ご使用上の注意!

このデータは、
あくまでおいらの走ったルートの
覚え書きです。

走行距離は主にバイクで測定し、
旺文社発行のツーリングマップルにて
無断で補正しています。
また、

掲載される内容は大変危険です。
当サイト掲載内容による
いかなる被害も当方は
保証致しません。
2023 秋の飛び石連弾ツーリング、その1


初秋の田代山をゆく!(秋っぽくないな〜


 プロローグ
1

 今年はスーパーエルニーニョ現象とか、更なる地球温暖化とか、とにかく色々言われておりました。
 まあ個人的にはEV自動車の電力の為に旧式の火力発電所をフル稼働したり、冬に風が吹かないのでディーゼル発電機で風車回したり、挙句に会話不能な政治主義や民族主義によって起こされた戦争とか、
お前らCo2削減とかどの口が言ってんだよ!と言う感じである。

旅先Photo !


白河インターで降りる。

「旧軍馬補充部白河支部事務所」。

馬!と書かれると取り敢えず立ち止まる。乗り物はカモシカだが(笑。

日本陸軍省の外局として明治7年(1874)に設置された軍馬局を前身とし
主に北海道を中心に全国に設置された。

その名の通り陸軍が軍用品として育成・調教した馬達で、主に中国大陸等に送られ
主に大砲の牽引や兵員指揮馬として使われた様である。



白河支部は昭和十年(1935)に設置され、支部員から用務員に至るまで
西郷村の村民が雇われ、最盛期には村の三分の一が補充部用地となり
                    農業、林業、放畜業など村の経

 
世界は確実に破滅に向かってるが、MRはと言えば相も変わらず確実に林道や廃道に向かっている(笑。偶に温泉とか。
 しかしそんな地球環境の悪化は着実に日本列島にも悪影響を与えて、大きな災害から小さな紅葉の具合まで、多岐に渡る不具合を出して居ると極めて個人的に思う。
 その不具合をこの目で確認する為、10月26日(日)MRは6年目を迎えたローストセロー君にキャンプ用品を満載し、一路南会津に向かったのだった。

 因みに今晩は恒例の「焚火会」が飯野の峠の森キャンプ場で開催されるので、方向は完全に逆である。
 しかし今期は土曜祝日の配列も悪く天気の良い休みに少々無理でも走るしか無い状況だった。
コレも皆んなインボイスのせいだ!と、取り敢えず差し障りの無い犯人を推し上げて見たりする。
 そんなこんなで朝5時頃から動き始め、白河インターを降りたのは朝の6時半だった。
 

 どこに行こうか?。 2

 トンネルの掘り直しでそのスジには有名な甲子バイパスを抜ける。
 旧甲子林道の入口も相変わらずだ。

済に多大な影響を与えた。
 また那須御用邸に近く、大正五年には昭和天皇
*皇太子も来訪している。
 昭和二十年。敗戦に因る陸軍省廃止に共なって解体となる。



赤坂ダム西側から国道289号線に合流。
どちらもいい直線ですね。


昨年に看板が交換されている。




「那須甲子線(県道290号線)分岐点が迫る。
こちらは直進、下郷行き。


 
 一応御多分に洩れず今日は恒例の七ヶ岳林道を主軸に考えている為、取り敢えず田島に向かう。国道に行かず下郷役場の手前を左折。会津線に沿って走って行くと、時間を合わせた様にディーゼル機関車に遭遇、写真を撮って遊んだりする。
「いいねぇ、二両編成のローカル線は」
 田島のセブンイレブンでやっと腹が減って超食に手を付けたのは8時過ぎである。念の為ガソリンや昼食も買い込む。121号線沿いの店には、バイカーも多数立ち寄るな。



道の駅しもごうを通過「そこそこ人が入ってる」


おおっ会津鉄道。ディーゼル二輛編成。

 幸せそうに自分や他人のバイクで盛り上がるのを見ながらコーヒーを啜ると、見てるだけのこちらもナンだか幸せに微笑んでしまうな。

 帰りは牛乳屋のラーメンも良いかなぁ?なんて思いながら国道から七ヶ岳を俯瞰すると、まるで6月終わりの様な眩しい緑に包まれているじゃぁあーりませんか!
 国道121号線から見た七ヶ岳林道の風景に、ここに4年連続紅葉走破の覇業は絶たれたのだ。



