温泉ツーリングスポット(上信越編)


小谷温泉 露天風呂
(長野県)
1994 Jun 25.26day's Report






小谷温泉 露天風呂
 私にとっては「夢見の湯」である。

 フォッサマグマで有名な国道148号線から妙高高原に抜ける林道は、私が長野で出会った思い出深い林道の一つである。姫川小谷林道だ。初めて走ったのは94年だから、あれからもう10年以上がたった訳である。
 今も昔も、谷沿いの細々とした国道を登ってゆく。川向かいの姫川温泉にダムから渡り、姫川小谷林道に入ると鬱蒼と茂る杉林のなかをつづら折れに渓谷を垣間見ながら登ってゆく。眼下には春には訪れたくないと少々嫌気がさす程に植林された見事な杉林。林道はやがて雨飾山の中腹を西から東に横切り、小さな美しい沼「鎌池?」にたどり着く。

 道路を隔てた反対側に雨飾山の登山道入口がある。
 更に進むと妙高小谷林道とのT字路の先に小谷温泉の露天風呂が現れる。
 道路際に突然現れる露天風呂は岩場に隠れるとはいえ基本的に道路から見える状態である。もっとも、実は今年来訪を予定していながら集中豪雨のため新潟から南下出来ず、いわばこのレポートはNostalgiaな物となってしまったわけだが。

 小谷温泉と言えば9年くらい前に大規模な土砂災害が発生し、下の県道114号線が根こそぎ流された事が記憶に残っている。死者・行方不明者を出した土石流とともに道路は寸断され、1年以上通行に支障を来たしていた記憶がある。
 先程の姫川林道も被害を受けかなりの期間通行止めだった記憶があり、ツアラーの聖書ともいえる某ツーリングマップルにもそう記されていた筈だ。




 さて、この露天風呂は小谷温泉「時雨荘」が管理する施設であるが、一般にも開放されていて、通りすがりの誰でも志を払って頂き自由に入浴出来るものである。したがって「無料」と思うのは些か問題がある。
 某ツーGo等の0円マップもそうだが、ちゃんと大きく「幾ら以上の寸志」と書いた方が良い。そうしたお金で管理の方々は施設を整備しているわけだ。
 それがタダであるわけはないし、活動を行う方々は地区の方々の手によるボランティアであっても清掃用品から修繕費用とお金はかかるものである。どんな事でも、こころざしは大切なのではないだろうか?。



 この日はクラブメンバーと個人的に訪れた。
 時雨山の登山口にテントを張って一泊、登山口には駐車場とトイレがあり、快適なキャンプ生活が送れるが、休日の早朝は登山ラッシュとなる。

 次の日朝に小谷温泉に赴いた。私が訪れた当時は脱衣所もない露天混浴で、岩づくりの湯船はけっこう大きく大人7〜8人は入れる程度、無色透明のお湯に体を預け、空を見上げると森林の木陰から爽やかな青空にしばし呆然と佇む。
 武田信玄の家来が見つけたと言われる小谷温泉は信玄の隠し湯ともいえようか?(有名どころはほかにもあるけど)

 掛け流しのお湯はナトリウム炭酸水素塩泉。沸き出し温度は47℃、消化器系、皮膚、神経衰弱、婦人病などに効果があるとされる。木漏れ日を揺らして時折ふく山風が僅かに雨のにおいを運んでくる在る初夏の朝の温泉三昧であった。

そして、いつもの通り本チャンともいえる妙高小谷林道に突入してゆくのだ。
私にとって、永遠の「夢見の湯」である




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