ご使用上の注意!

このデータは、
あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。

走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて
無断で補正しています。

また、
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当サイト掲載内容による
いかなる被害も当方は
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〜其の参 "10数年振り雄勝峠へ"〜





旅先Photo !

「今日も朝から林道三昧」送水管付きだ。



水上橋いかにも水源を感じさせる名前だ。


好い感じで緩やかに林道は登り調子。
その先には……

 女川駅付帯温泉保養施設「ゆぽっぽ」で、入浴料500円を券売機で買って入る。
 
館内は撮影禁止のゆぽっぽ、女川駅の2階総てを使った施設では有るが、それ故意にコンパクトな日帰り温泉となっている。
そのサイズ感はもはやホテルではなく民宿か食堂といったイメージ。
 キャンプ場に戻るとビール片手に夕食を摂る。
帰り道で買って来た煮込みうどんと餃子を焼いて、石巻の夜は更けてゆく。


「ブ、ブゥ〜」
 
なっ…何だ?なんの音だ?
誰だ?外でシェーバー使ってンの?

 絵に書いたように、パチリと目が覚めた。仰向けになったとたんに目に飛び込んで来たのは
テントの角に集合中のカメムシ君達である。
さっきの音は羽音がテントに当たる音だった。
「誰が集合っつった?」
 
寒い秋の夜長に黄色の暖かいダンロップツーリングテントには無数のカメムシ君達が鋭意集結していたのであった。 



「2つ目の橋」同じ水道橋で意匠が違う?。


「小萩山一号橋」


「昭和38年9月竣工」

小萩山林道は橋の袂から右折。
直進は枝道の様だ。



洗い流しのコンクリートが、
洗われ過ぎて露出している。



数十メートル連なる洗屈。
洗う水源は上流から。



 三日目の朝から。 9

8本目/小萩山林道
 
 朝食を終えてテントもそのままに、8時頃キャンプ場を後にする。
 管理人さんらには昨日のうちに本日昼まで荷物置きOKを頂いていたので、気兼ねなく出立。二日目最終日、MRは県道192号線雄勝峠の南側に当たる林道から突入した。

 
小萩山林道(仮)は部落外れの川を越えてダートが始まり、最初こそ大人しい林道も、その中間で結構な路盤流失と岩盤露出があるのだった。そして、全長5Kmとそこそこに長い林道なのだ。
 この林道はそもそも湧水量があるらしく、林道の入口にかかる橋には湧水地からと思われる水道管が寄り添う。

 
橋の竣工は昭和42年3月とある。これはこの林道の竣工年に誓いだろう。道は二つあるその橋の袂の三叉路を川に沿って右折し、沢と共に登り出す。
 そして林道には、道路向かって右の沢に流れ込むようにコンクリート製の洗い流しがまるでジャンピングスポットの如くあるのだが、
ここで調子に乗ってはイケナイ



町堺までもう少し。
矢印側が石巻、点線から画面右が雄勝町。……



もさらに上に橋があるが、
欄干も銘版も無い……



砂防ダムの向こう側にも道があるが、
渉れない……(獏
 
 ここ最近は未整備の様で、路面には深く長い洗掘と、水源とも言える荒い流しのコンクリートをも深く抉り出していた。
 場所によっては川にコンクリートごと洗い流されていたりと、クルマで来るには躊躇する路盤状況である。
 
そして、濡れているのでナカナカに滑る。
   写真撮影のため脚を出したら石の上で滑ってアセる。
 しかしこれまでのコースとちがって林道なので道幅は確かだ、多分地図通りに黒森山の北側に出るだろう。
 
やがて沢止とも取れる三叉路から左に進み、連れ合いの沢が無くなった林道が孤独に山登りを再開する。
 幾つかの大きなヘアピンを経て通行止めの枝林道とまた分岐して本線はグイグイと登って行く。
 いつしか路肩に在った沢も消え、替わりに頭上に青空が広がって行く。
  林道は湧水標高を超えて漸く洗掘が消え、かつてそうであった様な砂利道となり、さらに登って行く。
沢沿いは雑木林が多かったが、沢がなくなると一気に植林が増えて行く。
最後は植林の森と本来の赤土と石の路盤に替わっていた。
「お、交差点?」



