神々の山裾で……。

喰う、寝る、走る、飲むふたり。


ご使用上の注意!
このデータは、あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。
走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて無断で補正しています。

また、掲載される内容は
大変危険です。
当サイト掲載内容によるいかなる被害も、
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2016 春のキャンプアタック「某山縦走」


 まさかのアクシデント! 6

それはちょっとした衝撃だった。
 某”アンタの管”に上がるその画像、そのルートの入口は、福島県の林道群の中でも最大規模の、その基幹林道だったからだ。
「そのまま民家のある所まで降りていけるのか?」
 当初予定した2015春から1年、例え一人でも今年は行くぞと意気込んでいたらKonちゃんから連絡があり、超強力な助っ人を得たMRは、喜び勇んでそのルートに突入したのだった。
予想に違わず素晴らしい(凄まじい?)素晴らし過ぎるその縦走ルートに二人は完膚なきまでに酔いしれていた。
 
だがこれを読む皆様も思い出してほしい。好調な時ほど陥る「罠」が林道には、廃道には多々在る事を。
 MRも記憶を遡れば、かつての男体山林道や白神林道、初期の甲子林道など
「この道ラッキー!」などと細く笑んでいると必ず致命的なしっぺ返しを食らった物である。
そのマーフィーの法則が、今発動した!
「これがイデの・・・(違w


踏み跡より、轍とトレッドパターンが!

 強襲タクティカル/2 7

「エンジン掛がんねぇぇえ!」
 最後の最後で、イヤイヤまだ何処に出るかも不明なのに、ここでですか?
 丁度分岐路の所で二人は休憩する事にした。どの位押していたのか?ヘルメットを脱いだKonちゃんは既にゆでダコの様に沸騰中である。
「うわぁ、ゴメン気がつかなくて」
「いやイイですよ、気づいてくれましたから」
いや、けっこう歩ってたかも?

 ここにも、あの予測を肯定するかのようにお地蔵さんが一体、路傍で微笑んでいる。
「何時から掛からなかったの?」
「木に抱きついた辺りかな?掛かり難くなったな?とか思って何度か掛けたら突然掛からなくなった」
そう言いながらセルボタンを押すが、ウンともスンとも言わない。
「ん?いくらなんでも何の音もしないって?」
「ですね?電気が行ってない理由・・?」



何処に繋がるか?僕らは知らない。
それにしても何とあざといタスクなんだよ。

 
 
セルが回らない以前にイグナイターとか電装にスイッチが入る様なカチリ音一つしないのだ。ザックからおもむろに工具類を取り出したKonちゃんが、ハンドルスイッチをバラして行く。
「ん?」
「これだな?」Konちゃんも頭を抱える。
「こんな所が壊れんのかよ!」とMR。
 シーソー式で中に押し戻し用のバネが入っているプラスチックボタンの軸の片方が折れて無くなっている。
 その為接点がズレてしまって、セルモーターに電気が繋がらないトラブルなのだ!
「うわコレどうしよう?」
「こんなん、代替え部品なんか在る訳ねぇな」
 
ボタンからバネと接点を取り出し基盤
奥に差し込むとセルが回った!
「これだーー〜(確定<涙w
と言うか、
「このまま組むと回りっぱなしになってしまう?セルモーター」
「参ったな?これは」
「こんな所で押しがけかよ」
 この先どうなっているんだろう?という疑問符に答えるべく、KLX125が再び吠える。



コレだよ!!!!
こんなの、どうしろというんねん。


その先の惨状がコレだ!
結局Konちゃん、ここ全部押しで通過しました。


 そしてこれがまた、
最後の難関と言うか、丁度尾根伝いに進行方向が入れ替わる所であった。
 後日談的に言えば本当に最後の区間で、ここさえ越えて行ければゴールは間もなくと言う場所だったのである。
 だが当日の現時点ではGPSで地図的に場所を押さえてるだけのまだ雲中模索の状態だし、実際の尾根道は
カントがついた路面に倒木が多数というこれまでの区間のイヤラシい所ばかり集めてような惨状である。
 しかもここにきて倒れている木の太さが大きいとかヤられている状態だ。
これはキツいな?と思って踵を返すと後ろからKonちゃんが待ちきれずにトリッ改を押して追いついて来た。
「ダメだぁ掛からねぇ」
来ちゃったのか?最悪さっきの休憩地点から枝道に降りる選択肢もあったろうに。



そしてトドメ!
「またやってしまった」しかもダブルかよ!


