プロローグ〜現場にて〜
 ヒョイヒョイとサーカスのように倒木を越えてゆく熊五郎さんの動きを視線に残して、目線はニコTがより越えやすいルートを瞬時に絞り込んでゆく。
 標準タンクに換装してフロントの加重を軽減したとはいえやはり重めのニコT、加えてリアタイアは3分山となれば挙がるモンも挙がらないワケで、そもそもある一万光年の技術的体力的格差を一千万光年ぐらいに広げてしまっている様に思えた。


やがて、目前には
1m程の土砂崩れ。
Photo by Kumagorou

内心「ここでUターンか?、やっと本題に入れるカモ・・・」と一人細く笑むMR。
状態を見に行った熊五郎氏が
本っっ当ぅに嬉しそうに振り返って叫んだ。
「大丈夫、道ありますね!」(熊
「やっとツーリングらしくなって来たよ、このラインから登れますね?」
(S
と指先は岩の隙間を指し示すSJ師。
 ああ、師匠の十八番が出ちまった。
”ヤる気モード”に言語中枢が変換されているよ。
「ま、まだイクんでスか・・?」
 辺りは一面熊の糞だらけだ。どうやら野獣的生存可能領域ギリギリに我々はいるらしい。

 二年前の悪夢「ヘブンズ・ゲート」が瞼の裏で土砂崩れとオーバーラップしてゆく。
日中の廃林道行脚は、これからが本腰のようだ。

PhotoAlbum


あああ、手前に自然の地雷が!


フォールダウンな春のGW その2


〜日中小桧沢線旧線を走る〜

Repo MR
Photo : MR/熊五郎/SJ30v
2009.5.5



喜多方道の駅に集結した最強山羽軍団艶姿。
Photo by Kumagorou


●お誘い
 酷道や険道という領域は、ある意味普通の林道から一歩奥に入った領域と言える。
 スピード範囲こそ狭いがセーブポイントもなく、気がつけば限界領域での走行。どちらかと言えば二輪であってもトライアルやクロスカントリー、もしくはウッズセクションに近い領域である。
 ヤマハセローの初期セールスポイントとも言える
"マウンテントレール"という言い方と行動原理は実に良く的を得ている。
 でも、セローで来る人は少ないな〜(笑w
たまに千葉から"瀬郎さん"が来る位ですね。


日中ダムにご招待?
もれなく豪華廃林道付き?


 本日のお題は07'に覗いた日中〜大峠線の検証作業である。お誘いは"主"熊五郎氏。

 話は大峠鉱山発祥の頃、明治から大正に遡る。
 当時喜多方には会津最大の石膏を産出する「与内畑鉱山」、本邦有数の黒鉱鉱床で金・銀・銅を産出する「加納鉱山」を始め、日中(現在の日中温泉の源泉を発見した)、三ノ倉、熱塩、黒岩と、大峠の南西の峰はまさに鉱山の集落であった。
 無論、それぞれに管理者や鉱夫が暮らし、各鉱山は索道(鉱石運搬用ロープウェイ)と道路で喜多方駅や日中塩川駅と繋がって居た訳だが、鉱山の連携という側面から、
「喜多方に降りずに直接大峠と日中が連絡する道路」が存在していたのではないか?という妄想があった。
 大峠アタックの際に、SJ&熊五郎氏が入り込んだ大沼への枝道があった。
実は地図を見るとこの道は
点線で日中に繋がっている。大峠マイスター熊五郎氏の下見に依れば林道としての体を成しているようだ?との事・・・



