温泉ツーリングスポット



とことん山 露天風呂
(子安峡とことん山キャンプ場)


(秋田県)





子安峡:photo by ion-iwata


奧の右にある大きな建物が管理棟。


管理棟から北西のロッジ方面に10m程に歩くと
看板がある。


落ち葉が敷き詰められた小径の先に・・・・


●アウトドアバブルに作られた良質な温泉
とことん山露天風呂/とことん山キャンプ場。
 大地に大きく裂けたような渓谷である子安峡。中央分水嶺の山肌を深く分けたこの渓谷を初めとして栗駒から鬼首に、つまり西から東に至るこの地区には幾つもの魅力的な温泉郡が存在する。そしてそれは昭和60年代のアウトドアブームによって温泉の使われ方がそれまでの温泉旅館一辺倒から、いわゆる温泉保養館などの簡易施設、あるいは温泉プールまで備えるスパリゾートと呼べる大規模保養施設に至るまで、爆発的に広がるのである。
 その後のネイチャーブームや自然回帰に端を発した健康ブームでも温泉はその支持基盤を微妙に変化させつつ現在でもその人気は衰える事がない。

 とことん山キャンプ場はそういった状況で生まれた施設である。キャンプ場は夏には利用価値の薄いスキー場などの補助施設も兼ねてロッジなども建設され、それに合わせて温泉施設も併設された形である。
 温泉は源泉井戸を二つ持つ弱アルカリ性の泉質であり、源泉温度は実に82℃。これに加水して温泉として使っている。
 この地区には他にも木地山キャンプ場が、また分水嶺を挟んだ東側の鬼首キャンプ場などが、その場内に温泉施設を持っているのだ。

 それでは、早速温泉にいってみませう。
 国道398号線を走っていくと子安峡温泉にはいった所で
「とことん山」という何だかかわいい表示を目にする。湯沢から登ってくると大噴湯のある子安温泉の先で、やがて土産物店の立ち並ぶメインストリートの一角に駐車場とともに唐突にスキー場らしき土手に登ってゆく道路と「とことん山キャンプ場・スキー場」などと、どっちが本命か判らないような看板が立っている。小道を登ると90度反転した右手方向に駐車場とロッジ調の管理事務所があるが、それはダミーじゃなくてスキー場のもので、駐車場の奧に森とキャンプ場らしき建造物が建ち並ぶ一帯がある。バイクで駐車場を横切る形で直進すると、1.5車線の導入路の途中に林道のような細いY字路と路傍に立つ「キャンプ場管理棟」の案内表示板がある。
  車両進入禁止となっていたので取り敢えずそのゲート前にバイクを停めて、入浴用品一式と貴重品を抱え、管理棟に行く。
 入浴料は大人350円とリーズナブルである。標識にそって、管理棟から歩いて温泉に向かうと二分で到着。
 キャンプ場のほぼ中央にある為、川の崖っぷちにある温泉の川を挟んだ反対側のロッジでない限りは、3分以内で温泉に行く事が出来る配置だ。



キャンプ場の奧にある露天風呂。脱衣所から男女別の露天風呂を持つ。


登山客の持つザックもはいるコイン
ロッカーやトイレなども完備する。

 
コテージと同じ作りの脱衣所は流石公共施設らしく最初から男女別の作りである。
 少々狭い脱衣所はコインロッカーやトイレも完備しているのでそれなりに機能的だ。コインロッカーもiBookが入る中型ザックを収納できた。

 露天風呂は総勢4つあり、一番上の屋根付きの湯船が一番小さい。男6人が入ると満杯だ。 ここには二つの洗い場があり、この後登場する大容量の湯船に浸かるべき人数を想定すると、とても足りずに「行列の出来る洗い場(もしや未成年立ち入り禁止の?)となる事は請け合いである。



温泉成分分析表の1枚目「低張性弱アルカリ性高温泉」とあるが、噴出量が判らない?何故?
注目すべきは4つある湯船のうち
上段は塩素消毒付きの循環温泉であること。
大規模温泉保養施設と言う事で、行政指導の結果と見るべきだろうか?




屋根付きの1段目露天風呂。
温泉成分分析表の1枚目には3段とある湯船であるがこれを入れると4段という事になる。「上段は塩素消毒付きの循環温泉」とは、1番上の岩風呂を指すと思われるので、実際は上2段が循環湯というコトだろうか?。

 そして、「ドン!」
という脳内効果音と共にフリチンのまま岩場に立つと、ほぼ崖下とおぼしき急角度の斜面に3つの岩風呂がある。
 効果音付きで起ってみたものの対岸のロッジが目視出来る位置にあると知ってそそくさと1段目の岩風呂に入る。
「ぬるいわ〜〜!
とラオウ調に湯船を飛び出し、中段の岩風呂に。でもまだ少々ぬるめだ。一番下でようやく落ち着いた。なるほど、こういうことか。
 岩風呂は
一番下が熱く上にいくに従って温度が下がってゆく構造だった。


大人数で入れるであろう露天風呂に洗い場が二つ?。並んでいたら、確実に死ぬ?かも。
夏ならアブに刺されて、冬なら凍え死んでしまうかも?。


露天風呂1段目。秋冬に入るにはハッキリ言ってぬるい。
しかし他の入浴客はここに集中した。


 つまり、これは岩風呂温泉という名を借りた「体験型適温表」と言う事だろうか?。
(違うって)

 因みに下二つは掛け流しとなる岩風呂の大きさはざっと20人位、つまり岩風呂3個だけで60人は入浴可能だ。

 シーズン中はごったがえすこの岩風呂も来訪の際は僅か3人の入浴客がいるだけだった。


岩風呂に流れ落ちる温泉。


露天風呂2段目。紅葉舞い散る湯船に旅情を巡らす。


ツーリングの合間、紅葉落ちる湯船に身を沈めながら・・・。

泉質  :低張性弱アルカリ高温泉 
源泉温度:82℃前後(浴槽42℃、一部循環風呂)
効能  :神経、筋肉系疲労・疾患、うちみ、くじきなど外傷。慢性消化器系疾患、
     痔病、冷え性など。
内風呂 :なし
入浴料 :大人350円



露天風呂3段目。
普段一番熱いが、この時期は少々熱めで丁度よかった。だれもいない。