2008 甲子高原チョット見Tour
2008.10.19
Repo MR
Photo MR
&紅白饅頭・SJ30V


 プロローグ
1

 平成20年9月21日、満を持して国道289号線甲子道路が開通した。
 工事途中に地震による地盤沈下の為新たにトンネルを掘り直す等の艱難辛苦を乗り越えての開通だ。
それでも、当初の予定から2年程度のズレで完成に漕ぎ着けたのだ。
 これまで下郷、田島方面へのアクセスルートと言えば、国道121号線が中核となり、特に中通りの国道4号線からとなると、峻険な奥羽山脈がネックとなって、南からは那須、東(北?)側からは郡山から大きく迂回しなければならなかった。
 県の中心商業地にして交通の要所ともいえる郡山からは国道118号線が使われ、郡山市安積町から羽鳥高原を介して国道121号線沿いの湯野上温泉に接続される。と、ここまでは一般的な交通網だ。

 しかし、OFF-ROADを趣とする見地からすると、大分事情が違う。
 全国でも希な登山国道とされている甲子連山縦走ルートと、それに接続される一組の林道群の存在が有名だったのだ。
いわゆる
「甲子林道」である。

Photo★ALBUM


開通の数日前に見に行く。


これが国道289号線登山国道だ!



これが磐梯熱海に集結する3人。「さて、逝きますか・・・∠(@O@) 」
「本日も良い走りを・・(^_^)」
Photo by RED&WHITE-Mantou


 当ページで既に公開され、昨年改訂された林道日記にも有る通り、新国道の開通を受けてこの林道はますますその存在が稀薄となるのは間違いない所であり、今後林道の維持どころかその管理も放棄される可能性が大きい。
西郷村役場広報 http://
www.vill.nishigo.fukushima.jp/oshirase/rindo.htm
 そもそも、この林道は登山以外に林道の使用目的がなく、例えば森林管理、治山や電源管理(いわゆる送電鉄塔)などの事業が薄い地域である為だ。
 木材生産など、30年スパンの事業を組むにも、山は余りに険しく、川も沢水程度の水量となれば、致し方無い所だろう。

 そういった様々な見地からも甲子林道の必要性は薄くなるばかりだった。しかも現実に現地では道路の崩壊が相次ぎ、その存続は災害によって路盤の消失などで終止符を打たれそうな勢いなのだ。

 開通の喜びが一段落した10月の中頃、その様子を見に行く事とした。
以下はその顛末である。



一路中山峠へ西に向かう。
Photo by RED&WHITE-Mantou


R49中山トンネルを抜け猪苗代へ。
Photo by RED&WHITE-Mantou



 ご開帳
2

 TTR-Reidの修理を諦め、単車を捜してはや半年。
お盆にようやく巡り会えたTTR250は、旧友からバイク屋での補修調整を受けながらも休みや行事に折り会わず、やっと今日から本格投入となった。
 前回の零度君と同様にこれからもMRの物見遊山にお付き合い頂くパートナーである。この日、晴れの林(廃)道Debutに磐梯熱海の7-11へ駆け付けてくれたのは、当掲示板でお馴染みの紅白饅頭さんとSJ30Vさんであった。(以下、こーはくさんとSJさんと記しますm(__)m)
 無論、行き先は確定だがルートの選定に難があった。仕事明けの都合上、こーはくさんがジムニーの参加だったのだ。それ故、馬入峠から羽鳥高原に入る事とした。

 走行距離僅か15,500Kmという12年目のTTR250には零度からボコボコのBigTankとシート、一眼大口径のヘッドライトなど、フロント周りの外装が移植され、より一層の"廃"
グレード化された。
 そのTTRに続くSJさんのWRはいつの間にか多数の自作ガードに包まれた姿に変貌していた、レーサーというより「Raid化」という方が正しい進化である。
さらに、殿のこーはくさんは185/85/16ジオランダのマッテレを、ウェッヅのハセスペックに履かせ、ますます見た目「林道ジムニー化」していた。(次はいよいよ足回りか?)

