温泉ツーリングスポット






飯豊温泉 川入荘
展望露天風呂

(山形県)



苦節十年?の
露天風呂へ




●"いけずの露天"?

 話は実に2008年まで遡る。(わぁ、もう11年も前?!)
 この日、リンク先となる
「WINDY EXCURSION」管理人の燦氏のお誘いで、国民宿舎梅花皮(かいらぎ)OFF会で宿泊した折の事である。
「隣りは別館の日帰り温泉なんですよ」と紹介を受けたのだ。

 何故か東北人より東北を知ってる長距離屋、空いた口が塞がらない。
もちろん梅花皮荘の総ガラス張り展望大浴場は文句無く、輝くばかりの飯豊連峰を眺めて佇む朝風呂は特に最高であった。
 当時のMRは今よりもっと真面目に林道を走っていたので、朝風呂に心絆されてしまい、そのまま次の林道(というか廃道?)にトツゲキしてしまったので、ある意味心置きなくツアーを楽しんだ訳だ。

 だが、帰って来てパンフを見て愕然とするMR。
なんじゃこりゃー!隣りは露天風呂しかないんじゃん!」(注:ちゃんと内風呂もあります)

なぜこんな根本的な所が抜け落ちているんだ>俺。

 次に行く時は絶対隣りも入浴すると心に決めて泪を呑んだのである。
 それから実に8年後の2017年GW、そのチャンスは巡って来た(つーか何時でも行けただろう?8年もあれば>俺)
 再び梅花皮荘オフが巡って来たのだ。あいにく土曜が仕事になってしまったが、何翌日の日曜に入れば宜しい。露天で朝風呂だ!
宴の翌日、隣りの日帰り温泉「川入荘」の前でMRはタオルと財布と肩を落とした。
「冬期閉鎖、再オープンは5月初旬…」
なんだよネットには4月中旬からと…



川入荘全景。バックにどど〜んと飯豊山脈。


山小屋風の建物ロビーを抜け、再び外へ。
コンクリート製の階段を降りる。
『温身の湯』の名前が。


階段の踊り場から見る飯豊連峰!。
この位置に露天風呂が在った方が好いカモ。


 うおおお、嫌われている!俺はこの温泉に煙たがられているのか!神は何故俺の露天朝風呂をお許しにならないのだ!マイガー!
「MRさん集合写真とりましょ〜」
「は〜〜い」
 千尋の谷にセローごと間違って落ちてしまった(いわゆる自爆?)かの様な挫折感を爽やかな笑顔に隠して撮影に参加し、ひとまず解散すると、クヤしいのでここから3Kmほど先にある湯元でも見てやろうかと思うが500m程ですぐ残雪で通行不能。(ページトップの写真参照)
 ヤケ気味にお湯の無い浴槽をカメラに収めるMRであった。

 そしてこの日、ついに!ついに遂につーいに!ほぼコレだけの為にそこそこ日曜が空いて、やっと川入荘展望露天風呂に行く日がやって来た!
 朝のウチ野暮用を済ませると快晴の秋空のもと、まさにルンルン気分で軽々と米沢入りするMR&ローストセロー君。
 今日やっと夢に迄見た大展望露天風呂に入れるのだ、まさにこの世の春に盆と正月がボーナスとセットで一緒に来た嬉しさである!<現実には秋だけど。
 ある意味宝クジで一等当たるよりも嬉しいかも
(←経験した事無いので判らないだけ)
 その時、後方から急速に迫る青白い大型バイクのへッドライト!しまった、米沢インター辺りに白バイが居たのか?おのれ山形県警!
「MRさーん!」
ええっ!・・・・・・出来過ぎにタイガー燦氏&マナブ氏のドカが・・・・・そんなバカな。
「ゆ●りや行きましょう、ね」
 
偶然か一種の妨害なのか?まあ時間はあるし”ゆか●や”は確かにウマいし断る理由はない、これも定めと言う奴なのか?
 と言う訳で蕎麦屋経由の3時間半遅れでやっとこさ川入荘に到着したのは既に2時を廻っていたのだった。
(今までで一番長い前置きレポだなコレ)



コレが露天風呂か!


「男風呂」え?。
ええ?
レジオネラ菌検査済み?って?