「通行止めだが足跡アリ」勿論、本線は直進。


コーナーは林道最後の舗装区間。
ここが水源最上層部か?。


酸性雨なのか?異常気象がそうさせるのか?
根元からの倒木が多いな……


 峠とおぼしき林道上最標高地点から下りにかかる所で舗装路が現れた。
 十字路と言ったが実際に道路としては三叉路、これに2本の山道が合流する、実質的に五叉路というべき地点だ。
地図を見ると女川駅を真っすぐ北に山を登るとここに到達出来る?
 舗装路を下ってゆくと女川駅からの舗装林道"日蕨小萩山線"に合流する三叉路があるのだ。



良い林道の風情だ。


雑木林と植林帯の間に緩衝区間とも言うべき
明かり取り区間が在る。
 
「なんだこれは?」
 
大量の泥と共に無数のトレッドパターンが五叉路を斜めに突っ切って最短で舗装路を跨いでいた。
 二本ある山道のうちの一本と、今MRが上がって来た林道と別な、南に向かう下りの林道に轍は繋がっていた。
 二本の山道は共に方向から見て雄勝峠方面と思えた。そのうちバイクが走っている方に向かう。



林道終点の峠?「ここから舗装路だ」
実は五差路だよ。写真手前、奥が小萩山林道、右も林道、左は登山道?




左は「あのハイキングコース」
バイクが走ってる痕跡は無い。



「でも、歩ってる痕跡も無い」


「バイクは林道の方へ向かっている」
人が歩いている感じは殆ど無い。
クルマはここで回頭している。
 
 無名抜け道へ。 10

9本目/名称不明区間
     (雄勝峠〜小萩山間)

 
 撮影のためバイクを降りて少し歩き廻る。
 バイクが走っているルートはバイクのみで、歩っている足跡は皆無だ。
 
そして道はイナズマ型に急な斜面の杉林を伝い登っていた。しかもけっこう"ちゅるっ"ポイ。



「振り返って撮影」舗装は割と若い。
震災前後の舗装だろうか?。そしてこのカメラ側の写真右手にもう一本!




「単車Onry」
こ、これは!。


エンデュ−ロ、スプリント、ツーリスト……
タイヤパターンのオンパレードだな?
(Pohto2018.1.7)


「うわ、登れっかな?」
 空気圧は昨日のままなので一発トツゲキしてみる。
角度も1ターンの距離もまるでKLX125に合わせたかのようにギリギリだ。それでも、何とか青色吐息で登り上げる。おかげで登りでは撮影の間もなく、掲載の写真は同じ道を帰りに撮影したものだ。



「入口ハーフスロットル!!」(2)のヘアピンに
向かって登る!ここら辺は太陽光も差し込むのでグリップもいい。

(Pohto2018.1.7)


「(2)のヘアピン」ここまでは無難に登坂出来てヘアピン自体も
幾らか広いのでウデに任せてターンも可能。撮影位置が退避場所でもある。
問題はここから
(3)への“ちゅる坂”だ。(Pohto2018.1.7)




(3)のヘアピンで息絶えるKLX。
撮影ののち再起動するも動けない。

止む無く押しが入るが足下もダダ滑り。


息も絶えだえで脱出。(爆w


(2)からほぼ0発進のKLX125では
十分な加速が得られず苦戦する“ちゅる坂”
(Pohto2018.1.7)


 (正確には後日写真データが一部破損して、日を改めて撮影した) 道はほぼエンデューロのウッズセクションだ。杉林ルートを登り切り雑木林に森が変わると、もう頭上には広い青空しかなく、ゴキゲンな極上ルートが延々と北に進路を取って続いている。
 何処まで行けるか判らないが、地図上もうそんなに高低差は無い。写真を撮影しつつ雄勝峠に向けて進む。
 エンジンを切ると優しく吹き抜ける風と、木々のざわめきしか聞こえない。鳥の声もしない。



「帰りはここで初転倒」
(5)(4)の間の“ちゅる坂”でハンドル取られて杉に激突した。


尾根沿いの縦走路の筈だが展望は無い。


突然!大音響で携帯電話の
着信音が山に響いた。

ここで繋がるか?SB。


「好い感じに続いている」


と、
突然!大音響に感じる高さで携帯電話の着信音が山に響いた。
 だれだ?と思ったらお客さんだ。

つーか、こんな山の中でSBが繋がる事に非常に驚いた。明日以降の工程についての幾つかの確認をし終える。

 電話が終わると再び静寂が訪れる。時計を見るともう10時過ぎだ、急がなければと気を取り直して前進を開始する。倒木がイイ感じのウッズセクションを抜けると間もなく、掘り割りの林道に到達した。
(後日確認となったが。これが「民有林林道 安野平線」である)自分の位置からざっくり1m程下に幅3m程の砂利道がある。
 震災前に通った記憶が正しければ、県道192号線は基本4〜6m幅の舗装路だ。特に後年に開通した峠付近は見晴らし良い2車線の6m道路だった筈、と言う事は・・・
「さっきの舗装林道を登って来ると、ここに出るんだ」
 