 志田浜で給油後、3台は長く辛い舗装路を抜け、馬入峠を越えると羽鳥高原にたどり着いた。
 だが、紅葉の最盛期、羽鳥高原は余所見でセンターラインを脹らむLグランドや、死ぬ気で突っ込んでくる紅葉マーク、人捜しなのか?回遊する620デュークなどでひしめきあい、こーはくさんと距離を離してしまったからだ。

 羽鳥湖の遊歩道沿い、キャンプ場の敷地内に掛けられた吊り橋を眺める公園にベンチを見つけ小休止するMRとSJさん。
「流石に観光客が多いスね」
「まあ、この辺はね」
 青空にたなびく煙草の煙の奥で、Kawasaki In-line4のエキゾーストが翻ってゆく。県外ナンバーだ。
 こーはくさんが追い付いて、ここでいきなり休憩となる。
「すいません、ちょっと西部林道の旧道なんかいっちゃっても、イイ?」(M
「ア、いーですよ。いっちゃいましょう」(S
「車は逝ける所まででUターンになるけど」(M
「大丈夫っスよ。あと反対側で待ってますから」(こ
「スマンです」(M

 舞台は前哨戦とも言える羽鳥スキー場脇の西部林道へ移って行く。しかしその旧道は、実は本命の甲子より険しい廃林道だったのである。

 吠えろ!チェーンソー
3

 かれこれ数年前にスキー場駐車場の拡張の折り、西部林道はスキー場駐車場に換線されて、奥(南側)から再接続されている。



これが新生TTR250R、
どうぞよしなにm(__)m



武装練金を施されたWR250


羽鳥高原を快走する。
Photo by RED&WHITE-Mantou


二岐林道終点部分を通過。


スキー場の看板確認!



営林署設置の「進入禁止 」マップルも奨励の廃道だ!


 しかし未だに聖書ツーリングマップル上では通行止めの旧道がお勧め扱いだ。
 そのマップル通り、スキー場手前の橋から分岐するのだが、営林署の掲げた通行止めの看板にやむなくスキー場に行ったら、そのまま抜けられたという御同輩が殆どだろう。
 まして雪割橋から羽鳥に抜ける逆ルートでは、
分岐に気付かない可能性すらあるのだ。

 だが実際の所本来の林道はこちらである。
 便宜上バイパスとなる駐車場へのルートを尻目に3台は何喰わぬ顔で通行止めのロープを潜った。



施設迄は割と普通林道だ。



「キタ、沢だ!( ・_・;)」
本命甲子林道に勝るとも劣らないHigh林道が今、ここに!


 最後の通過が04'だから実に4年ぶりの来訪である。しかし何故か荒れたイメージはなく、思った以上に快適な林道内。が、
それは
多分あそこまでだ。
 開けた崖の上にスキー場施設の屋根が見え隠れすると、V字に貫かれて沢を抜けた先にそれは鎮座していた。
「スキー場の水道施設だ」
 平たく言えば井戸があるのだ。もはやこの西部林道旧道はこの為だけに管理されていると逝っても過言ではない。
 その施設を通過する。急速に荒れ出した林道は、突然道幅が半分になるボトルネックに辿り着いた。いよいよ、現行廃林道の本領である。
「こーはくさん」
車を降りて様子を見に来たこーはくさんも頷いた。「ここまでだね」(こ
一見して判るオーラがある。確かに今でも奴は其処にいるのだ。
「すいません、ここならターン出来るかと」(M
左右を見回して回転位置を確認する。
「ん、大丈夫だよ」(こ
「出口で会いましょ」(S
「気ィつけて」(こ
 ジムニーを尻目に、バイク2台は笹藪に埋もれる廃道区間に突入した。
確かに酷い状態だ、ところが驚いた事に時折ジムニーのモノと見られるトレッドパターンがあるのだ。
相当のツワモノが来たようだが、果たして・・・?
 路盤は既に流失し、沢状態で蛇行する轍は一度入り込んだら出られない。しかし綺麗に洗われた赤土の上を清らかな沢水が流れる様はさながら食虫植物のような滑らかさだ。
 熊笹が開けた先はなんと例のブラックホール地点だ!驚いた事にあの巨大なBHに橋が架けられ、車が無理繰り走り抜けたあとがあった。
写真を撮りたい!



「こーはくさん、また逢おう」


いやぁ・・・
荒れまくり。




どんなに進路を変更しようとしても写真左手の轍に填り込む・・・。
「轍?沢筋の間違いだろう?