「ここですか?」さて、お手並み拝見と言うことで。


 07年秋、美しい錦の衣を着飾った日中ダムはさながら桃源郷の様だった。
だがその奥には
"冥界の門"が存在していた。









「小桧沢Heven'sGate」だ




地獄の林道を垣間みた二人は、再訪を誓って撤退したのだ。

時は流れ09'年5月。
いつものアタックメンバーが道の駅喜多方に集合した。



日中ダムを眺める高台から戦闘開始だ。
まずはエアチェックから。



●前座の筈が・・・??
 突撃突破した"廃国道のおにぎり"が
"撃墜マーク"宜しくゼッケンカウルに並ぶ熊五郎氏のDT200WRχは軽やかにターンして県道333号線から日中ダムに突入してゆく。
 YZから部分移植された足回りが右に左に素早く大地を掴んで駆け抜ける。SJ師匠のWR-Fはその動きを先読みして猛進している。
「素晴らしい・・・」(M
 朝日を浴びる新緑の中、軽やかなステップを刻んで全高101mのダム防提まで一気に駆け登る2台のマシンは人馬一体の感を伴って、しばし見惚れる。
 それは車では決して見る事の無い躍動感である。
そしてその躍動感はターマックからグラベルに替わっても衰える事は無い。
 日中大橋を越えると、ダム管理道はダムを北東側から見渡せる小高い丘に登り上がる。
「お、イキナリそこかい」(M
 先頭は小桧沢の本線ではなく、旧線に入って行った。日中ダムは平成4年に完成したロックフィルダムだが、そもそも鉱山時代には山里から小桧沢にそって大峠に向かったと思われる。
 しかしここも戦後植林され、その為の道が幾つも作られている。いわゆる「伐採道」と呼ばれるソレである。
 いま、我々の目前にある道は、恐らくその1本であるが、地図上では小桧沢を挟んで現林道と平行して走る点線である事から「便宜上」小桧沢林道旧線と呼んでいるのだ。
「試しに逝ってみていーですか?」
と先頭の熊五郎氏。
「ここですか・・」初めてのSJ師が疑惑の眼差しで入口を見つめる。
「いいです、どうせ後に先にの問題ですから、走ってみましょう」相変わらずテキトーなMR。
「ちょっと準備しますね」(熊
 おもむろにリュックからエアゲージを取り出すとタイヤの空気圧を0.7Kまで落とす。
今回のTDはアタツー仕様のキャラメルタイヤである
IRCのTR011ツー
リスト。ツールドトライアル用のものだ。
「既にヤる気モードか・・・」徹底的というか、その意気込みを垣間みる。



廃道渋滞中?先頭は伐採中。


同じ場所を上から撮影?
Photo by Kumagorou


「カメラ落とした〜?」
間抜けなMRでスた。
Photo by SJ30v



南東向きの区間では
盛大な「緑の壁」が立ち塞がる?


「MRさん空気圧は?」(熊
「取り敢えずこのままで」(M
いつの間にかSJ師もバルブを弄っている。
「さて、逝きますか・・・」(熊
この判断が、この後もずっと尾を引く展開となる。

●苦楽の反復
 2段になった上り坂は急で、夏場の旺盛を残す路面はいいプランターなのだろう。
 1段目の平場には普通より一回り大きな金属製の井戸の様な物がある。隙間から覗くとモロに井戸。梯子が視界の限りにおりてゆく様子からこれはダムの地下水を測定する設備と思われた。
 3台のバイクは枯れても激烈な薮の壁を突き抜け木立に入ってゆく。
 傾斜が浅くなりつつ、道は左に緩いカーブとなり、その途中に先行の2台が停まっていた。
 しかしそれは、後方待ちではなく倒木処理の為だった。
「あれっ?」(M
写真を撮ろうとセフティワイヤーを手繰った先に、愛用のオリンパスμ747が無い!
「ええっ?!マジ!!」
何とワイヤーが切れている!? あわてて周りの足下を見回すが、ソレらしいものは無い。
「どうしました?」SJ師がバイクから降りた所で振り向く。熊五郎氏はまだ倒木と格闘中だ。
「なんかカメラ落っことしたみたい」(M
「あれま」(S
「探して来ます」(M
 MRはヘルメットを脱ぐと今登って来た所を歩って下っていった。その踏み出した足下にキラリと光るものをSJ師は見逃さなかった。しかし、MRは既に転げ落ちる様な早さで坂の下だった。


うわ〜なんもわからへん?
何処が道やねん?


境目のない笹藪?


あ〜、崩れてますねぇ?
当然確認しにゆく。


野獣的生存可能領域を突破!いよいよ野生の領域に入る?



 ヘルメットを脱いでSJ師が見に行くとやはりカメラ。いまさらなのでゆっくりと拾い上げ、MRを追いかける。彼は既に例の井戸まで戻っていた。
「カメラあったよ〜」と一言。
主人に名前を呼ばれた犬が慌てて戻るかのようにMRが帰ってきた。
「よ、よぉかったぁ」息も絶え絶えにMR。
「さ、逝きましょ」倒木の撤去作業を一人でこなした熊五郎氏が爽やかに笑っている。そう、まだ始まったばかりなのだ。
 まさか、
この1本でこの日が終わるとはこの時、誰も思わなかっただろう。



ダブルのゲートかよ!


