉路の路地には起点標柱が建てられていた。
「大松川林道。起点か」
 この路地までが秋田県道12号線であり、ここから外山地区までは林道接続なのだ。
 しかしまあ、鋪装林道はそのままのんびりと下ってゆく。大松川はそのまま南に流れ、これからむかう外山地区を上流に大松川ダムに達する川だ。
林道もこの川にそって進んでゆく。
 更に下ると外山地区に出る……最後に砂利道かよ!
 区境を過ぎた最後の1Km近くにこの道は隠し玉を持っていた。

 途中、二ケ所の橋で接続する支流をこえるが、ここにこの林道が存在する大きな理由があった。勿論林道で有るから営林事業用なのだが、
橋には水道管も併設されていた。林道の途中何処かに水源があるのだ。
「まあ、山裏は六郷、水源そのものだしな」
 しかしそれ以上に驚いたのは猛然とその砂利道を向こう側から突進してくるピカピカのロードマシンが!
「おお!SR250」  感動しつつも、大松川林道の終点である三叉路に辿り着いた。

 >また撤退、
 またまた撤退
7
 

矢張り水道管を抱いている。



「何か看板が在る」地図にはない三叉路。

外山地区の北側外縁にある保全地域に到達。ここから外山地区だ。


センサーに気を付けて写真撮影。


「 な に !?」
 しかし、到着した林道終点には異様なオーラと共に不穏な看板が掲げられていた。
「域内立入禁止」 
「クマの生態調査のためセンサーカメラを設置しています」
「熊の生態監視に御協力ください」



そしてあれがクマ生態監視システム?」
銀行の防犯システムみたい。違うのがサークル中央に置き餌らしき物がある事。


進路が尾根端伝いに西から北に変わると、
道は砂利になる。


 見ると、森の中にストーンサークルのように並べて置かれた円の中に何か置いてある。
 それを中心に枝の上にカメラとか、樹にセンサーなどが仕掛けてあった。
「うわ、置き餌はマズいな」
 クマの生体監視モニターというあまり嬉しくない場所から早々に退出、南進を進める。
 
舗装路の二重変形十字路だ、外山にたどり着く。
 ゆるいS字コーナーの出入り口にそれぞれT字路が付いている様な路地、
奥のT字路を左折が昨日の萱峠に向かう「菅峠林道(東区間?)である。
 早速トツゲキするが路地先の橋の袂に「岩手県側 林道崩落のため 通り抜け出来ません」



「大松川線 起点」木製の支柱にアルミ複合板のパネル、
その上にカッティング切り文字フィルムが貼ってある。



「バイク逆向きです(笑
MRは今県道12号/大松川林道(写真左上)から来ました。


東に分水嶺5km。
白看には「岩手県湯田町」



 むう、バイクでも通過は出来ないのか?
 取り敢えずそのままトツゲキしてゆく。どちらにしても現場を確認出来なければ判断できない。
 まあ、確かに過積載なんだけどね、単独だし無理にならない程度に行こう。ダートの路盤状態は全く問題ない普通の砂利道だ。
 黙々と登ってゆく。
 比較的間隔の狭い二本の轍がはっきりしているのは軽トラが普通に入ってきている様なので、適度の砂利道が良くグリップして、しばらくご機嫌な林道ツアーとなる。
 
恐らく岩手側の崩落はまだ手付かずなんだろう?ならば菅峠を過ぎてから崩落地点までが荒れてる可能性もある。



特に封鎖は無い。名も無い橋の先に、一本の立札。


路面状況は悪く無い。


訂正、部分的にヤられている。
優良ダートには違い無いと思うが?



『岩手側、林道崩壊の為通行できません』
マジで?ちょっと覗いていい?

 セロー君は全く問題なく登坂してゆく。ここでもリア新品タイヤにして良かったと思う事しきりだ。

「そろそろ県境の筈だが」待避所とも土場とも取れそうな空き地を過ぎて小さな
「分水嶺、菅峠」の標識を見つける。
 何の苦もなく岩手県側に再突入、やはり秋田県側には綻びがない。
 まだ登りが続くのか?と思いきやピークを過ぎて降り始めた途端に、道に背の高い雑草類がしだれ始める。
来たか!





