プロローグ

 ようやく当家奥様から『逝って良し!』の許可を頂いたのはお盆休みの最終日だった。
しかしここまで結婚式4件に費やされた金額は余裕で北海道に1週間は滞在できる金額である。ここ数年、切羽詰まった経済状況でこの金額は「マジやばい」状況である。
勿論ご結婚された方々に全く不備はなく、幸せな家庭をお築き願いたいと思うのだが、頼むから事前協議の上予定を分散して欲しい(爆)せめて「俺のツーリング予定に被せるなぁぁ!」と、ご結婚した方々がこのPageを見ていない事を前提に、世界の中心で哀を叫びたい気分である。
(そのままでぇいいいぃいぃ〜♪by ken Hirai)


8.27・28
会津・置賜
Repo&Photo/MR


摺上川ダムの北側を抜ける国道399号線も新調されあきれる程の高速路線となった。
しかし前後の接続道路とは随分速度差がでるだろうな。



少々ネタが古かったが、そんな訳(いい訳?)で今頃夏休みとなって、しかも今年初3Dey'sの予定であったが、ここで更に水を差される。そう台風11号である。東北地方には金曜午前中に大接近し、おかげで仕事も片づかず金曜からの移動は不可能となったのだ。

実を言えば、本当は日本海が見たかった。
だが自分のHPや地図を眺めて2Dey'sで余裕の出る所と考えざるを得ない。前日となる金曜日に愛用のメガネが折れ、スペアで逝く事になってハラは決まった。目的地は置賜・北会津方面である。

8/27 day's


PhotoAlbum
★「フルーツラインって、いつ延長されたのだろう?」標識には穴原方面へ直角に曲がるフルーツライン表示、おいら13号までがフルーツラインだと思ってまスた、はい。ちなみにこの1箇所だけの表記で反対車線には表記がないようだった、なんて手抜きな。→→→→


土砂崩れ中の茂庭関林道。茂庭側。


叶道沢林道は水没。


板谷沢林道も土砂崩れで通行止め。


ちゃんと標柱がある。


工事現場ではユンボが林道を塞ぐ。が、バイクは無事通過。


1)台風一過
 珍しく6時に出発した。
台風あけでまだ道端の草むらには水の染みが残る国道を、一路北へと進む。朝食を済ませ、国道13号線から穴原温泉に直接アクセス、国道399号線を茂庭に向かう。



 7月末に茂庭関林道は通過しているが、あの時はまさに時間が無くとうがい森に顔を出す事ができなかったので様子見を予定する。その後、直進して不忘山を走ろう。状況が許せば「原田の蕎麦」または赤湯の「板蕎麦」を念頭に林道に突入する。   時間は8時を回ったところ、林道日記用の調査を組んでも午前中早いうちに上山に到達できよう。などと考えつつ林道に突入。気持ちよく飛ばしてゆく。焼松取水口のヘアピンを曲がっていきなりの急制動。
「崖崩れだ」
長さ10m、道幅一杯に土砂と倒木が雑草とともに道路に降り積もる。バイクを降りて歩いて現場検証をする。段差は30センチ程度なので登りだが行けない事もなさそうだ、荷物降ろすか・・と思ったら背後でガラガラと音がする。振り返ると50センチ程の岩と土砂が雑草と共に落ちてきていた。見上げるとのり面には水の流れとひび割れが見える。


バイクで越える途中で崩れたらひとたまりもない。諦めて写真を撮って後退する。
えらく短い茂庭林道を後にする。途中部落の人に会い状況を説明して立ち去る。
 頭を整理し直す、この先国道399号線鳩峰峠までの間に北側に抜ける都合3本の林道があり、確実なのは稲子峠(稲子林道)だろう。後の2本は最近通り抜けの情報がない。





ダムの末端は再び舗装林道の様な狭さ。国道は旧道に接続され、福島・宮城・福島・山形と繋がれてゆく。




板谷沢林道の最後、春頃から誰も通行してない様な気が・・・・??


稲子峠
右の写真にある七が宿町稲子から国道113に抜ける。
全面舗装路。



唐戸屋林道に入ろうとして、迷う。部落の最後?


上の写真から戻った部落の手前に道を発見!


なぜか林道の中頃にある表示銘板。


国道121号に接続!

