温泉ツーリングスポット






二岐温泉 大丸あすなろ荘
露天風呂

(福島県)




高松宮様が名付けた
「あすなろ荘」







センスの良い「和風ホテル」

20年の時を経て来た温泉宿はいつしか装いも変わっていた。


●開湯安和2(969)年、
 創業享保13
(1728)年。

 
もうずいぶん前に一度来たことがあったと思う。
 山隣の羽鳥スキー場周辺の西部林道や釜房林道には度々出没するのだが、そのうち行かなきゃなどと思いつつすっかり時間が経ってしまった。

 そんな訳で大丸あすなろ荘は建物もすっかり変わり、玄関位置や階数フロアなんかは同じ物の内風呂なんかはすっかり変わっていた。
 対応してくれた女将さんによれば
現在の旅館も既に築20年と言うことだから、いやはやぶん投げるにしても非道い。
 もっと早くに足を運ぶべきだったと反省する事しきりである。
 二岐林道の入口ともなる温泉街の最初の所にある老舗旅館が「大丸あすなろ荘」である。
 二岐温泉は二岐川側の旅館数件がいわゆる崖っぷちに入口を構え、それぞれに温泉井戸を川岸に持つので、自然と3階建て程の高低差が発生する建築様式である。

 当日はまるでスイッチバックのような下り坂を一段降りた所で、初めて見る和風の正門に驚いた。
 あれ?たしか「大丸あすなろ荘」もそうだと思っていたが、当日女将から
「入口(の高さ位置)自体は変わってませんよ」と言われ、人間の記憶なんていい加減だな?などと思った。
 玄関カウンターで日帰り入浴を申し出る。700円を払って入ると、エントランスホールからエレベータの位置関係も覚えと違った。


うわぁ、全然記憶にないこの和風通路、始めてきたみたいだわさ。


入口や3Fロビーは割愛。早速B3Fの大浴場へ。


和の風情の香りを今市感じられない普通の脱衣所。


「立派な温泉分析表」
まあ、普通にカルシウム-硫酸塩温泉(アルカリ性低張性高温泉)だけど。

「内風呂の外に展望露天風呂がある」

 
 
入口フロアから数えて地下二階?に当たる位置にある大浴場も、露天風呂もセットになった内風呂となっていた。
 かつてはエレベータの一番上に「展望露天風呂」が在った様な記憶が在るが定かでもなく、今の建物には無い。
 客室は入口フロアから上、下は温泉設備と厨房、宴会場という、前回の横向温泉と同じ典型的大温泉時代の設備仕様である。
 特段考え無しにそのままのれんを潜り、服を脱いでシリを洗ってまっすぐ露天風呂のある外へのドアを開ける。
 内風呂に入っている客は2名程、取り敢えず客が引けるのを露天で待つ。



カランもシャンプー&ボディソープも完備。
この辺は料金なりかな?


狭いながらも楽しい露天!。内風呂も悪くはないが。


「展望露天の景色もいい」あ、カップルで来てる?


すると、何と言う事でしょう。
 手をつないだカップルが下の階から現れて、川岸に向かって歩道を歩いて行きます。
 歩道は川の手前でT字路となり、看板の前で名残惜しそうに手を離して左右に分かれて行くではあ〜りませんか。

「し、しまったぁ!オンナ風呂岩風呂露天はあっちだぁ!」
(ソコかよ>俺)
 取り敢えず、こっちの内風呂の客が引けるのを待って、あわてて大浴場を出て件の川岸露天岩風呂に向かう。
何だ、入った風呂の隣にちゃんと入口が在るじゃないか?
何で気がつかなかったのだろう
と思いつつ、廊下を分かれて下って行く。
 
しっかり勝手口の様な入口と履き替えの温泉下駄が置いてあるではないか。
 早速履き替えて外に出ると、階段の下に三叉路が在り、看板に
「自噴岩風呂」と書いてある。
振り向いてピンと来た。
 建物こそ変わったが、昔との位置関係から、ここが昔少し凹んだ所にある「当時三角屋根の」内風呂(で岩風呂)だった所だ。
 アプローチの歩道位置が昔と逆配置なのだ。
「謎をは解けた!」
その岩風呂は取り敢えず置いておいて、解放的な「川縁露天岩風呂」に行く。
 