 しかし既に現場はバイクの置き場が無い程荒れ狂っていた。BHを飛び越える。
 10m程先でようやくスタンドが立てられそうな場所を見つける。後続のSJさんに
「写真撮るから先に行って」とお声掛けして先行してもらう。
これが命取りだった。
 写真撮影のあと発進と同時に転倒(爆
立ち上がってバイクを起こすと今度は反対側にTTRのみ横転(核爆
 やむなく笹藪に入り、反対側からもう一度バイクを起こす。もうスタンドが掛けられない。
 薄皮1枚土を被った赤土、ご丁寧にも落ち葉のトッピングは目測を誤らせ、TTRの駆動力を無力化していた。
つーか、ブーツで歩くのもマジ危険なんですが。
 脱出の為に前進するごとに道路左のV字溝に吸い込まれて行く。

 一度元の位置までTTRを引き抜き、思い切って車体を道路に対して横に向けた。正面は笹藪だが道路から比べると路盤は安定している。バイクを押して一速全開!TTRの雄叫びが笹山にこだまする。



車体を横にしてやっと脱出!
「脱出?転落の間違いじゃないか?」



 回想、SJは語る。

 SJ30vは問題なく突破した。
通行止めのロープを越えて現道に復帰するが、出口にこーはくさんの姿はない。
 ヘルメットを脱いで休む。車の音に振り返ると別のジムニーシエラが通過していった。
「遅いな・・・」(S
 今、来た道を歩って引き返してみる。歩き始めて直ぐに何か甲高い排気音が聞こえてきた。
「営林署かな・・・?(笑」(S
しかし、歩き進んで行く内に次第に音量は大きくなってゆく。
「やってるなぁ・・・」(S
出口から3〜4分、高さ2m近くある熊笹に埋もれMRがバイクを傾け、二輪二足で熊笹の森を開墾していた。早速携帯を取り出し撮影モードに入る。



廃道を開墾中
MRさんにお聞きしました。
「お疲れ様です!」
ええ、
無駄にとっても・・・。




轍の連鎖・・
かまぼこ状に抉られた林道の両端はブラックホールへの直通路だ。


開墾に夢中だったMRがようやく気が付いた。
「遅れてゴメン!」(M
「あー、ダイジョウブ大丈夫。このあとは普通だから」(S
「はい、出口までどの位?」(M
「んー、300m位かな?」(S
「オーライ」(M
熊笹の森を突っ切り、ようやく廃林道上に復帰する。勢いつけて脱出したものの勢いが良すぎて・・
「あ、転けた。」
また
転倒。
「あんなにパワーかけなくても上がるんじゃないかな?」(S
 新車状態の足回りは格段にトラクションが違う。エンジンの立ち上がりも早く、疲れたMRさんの脚が追いつけないのだ。
 流石のMRさんも林道の真ん中でバイクを起こし、一休か、素早くヘルメットと防寒のトレーナーを脱ぎ捨てる。夏なら熱中症になる所なのだろう。



「ハァハァ・・ゼェゼェ」
いえいえ、怪しい者ではありません。
Photo by SJ30v



 全開TTR!

 
取り合えず最凶・最悪路の部分は突破した。「はふ〜・・・てか師匠、難なく通過したのね」

もはや道は見えない林道部分。
足下には例の通行止め看板と、結び目の消えたロープが・・・。

Photo by RED&WHITE-Mantou

 立ち止まらなければ逝けたルート、立ち止まらなければ見られない風景、立ち止まる事で切り撮れる一瞬一枚。
林道とは、かくも人生の縮図というべき途である。



福島森林管理局 白河支局
とある。

Photo by RED&WHITE-Mantou


西部林道と思われていたが実は
西郷村村道2080号線?



 多少誤差があったが、出口付近で間もなくこーはくさんも合流し、3台は西部林道を抜けて釜房林道に突入した。入口こそ土盛りによる車輌規制があるものの、クロカン4駆なら十分通行が出来た。無論バイクは楽勝で突入する。

「こっちですよ〜」
と釜房を指し示すとこーはくさんは道を譲られたと思ってそのまま突撃していった。
「あー・・まぁいいでショ」
しかし車のペースに余裕で付けたのは5分ぐらいだろうか?たちまちスローペースに手が痺れてゆく。
 後ろでSJさんがWRでトライアルの練習に勤しむ。登る、旋回、停まるをパワーを掛けずに体重移動でバイクの動きを制御してゆく。

「流石師匠、最初から玄人
 (さすがししょう、ハナからプロ)」

 因みにスローペースと言っても登れないで挫折しているバイクや下手なオフ車よりずっと早いんですよ、しかも停まらないから時間稼ぐし・・・タイヤだけブロックのなんちゃって林道仕様なのだが侮れないのだ。

 沢沿いのガレ場の直線を抜けると南向きに路肩絶壁の所がある。通称、展望台と言うところで休憩、この後はまたバイク先行で上がって行く。



そして釜房林道と合流。
WRの向きが下郷方面。


秋になっても道幅は1m程度。



こーはくさんのジムニーは両サイド擦り捲りで前進、ドアミラーは曲がりっぱなしだ。
路面は拳大の玉石がゴロゴロしているが
仕様です。


 今度は全開である。
 先ほどの西部旧道のトラウマか?はたまたガレ場で動けないXLRを見たせいか?猛然とガレ場に襲いかかるTTR250改。
 途中、騙したDT200に騙されたDトラッカー、何故居るのか判らないCB125Tなど、普段は見ないマシンが次々登場する。


いやぁ、良い紅葉ですね。
見事に垂直の崖ですなあぁ・・・?



