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2021 晩秋「七ヶ岳林道/中山峠」
ふりだしに戻る。




晩秋の七ヶ岳をゆく!


夜半に到着、さて、練るか。


旅先Photo !


Pohto2020
きらら289へ往復、さて、走るか。


昨年に看板が交換されている。

 プロローグ
 
 コロナ禍の、
1

 
 コロナ禍のここ2年程、MRはその年の締め括り的に南会津に出向いていた。
 それは勿論、紅葉とダート走行と言うオフバイク乗り本来のルーチンワークをこなす為である。
 個人的には檜枝岐の帝釈天管理林道がお気に入りなのだが、2018年に法面崩壊で通行止のまま翌年になっても開通の一報が無かった。



新設された七ヶ岳登山ルート看板。
登山ルートもさる事ながら林道も超カンタンに図解された。



Pohto2019
駒止峠(旧289号線)も、晩秋の紅葉は
素晴らしい。




Pohto2019
いまだ残る路面の30km/h規制
(旧289号線)も、晩秋の紅葉は素晴らしい。


 流石に白河ダム経由で田代山林道や安ヶ森(鱒沢)林道に抜けられないのはコース設定としてもツラい。
 因みに同年、鱒沢林道も壊滅的な被害を受けている。




「美しい!」このフレーズ、何回言う事やら。


「すばらしい!!!」このフレーズも、何回言う事やら。


実は奥の砂防ダムは未だ崩壊放置。
予算付かないんだろうなぁ。

 極めて個人的なルートとして、晩秋なら舗装路ながら駒止峠(旧国道249号線)も実にいい。(2019年秋レポートはこちら)

 
だがこちらも同18年の豪雨災害以降通行止が続いている。
 
頑強なフェンスと裁判も辞さない強固な意思で工事管理が行われているのだ。接続する堺、大窪、  林道の内、大窪林道と  林道北側(冷妓の冷水側)だけが通れる



きょうは、凄い。「まるでネオンのよう」


今日は花曇り。晩秋の七ヶ岳を堪能する。

 そしてここ最近毎年通い詰めていたのが、これも有名林道の「七ヶ岳林道」と接続する旧国道352号線中山峠である。
 さて、ここ2〜3年の写真を織り混ぜながら、会津の晩秋を堪能してみよう。



「ホントに晩秋なのかよ」


「谷川沿いの見下ろしは別格だな」
標高が低いこの辺は、まさに最高潮だな。


林道沿いは風が強く落葉も早い。


黒森沢登山口。
道路向いの駐車場入口付近で撮影。

 
 意外ではない影響。 2

 いつものように針入の除雪ステーション下の駐車場に着いたのは金曜日の深夜12時頃である。
 途中夕食なども済ませて、早くもカン酎ハイに手が掛かる。
 元気がいい日や暖かい風の無い日とかその時の状況に合わせてそのまま座席で寝てしまったり、KLX125を外に下ろして空いた空間にエアマットを敷いて寝袋で寝たりと、いつも適当で有る。
やっぱ体力的に余裕があると寝袋で寝るなぁ。」
 このすぐ下の道が例の七ヶ岳林道の終点で有る。
 因みに朝風呂に入りたい時は木賊温泉や古町温泉辺りがデポ地になる場合が多い。
 さて、カン酎ハイ程度であっちゅー間に沈没した分だけ、明るくなる頃にはあっさり目覚める。だんだんジジ臭くなるなぁ、俺。
 取り敢えず下見がてら早朝のきらら289にトイレに行く。駒止峠をトンネルで越えつつ、旧道の出入り口や多々石林道の出入口、旧々駒止峠の出入り口等の確認は怠らない。
 
ま、ここ数年変わらんけど。
 大体バイクがデポ地に置き去りなので早々に帰ると朝食を摂って着替え,早速林道にインするが前日から車中泊にもかかわらず、出発の時計はいつも9時頃だ。



「いいね!GEKOTA!!」
柔らかいのにしっかり踏ん張る。流石レースで名を馳せたタイヤだ。


「中間で大きく伐採してる地区」
伐採してる領域は箕沢林道に達して無いか?この広さ、奥行き。



Pohto2019「富木沢林道の分岐」
 
箕沢林道はどうなってるだろうか?。


   Pohto2020
うわぁ「ほぼ廃道か!?」


Pohto2019
「富木沢林道の分岐」こちらは
下岳登山道の入口となる。



 いつもの通り,終点の写真を撮って状況開始。

 
今年2021年はここ3年で最もアグレッシブな展開となった要因は勿論タイヤだ。
 あれで七ヶ岳林道の終点から富喜沢林道の分岐まではKLX125には中々タフな区間だ。特に秋に大きな台風があると洗掘され、運が悪いとその上に営林署で砂利をガッツリ撒かれて,フロントからイク羽目に陥る。
 七ヶ岳のメイン登山道入口がある黒森沢登山道周辺が得に砂利深くなる傾向があるのでバイクにキツイ展開である。起点からだとひたすら荒れた登りでしかもこの路面となれば小排気量にはツラいの一言だ。
 