男湯の
隣にある通路が、
露天の入口だろうに。


さらに一階分の階段を下る。


「右が男性露天風呂、左が女性用」?・・記憶にありません。


「渓流露天風呂」「男性」
何かいきなりホテルから民宿になったな?。

ああ、でもこの"仮設"感
たまらん。



上流の湯船から下流方向、脱衣所まで全景!。
素晴らしい立地!確かに渓流露天風呂だ。


岩風呂格好いい!。湯船の底がいい感じだわ。


 T字路を右に曲がるとすぐ先に男用の脱衣所があった。
 
昔は男湯側しか湯舟が無い混浴川縁露天風呂だったのに
、くすん。

 だが振り返ると、成る程、脱衣所が無いと女湯から男湯で脱ぐ所が見えてしまいそうだ。
「仇討ちの湯かよ」
 湯舟にはさっきのカップルの男が入っていたが、MRが来るなり引き上げてしまった。

 早速ルパン三世も驚く早さで服を脱ぐ
(というか2枚程着ていた服が少ない)と露天風呂に入る。
 
岩風呂の隣は小さな滝だ、せせらぎの響く昼下がりの岩風呂は至福のご馳走である。


これがまた、突き出た岩が
お座りに良いんだ。

上の湯船が溢れてもこっち流れてくる。



これが日本の露天風呂。


 露天風呂に行く道筋が替わったせいか?下流から脱衣所、岩風呂(大)と来て、上流に半分程の小さな岩風呂がある。

 確かこれが、
かつて混浴だった頃の名残、元の女風呂だった筈だ。
 今では両方男風呂になってしまった。(まさにオカマの湯?)
 
何となく楽しみが半分減った気がするのは、多分MRだけだろう

 のんびりとゆったりと、沢の水音と野鳥のさえずりを、木漏れ日の下にある奥の小さな湯舟で愉しむ。
ああ、コレが露天風呂の効能なんだよ、うん。
 6月のそよ風を受けて、川縁露天風呂を嗜んだMRであった。


おおっと!蛇の脱皮!
何かの呪い?予兆?



特別付録  独立別館 自噴泉岩風呂

 何と
享保13年(1728)に造られたとされる岩風呂。直接の岩盤である湯舟の底から泡とともに湧き出る「源泉噴き流しといえる大丸あすなろ荘の象徴的温泉である。

この他、2つの女性専用内湯・ 男性専用内湯・ 2つの女性専用露天風呂・ 2つの男性専用露天風呂がある。


湯船の前にある洗い場には
蛇口だけしかない。
シャワーなどは内風呂で。
「めっちゃアツいぃぃ〜!!!!!!!」

平然と入れる会津人は凄い!何か間違っている気がするくらい熱い。
手前の穴が"ポットホール"。



二岐温泉 大丸あすなろ荘
内風呂
「展望露天風呂」
外風呂「渓流露天風呂」
別棟「自噴岩風呂」

入浴料:大人735円 子供:525円。
日帰り入浴
  /時間帯:AM11:00~PM14:30

温泉成分/風呂自噴以外の各温泉
●泉質 カルシウム-硫酸塩温泉(アルカリ性低張性高温泉)/内風呂脱衣所内温泉分析表より。

温泉成分/自噴岩風呂
●泉質 カルシウム-硫酸塩温泉(アルカリ性低張性高温泉)PH 8.8(弱アルカリ性) /旅館HPより。

●湧出量 10号線:54L/分、混合泉:130L/分 源泉温度 10号線:53.8度/混合泉:51.8度

●源泉名 二岐温泉 10号泉 大岩風呂/二岐温泉 4,5,12号泉混合泉

●適応症 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性など。



日本秘湯の会会員、初代会長でもある
大丸あすなろ荘。


末永く残しておきたい
「古の秘湯」である。