多分あの枝道はしばらく下りだ。
「いや、バイクの轍が無いよ。ここは無難に皆が走ってるルートが間違いない」
 
反論の余地も無ければ押してバイクの向きを変える余地も無い。 この尾根を登れば後は下りに転ずる筈だが?地図とGPSを信じて行くしか無い!
「スマン!先行くね」
「あいよ!」
 30センチを割る道幅にどう見ても5〜6台のタイヤ痕が残るコーナーを抜けると・・
絶句した。  

あ、林道に成った!
明かり取り区間が最後となって、ここからは
クルマが下から入り込んでる。


 谷を挟んだ向こう側、既に谷から先は道ではなく単なる斜面であり、持ち堪えられなかった諸氏が上に下にと轍を振り分けるその先に、45度近い斜度に寄り添う太さ40センチ近い倒木と、明らかにバイクで越える為に差し込まれた細い丸太が目に飛び込んで来た。
「相変わらずヤッてくれるぜ!」

 到達。 8

 倒木越えの動作を起こす直前に比較的安定した窪みが在る、あそこまでは大丈夫そうだが?逆にあそこで止まるとそこから倒木越えの為にゼロからフロントを上げて行くのは大変だろう。
 などと思いつつもいつもの悪いクセで写真撮影の為に一旦手前で止まってしまうMR。
まさにアホの極みである。
 
案の定、そこからフロントアップしても上がらない。仕方なく一時下に迂回する下策の極みだ。
「おぉおりゃ!」
 
Konちゃんがまたしてもトリッ改を押して追いついて来て、そのまま倒木に単車を押し上げる。
 一瞬、その大胆なトツゲキにたじろぐMRだが、すかさずKLXを捨ててトリッ改のフロントを引っ張り、続けざまに日本の倒木を一気呵成に突破する。
 そして大方の予想通りに、KLXを元のルートに押し戻す方が時間も体力も喰われる結果と成った。
 結局、
この倒木区間こそ「ゲート」であった。
 僅かに平場の下りがありトリッ改の押しがけに成功!左コーナーを曲がると明かり取り区間があり、見上げれば遥か虚空に先ほどの休憩場所が岬を見上げる様にある。
 唐突に道は2.5m幅と成り、現れたダブルトラックのタイヤ痕を下ると、程なく神社の参道脇にある車道から、田んぼ沿いの舗装路に二台は雪崩れる様


ケモノ道!まさに!
取り合えずこちら側は伐採林道だった。

に飛び出たのであった。
「やった〜〜〜!」
「ぶ、無事完抜ぃ!・・つ、疲れたぁ」
こうして、ウワサの12.6Kmを何とか走りきった二人であった。

今回の来訪林道
 今回はシークレットに付き、貴方の思い当たる林道にて御想像をお楽しみ頂ければ幸いです。
 また、仮に予想出来たとしても、こちらでその答えを申す事は致しませんので、改めて御配慮の程、宜しくお願い致します。


 彼、嵐ノ夜二
     来襲ス
9
 

「雨だ」
「来たね」
 焼き肉に刺身の盛り合わせといういつもの野宿風景を路傍で晒しつつ、2本目の缶ビールを空けた所だった。
 パスパスと昔のエアガンで三連射したかのような音は、5年振りくらいに出したタープに当たる突然の雨音である。
いや、雨の予報は知っていたので必然と言うべきか?



Konちゃんが周りに落ちている間伐材を次々と薪に整えてゆく。



「やっぱり焚き火だよ」今夜もいい感じだ。


 だがMRのセリフと視線とは裏腹に、KonちゃんはKLX125の奥に潜む「参加をお願いしてない輩」を真剣に指していた。
 かれこれ30分程前から現れた彼は、我々の宴の廻りをグルグルと回りながら、時折Konちゃんの投げる豪速球を華麗に躱し続けていた。
「しかし全然人間や火を怖がらないね、この"狸"
 
これは、人間の業(カルマ}の結果だろう。
 このかつての土場には人間の残した数多くの「えさ」が散乱している。例えばコンビニの弁当とか、恐らくは捨てられた生ゴミの味を覚えた彼らは、こうして人間の廻りを纏わり付くのだ。在る意味、こうした野生を忘れた野生生物らは人間の生活範囲が広がる程に増え続ける。