だが今季はIRCのGEKOTAがよく出来たタイヤでいいペースで走れ


林道開削碑に到達、ここにも新しい看板が。
る。
 このタイヤ、
まるでツーリスト110の様な柔らかいコンパウンドの癖にやたらと走行安定性がいい。
 大抵、KLX125の短いホイールベースと小排気量が災いしてタイヤにパワーを食われ、それに伴って進路保持性も淀みがちだが、このゲコタは路面の凹凸に実に巧みに入り込んでグリップする感じだ。



「基本的に同じ仕様」登山口の案内板も同じだ。


七ヶ岳連山の登山道は昭和12年の会津鉄道の開通と供に、戦後の登山ブームに
沿って発展し、登山道への横断アクセルルートとしても林道を開削した。




この後交差点や登山道入口ごとに表れる小さい方の登山道案内板。
美しい。花曇りということもあって雲の動きにあわせてクルクルと着替えるかの様に表情を変えて行く紅葉たち。




なんだこりゃ。葉っぱの裏に発光体でも入っているのかよ。


林道を埋め尽くす落葉。
走行風圧で舞い散る落ち葉って素敵。

 小さな力でもタイヤがちゃんと立ち上がろうとするし、柔らかいのにフロントブレーキの制動性とコントラブル性が両立している。
 これなら箕沢林道も行けるかと、その本線下の幾つかの枝廃道に思いを馳せつつ富木沢の分岐を過ぎ、林道開通の記念碑で休憩すると、
ここからはのらりくらりの尾根伝いのご機嫌な高原ダートとなる。

 まあアフターコロナの終わりかどうかも判らない
*2021.11月時点 が、ここまで1台のバイクとも遭遇しない。擦れ違ったのは登山客を載せたタクシーだけだ。もっと台数が出ているかと思ったが意外だった。
 
山道らしい蛇行と徐々に強まる登り坂を越えて、最初の目的地である定点観測点に辿り着いた。バイクを停めて、カメラを取り出す。



「尾根渡りの定点観測点に出る」



「こちらは昨年」2020年の方が一週間速いのに
21年の方が色鮮やかとは!山は生き物、道も生き物。




「この俺、金色の」いやいや、どっかのオババ様じゃねえから。


いやいや、どっかのオババ様じゃねえから。

 深い紅色が蜜柑色の山々をうねる様に染め上げ,コントラストを付けるかの様に立ちはだかる深い緑を魅せる植林の杉林と、抜ける様な青空に流れる雲を眺めながら撮影してゆく。
「去年より色がいいかも」今年もご機嫌なツーリングが続く。



「次の定点観測地に到達」完全に同化しとる、


「危機意識が無くなった危険標識」
ここまでくると元が何かも判らんわ。


「まさに防波堤」2018年に再建された被災区間だ。

ここだけコンクリート鋪装、すぐにダート。


 紅葉の残像を抜けて。 3

 只見線の橋脚が流失した2016年に土石流で流されたガレー区間も2018年には再建され、景色の良さからか?最近では撮影スポット化している。
 時折顔を覗かせる昔ながらの小さな切り返しのつづら折れでは、陽を浴びてネオンの様に光り輝く紅葉などの広葉樹が今年最後の命の輝きを惜し気もなく瞬き続けている。



「ホントに葉っぱが光ってるみたい」

「太陽が雲に見隠れする」まるで点滅する電球のような
優しい色合いが目まぐるしく変わって行く。



上ばかり見て、前を見るのがおろそかになるわ。

 そんなコントラストに紛れる既に表示の消失した菱形の黄色い道路標識が、永く愛される広域林道の人生の一コマを紡ぎ出している。

 
ガレー区間に到達すると、この林道のダート区間も終盤に差し掛かる。
 
都合二個所ある新しい暗橋による妨堤と言える頑強な造りだが川底に散乱する巨大な石の「賽の河原」を見るとこれでも強度不足じゃ無いかと勘ぐってしまう岩のデカさだ。




「再びの防波堤」青空と紅葉のコントラストが素晴らしい。


Pohto2019
「程窪沢」と言う事は!