そう、さっきの女川駅からの舗装林道“日蕨小萩山線”に合流する三叉路のだ。
 あの三叉路からここまで登って来る区間、「民有林林道安野平線」は接続する県道192号石巻雄勝線の全面通行止に併せて平成33年まで通行止めであり、まさにあの三叉路が起点で県道の隣りに寄り添う様に登って来て、
ここが林道のピークなのである。林道安野平線側の「雄勝峠」とも言うべき所だ。




「倒木が、木漏れ日が好い感じだ」


「全体の8割は登れたが」また復習決定だな。


「振り返ると何かある」と思ったら。
 
 バイクの轍は、「むむ?大半は右折してるぞ」
 
MRの記憶が正しければこの林道、県道192沿いの東屋の辺りに出そうなんだが、地図を見ると間違い無い。
 
時間が切迫しているので地元の皆さんに合わせて右折する。
 ホントにちょっとだけ登りだったが改めてピークに着いた所から舗装が始まる。



「これは県道じゃなくて林道!」


「これは県道じゃなくて林道!」
(Pohto2018.1.7)


「→至京ヶ森・小萩山」
平成二十二年十一月


現在位置を最終確認




「反射板かな?」
舗装区間を一路東の雄勝方面へ
(Pohto2018.1.7)

 雄勝峠にて。 11

10本目/作業道雄勝線(仮)
 林道沿いに電波塔施設を過ぎて下り始めた所に今度は左に入る廃道区間が有る。敢えて廃道と言うのは、道のまん中に倒木がそのまま放置プレイだからだ。
 轍に沿って根本からスルーするとやにわに
「バイクの進入規制をお願いする」看板が在った。
 成る程、
ここは分岐で看板側は完全な登山道なのだろう。既にバイクの通過で歩道が破壊されたに違いない。

 
極めて個人的な意見で反論されると言い返す事は何も無いのだが、本当に走る連中は必ず最初に自分の脚で歩って現状確認を行う。




「林道から廃林道へ」(Pohto2018.1.7)


「倒木を越えると三叉路」でも右手は明らかに登山道。
(Pohto2018.1.7)                      


「看板が建っている」
比較的高低差の少ない尾根沿いの道だ。
(Pohto2018.1.7)


「続いている」ほぼ水平に移動中。


うわ、案の定だ?
登山道にバイクを入れるな!というお達し。
(Pohto2018.1.7)

 その上で「バイクが入っても大丈夫か?」自分の機材や力量、同行者の能力や性格も考慮して判断している。
 また仲間内に問題があればそもそもこういう
「一歩間違えば」的な道は自然と回避する筈である。

 
林道に付いたトレッドのマーキングが多くても、この手のトレールコースが好きな地元ライダーが反復して入り込んでる可能性もあるだろう。
 登山道に入り込んで道を壊してしまうのは、そういった下見歩きもしないで無闇矢鱈にトツゲキする向きのヒトだろう。



「上品山が見える!!」補習画像ですが何か?。
(Pohto2018.1.7)


「眼下には国道192号線の6m道路」
こちらが当日映像(爆、サルベージ出来たデータもある、逆向きですが。


「ここだけ少し道幅があやふや」
お、下り始めたゾ?。

 また若いうちは誰でもそんな若気の至りを経験して手痛いしっぺ返しを食らって勉強してい(お前もだ、MR)る筈である。
 当然、MRもそっちはパスして廃林道の左にバイクを進める、すると、眼下に立派な6m舗装路が見下ろせた。
「これだ、県道192号線」
 林道がほぼ水平移動に係らず、
県道は猛然と直線で標高を稼ぎまくって来ている。



「ジャンプ台は閉鎖」反対から見ると…。
(Pohto2018.1.7)


元々はこうなってた(笑w。多分根ごと倒木の跡とオモワレ。


「ア!広い道路に出た」
県道192号線だよね。(Pohto2018.1.7)


