よ、久し振り……。岩手山。


ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。
走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。

また、掲載される内容は
大変危険です。
当サイト掲載内容によるいかなる被害も、
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ツーリングセロー”ロースト”でゆく




 プロローグ 1

 時計の針は9時を過ぎて、流石の自分もアセって来た。
 沸って湧いた2泊3日の時間で
「一万円で行けるケチケチツーリング」は震災前にボアアップ前のTTR250Rが多分最後だった筈。
うぁ、ホント最近ソロツーしてな

旅先Photo !

東北道下り宮城中央手前、村田に続いて
2回めの渋滞の始まりだ。


2時頃、「おなかすいた」と比較的並んでない
三本木PAに入るが、やはり人波凄い。


4時前「おなかすいたぁ」と比較的並んでない
紫波SAに入るが、ここでも人波に挫折。


結局昼食は採れず、
滝沢インターを降りて県道を八幡平へ。
正面は岩木山。
かったなぁ
 
初めてセローでのソロロングはこうして唐突に幕を開けてしまった。
 決定が遅れてせいで初日の3日はほぼ高速行となった。最悪のスタートである。
 
正直、ETCのゲートを潜るまで行き先の二択派は悩み抜いた。
 
もう一方の行程は上越からの妙高小谷越えである。これも30年くらい前にやったツーリングルートだ。
 だが5月GW!妙高小谷の林道通過は無理ではないか?出来たとしてもこのスリップを切ったタイヤで行けるのか?
 
自信がないので岩木山に行く事にした。

 何処かでも書いたが、話は昨年秋のモーターサイクリスト投稿に遡る。
 当時
「秋のスカイライン」の特集で「津軽岩木スカイライン」が掲載されたが、昔ツーリング(それも一日で往復の弾丸ツーリング)を企画しておいて自分は当日仕事で岩木山には行けなかった事を思い出した。
 そしてGWのアスピーテラインと言えば、若き日に無謀にもZXR750(89’)で積雪路の峠越えに挑みあえなく敗退。
 松川温泉近くの休暇村で野宿して朝方降雪に震えた事を思い出す。


バイクや路面にハッキリと霜が降りた跡が!

「これはリベンジも兼ねて行くしかない!」
 イヤ別に、無理して行かなくても良いんだけどネ。新車で買ってまだ1ッ回もロングしてないツーセロもどうかと思うし、通勤磨耗のOEMタイヤでは林道は無理を越えて危険だろうし。
 でも舗装路なら十分だ!接地面積も上昇傾向だし(意味違うだろソレ)
とか何かしら考えてないと・・



北海道っポイ風景がいいなあ。


     姫神山かぁ、岩洞湖の外周路は水没地獄
とスズメ蜂だったなぁ。



「ね、眠いぃ〜」北に向かう古川から一関辺りで断続的に渋滞と睡魔に苛まれるMRであった。

 八幡平にて 2

 盛岡の北側にある滝沢インターで東北道を離れ、一路松川温泉に向かう。
 名峰岩木山に降りて行きそうな太陽の軌道ながら、青空はまだ高く、八幡平に向かう県道23号線の
玉山区柴沢で盛岡市西側の岩木山と東側の美女山双方のビュースポットである丘で写真を撮る。
 アスピーテラインは夜間通行止めで夕方5時閉鎖、時計はもう1時間しかない。この時期の八幡平で使えるキャンプ場は四カ所のうち二つしかないが、取り敢えず前回泊まったキャンプ場は・・・既に無かった。

 
止む無く村営「妻の神キャンプ場」に向かう。
 
一時松川温泉まで往復したので、キャンプ場到着は5時半頃と成った。
既にキャンプ場の管理人は帰宅済で、無人の管理所のカウンターで申し込み用紙を書いてポストに入れる。




90年代はこれが当たり前のスタイルだった。
岩洞湖は今どうなっているのだろう




この優れた風景を大切にし、次世代に継承していきましょう。
極めて胴衣!


多分「さいのかみ」と読む。

奥さんから逃げられないのか?
俺。
(マジでぇええええぇぇ〜

 ついでに
一人一泊一張り800円の料金を入れると、入口近くの空き地にテントを組んで荷物を下ろした。 
 40区画は在りそうなオートキャンプ場で単車はお隣の
滋賀ナンバーのGPZ900Rの方だけだろうか?
 テントを建て込んでいると、オートキャンプ場の夜間電源を入れに管理人とおぼしきおじさんがやって来たので申し込み書の件を伝えて、ついでに
連泊に変更する。
 
ベースキャンプ化する事で荷物を減らす作戦だ。管理人は朝9時から夕方3時までしか居ないらしい。



自然休暇村センター
「なかやま荘」宿泊も出来るのか?


 取り敢えず荷物の移設が済むと、通りがかりのイヌ連れ散歩の親子を捕まえて温泉の在処を聞き出し、買い出し経由温泉の旅に再びバイクを走らせる。今回は急なので、取り敢えずボイルのご飯4食分しかない。まあ、朝夕2回食べれば良いのであとはオカズとツマミだな?
 キャンプ地に行ったら地酒なので、取り敢えず知らないお酒を買う。基準は常温、冷やで美味しい端麗辛口の750mmを千円前後で絞り込み決定。「桜顔、寒造り辛口」を購入。
 食料品の調達を終えると
その足ですかさず温泉へ。

 キャンプ地から北に真っすぐ2Kmくらいの所に
八幡平自然休暇村センター なかむら荘」という保養施設があり、夜は9時まで入浴出来ると言う事だった。おお、確かにグラウンドなんかも併設されてる。
 ひと風呂大人600円をカウンターで払って、浴場に向かう。
 12畳程の座敷がある風呂場前のラウンジにはテレビやマッサージ機も置かれ、いかにも昭和末期の保養施設仕様だ。


玄関ホールは中二階という位置。
600円を払って一階の大浴場へ。


「無論、男湯に入る!」。
電脳が汚染されてるな?俺。



昭和だ、昭和がある。大人7〜8人位の湯舟、小さい方は水風呂。


何だ?DFP麗雅宋みたいな「お水」の文字は!
何だろう?形といいお湯の出方と言い、妙に大正チープ的にマッチしてるのは?