「景色がいい林道は爽やか」


分水嶺を越えたのに、まだ少しだけ登り。
車が展開できる空き地がある。


「うお、扉じゃん!」
茂みで隠された道形がある。
俗称「扉」または「玄関」と言う。


「県境沿いに到達、北上を始める」
通行量は殆ど無い。

と暑さで開けていたシールドを下げそのままトツゲキ!その後さざ波のように押し寄せる薮と空き空間の連続攻撃が始まる。
 それにしても車が、人が入った感触がない。轍のタイヤ痕も軽トラのもので、単車の痕は見つけられない。
 突然青空とともに空いた空間には路面いっぱいに広がる水溜りが!いやもう沼でいいかな?
 恐る恐る入り込むとたちまちステップの上を水が被る!
こいつはヤバい!


どうやらトビラの先は沼だ(曝!!

「沼」というだけあって、
長く、深い。

脱出スピードを上げて15m程の沼地を突破する。
 沼を過ぎるとますます藪が濃くなってかなり路面が見え辛い。時計は既に12時半を過ぎている。
 ここで
バイクを止めて地図を確認する。
 
岩手側にいるが、全体の中間までまだ来てはいない。首尾よく抜けられればいいが、仮に行けなかった場合に戻る時間と迂回する時間は軽く1時間を超えるだろう。



「本格的に攻めて来やがった!!」
この林道、奥は深いぜ!。


「湯田町が見える」だが、届かない…撤収ぅ(涙




「大松川林道起点まで戻ってきました(笑
MRは今県道273号/大松川ダム方向(写真正面)から戻って来ました。


 帰りの全行程から逆算すれば、もう撤退時間とも言えた。
止む無くUターンして、撤退を開始する。
 さあ、通れないとするとダム側から迂回しようと外山の部落まで戻り林道入り口から左折する。
 直進が大松川ダムに抜ける道だ。
 民家の手前でどうやら通行止めだったが、今は簡易バリケードが開いていて通行できる様だ。
 
地図で確認して行こうと思った刹那、手前の民家から出て来たおじいさんがおもむろにバリケードを閉めてしまう。

そして横手市方面へ……。

「え、ええぇ〜〜〜!」
実は通れないのかよ!



特に名前は無い様だ「峠(曝!!!(笑w
 

なんか公園が在る様だが、
草ぼうぼうなんだが?。


 どうやら買い物で自分の車を出し入れする時だけバリケードが動かせる様になっているみたいだ。爺さんは一つ前くらいのタントから荷物を下ろしている。
 いや、本当に菅峠無理しなくて良かった、というか地図を見てかなりマズい状況を悟ってしまった。一度横手の市街地まで出ないとダメな様だ?迂回の距離は菅峠通過の4倍以上か?
 こういう事ってあるんだよなぁと半ばヤケ気味に呟くと改めてセロー君をUターンさせて撤退に次ぐ撤退を敢行する。
 



何故か登ってるぞ。地形に沿って西南西に向かってる。




そして到達…(爆w
御岳山の南側登山口に達する。


見晴らし良さそうだな。
 
 >痛恨の極み 8

 外山地区から出て御嶽山の南側を通る菅峠林道西区間は全面舗装で、今の交通状況では唯一と言える外山地区の重要なライフラインとなる林道である。
 途中の
「追分の一本杉」登山道入り口の案内板には昭和58年謹製とある。
 案内板によれば、標高751mの頂上には延喜式神名帳(927年)に記載のある塩湯彦神社がある。

 かつてはこの一本杉登山道の様な信仰登山のための山道がいくつもあったらしいが殆ど途絶えたらしい。
 人が通らなければ廃される登山道は道路文化の縮図であろう。
 山腹東側にある秋田六郷三十三観音の一番礼所である白滝観音もある信仰の山である。この追分の一本杉から北西側に六郷の街並みが良く見える。