「入口から男女に別れる」
そう、所詮この世は諸行無常(獏。


「露天だけ循環かよ」保健所から許可でなかったんだろうな

 
さて、 
 
川入荘は国民宿舎梅花皮荘の別館日帰り温泉として作られた施設である。

 それ故に本館と言える梅花皮荘とデザインラインには共通の趣を感じる高床式ログハウス山小屋調の鉄筋コンクリート平屋建てである。
 1m程の入口階段には別にスロープも設けられる車イス対応形だ。玄関ロビーの受け付けカウンターを右手に入浴料500円を払うとそのまま土足で場内に入れる。オフブーツの足音が響く様はまさにログハウスだな。
 
露天風呂の脱衣所にはトイレやコインロッカーなど存在しないので、貴重品はここでロッカー保管となるが、肝心のオフヘルメットが入らない。その様子を見ていたカウンターの管理人さん(支配人?)がフロントで預かってくれると言うのでお願いする。
 ロッカーは駅などにある一般的な正方形の中型タイプなのだが、ジャケットとウエストバック、リュックをいれるともうお腹一杯である。当然オフブーツを履いたままロビーを突っ切り、左手の「露天風呂」の表記に沿って再び外に出る。
 そろそろ夕方に差し掛かり始める西日に目を伏せ手を翳しながら眼下に望む露天風呂とその下を悠久の水を湛えて流れる玉川、その上流に向って壁の
様にそそり立つ飯豊連峰を、高い秋空
の中に眺望する。

「これは…絶景だな」


入口には源泉明記。井戸は3つ、混合泉か。
循環もそのせいか?露天のせいか?


写真は無論休業中の状態。
営業中は当然すのこが敷いてある。


「褐色の露天がここに!」けっこう広いな。


 中央に川入荘の基礎高さから更に川に向って立派なコンクリート階段を下りてゆく。
 いわゆる半露天風呂と言うか屋根付きなのだが、屋根の高さが今下りて来た基礎つーか駐車場の高さ、ざっくり一階分の低さである。

 露天風呂の建屋入口、やっとここで履物をぬぐ。クランクになってる入口はそのままのれん一枚を挟んで脱衣所で見ようと思えば見られてしまう簡易さだ、壁に保健所発行の温泉分析表やら循環浴槽の除菌ステッカーやら貼られている。
「ン?循環?掛け流しじゃねぇの?」
 正確には内風呂と共用しているので温泉に間違いは無いがいわゆる「掛け流し」と言う訳ではなさそうだ。
脱衣所には洗面もなく、廊下の壁にシンプルなBOX形にいつものプラ製カゴという塩梅で、素朴だが不備は無い。
 早速服を脱いで準備万端に浴室に入るとガッツリと薄茶色の湯ノ花が結晶化してこびり付いた岩風呂に流れ込む透明の温泉の向うに、
思った通りの壮大な飯豊連峰がドーンと現れる。
 まさに
「絶景展望露天風呂」そのものだ。


使い古しのエンビ管が
たまらない。

 ちなみに4つの温泉井戸から汲み上
げられる混合温泉であるこのお湯は、隣りの梅花皮荘本館の大浴場にも掛け流しで供給される程の圧倒的湯量である。
 泉質はナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩温泉というほぼ鉱泉である。赤みを帯びた透明度のある温泉は筋肉痛や神経痛・関節痛などの症状に適応するとある。


「適度にぬるい、これは長風呂向きだなぁ」

極めて個人的な意見だが、となりの女風呂の壁、下が無いよ……。


いやいや。
そんな説明なんぞどーでもいい!

 
この飯豊連峰の絶景があらば、どんな病気も怖く無いと言いたくなるくらいなのだよ!ほんとマジで。
 屋根アリを忘れるかの様な浴場には段々に夕日が差し込み、お湯も湯舟も

鉱泉はいいぞ!!
金色に輝き始める。
 晴天夕方の飯豊温泉露天風呂はこの時、青森の不老不死温泉にも負けないくらいの輝きを放って、もうそれだけで良い温泉と断言したろか?と思う程だった。
 ここを紹介したのは燦氏だったが、この日もし偶然に会って入浴時間が夕方にならなかったら、こんな景色は拝めなかっただろう。これが必然と言う奴なのか?
すっかり暗くなるまで湯舟に浸かるMRであった。



飯豊温泉 国民宿舎梅花皮荘 
別館 日帰り温泉 川入荘
露天風呂」
日帰り入浴/時間帯
    内風呂11:00〜16:00
    露天風呂10:00〜18:00(金曜日のみ16:00〜18:00)
    冬期休業;1月4日より4月中旬まで。
入浴料:大人500円 子供:300円。
   
(梅花皮荘宿泊の方は250円)
温泉成分
●泉質:単純酸性温泉ナトリム・カルシウム_塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩温泉
    (露天は循環ろ過方式、内湯は掛け流し) 
●源泉:飯豊1号、2号、3号、4号混合
●適応症:筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、うちみ、くじき、関節のこわばり、
     慢性消化器病、冷え性、痔、病後回復、疲労回復、健康増進


追伸。
 冬期休業だったので隣も見てみた。
「ん〜普通だ」
そりゃそうだ(涙w
 まあ、男湯よりもこっちの方が景色は良いな。対岸から見えない様によしずが張ってあるが、それが景観上邪魔なくらいか。
 浴槽の入れ代わりがあるかは判らないが、より景色のいいこちらの湯舟も浸かって見たいものである。


流石に誰もいないだろうな。


「空の露天風呂で飯豊連峰を堪能」