 バイクは登坂車線付きの坂を上ってゆく。摺上川ダムである。ダム高は105m、標準水量は830立方メートルあり、これは七ヶ宿ダムより高さこそ高いが容量は僅かに小さい。レイアウトも国道399号線が湖岸北側に延び、南側は周遊外周道を持つ。直線と緩やかなカーブを橋で繋いだ道路構成もよく似ている。
 既に貯水は基準値近くに来ており広大な湖面を披露してくれている。ただ、休憩施設はまだ未整備だ。大型バイクなら間違いなく3桁走行するであろうハイウェイを法定速度を20%程上回るスピードで疾る。
最初の叶道沢林道は冠水水没していた。まあ、沢を登り切った所から逝けない筈だが。

 次に板谷沢林道、実は叶道沢と同じく七ヶ宿スキー場に抜けるルートである。入口に改良工事の表示がありどうやら路盤工事の様だ。工事の初期と最終段階で通れる可能性がある。日付から見て初期だが・・・ここも工事区間こそ抜けられたがその先100mで土砂崩れである。やむなく引き返すと、途中現場作業員を乗せたワゴン車と擦れ違う。
さらに399号線を東へ走り、一時的に宮城県に突入。宮城の最南端ともいえる稲子の集落を標識に沿って右折する。

 稲子林道は完全舗装路の林道である。稲子側の道筋は少々勾配がきついコーナーで紡がれるが、稲子峠を越え七が宿側は次第に比較的ゆるいコーナーとなる。狭い事は勿論だが舗装状態も良くロードバイクで十分通行が可能だ。摺上川ダムが完成すると二つのダムを結ぶ唯一の舗装路となるだろう。
国道113号線にようやく辿り着く。リアBOX蓋のロックが外れていたのを元に戻し、西に向けて走り出す。茂庭関林道の出口でもある関まで戻り役場前の観光物産館で一休みする。

2)風雲急を告げる
 南蔵王に向かう長老湖までの舗装路は小気味よいアップダウンを繰り返しつつ標高を上げ、蔵王の裾野から遠刈田温泉にでる個人的に好きなルートである。途中に蓮畑があり咲いていたので撮影、これでもかと言うくらいにコントラストの高い画質が夏らしさを感じる写真となる。

 長老湖を過ぎると蔵王を左手に高原野菜の畑をながめてうねうねとコーナーを巡ってゆく。直線とゆるいコーナーの先に、林道を結ぶ枝道の交差点がある。ここを左折、林道に入ろうとして写真撮影の為にバイクを降りようとすると、甲高いエキゾーストとともにオフバイク軍団が現れる。どうやらキャンプ場のあたりから入れない様だ、作業員に注意され引き返して来たとの事、こちらも茂庭関林道が崖崩れであることを告げる。(ルート的に定石だからなぁ)
 時計は11時。さて、困ったぞ。



咲き乱れる極楽浄土に続く花。(あまり連れて逝かれたくないなぁ)




糠平峠から小屋〜広川原線に入る


広川原温泉は9/20日再オープンとある立て札。


広川原〜高造路線に入る。


除草された草が絡み付く。


林道小屋線は部落までの片道道路。

 南蔵王の予定を明日午後にすると、今日中に葡萄沢の林道は走っておきたい。ツーリングマップルに新記載の林道3本の状態が不明の為想定時間が予測不能なのも気に入らない。明日は広川原温泉の様子を見に行く暇がなさそうだ。どうしたものか?
 結局、国道113号線を赤湯近くまで西に移動、ブドウマツタケラインから国道13号に繋ぎ、一次米沢へ右折する。  の交差点を左折し旧道とも言える県道151号線にアクセスする。151号線の交差点を左折(東)に向かうと県道232号線から板谷峠に右折(西)すると、JR奥羽本線の踏切と最上川を渡って県道2号線に出るMRお気に入りの県道だ。ドン詰まりのT字路を標識道り左折、白布温泉に向かう県道2号線に乗る。超高速コーナーに変貌した船坂峠(船坂トンネル)を越え十字路に到達する。時計はお昼時を示す。

唐戸屋林道を抜けて国道121号線に出る。無論林道表示などない。

 ツーリングマップルを見ると玉庭から出る林道は一つ尾根隣の綱木からも繋がっていそうだ、大きな地図を出そうとして、この時初めて気が付いた。「ない」ハッとして気が付く、稲子の出口でBOXのロックが開いていた事を!
「林道で落としてきたんだ」
 明日の探査に暗雲が漂う。多分板谷沢だ、しかしもう戻っても仕方在るまい。結局小野川から市道経由で綱木に向かうが、林道の入口がダム工事で塞がれて通れなかった。やむなくマップル通りに最初の林道に行く。一つ東側の尾根から国道121号に出る唐戸家林道だ。
権平峠。温井側は未舗装だが小屋側は舗装だ。



広川原から大規模林道に抜ける町道(横断林道?)は気分の良いスカイラインがある。




大規模林道の碑。この林道に何か意味があるのだろうか?