 林道の南側には未だに一本杉の巨木が残り、くり抜かれた真ん中が参道らしいが、虫だらけの夏場に好んで潜る人もいないと思う。

 写真を撮って菅峠林道を降りてゆくと、市街地に入る手前、一ノ坂を下ったすぐの交差点で左折、通称
「みずほの里ロード」なる地方道を南に進む。ようやく国道107号線に接続できたのは午後2時頃である。



「追分の一本杉登山口」
竣功年不明。親柱ごと沢に転落していた。確認不能
由来の一本杉は撮影してるMRのu裏側にある。



「御岳山」標高751mの頂上には延喜式神名帳(927年)に
記載のある
塩湯彦神社がある。


こちらが江戸期からあるらしい登山道。



遠く横手市街地が見える。


これが一本杉。
根廻りは1.2m前後で中央が参道になってる。


 菅峠を越えた時がお昼前だったので、湯田駅2時半到着というのは予定より2時間は遅いだろうか?時間に余裕があれば「駅風呂」と行きたかったがまたの機会にしよう。
「次回は”真昼”に”駅風呂”だな」
 そう思いつつ
「南本内林道」の起点である三叉路に到達するが、ここも何と通行止のバリケードが!なんてこった。



「西北側は六郷」菅林道西区間の最標高地700mほど。



「到達!!!」うん、この絵図は覚えている。



サラリとゲート「通行止」
隣に在る茶色の看板は林道標柱。もう転倒寸前。

 
路肩で地図アプリでルートを考案しているMRに隣の道から降りて来たBJ23のドライバーに、どうしました?と声を掛けられる。
「あー、バイクなら多分いけますよ、車は無理だけど」
何っ!ホントか?
鉄砲水で道路に色々流されて様だが
「道は落ちていない、倒木で車は無理だがバイクはいける」
 それで十分だ、一言礼を言って緊急発進だ。



「こちらが本ゲート」すいません通して下さいお願いします。

本流である南元内川を越えてゆく。
「仙ノ沢橋」昭和53年11月竣工。

路面状況、良好、時間が無い。
とばすぜ!

 ここも最初に走ってから15年が経つ、三ツ又温泉で岩魚のデングりを食べた時だな。
 通行止の簡易バリケード以外は殆ど変わらない三叉路。林道脇の民家の車が少々豪華になって街灯がLEDの白い光に変わったくらいか?
 
ああ、林道名表示板が転倒寸前、サビ過ぎてもう文字の識別ができない…。

 民家の奥に続く林道はロープが張ってあるだけで、単車が数台通ったトレッドが残ってる。
「最近のではないな」
確かにクルマは入ってない、つまり被災箇所は無普請という事だ。心してかからなければ。
 まあ反対側から入ってる可能性はあるけど。
 前にも書いたが、北本内川森林鉄道南本内川支線が車道化されたのが南本内林道である。
 この林道は中央分水嶺の太平洋側を縦に貫く15.2Kmのロングダートである。


「再び本流を渡る」南本内川を遡る。

川に平行して遡上する。

あれっ!何か今、
黄色い立入禁止の規制線下がって無かったか?


「これは……!」


小花橋。川尻営林所謹製昭和57年11月竣工


 森林鉄道が敷設されたのは岩手側である区間北側(湯田/錦秋湖側)で、秋田県側に入ると採石場の道路と合流する。

  もちろん見所は現存する南本内川支線の橋脚跡であるが、美しい新緑の渓流美を堪能できるはずだ。

 
北本内森林鉄道は横黒線(現JR北上線)旧和賀仙人駅付近を起点として昭和10年に敷設を開始し、戦中の最盛期には路線延長が21Kmにも達した森林鉄道である。
 林道の元となった南本内支線は2.2Kmほどの延長で、滝見の三叉路(橋台のみ現存の所)辺りが終点らしいが、詳しくは分かっていない。支線敷設も戦後の昭和23年と若く、全線廃止が昭和26年の僅か3年だけの短命な路線だった。
 その為、橋台が現れる迄の廃鉄区間は森林鉄道の軌道跡らしく傾斜角の少ない割と直線が多い線形である。


