林道日記(OFF-ROAD・DIARY)

このContentsは、適当に増殖します。
ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの覚え書きです。
ですので、スポンサー以外のクレーム一切お断り致します。
走行距離は主にバイクで測定し、旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。
また、掲載される内容は
必ずしも最近の状況及び写真ではありません。
走行日を良く確認し、一か八か?役立ててください。




林道日記
(OFF-ROAD・DIARY)
008-3







その林道はかつての古道
今はもう歩く人も稀な山道は
かつての街道の面影も残しつつ、
第二の人生を送る。


旧米沢街道周辺の林道群を巡る。


松川を挟んで写真
右に奥羽本線、その更に北には明治に作られた万世大路(現国道13号線)。
高津森林道は写真左側の山肌を下ってゆく旧米沢街道(板谷街道)である。


起点となるY字路に到着。比較的新しい標柱と、真っ赤に錆びた標識がある。
高津森林道は写真右手直進である。左折は高湯高原牧場に出る牧道。


●季節感あるフレンドリーな定番林道。初心者から上級者まで懐の深さが魅力。

 旧米沢街道周辺林道は、基幹林道とも言えそうな市道庭坂富山線(仮)と高津森林道、松川沿いに北山を周遊する北山林道と、さらに南西に伸びる高湯高原牧場に接続する町営林道から成り立っている。
 同地区は、福島県免許センターの北西に位置し、同建物の3階コース展望室正面にそのルートの一つである北山林道を望む事ができる。
 途中にある二つのT字路からそれぞれの林道にパズルの様に接続している。
 更に西に向かう高津森林道には、幻の旧米沢街道が存在する
 かつては松川を挟んで川向の赤崩駅に出る徒歩ルートもあったようだが、既に歩行もままならない状況である。

TouringMapple2005.3版に路線のみ掲載(林道表記なし)
高津森林道は広域マップルでは林道終点から沢までは点線表記。 


●林道高津森線
区間総延長:約4.6Km(全線未舗装)
終点から県境の蟹ヶ沢まで1.1Km


入口にはちゃんと起点標柱。
終点には表示がない。
概要
  市道庭坂富山線(仮)の最終局面にあるY字路。その向かって右側の北西に向かうダートが高津森林道であり、この路地がこの林道の起点である。
因みに左の南西に向かう林道は放牧場の管理林道である。この道をゆくと高湯高原ハイランド牧場に出る。
営業期間中はここで昼食を摂る事も可能な施設が在る。
高津森林道は起点標柱に因ると全長4.6m道路幅3.6mというから昭和40年以降の普通林道の規格て作られたと思われる。林道の途中にはかつての米沢街道縁の遺構がいくつか在るが、詳しい事は廃道日記に譲り、この項では林道としての高津森線を走ってゆく。

写真を撮って、
さて、逝きますか。
 先ほどの路地から林道は緩やかに登り、小さな切り通しを越えると前方に北山林道の終点となるT字路が現れる。
その距離僅か400m程。
北山林道には起点/終点に新旧の林道表記が在る。
このタイプはあまり見かけない。

 北山林道と接続するこの林道はこのT字路を右折が正解。北山林道から見て右への直角コーナーであり、曲がると林道は下りになる。先ほどの切り通しがこの林道の最標高で、約海抜620m前後と思われる。
 北斜面に沿ってゆっくりと標高を下げる旧街道は、昔から日当りが悪く、松川の様な渓谷があるせいで風雪も強く、一晩で2m近く積雪する事もあったという。

写真表示
アイボリー:03'〜04'撮影写真。
ライトブルー:09'撮影写真。


小さな峠を越える。ここが林道最標高地点。
約620mの辺りだ。終盤の紅葉を楽しむ。


先ほどの北山林道接続点、北山林道の終点だ。
高津森線は左折。


やっぱり早春か晩秋だね、落葉樹の林道は。


この堤部分は新規の林道部分である。
旧街道はこの下を横切っているらしい。



李平宿跡。
開村当時は57戸の村とは思えない小さな空き地。


村の守護神社跡がある。
長い石段の途中には村の墓地への道もある(らしい)


 高津森林道は後年に作られた林道故に旧街道を正確にトレースしている訳ではない。
 谷の部分に堤を作って緩急を和らげ、急な坂はダンプが行き来しやすい様に3段のヘアピンを作って緩和措置を講じている。この林道は旧街道沿いにあるが、目的は旧街道の遺産保護ではなく、松川とそれに流れ込む産ヶ沢/蟹ヶ沢の治山事業の為の林道なのだ。
 やがて元の宿場「李平宿」に到着。ここの詳細も廃道日記に譲るが、道成りに宿場跡、神社(鳥居)、地蔵尊、不動滝の順番で遺構が在る。この滝を過ぎると、気持ち路肩の減少や通行車両の激減が目につく様になる。


李平不動滝を渡る。重厚な橋?暗橋?