県外ナンバーもコケまくり。
「見たか福島発、廃林道の実力を!」
それは実力なのか?

Photo by RED&WHITE-Mantou



通称「釜房展望台」から南東方向(雪割橋方向)を望む。



垂直の崖の恐怖、写真からだと分かり難いが・・・。
Photo by RED&WHITE-Mantou

 釜房林道の終点である表示板を過ぎて、いよいよ甲子林道に突入する。
 対向車のXR&KLRを鮮やかにかわし、落石地点でこーはくさんのジムニーを撮影すると、再び烈火の如く走り出す。


例の路盤逝きかけの地点を難なく通過するこーはく号。この沢沿いにあづさ2号さんの聖書マップルが眠っている(ハズ)

 相変わらずのガレガレの切り通しやヘアピンを飛ぶように越えて最後の直線を登り上げると、反対側からやってきて下りを躊躇うハイラックスなど、とおっても廃道とは思えない状況を見る事となる。
「廃道らしからぬ盛況振りだな・・・」

 例の迂回路がある空中回廊に出た。
 広場の一つでSJさんが目撃したジムニーシエラが食事の準備をしていた。
 そして甲子峠・・・普段は誰もいないサミット会場には溢れんばかりの縦列駐車の嵐であった。ざっと17〜8台は居ただろう。これもバイパス効果なのだろうか?みな、登山客である。



一見、美しく紅葉と落葉に埋まる林道だが・・・。
でかい玉石と深い轍も同梱済みだ。


「イやぁ〜〜!」
実は反対側にも落石がある。
ジムのタイヤに青い擦り跡が付く。



甲子林道西郷村管理区間に突入する。
尾根沿いの直線は錦に包まれていた。後から追撃してくるのはWR。




紅白饅頭氏感涙の廃絶景「甲子林道廃道区間」
Photo by RED&WHITE-Mantou

SJさんが煙草を1本吸い終わる頃、先ほどの町乗り軍団が現れた。
「お疲れ様」
と声を掛けると苦笑いをしていた。
そしてこーはくさんが到着!
まさか車が通れるとおもわなんだ・・・廃道にしとくのは勿体ない林道だよ。
 そう思いつつ、MRはカメラ片手に下り下郷町側の林道甲子線に入り下り始める。



廃景を楽しむCB125T。
「え?CB125?」




甲子峠から釜房側(西側)を俯瞰する。目前の風景に幾つもの危険区域が存在する西郷村ルート。
「何げに法面から車が出入りしているよ・・・」



甲子峠から東(下郷)側を撮影する。
カメラマンが一人、雲の切れ間の太陽を待っている。甲子林道の経線が浮かび上がる。




 下郷渋滞

 今度はデジカメ片手に撮影ライドだが途中対向車が3台、追い越した車が2台と、もう昼なのにこれから登る(無論登山の方です)のか?と思う状況である。
 先行のSJさんはとうに視界から消え失せ、対向車のせいか後ろからこーはくさんも来ない。

そのまま、下郷側のGateが・・・って、
これ前から在った奴じゃん(笑w
 接続地点を撮影しつつ、バイパスに接続。出口で行き先を論議する先ほどの町乗り3人組が手を振っている。

 本日の裏予定は 農家蕎麦「きょうや」に逝くのだ。
これまでに2回振られたお店である。今日は下郷への到着もお昼頃になりそうなので、こーはくさんに店への道筋を教えておく。
 実は昨年SJさんと見つけた店だが、最初も品切れ閉店で断られたのだ。
 ところが、バイパスに出ても一向にSJさんに追い付かない。
 何が楽しいのか判らない家族連れがトロトロ走る新国道289号線に出るが、全くスピードが乗らない。見通しの効く道路経線なのにSJさんは見当たらない。
 旧街道の交差点の信号手前から、なんと渋滞していた。奥の下郷役場前から国道121号線への直線も車で埋まっている。

 実はSJさんは国道接続手前の森で道草していたのだが、MRは気が付かないで抜いていってしまったのだ。
 これにこーはくさんも追いついたものの、無論渋滞車輌を縫って進むWR、当然渋滞に巻き込まれるこーはく&ジムニー。
 国道121号線交差点まで約1Kmほど渋滞し、国道に出ても交通は緩慢だった。