 毎年思う。
「美しい山だ」と。
 眼下に虹色の衣を纏った山々を見下ろし、何度も停まって撮影を繰り返しながら,今年もこの秋の恵みに感謝して、またスロットルを開けて行く。

 そんな長いダートもようやく一区切り、昭和54年竣工の程窪沢のコンクリート橋の辺りでダート区間が終了する。
 
橋を渡るとすぐ「喜三郎小屋」と呼ばれる営林署の作業場のある三叉路に到達する。



Pohto2019
「ダート区間終了の詔」バイクの向きが逆だが、
カメラ側が喜三郎小屋のある三叉路。


こりゃまた綺麗な紅色だがや。

三叉路の作業場に咲き誇るかの様な紅葉を眺めつつ、持参した温かいコーヒーで一服する。
 
ダート区間の全長約15.6Kmの遠大なダート区間ですれ違ったのは,僅かにクルマが2台。双方あれは登山客だろう。
 
ここから七ヶ岳林道の起点である旧国道352号線まではざっくり1Km程、区間の起点地点から唯一の鋪装区間である。



「ここ、紅葉最盛期」一種の窪地状態なのか標高も低い為か?、
紅葉満開?なんですけど。



惚れ惚れする紅色に後ろ髪引かれつつ、最終区間、起点へ。


青空になびく紅葉群。
白樺の林が色合いを明るくする。

 喜三郎小屋の三叉路には国道121号線から登って来て右方向に標識があるので間違えやすいが起点は旧国道側なのだ。
 因に今年(2021)はその旧道沿いにある羽塩登山道が土石流で埋り通行止めという看板も挙がっていた。
「紅葉に限って言えば、むしろこの区間が好いんだよな」
 喜三郎小屋に植えられたもみじやかえでがシミ一つなく燃えるような紅に染めあげられている様を眺めて撮影しながらポツリと言った。





「白樺と針葉樹と青空と」




「凄い色合い」自然は“やりすぎ”という言葉を知らないらしい。


「待避所が危険」舗装路だからロードバイクOKだけど、
絶対に路肩に寄れない、危険すぎる。



駒止めがあると旧い道なんだと思う。
調べると林道の原形は戦時中の軍需林道だ。

 風に揺れるかえでが頷いてくれたみたいだ。さあ、紅葉の仕上げを見に行こう。
 見上げれば燃えるような紅の紅葉の遥か上空の蒼空をゆっくりと北東に向かって雲が流れて行く。

 七ヶ岳林道の起点までは舗装区間であるが、季節の変わり目の頃合いは中々捨てたものではない。
 カラマツの針の様な落ち葉で道はライトブラウンの絨毯を敷き詰めた装いとなりそれはそれは美しい過ぎて、景色ばかり眺めているとスリップダウンする程に危険で美しい。



「おおお」


「・・・・・・」

「ぐはぁ」なんじゃこの黄色は。

「キタコレ!!!」最高の採光タイミングだったな。


「門倉山」標高1246m
この山、漏瑚の頭そっくりだなぁ。


 考えてみれば自然とは人間に厳しい環境ほど美しいと何処かで聞いたが、オフ車はまだしもロードバイクで来よう物なら、マジで命に関わる程に危険な堆積量だ。
 そんな舗装区間でも時折訪れる小さな沢を越えるは橋などでは、やはり紅葉などがここぞとばかりに美しく紅葉して、目を楽しませてくれる。

 
巨大な岩塊がひときわ逞しい門倉山(1246)を望むラストステージ、起点は針葉樹の林だ。
 針のような葉が秋風で大量に落葉し、舗装路はパウダーブラウン一色に染まる。

 何げにこの林道、終点の針生が標高800m、起点のこの辺は1000mを越える。主峰の七ヶ岳が1635mだから、林道はまさに中腹を駆け抜けてくるのだ。だから最後には針葉樹や白樺の林があるのだ。

 だが2021年、最後まで高い針葉樹に出会う事無く、そのまま旧国道352号線「中山峠」に向かう三叉路に無事到着した。
「マジで!!」
 針葉樹は広く伐採され、異様に見通しが良くなっていた。まだ伐採作業の途中らしく間伐材や積み上げられた丸太が道ばたに置かれ、さながら爆撃でもされたかの様な風景である。
 そんな焼け野原のような高原にポツンと、まさに一本だけ二ョキッと「七ヶ岳林道」の起点看板が建って居た。
おかげでランドマークの岩山も良く見える。
 
接続しているT字路が旧国道352号線だ。


これが針葉樹の落葉。
何か写真で見るとただのダートみたいだが。



針葉樹の林がすっかり無い。おかげて景色はいいが。

ぽつねん「七ヶ岳林道 起点」標識。

 ここを右折すると中山峠を抜けて
「たかつえ高原スキー場」に到達する。
 
もうここから見える、20m程先に「通行止め」の看板とゲートで閉鎖されている旧道が。
 あれが「旧国道352号線 中山峠廃道区間」である。



あれが「廃道区間だ」セカンドステージ、渦巻く紅葉の峠へ。





 
次回予告。

「廃道、中山峠」
通行止めの理由は2016年の
台風による道路流出だったらしい。

後半戦やいかに。

         
つづく