 
そう思って走るものの、やはり昨年の台風19号の影響か?思ったより道が荒れている、というか通過車両が少なく見受けられたし、バイクも入口の見た目ほどではない様に思われた。




「キタコレ!!!」うん、確かに車は通れないな。

洗い越しの上がオ=バーフローしたのか?、


洗い越し、これは覚えがあるぞ。
おもったより大きな沢らしいかったな。



幾つかの橋を渡る。この辺はみんな支流だな。


 それは勿論理由があるだろう?どの辺だろうか、その土石流の発生箇所は?
 通行が少ないせいか、林道の脇から顔を出す雑草類も旺盛だ。
 下手に当たろうものなら多数の蜘蛛や尺取り虫がジャケットに取り付いてバグズライフを始めてしまう。
 暖かいので吸血性の羽虫もじゃんじゃん飛んでいる。沢風の吹く橋の真ん中や道路脇に現れる鉄砲水の土石流が押し片付けられた沢沿いが休憩場所だ。またそういう場所の山側には必ず土石流の残骸や漏水が広くもない道幅の選択ルートを減らしていた。

「あ、ここか」
 荒れていると言っても道幅はそれなりに確保されている林道、多分ここは車道化後の新規部分だろう、そして見覚えがある。
そこは
いわゆる「洗い越し」と呼ばれる所だ。
 山側の法面から出た沢水に対し道路は橋ではなくコンクリート製の川底、つまりゆるく角度のついたコンクリート面に沿って水が流れ、そのまま崖下の沢に向かって放水されるアレだ。



これは山頂の登山道の案内だな。


「車の往復した跡があるな?」
どうやらあの崩落地点だけが通行止めの理由の様だな。


「また本流を渡る」なかなかに言い眺めだ。


峠が見えてきた。路面は良い、まくるぞ!


若干の荒れも在るが、いい感じだ。


おっと、三叉路まで来たな。



橋の名は「錠前橋」
ここが管理の境だったのかな?

 そこに大型ダンプ5台分はあろうかという流木や土砂が流れ込んでいた。
 そして対クルマ用封鎖として直径80センチ、長さは大体8mはあろうかという巨木がコーナーでもある洗い越しの手前にドカンと置かれているのだ。
 巨木は谷側に1m近くオーバーハングし、山側がわずかに通行を可能にしていたが、巨木と法面までは1mを割り込むだろうか?林道に覆い被さる枝葉が邪魔だな。
 バイクを降りて、下見で歩く。
全部で30m近くの広さに渡って河原の様な惨状だ。




反対側に「通行止め」峠超え確定だな、これで。


「また本流を越えてゆく」写真右の橋を渡ってゆく。
ちなみに先程案内のあった「南本内岳」は左折である。


「南本内岳周辺案内図」
流石に10年経つとくたびれたね、地図。


昭和48年11月竣工、雪が降るギリギリ直前。


 とても山から出てきたとは思えないこぶし大から人間の頭くらいのまあるい石が堆積していた。
 河原の石じゃないんだからなんで丸いんだよ?
 コンクリ面から1mくらいは埋まっているが、全体的になだらかであり沢もそれ程水量はない。
 河原状なので走り辛いが、大木は躱せるので逝けるだろう。
フルペイだけど。
二輪二足で無事脱出すれば、その後は徐々に路面も回復し、無事峠の三叉路に到達する。
「道が埋もれている」



「落合橋」三つの沢が合流する所は大抵「落合橋」がある。

「森林鉄道の橋脚が現存」かわらんな、いい風景だ。


よし、地図通りだな。

 次に来たら行ってみようと思っていた支線はサラリと流れた10数年の内に、すでに藪に没していた。時間も押しているので素直に秋田県側に突入!山を降り始める。
 無難に4km程下ってゆくが例の採掘場の手前はそこそこの荒れ具合であった。
調子に乗ったMRはここで痛恨の転倒(笑。
 
幸い怪我や捻れは無いものの、
フルペイでコカしてしまった!と自責の念に身を焦がす。
 
悶えていても始まらないので集まって来たブヨに苛まれづつ引き上げ作業に没頭する。
一度倒れてしまうととにかく起こすのに重い!軽くないぞローストセロー君!それでも荷物を下さず深い溝を利用して立ち上げる。