 廃林道と思ったこの道、突然どこからともなく電柱が現れ上へ下へと分岐していく。道も一旦下って直に県道192号線に合流する。
轍が明らかに少ない。
 
そして雄勝に向かって右折方向、広い舗装路に赤土のマーキングが幾丈もあった。因みに県道側の雄勝峠は左折して少し登った所らしい。
 雄勝町方面に下って行く轍もやがては泥が薄れ、その形跡が消えて行く。幾つかのS字コーナから直線に成るところで見た事のある看板と言うかモニュメントが立っていた。



「県道192号、雄勝峠付近」勿論当日に雪は無い。
(Pohto2018.1.7)



出たな「ふるさと緑の道」(笑w。


行き先は分かった!見なかった事にしよう。


おお、危うく鹿の"運"を呼び込む
所だった。
 
みやぎ「ふるさと緑の道」である。
 
そして消えていた轍はここに辿り着いていた。広い砂利の駐車場の奥に轍は消えていた。
 バイクを停めて歩きまわった足跡と鹿の糞があちこちに散乱していた。流石男鹿半島と言うべきか(爆
 ここで11時のアラームが鳴り響き本日のタイムアップを知らせて来た。
改めて地図を確認すると確かにここにも轍はあるが、MRが目指す水沼山とは方向が違う事に気が付いた。
「目的の山はもっと北西側だ」



そこらじゅう"運"だらけだ!(運の地雷原と言う訳だ。)




帰り道は女川へ。あの林道を戻って来ると元の三叉路に出る。


「民有林林道 安野平線 起点」
今、雄勝峠から戻って来た林道の起点。
この標柱、見た目より安っぽい柱に付いてる。
大丈夫なのか?。


「これはブラフで、本線は峠の西側かも」
 
しかしその推論を裏付ける時間的余裕はなく、MRはそそくさと来た道を戻って行くのであった。
 
あげくに帰り道、あの五叉路の杉林を通るタスクで杉の木に正面から怒突かれるというお土産も頂いたのであった。
(この衝撃が元で・・ブログ参照)
 そのおかげ?でKLXは赤土でテロテロに汚しれてしまい、流石に舞ちゃんに乗せる気がしないので女川に出て国道45号沿いのコイン洗車場で泥を洗い流してキャンプ場に帰投するのだった。



撮影の為に来訪したり?


最後は舗装林道。日蕨1号橋。
しかも老舗だった、ナゼナラバ…。



竣工「昭和世七年拾月」
おいおい、17年10月って戦中出身かよ。

 絶望香る
  キャンプ場。
12
 
 キャンプ場に12時半頃到着し、テントの撤収を始めようとしたMRに最後の試練が、いや罰ゲームが待ち受けていた。
「あったかくなって良かったですね」
「ええ、助かりますよね」


同"日蕨22号橋"竣工「昭和世七年拾月」


安野平、真野の標識が在る。
本線は舗装路左折とオモワレ。


直進は「雄勝峠」。
確かに地図上は途中合流鵜するなぁ、
今度行ってみよ。


欄干の意匠が違う二号橋。
こちらは鉄製の欄干パイプが付く。軍にとって重要産品がある林道だったのかも知れない。
艦艇甲板用の木材とか?


 
管理人さんとそう受け答えする話を割って入る様に飛んで来た1匹のカメムシ・・?(ごくッ
「ま、まさか!」
 既に至る所で寛いでいるカメムシ達の奥にある黄色いダンロップツーリングテントを開けると、
中と言わず外と言わず、あらゆる所にカメムシが入り込み思わずテントを開け放すあのニオイが既に充満していたのだった。



ここにも予告看板"33年3月まで工事通行止め"


この林道の起点は南の「女川駅」に向かって約1Km程の所にある。仮設住宅の入口だ。
「日蕨小萩山線」起点標柱。


 小物類を入れるバックからポーチ、無論脱ぎっぱなしのシェラフに至るまで奥の奥まであらゆる場所にカメムシが入り込んでいた。
「ああああぁああぁぁ」
 かくして変なニオイに悩まされながら、根気よく一匹づつカメムシを取り除き、すべてのキャンプ用品の撤収とKLXを含む全装備品の収納にたっぷり2時間もかかってしまったのだった。
「うお〜〜車内までクッセぇぇ〜」
 結局、次の日のクルマの中は勿論、
次のキャンプまでカメムシは根気よくテントやシェラフの端っこで生きていたのだった。

            
(汗