「燃える魂、駆けろチャリダー、山に蠢くぅ〜ヒグマ、ハチィ〜。」
ジンリキって、ココロ踊るなー。


 先に進もう。
宿跡を過ぎると、間もなく3段のヘアピンがある。
 都合3つのヘアピンが間にカーブや直線を挟んであるが、旧街道は最初のヘアピンから最後のヘアピンまでをほぼ一直線に結んでいた様だ。
 ヘアピンにはそれぞれ折り返しの第二コーナーが分岐であり、伐採道などが接続しているが、既にかなり薮深い事実上の廃道であるこのヘアピンの群の後に、例の分岐が現れる。

「史跡、旧米沢街道石畳」
の標柱とともに分岐が在るが、保存される旧街道はその石畳部分のみが保存で、前後のアクセスルートは泥沼と激薮ジャングルの最強コラボレートだ。(廃道日記16参照)


何気にヘアピンが始まる。
写真を撮るこの位置が実は旧街道っポイ。


一段目のヘアピンの第二コーナーから撮影。一度北に折れた林道はここで再び西に向きを変える。
以後、このような経線が2回続く。撮影位置が実は伐採道の分岐である。


 普段の林道ツーリングであれば高津森林道で十分である。当HPとしては歴史懐古趣味がなければ旧街道はスルーでいいと思う。


上級者向けの旧道、写真の分岐から降りるとレンコン畑の様な泥濘に迎えられる。単独行/重量車進入禁止。

 そんな訳でここを通過すると、路面が徐々に濡れ始める。
大きな水たまりや山側からの漏水が始まり、路面は次第に泥濘んでゆく。
 どうやらこの辺が産が沢系の山筋のようだ。やがて前方に巨大なコンクリートの壁が現れる。
 産が沢砂防ダムである。
 しかしダムから林道までの沢には沢山の倒木と岩が蹂躙されており、絶えない土石流が砂防ダムを越えて落ちて来ている事を物語っている。沢の形を見て橋の下流を眺めると、やはり旧道の土砂崩れ地点の真上の様だ。
 産が沢は昔からの暴れ沢なのだろう。
 ダムから先の路面も水たまりばかりで路面状況は改善しない。もはや水たまりを避けずに通過は不可能である。


これが旧街道との分岐。
道幅は林道の半分程しか無い。


入口に立つ標柱。



この辺から
車が通行した轍が無い。なのにバイクの轍があるなぁ。
水捌けが悪いのか?蟹ヶ沢に向けて水溜まりが増えてくる。


 泥濘区間を過ぎるとY字路にぶつかる。一つ目は広い広場と「産ヶ沢林道、私有地立ち入り禁止」とある封鎖された地図には無い林道だ。


03'に路肩で粉砕転落していた標識が、今回復活していた。
単独行/重量車進入禁止。

 産ヶ沢線はここからまた登り、現地の看板から察するに営林林道のようである。当然地図に無い道だ。

 空き地はこの林道の最終土場であろう。メータはほぼ起点から4Kmを指している。察するに空き地手前の産が沢林道分岐で終点なのだろうか?。
 いやいや、この辺に下の松川砂防ダムに向かう工事道路が在る筈だ。
 案の定、土場の先に細く道があり、分岐に出た。
T字路は直進が旧米沢街道、右折が松川砂防ダムへの工事道路で、途中に旧米沢街道との合流地点が在る
因みに、この工事道は激薮付きの河原道路で、ほぼこの林道並かソレ以下の凶悪林道になっている。

上級者向けの工事道路、写真の分岐から降りるとほぼ沢の様なガレ場と壁と成った激薮に迎えられる。
単独行/重量車進入禁止。

 10年以上前にパジェロJ-Topでダム脇まで降りたとは思えない程の変貌振りである。


産ヶ沢砂防ダム
林道開設の主たる理由である。


しかしダム直後は、だだ漏れした沢水が林道を
濡らす。


沼地(笑w を脱すると、いよいよ終点へ。
写真左上に産が沢林道の分岐がある。


正確には「産が沢造林地管理林道」という所か?
基本伐採林道なのだろう。
堅く進入禁止と謳われる。




最終局面、旧米沢街道から板谷へ

土場の奥に細く道が続く。


調査日(09/11/3)の状況:
 路面状況は「不良、やや重」で通行可能でした。(競馬カヨ・・・)
 今回は旧道レポの補完で本線を通行、写真を見てお気づきの方も居るかと思いますが、夕暮れ時の通過と成りました。
 旧道については通行をお薦め致しません。ひどい状況なので自己責任でお願いします。
 その他、渡河に付いても基本奨励致しませんので、見た目直感で無理と感じたら大人しく諦めましょう。


こ!ここは?。


あの分岐路だった!


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