快適な8m道路が続く。


その先は通行止め?。


そしてまた福島県へ。

 通ってみると全くのフラットダート、マップルに載るだけに危なげないダート路であった。この途中タンクがリザーブとなり林道を出ると近くのスタンドに給油にはいる。
 明日の予定も兼ねて道の駅田沢にはいる。ここで長岡ナンバーのBMW-R1200RTのご夫婦と話し込んでしまい、気が付くと時計は2時を回っていた。慌てて新掲載の林道3本を走る。
 どれも林道標柱などがなく正式な名前が判らない。途中広川原温泉に立ち寄ると9月の20日再開の看板があった。
 最後に大規模林道飯豊檜枝岐線から6年振りに葡萄沢林道に突入しようとするが釣り堀の所で道路には無情にもチェーンによる道路封鎖がされている。

遅谷〜高造路線。村の人が林道の草刈りをしている。
管理された林道だ。

間違えたかと幾つか林道の入口を見るがどうも記憶と違うようだ。思い切って釣り堀のご主人に話を聞くと大規模林道の隧道前からという話「チェーンはすぐ外れるはずだ」という貴重なご意見を賜り、愛車は堂々通行止めの内側に入る。ご主人にご挨拶をして出発!写真の感度が落ちきらないうちに何とか葡萄、五枚沢と通過する。
熱塩加納村到着は実に6時、夏とはいえ流石に夕闇がせまる。公園などを見回って宿泊地を探すが良い物件に当たらない。最悪2食分の食料は持参しているので、ここは道の駅喜多方に進路を向ける。

3)喜多方の夜
 道の駅には7時頃到着した。
 早速場内を探索する。公園と隣接して土産物と待合いホールを挟んでレストラン、奥には入浴施設が、それも専用のでかい施設だ。道の駅ならはを想像していたがゆうに倍はある。
 とりあえず腹ごしらえと思いきやレストランが貸し切りである。何だよそれは?普段利用している道の駅安達は休憩ホールが24時間解放なのにここは10時に総ての有人施設が閉め切られる。



葡萄沢林道を経て五枚沢林道に向かう。その手前に大規模林道飯豊檜枝岐線の飯豊トンネルがある。
この巨大林道が何故造られ、放置されているのか?日本の悪政と言わざるを得ない。


五枚沢林道の県境「赤崩山越え」から熱塩加納村・喜多方市を望む。


 自治体の考え方次第で随分違うな?使い勝手は良くない気がする。駐車場には4~5台のキャンピングカーが休んでいる。成る程、ヤドカリ君には良い場所かもしれない。 でも、あたしゃテントなのよ。どうしましょ?
 入浴受付が8時までなのでまずは入浴しよう。思った通り、普通に健康ランドな店内に入り受付で入浴料500円を払う。入浴は朝9時から夜8時まで、閉館は9時である。家族連れがひしめくフロアを突っ切り風呂に向かう。フロアにある軽食堂も既に終了していた。
あんたら終わるの早すぎだよ!と思いつつ、いつもの温泉セットと貴重品を持つだけでデイバック丸一個になる私の荷物は何とか脱衣所のコインロッカーに収まった。
風呂場は広い!レイアウトこそ単純だがサウナと露天風呂もある。及第点を上げよう。長々と40分程入浴し、林道のアカを落とす。普通の石けんしかないのでシャンプー持参で正解である。窓際に座れるスペースがあると長風呂になるなぁ。最後に露天風呂を見に行く。





 湯気越しでもよく見える星を仰いでくつろいでしまう。
風呂から上がってビールを飲ったら、もう動けないぃ〜状態である。煩悩の赴くままツマミにポテトやチータラなんか買っちゃうと、何か幸せな気分になる単純なσ(^^) ワ・タ・シ?。
「テントはどーすんだぁ?ああ〜ん!」というもう一人が心で叫ぶまで、偽りの幸せを噛み締めるMR。酔った勢いで堂々と慎ましく配電設備前の芝生にテントを張って、夕食のレトルトもそこそこに寝てしまう私だった。