すっかり汗だく?のMRが見守る中、難なく進行するSJさん。流石師匠だ。
Photo by Kumagorou



わぁ・・










我々は確実にHeven'sGateの内側に居たのである。

●理性と野生の境界線
 
林道はほぼ地形を忠実にトレースして右に左に緩やかに蛇行していた。
 太さ20センチ前後の倒木がすでに3本目、順番が入れ替わって熊五郎・MR・SJの順で走って行く。
 2番手のMRは内心アセっていた。伐採道は思った以上に広く、荒れていない。仮に現道との合流点にでるとしても、現林道よりそもそも高い位置から道は始まっている。ゆるやかに現林道が追い付いて来ると予想した。
 つまり基本的に
急な登りは無い。と言う判断である。

 プロローグの岩場を突破すると、廃林道は一つ目の沢筋に突き当たり、直角コーナーで東(進行方向からは右)に折れて地形を縫ってゆく。再び進路が北に向きを変える所に、
またタスクが。
 微妙に谷側に倒れる倒木。目前で熊五郎氏が絶妙のカットインで通過する。
 続いてMRがその少し上・・路肩側は危険と判断して・・越えようとするがフロントが思うように上がらない。
スキッドガードが倒木に乗って前後のタイヤが浮いた瞬間!



一つ目の沢?を越える。
Photo by Kumagorou


清々しい程の直線が残る。
一気に駆け抜けるSJさん。



直径40センチ程の丸太越え、玉砕!!(爆!しかも自爆。
Photo by Kumagorou


車体はさながらすべり台の如く谷に向かって滑り出す。
「あ!」脳裏をかすめる“ダブルデッカーフリーフォール”の浮遊感・・・。
 足は一瞬宙を彷徨った後に何事無く着地し、MRは林道に立ちつくす。ニコTだけが、まるでスローモーションの様に足下で滑って、倒れる。



いよいよ沢筋も近い?
Photo by Kumagorou


ラインを検証する熊五郎さん。
地道な努力と常に考えて走るライディングが、彼の技術を支えているのだ。


振り向きざまに一部始終を見ていた熊五郎氏と共に大声で笑い出す。
「こ、これって、タチゴケですかねぇ・・」(熊
「は、腹イテ〜」
(M
 しかも、バイクを起こそうとするとまだ滑る。横倒しのまま前輪を接地させてやっとバイクを起こし、突破する。倒木には鉋で削った様な一条の剥き身が付いていた。
「笑い話で済んだから良いものの、危なかったスね」(S
 すっかり滑りやすくしてしまった倒木をケツ振り
しながら越えるSJ師を後目に、先行した熊五郎さんはまたしても倒木の乗り越えをしていた。
その先に、二つ目の枯れ沢と直角コーナーがあり、手前は土砂崩れの跡なのか道幅が30センチ以下になっていた。
「これは・・・逝けないか?」(M
「イヤ、ここの木を切れば」
(S
「これも抜いちゃいましょう」(熊
「ここも邪魔だな」
(S
「これも撤去しましょう」
(熊



二つ目の沢は手前がヤケに狭い?


過去の土砂崩れが残る。やはり廃道なんだと思い起こさせる場面である。
Photo by Kumagorou


 3人がかりで草木を撤去する様は、さながら危険分子を徹底的に排除する某三島のようだ(笑w
 ハンドルが路肩に擦ったものの、無事通過する。道はお約束のように右に直角に折れた後に再び進路を北に向けるべく緩やかな左コーナーとなる。


どーしたらこういう転倒をするかな?
「バイク直立してるから、これは
転落でしょう」(SJ師談) Photo by SJ30v

 
そしてまた倒木。熊五郎氏が間伐した後、再三MRが突破を試みる。そしてやっぱり腹に木をくわえ込んでそのまま倒れそうになる。
「転倒してたまるかぁっっ!」(M
渾身の力を込めて倒れそうなバイクを押し戻す!結果MRは単独で藪の中に・・・転倒した。手を付いた土手に無数の地雷もとい熊の糞。
「ほ、本当に危なかった・・」(M
「MRさん大丈夫?」
(S
問い掛けに即座にピースサインを送ると、すかさずSJ師が撮影する。
「ば、バイクは?」(M
「立ってます!」
(熊
「は?」
(M


「大丈夫!」
熊の糞以外罠(爆
Photo by SJ30v


気を取り直して前進開始。
クリア率悪いなぁ。
Photo by SJ30v


二つ目の沢以降、道幅が不鮮明に
なったような・・・?


