林道日記(OFF-ROAD・DIARY)

ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。



林道日記(Riding・Report)

Ym-408-2




芳刈林道




蔵王エコーラインという
玉虫色に包まれた林道群を走る。

昭和33年以降、
観光を含むあらゆる森林資源を
開発の名の下にさらけ出された蔵王。

その名残を紐解いてゆく。




キタよ、通行止の三文字。


●ゲート閉鎖がある定番林道。

 蔵王は風光明媚な景観と豊富な森林資源から特に戦後大きく開発された。
 観光資源として脚光を浴びる蔵王エコーライン(現県道12号白石上山線)は昭和37年に全線開通し、後の温泉観光、スキーなどで脚光を呈する有料道路の草分け的路線である。
 この蔵王エコーライン(現在は無料)の北側には、有料道路開発以前に作られたであろう林道群が混在しているのである。

TouringMapple2008.3版記載。
林道表記。一部の地図では崖崩れを示す×マークが振られている。


●芳刈林道
 総延長:約5.6Km(全線未舗装)

 現地の地図には芳刈林道と描かれている謎のY字路左側。右側の伐採道の解明は宿題にして、取り敢えず蔵王エコーラインに出るべくさらなる北上を開始する。
 通行止めと言っても取り敢えず現地確認するのがサガなので前進開始。因みにY字路には林道としての始点・終点を含む総ての表示はない。

 十数年前の記憶を手繰り寄せつつ進むと、工事予告看板の果てに大規模な路盤崩落現場に遭遇する。道路の7割を5~60m崖下の野辺沢に持って逝かれていた。
 現場の状況からいきなり全部ではなく、小さな崩落が広がったと推測する。山側の不自然な待避がその理由であるが、無論妄想に過ぎない。
 歩ってみて問題なく、早速バイクで渡る。この時点で崖崩れは1カ所という地図のバッテンマークを思い出していたが・・

甘かった、甘すぎた!
生きては帰れぬ地獄のルートに迷い込んでしまったのである。(ある意味予定通り?)

先ほどのY字路から芳刈林道はダブルトラックの様相を呈する。車両通行は皆無のようだ。


約1Km程で工事現場と思わしき場所に辿り着く。


「あ・・・」



「ああ〜〜〜〜・・・・(T^T)」
道路はサヨナラしていた。。


 冷静によく見れば、真新しい砂利がいきなり落ちている訳だからこれは今年の崩落と予想が付いたであろう。

 突破に夢中になったツケはすぐさま取り立てが待っていたのだ。
 半島を半周するかのような緩やかなカーブの最後は、突然路盤が液状化現象でも起こしたかのような歪み具合だ。
「しまった、
 手前はデコイか・・」


取り敢えず
突破(^^)v


イヤ〜な雰囲気・・・(*_*;
まるで地震で出来た地割れに土石流が流れ込んだよ〜〜な・・・ 。


コーナーを抜けると、そこは土石硫だった。

 真っ先に目の前に飛び込んできたのは崩れ去った法面から大量の土砂と夥しい流木が折り重なった情景。

 次に、その奥に人が居た事である! 2型のパジェロロング(多分キックアップルーフ)に4~5人が乗り、山菜採りをしていた。聞くと、至極当たり前にエコーラインから来たという。どうやらここが最後の難関である。

 取り敢えず歩くと、思ったより泥が固く締まっている。土石流は半年以上前と思われた。少なくとも雪の前だろう。
「イケる」
 ラインを決めて突っ込むと良いあんばいの泥加減である。
 朽ち果てた流木と土砂の隙間にある水溜まりには小さなオタマジャクシが。
「必殺!二輪地獄車」
(昨年の七ヶ里以来)を繰り出し、何とか対岸に脱出する。


「あぁ〜〜・・」(T^T)
法面もサヨナラしていた。。


「束の間の幸せだったなぁ・・・」


一見豪華一点突破!。



通らばリーチ!根拠ナシ!!。


 何時の間にかギャラリーと化したパジェロのオジサン達からお褒め頂いた。考えるに、全然褒められる事じゃないんだが(笑w
(つーか、違法だから)。

 パジェロが去って、10分程休憩の後再起動。直角に曲がる谷から尾根に登る林道、その上から俯瞰すれば、土石流の状況が理解出来た。森という筆箱から鉛筆が零れだしたかのような流木が見える、壮絶な風景だ。
 登り始めた林道は間もなく沢に向かって下りに転ずる。矢張り使われていない林道ということなのだろうか?ブルで土木作業すれば2日位で片づけられそうなのだが?。


突破(^^)v
ゼェゼェゼェゼェゼェゼェゼェゼェゼェゼェゼェ。


成る程。こりゃ大変だわ。


  そして、案の定そこから先は安定した林道であった。ただ、途中芳刈沢を渡る橋が全く新しいものに変わっていたので、今まで橋に不安があって車両が入れなかったのかも知れない。


ここにもレールが組んである。さあ、何処から来たレールでしょう?。

 程なく、下りのヘアピンを繰り返して、林道は起点となる蔵王エコーライン側に辿り着いた。ゲート(チェーン)は難なくスルー、林道起点を確認した。
 物持ちの良い野辺沢林道と違い、こちらの起点柱は古い方が撤去されていました。


調査日(08/6/7)の状況:
 実に10数年ぶりとなった芳刈林道。
 例のY字路と最後のヘアピン以外は殆ど記憶がありませんでした。

林道内も日々造作補修が成されている
即興で側溝を作るユンボ君。


橋だ・・・・あれ?


何か新しくなってますね・・・・もしかして
橋落ちのせいで土石流現場に入れなかった・・とか?
その名も「芳刈橋」竣功年は未見だが・・ここ1〜2年だろうね。。


 
長い林道に思えてましたが、実際はそんなに長くない事も確定(爆
 崩壊した2箇所以外は路面状況はまあまあです。一部に工事の手が入ってますし、営林作業も現在進行中ですので、平日の通行には作業車両に十分の注意が必要と思われます。
 基本的に、一般車両通行禁止路線なので、営林関係者が居る場合は近づかない方が吉ですね。
 現在通行止めですし、今後工事が入れば確実に通行不能となるでしょう。現場の状況を良く精査し、安全を持って通行して下さい



標識が起点側に愛嬌を振りまく。



「ラストターンはダブルで」
左奥に蔵王エコーラインが見える。。


「3.6Km先 土砂崩れにつき通行止 山形森林管理事務所
と共にチェーンの張られたゲート。
工事、森林関係車両などの許可車両しか通れない。無論、難なくスルー。(爆


 野辺沢林道の所に一応得「営林専用道路」の記名があるので、何かあっても個人の責任ですし、事故があっても保険などで損害が弁済出来るか難しい所です。
 やむなく通行不能と判断し、速やかに撤収するか、最初から別ルートを模索しましょう。
(08/7/19追記)
起点標柱とメータ読みデータに600mの差がありますね。終点はY字路ではなく、野辺川林道に入り込むのかな?それとももう一本伐採道と思われた奥に登って終点?という感じです。

更にその先に起点標柱と案内板。


とにかくエコーラインから見える様に建ててます。
起点標柱には「芳刈林道 6056m」