「いよいよ峠へ!」ズンズン標高を上げてゆく林道。


最後の橋を渡ると……。


 そこから僅か500m程で採掘場の道路に合流する。いや実際にはこちらが本道で砕石業者が採石場への通路を広げているんだけどね。
 
さて、ここからはジェットコースターの時間です。
 休日にも拘らず採石場は営業日の様だ。出口の写真撮影をしていると、ラメ紫で塗装された電飾付きの10tダンプが2台、下界に降りてゆく。砂埃が舞い上がり風に乗って流れてゆく。




最後の坂を登り始める。


結構荒れ気味、花を撮りながら。


落石もそのままに。


場内は直火禁止である。

 これは後ろは走りたくないな?転倒ブヨ攻撃の後は砂塵波状攻撃カヨ。
 砂塵が収まるのを待って、適度に時間をおいて走りだす。
「砂塵巻き上げてぇ吹き荒ぶ風わぁぁ〜」と歌いながらコースターを楽しんでいるとたちまちダンプに追いついてしまうので、かなりチンタラというか、撮影したり動力を切って時間つぶしに慣性走行に移行したりする。幸いダンプに追いついたのは舗装路に入ってからだった。

 国道397号線に到達すると左折、大森山峠に向かって走りだす。時計は4時を回ったところだ。
 つい30分程前に通過した県境を三度超えてまたまた岩手県に突入!一路石渕ダムに向かうがダムカードはおそらく配付中止だろうからスルーして水沢に向かう。



「県境の峠に到達!」中央分水嶺の峠だが地図には。


下りに入る。

 いつの間にか山裾には日帰り温泉が沢山出来ていたが横目に見ながら丹沢広域農道に右折、少し時期を外した別名「あじさいロード」を南に突き進む。この農道は昔からのMy迂回路だ。
 10kmほど走ると国道4号水沢バイパスに合流。
 ここで休憩と最後のGSチャージを行い、平泉前沢インターから東北道に乗る。時計は5時を回った。
 高速道路が苦手なローストセロー君に、頑張ってもらう。自宅までざっくり200Kmくらい。タンク満タンで時速120km/h前後を巡行する。



「採石場の通路に出る!!」道幅が三倍になる。
つーか許可済みなんだろうけど、何か道が違い過ぎる。





浮き蛇利無しの直線は三桁出るな。


おおお、相変わらずいい
S字コーナーだ!。



楽しい高速ダート区間が終了し、
路面は鋪装となる。



さあ、遊園地の入口だぞ。

 ナビは制限速度で2時間半と出た。往路より大体15km/hくらいの速度アップで巡行だが本当にアップアップだ。蔵王のPAまで一気に駆け抜ける。
 とっぷりと日の暮れた蔵王でトイレ休憩を済ますと、ペットの温いコーヒーを口に含んで再び走り出す。ガソリンは大丈夫の様だ。
 ところが、その安心を飯坂インター直前でロースト君が覆す。
闇夜に光る「給油サイン」突然にインジケータが点灯し、オドメータが一つ新たな距離を紡ぎ出す。

  よく記憶してなかったが、大体6Lくらいで給油サインが出たような気ガス。
「え?リッター25Km走らない?マジかーー!!!!」
このカモシカ、いつから2Stになったんだよ?
 アナキーワイルド+リアスプロケ45丁(純正は47)ぶん回すとこれ程燃費が悪いとは…。



「よし、突破!!!」2日間で転一で済んだ。


出口の部落「入道」。

 計算が怪しくなって来たので福島西で降りて、いつものコスモで給油すると172Kmで6.6L、ざっとリッター26kmは走っていたが・・・多分保たない。
 タンク残り1Lで約30km走るなら二本松インターから阿武隈川の橋の上辺りでガス欠だった計算だ。

最後に少し震えながら、夏のツーリングは終わるのだった。



「さ、帰ろう」蔵王サービスエリアで最後の休憩。
お疲れ様も、もうすぐだ。






 
  
日記Topに戻る。