温泉ツーリングスポット



古町温泉 露天風呂

(福島県)



外見の普通さとの
アンバランス感溢れる露天風呂への廊下。
男湯手前の左手に女湯がある。



●村の長老達の憩いの場。古町温泉/赤岩荘
 伊南村の”塩の道”である林道小塩・塩ノ岐線の小塩側には古城久川城がある。南に面した伊南川沿いの農村田園を一望出来る。そしてもう一つ「うむ、絶景!」と、殿様のみの秘密の楽しみも提供していたかもしれない…?
 昔の天守閣の眼下に望む「古町温泉露天風呂」がその頃存在したかどうか?はさておいて、相手から見えるという事は、こちらからも周りがよく見渡せると言う事に他ならない。紅葉に染まる古城を望み、こじんまりと川っぷちに建つ昔ながらの温泉は魅力的である。

 良心的林道ファンのおいら(?)としては
「林道を下りると露天風呂」というシチュエーションは実に理想的である。



どう見ても村の老人ホームのようである。


廊下の端に脱衣所。


お城の公園前には立派な橋もある。風呂場からトラックの往来が見える、ということは?


 奥会津地方には温泉を併設するキャンプ場は少ないものの、旅情をそそる温泉が近隣に点在し、この点に置いて期待を裏切る事はない。そんな魅惑的な林道群と露天風呂という基本の一つが、今回ご紹介する古町温泉である。

 標識に沿って古町温泉を探すと、国道401号線を只見へ向かう伊南村の終わりに高さ2m程の標識を左手に見つける。
 左手に路地を曲がると直進。学校の裏手に老人ホームの様な風情で佇む古町温泉は、小さな平屋の温泉のみの施設である。
駐車場で泥にまみれたオーバーパンツとジャケットを脱ぎ、オフブーツからサンダルに履き替えて玄関にゆく。
 昨日は閉鎖目前のキャンプ場に一人宿泊し、残念ながら風呂に行く機会に恵まれなかったので、正直嬉しい。寒さも手伝ってオーバーを脱ぐと下はGパンの下にオフ用アンダーという状態である。受付で310円を払い、教えて貰った湯船に向かう。
 途中右手の休憩室では地元の4GB(地元の爺ちゃんの省略単位”ジジババ”。4ギガといえば、爺ちゃん・婆ちゃん・曾爺ちゃん・曾婆ちゃんが一般的。親子三代で6GBなどもある。最近は老人会の集団で120GBや180GBなども見掛ける)が世間話に花を咲かせていた。横目に見ながら奥の扉を開けるまでは、温泉と言うよりやはり老人ホームっぽい。
 扉の奥は唐突に温泉宿っぽく長い渡り廊下風の通路に接続される。奥に一文字「男」と書かれたのれんが揺れている。



露天風呂。抜けるような青空に映える赤茶色のお湯。うむ、気分よし!


「漢(おとこ)の方がかっこいいかも?」などと思いつつ脱衣所に到着。いい味に痛んだ破風板の先に青空と錦の山が見える。タオルを持って外に出ると隣はもう伊南川、橋を渡る大型トラックが見える。小さいながらも明るい湯船である。

 紅いお湯は一目で酸化鉄泉と思いきや、塩化ナトリウム鉄泉。湯船は青空と絶妙なコントラストを描き出す。
こいつは気分がいい。
 先客のおじいさんは勿論地元の常連さん。さっそく湯船が3つに別れた理由を尋ねると、温泉の自噴量にあわせ、近隣の方が昼前に風呂に入れる様に、早くお湯が満杯になるよう浴槽を分けたそうで、おいらなんかと発想(普通なら早く湯船を洗って早く給湯しないか?)が違う。



黄金を纏いしお湯は、地上に湧き出て空気に触れると赤く変化する。効きそうだ。


湯舟が空っぽな訳とは?。


雨や雪の日に傘を被って露天風呂・・・?


 隣では先程のお婆ちゃん方だろうか。露天でも楽しい井戸端会議が続行している。
 脱衣所の棚の最上段に笠(頭に被る方)があり、帰り際に管理のおばさんに聞くと雪や雨などの時使う物だという。豪雪地帯なので状況を想像すると子供に読んで聞かせる「笠地蔵」を想像してしまう。
「最近はそんな人もいなぃで、置きっぱなしだぁ」と笑うおばさんに挨拶し、おいらは温泉を後にした。

赤岩荘
営業時間:8:30〜19:00
     (水曜定休)
泉質:塩化物(ナトリウム)鉄泉 
源泉温度:約45℃
効能:擦り傷、切り傷、慢性皮膚病、
   慢性婦人病、神経痛、筋肉痛名
   どの痛み、冷え性、痔疾、
   慢性消化器病など。
内風呂:あり。
入浴料:村外310円(大人)

露天風呂は11時頃が良さそう。休憩できます、宿泊不可。



少々熱めなところが素敵である。走らないならビールを頂く処だ。



注)当日は混雑していた為、表示された「温泉分析表」を撮影しておりません。あしからず。