「へーい、いらっしゃぁいぃ」
怪しい露天オヤジ。




「いい夜だ」既に誰かが置いて行った薪と新たに切り出された薪。
美味しいビールと、今日の走りで話の夜は深けてゆく。



 やがて人間に駆逐されるまで。しかし稀に、熊やイノシシ、猿など思わぬしっぺ返しを食らう事も多々有るのだ。
 
気をつけるに超した事はあるまい。
 降り始めた雨は次第に強さを増し、呼応するかの様に風も強まる。抜けたペグのかわりにKLXがアンカーになって、タープはその役目を全うする。

 およそ5年ぶりに色々と話せた事は良かったと思う。他にキャンセルとなった参加者にほ申し訳ないが、その分突っ込んだ事が言えたと思う。
 
今日のKonちゃんのトリッ改を襲ったアクシデントは、もはや部品交換以外に術は無い。
「MRさん、走って来たら?」
「いや、流石にそこまでは」
 
キックでも付いていれば話は別だが、これによって雨が降ろうが振るまいが強制的にツアー終了である。あす午前中は雨の予報なので朝イチで行くのは温泉と決めて掛かって、ふたりでほぼ1ダースのビール系飲料と高カロリー食品を詰め込んで、初日を車中泊で締めくくるのだった。



いつもの朝食。
雨の中、コーヒー湧かして行きますか。


タープ中央の柱に突き抜け止めのグリップを。ん〜〜Goodだ。



「そして朝から霧雨が続く」ですよね〜?
風呂に行きましょ、諦めて。




 二日目、遅いコーヒーと昼食を摂る。
 朝方日の出前も狸君は出没したらしいが、殆どのゴミ類をハイエースに押し込んでおいたせいで特に荒らされた気配も無かった。夜半には凄まじい雷雨だった山も、朝8時過ぎには霧雨になっていた。
 キャンプ用品をタープ下に纏めて、それ自体がアンカーであるハイエースとKLX125を置いて「ユーパル矢祭」に行く。
 二人は、いつもの林道を悪茶轟で山を下りて行くと、里に付く頃には路面も途中地図を見ながら昨日の枝道の里


何だここは?
何で2サイクルのジム二ーがこんなに?。
側出口を確認する。
 どうやらイケそうな感じに二人は満足し、国道118号線に出た。途中から裏道とも言うべき県道230号線を118号に平行して南下してゆくと、
「何だあのジムニーのネストは?」
さる運送会社の車庫に二人は釘付けとなる。



「ジム二ー墓場?」失礼しました、廃。
つーか、ココで会ったな?このウインチ組は?


「ん〜、愛を感じる」単車のナンバーがひらがな違いで全部同じって所に、モーレツなこだわりを感じるんだけど。


 木製電柱を縦横無尽に組まれた巨大な車庫が県道めがけてショールームの様に見開き、ひらがな以外のナンバーがほぼ総て同じ”タフ&ニート”赤い「ジムニー」がずらりと並べられているではないか?
その殆どがSJ-30V(ジムニーバン)というのも凄まじい。
 見る限り今では主流の4ストロークは550の2型と呼ばれるタイプが1台きりで、残り6台は総て2Stジムニーである。


ユーパル矢祭。
可も無く不可もない温泉施設の造りは
まるで「某郵便宿泊施設」のよう。



箱庭の露天風呂!綺麗なんだけど小さいなぁ〜(泪


「こりゃ筋金入りのマニアだな?」
ちょっと羨ましい二人であった。

 ユーパル矢祭はご存知町営温泉保養施設である。
 箱庭の様な露天風呂にもう雨雲は無く、木の早い夏の空がお目見えしていた。施設には温水プールや食堂、土産物店もあるが、覇気に欠ける感じがしたので「道の駅はなわ」に回って帰る事とした。


いい温泉でした。
これで掛け流しならもっといいな。




ツアーTopに戻る。

 
この時点で時計は既に1時を回っていて、道の駅で食事とお土産を済ますと野営地に取って帰りキャンプ用品やバイクを撤収、3時頃に途中解散で今回のツアーを終了した。
「今度、皆で走りに来ましょう」
「セルモーターのボタンの予備も必要かな?」
 用意しておきますよ!とさわやかに笑って答えてふたりは挨拶をしながら、それぞれの次の目的地に向かうのだった。



小道の駅はなわでもつ煮込み定食を喰らって帰る!