「あー・・こーはくさん、ゴメン
そう思いつつ「きょうや」に向かったSJだった。

 結局3台は合流に30分以上かかり「きょうや」の方は水戸の団体という20数台のツーリンググループが先客で断られる、なんと3回目だ。



登りの釜房から比べればまるで絨毯のような下郷側。
昭和30年代初期の石積み。



あ、対向車・・・。


斜度が緩くなると前方にゲート。


多少標示物が変わっているが、
いつものゲートです。
Photo by RED&WHITE-Mantou


残ってましたね、この表示。
Photo by RED&WHITE-Mantou



西郷村の甲子・釜房側にこの標識はない。
つまり旧道国道289号線は甲子峠から登山道となり、例の甲子温泉大黒屋前に通ずるルートなのだ。
Photo by RED&WHITE-Mantou



ゲートの先には新旧国道のY字路がある。
先程のDT/D-トラッカー/CB125Tはどうやら仲間らしい。


 やむなく3台は塔のへつりそばの和風レストランに行くがここらも30分以上待ちという状況だった。
とにかく、例年にまして紅葉客が多いのだ、店も道路も一杯の印象である。

ふと、隣のカツ丼屋が目に留まった。

 各々既に人の多さにウンザリしていたので、いっそ蕎麦を諦め、カツ丼に切り替える。
新装開店らしいカツ丼屋は、幸い5分程度で座卓にありつけた。(名前を失念・・写真撮ってねえ。。゛(ノ><)ノ



俺の知ってるR289じゃねえ。



なんと!登坂車線付きかよォ!もはや部落の路地の面影は無い。
つーか雪道は辛そうだよ、吹き晒しの道路は!


そして、これがアタリだった。


下郷の「メガかつ丼」ハッキリ言って「一食抜いて食べに行って下さい」

 少々高いかな・・?という値段設定ながら、どんぶりの大きさはざっと「すき屋のメガ牛丼」クラス、茶碗2杯分はある。カツは厚くサクサク、MRが食べた煮込みも濃厚ソースでウマい。

「かえってよかったね (^_^)」(M
「これは美味しいね (*^。^*)」(S
「喰いキレねぇ (-.-;)y-~~~」(こ

 ここで予定以上に食い過ぎ(いや、大満足なんですよ)た3人、午後はすっかり「流しモード」となってしまった。(笑www

 エンドラン

 こうして、この後3台は一ノ戸渡四ツ屋林道から黒沢林道経由で安藤峠を抜け、夕暮れの布引山高原で煙草をくゆらすと、ヘッドライトを点灯させて闇夜の青浜でミスルートしつつ猪苗代湖南岸を走り抜け、志田浜のセブンで解散した。

 ホント、午前中で燃え尽きたツーリングでした。



大戸トンネル。先の橋は失念・・。


日の傾く林道を突っ走る。
Photo by RED&WHITE-Mantou




一ノ戸渡四ツ屋林道のハイライト。大戸トンネルと東屋のある橋から林道経線を望む・・・。
「ね、眠い・・」


 エピローグ

食事の後に、次の話題となった。

大峠、ヤるんですか?」(こ
「。。゛(ノ><)ノ
二度と逝きたくないという気がしてたんだよね、道じゃねーから、あそこは」(S
Raid壊してる(T^T)し・・(笑w」(M
「でも、逝くんでしょ」(こ
「まーね(笑w。ホラ、自分たちも最初は逝きたいと思って、多分Kimiさん達もそう思っただろうから付き合うつもりだけど。
 確かに
大変な所だけど、同時に凄い場所でもあるんですよ」(M
万世とは
ひと味違う"廃"空間がね、一種の終末的世界なんだろうね。」(M
「世紀末的な・・?」(こ
「そう、そんなイメージ。でも実はちゃあんと再生が始まっている。そんなイメージ」(M
「破壊の限りを尽くされた道だよね・・・
 
いや、ありゃ道じゃねェな・・(T.T)」(S
 
そういいつつ、3人はぼーっ・・・と窓の外の景色を眺める。外は、色づく紅葉が無ければまるで春の様な暖かい日差しに満ちあふれていた。
「俺も逝きますよ・・・」
何処か否定的だったSJさんがポツリと呟いた。

こうして、秋の廃道祭りに続いてゆくのだ。



「で か ?!」
林道出口は発電器の組み立て場所でもある布引山ウィンドパークに到着。
この後猪苗代で解散した。

Photo by RED&WHITE-Mantou







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