道がない!!(爆! 古い土砂崩れの跡が道を押し流していた。
Photo by Kumagorou


 跳ね起きると、乗り越えようとした倒木の上で確かにビミョーなバランスでTTRが突っ立っていた。
「転倒した俺がバカみたいだな」(M
そしてこれが最終防衛線であった。
 3度目の沢筋は、完全に道が失われていた。
「繋がっていなかったか・・・?」
(熊

 これまでの沢筋で最も水量がある沢は、本来の渡渉部分も急な角度で流れ、しかもその左右には土砂崩れで盛り上がり、倒れた木がねじ曲がって空を目指した形跡があった。
 道路の路肩を削り取って流れたのだろう。
 この“生きながらに倒木”の為に土手の上への登坂が不能な状態である。仮に上に高巻きすると、今度は沢が滝となって立ちふさがり、その先は路盤が沢と共に無くなっていた。
 だが良く見ると沢の反対側には先細りながらも道が存在し、しかも未だ誰かの歩く踏み跡があった。
「車両が入った雰囲気はありませんね」
他にも路盤流失があるのかもしれない。冷たい沢水を汲み上げると驚く程不純物が無く、冷たかった。


「撤収しましょう」(熊
 
まさに断腸の思いと言った雰囲気で熊五郎氏が決断した。



さあ、何処で廻そう?


この時期は雪解け水で水量もあり
美味しい。
でも夏場は怪しい?


改めて写真で見ると当日はあまり感じなかったのだが・・・?
路盤が傾いでいる!
Photo by Kumagorou


「もう、お昼ですしね」と相槌を打つSJ師。
「ええ?もう昼なの?」(M
あまりのハードランに既に脳内どころか体内時計までエンドルフィンが回っているMR。
 つーか、MRにとってのハードランもこの二人にかかっちゃ朝飯もとい昼飯前なのか?
そこで改めて気がついた。
 そもそも3人いれば巧く現道に辿り着き、帰りは楽々下りの林道と
「いつの間にか逝ける事を前提に」"たかを括って"考えてしまったMRがここにいた。



残念!! 後ろ髪を引かれる思いで、崩壊地点を眺める熊五郎さん。




幅30センチを切ってる?


相変わらずそつなくタスクを
こなすSJさん?


危険な所は押す?作戦に出たMR。
しかし・・・?
Photo by SJ30v

まさか撤収とは?マジですかぁぁぁぁ〜。
「さ、帰りも練習練習!」(S
なんでウキウキしてるんだろう、師匠は?

 MRの目前には、もはやシゴキ?いや、イジメに近い帰り道が待っていた。

●終焉という名の撤退戦
 心情的にはゲンナリした。
 往路であれほど苦労して突破したこのルート、まさかの復路である。
「道路という物は進行方向によって別な道になる生き物である」
という持論を持つMRだが、それが廃道となると、転倒という行為を伴ってまさに
痛感する事となる。
「本当に"新たな廃道"だよ」(M

 熊五郎氏すら倒木乗り上げでDTをコかす。
流石に気落ちしたのか?
「欲張りすぎましたね」(熊
より高い位置での乗り上げをしたようだ。まだまだ体力はありそうな行為であり、実際セルフリカバリーの早さは驚愕に値する。
「楽しんでますね・・・(涙目」(M
 一方MRは無理せず、倒木タスクで危険そうな所は押して通過した。こういう場合、経験的に疲れているのに帰りの方がアセッて転倒などの「二次災害」を起こしやすい質なのは重々承知である。
 先頭のSJ師匠も難なくタスクをこなしてはいるが、午前中に比べるとやや切れが無い様に感じる。本人も言っていたが1日走るスタミナが足りないそうだ。
 一つ目の沢に向かうゆるやかな右、出口付近に倒木があり、ややリアスライド気味に乗り越えたMRのニコTの車体は直線の林道に対してカウンターぎみになる。アクセルを空けつつ軌道修正の瞬間、法面側にあった石にhit!! フロントが逆に谷側に弾かれる。
「おっと!」視線は前方の直線にSJ師。直前の路面なんざ見ちゃいねえ。
 だが、フロントタイヤの着地点にはバラバラになった別の倒木の枝が散乱していた。運悪くタイヤの左側面で弾かれる。
「!!」