 
旅館のお風呂場と違って質実剛健な作りながら、サウナを備えていた。
これで露天風呂があれば完璧だ。

 早春の夜に。 3

 と言う訳でさっぱりとしてアイス咥えてキャンプ場に戻って行く。すると・・・
「こんばんは〜」何と待ち人が。
 どうやらキャンプ場に来た頃から目を付けられていたらしい、彼の名は
便宜上前田道路さんとしておこう。


さあ、寝るか。
まさか二人宴会で12時まで呑むとは思わなんだ。
 彼は北海道から内地(本州)に来たツアラーである、カブで。
 声を掛けて来た時点で一種のシンパシーも在るのか。彼が目を付けたのはMRの「ツーリングセロー」である。
 知らない人にはフル装備のセロー、キャリアとか純正品とは思えなかったらしい。
「純正なんですよ!」スチールだから重いケド。
 前田道路さんも同年代と思えるバイク好きで、自宅にはBMW1100GSと
DT200WRをお持ちらしい。
 なのに今回の彼の相棒はキャリアを改造したカブだった。「八雲町」の白ナンバーが眩しい程だ。



「朝だ」酔っぱらっていた割に片付けてたな、俺。


「おはよう岩手山」西側に爆裂口がある火山には親近感が在るナ。


 話をお聞きするに、今日も玉川、乳頭温泉なんかを巡って来たとの事。
 まあ、確かに「内地温泉巡りツーリング」に時間を気にしないのであれば
カブは最強最速の
「はしご湯マシンだ!」
 キャンプ用品満載で、何なら首からタオルに浴衣の着流しで走っても違和感無く、バイクから風呂に至るまでのアクセススピードは他のどんなバイクや、あるいはスクーターなんかより断然速い(推測)。
 ロードバイクと競争して到着差15分以内であれば、慎重に置く場所を決めて駐車にジャケットやブーツを脱いで荷物を出す間に、まさにつっかけではしご湯が出来るだろう。
多分"温泉帝王"
加曽利さんよりも速い
(推測)
 また同年代ぽく浜田省吾やチューリップを、焚き火の炎を愉しみながら語る前田道路さんとの会話を酒の肴に、八幡平の夜は更けて行く。

 翌日、初めてキャンプ場の全貌を写真に収め朝食を食べ終わると、爽やかな笑顔で前田道路さんがやってきた。


昨日はゴチでした!
流石にまだ寝てるか?。


何げに凄い補強のワイドキャリア。
ハンドルより幅在りそうだ。




「高台からキャンプ場西側」
東側も同じ広さの敷地がある。撮影場所は堤で、写真左は松川、源流は北の又沢。

 
「これから松川温泉に朝風呂に行って来ます」
「え?何時からやってんですか?」
「朝7時からです」って朝駆けかよ前田道路さん!俺ももう出るのでご安全に!と一声掛けて彼を送り出した。
 さて、歯も磨いたし行くか!
 彼のテントの端にそっと名刺を忍ばせると、キャンプ場を後にしてセローは一路アスピーテラインに進路を向けた。
 


撮影場所の真下に炊事棟。シンプルだけど
使いやすい。


「だぁれもいないアスピーテ」
山に向かって一直線っつーのがイイねえ。


岩手山最高!。快晴の空に雄々しく座する。


撮影しながらヘアピンを登って行く。

 でもやっぱり、廃。 4

 
さて、八幡平アスピーテラインだ。
 夜間通行止めが解除に成る朝8時を待たずに、愛機ローストセローは抜ける様な青空に舞い上がる。
 
キレイだ、とても綺麗だ。
 青空にそそり立つ岩手山も雄大に聳える八幡平も遂に我が手に来たか!



「見て見ぬ振りが出来ない」この標識(笑w
正面が地下坑道長約300Kmを誇る松尾銅山の本抗と
本州最大規模の露天採掘抗跡だ。



何か建物がある。コンクリート製だ。


うおっ、今潜ったスノーシェッドの方にも団地が在るぞ!。


 タイヤなんぞ無くてもバンバン曲がって行くぜ! ん〜年甲斐も無くテンション上がるね、元有料観光道路は。
 福島に住んでて免疫あるんだけどね。
 やがて標高1000m、スノーシェッドの先で
視線が釘付けになる。
「ヤベぇ、
松尾鉱山だ」

 
かつて東洋一と謳われた巨大硫黄鉱床群と、宮崎県の端島(軍艦島)に匹敵する昭和初期の鉄筋コンクリート高層アパート群だ。
 見ちまったら後戻り出来ないのは十分解っていたのであえて見てみぬフリでやり過ごすつもりだったのに、
誰だ?新規に道路脇に標識なんか建てたのは?




「これは見に行かなくては…」
ああッまずい、スイッチ入っちまう……。


「凄いな、本当のゴーストタウンだ」写真を撮ると踵を返して戻る俺。
 今来たスノーシェッドの手前に脇道が在った筈だ。
「多分そこが入口だろうナ」
 
仕方ない”寄り道は男の本懐だ”行ってみよう。

まったりと、次回へ。