素早く転倒?し、超高速で立て直す熊五郎さん。
一体何者?
Photo by SJ30v


どーしてそうなる?
何にもないじゃん・・・?
Photo by Kumagorou

次の着地点に道はなかった。
「MRさん、危ない!!」(熊
 殿であった熊五郎氏が倒木越えから前を見ると、TTRが一直線に路肩に突進してゆくかの様に見えたという。加速体勢ではなく減速であれば或いは落ちなかったかも知れない。
 だが、現実には路肩から1m程逆落としにニコTは倒れていた。その情景を、気が付くとさらに2m程下から眺めるMRがいた。
「大丈夫ですか!」(熊



「上がるのか?ヲイ?」何度転べば気が済むんだ?MR。
「て、転倒王に俺はなる!」マジかよ・・・?
Photo by Kumagorou


もはや「移動するストレス」と
化しておる?
Photo by SJ30v


新緑の風のように軽やかに越える
熊五郎さん。
次元が違う、3つ程?
Photo by SJ30v


 手足を動かすが痛みが走る気配はない。心拍が高い程度だ。
「大丈夫、それよりTTRの方だな」(M
 熊の糞に注意しつつヘルメットを脱ぎ捨てる。見上げるとシッカリと熊五郎氏が撮影中だが、もはやピースサインを挙げる気力も失せていた。
「閣下の呪いか?」実は一昨日も某峠で転倒したMR。なんか憑いて来てんじゃねーのか?
「上がるかな?」(M 参加中最大重量のTTRだ。
「大丈夫でしょ」(熊
 二人がかりで15分程でどうにかフロントを道路脇に持ち上げる。ここで先頭のSJさんが戻ってきた。
「派手にヤりましたね」(S
「面目ないス」
(M
「うりゃぁぁ〜」(M
最後は3人がかりでどうにかTTRは廃道上に復帰、再び立ち上がりエンジンを始動させる。
「有り難うございました」(M
「MRさん空気圧高いんだよ、もっと落としな!!」
師匠に強制的に空気圧が1kまで抜かれてしまう
「大丈夫、慣れてっから」(S 嘘ォ!!
「さ、逝きましょう」(熊
時計は12時半を指していた。

●仙人の道〜エピローグ〜
 全くの突然に人が林道に入ってきていた。山菜取りらしい。バイクの出現にあちらも驚いていた。



「おお、のぼる登る」
とても気力も技術も繋がらず、根性と努力のみで逝くMR。(爆
脳内では「バイクはセンスだよなぁ〜」と唸る。
Photo by SJ30v



野獣的生存可能領域ギリギリに我々はいる?

軽いはずのTTR、
この日は
"激重"でしたね。
Photo by SJ30v


「昔、つーても俺らが子供の頃な、ここには仙人が住んでおったんじゃよ」
 
話によると、この廃道と現林道の合流点辺りに世捨て人の老人がいて、仙人と呼ばれていたという話だった。
 その方は遠縁だったらしく、お爺さんの父は、よく冬場に食料を分けに来たという。その老人がそこに留まっていた理由は判らないと言う事だった。

 やがて戦争があって、植林が始まる頃には仙人も去り、ダムが出来る。
 仙人が居なくなると共に道は拡幅され、ダムと共に道は付け替えられ、かつての道が廃れていく。
 お爺さんの話は、そんな小さなちいさな里山の歴史だった。



「スゲェ〜」
昨年の大峠以来、磨きの掛かる熊五郎さんのライディングを堪能する?
Photo by SJ30v


スタッ!と足が出る、流石でした。
Photo by SJ30v


「俺も山菜採って来たんですよ」(熊
 最終崩落点とも言えるヘブンズゲートを突破し出口に到達すると、笑いながら熊五郎氏がデイバックから山菜を取りだした。つーか、何時採ってたんだ?
「おぅ、立派なウドですね、やっぱ天然物は太いな」ニンマリと笑うSJ師。
「それからこれ、
新種のウド!」(熊
「ああっ!それは!」(M
 それは、転倒の際に脱落したTTRのフロントフォークガードだった。
「やっぱり、山は面白いですねぇ」(S
「今日はガッツリ楽しませて頂きました!」(熊
「本線の捜索は、また次回と言うことで」(M

3人は腹ごしらえに喜多方に戻っていった。

                おわり。













さて、次は何処いきます? 熊五郎さん?