「AIZUマウントエクスプレス」


会津鉄道70周年のヘッドマーク付いてる。


「これは勝負どころか土俵入りすら出来んわな」
 
もっと標高の高い所でもかなりアヤシイ感じだが?
ここより高い標高の林道と言えば……。
「檜枝岐だな」 と思ったが遠過ぎるので取り敢えずアノ林道、と言うか県道、イヤ険道に行ってみる事とした。
 取り敢えず館岩村の国道352号線から県道350号線に向かって左折する。
  
 湯の花温泉を抜け先の長い鋪装からダートに変わる
標高900mを越えても、まだまだこれでもかと言う位の緑で、紅葉なんて何処にも無いのだ。
「情報は本当だった!!」(何を今更(笑)

 往きはヨイヨイ、帰れない。 3

 
アノ険道、別名「開かずの県境」の誉高い茨城福島県境の県道360号栗山館岩線、旧名を田代山林道と言う。
 ダート区間を含む全長は約22kmで標高1971mの田代山の東側下を南北に抜けるかつての有名峰越え林道だ。




「紅葉ってドコ!?」会津鉄道会津荒海駅脇の踏切より。
古絵、富木沢林道の国道121号線側入口、と言えば解り易い?。



「取り合えず県道360号栗山館岩線」
いや、ただの林道だから。

 通行は不可と心得ているがゲート前の猿倉登山口にある大銀杏だけでも観ようかとゲートまでの約9kmのダートをザクザク登って行く。
 延々と舗装路ばかりでやっと走れた感じ、まあ身体は暖まっているので対向車に注意しつつ登って行く。
 登山者なら普通日の出と共に登り始めているだろうから、この時間だともう誰もいないハズだ。
 何枚か写真を撮る為にと思ったが相変わらずの夏の緑に山は覆われている。



「ダメだ、全然緑」中央が登山口のイチョウ。


この先栃木県側!通行止!!」その時!謎の管理者が。


普通沢沿いなら紅葉してる時期なのだが、皆無だ。
「想像以上に温かいのだね」ため息しか出ない。
 やがて沢も奥まって高低差も数十mから3〜5mの落差となり、林道の暫定終点である猿倉登山口に辿り着いた。
「全然ダメだぁ」ここの大銀杏は気まぐれで、南向きの日当たりが良い場所にも関わらず冷たい沢風で中々良い紅葉に巡り合わない。険道が封鎖されてからは尚更来ないので、震災後に一度見たのが最後だろうか?
 駐車場はほぼ満杯で、コロナ明けの賑わいが感じられるが、そもそもアウトドア関連はコロナ禍でも人出があった方なので、まあこんなものか?と言う感じ。
 勿論登山以外のバイカーなどいない、カブはいるけど。
「行くのかい?」
 
通行止めのゲートをバックに写真撮影していると後ろから俺より若い男に声を掛けられる。 振り向くと駐車場でバック誘導してた人だな?村の委託で来てる人か?



少し荒れてるが
車の通行も可能な福島県側。

「ええ?行けるんですか」実はSNS上では通過出来るらしい事がまことしやかに語られていたのだが、ここは取り敢えず知らないフリしよう。
「何人か自転車やバイクが出入りするのは見てるよ」 矢張り、火の無い所に煙無し、だよなぁ。
「通過してるんですかね?県境のゲートは閉鎖してた筈ですが」
「まあ、自転車は関係無いだろうし、バイクはどうしてるか分からないけど」



「県境に到達」ツーセロ君は福島に、撮影のMRは栃木県に。


「県境の現在」2023年10月版、見た目は完全閉鎖。




しかしてその実体は?
(路肩に残る最後の抵抗も空しく踏み付けられる)


 成程、未確認ではあるのか。県境は通過出来るのは間違い無いだろう。
問題は川俣側の強固なゲートだ。
「取り敢えず行ける所迄行って、ダメなら戻って来れば良いわけですね」
「どうなってるかはわからないけど、抜けてるからね」
「キャンプ用品満載なのでその時は戻りますよ」 その若い男は笑いながらゲートの脇をすり抜けるMRを見送って来れていた。
 どうなってるんだ?館岩村(笑

 まあまあいいや、ここは謹んでお受けしよう。ホントにダメなら戻れば良いだろうし、それなら帰りに深緑の七ヶ岳林道経由で帰ればいいし。
 

 2023秋の「田代山林道」にて。 4

 こういう大規模林道の終末期である県道化は勿論道路補助金も使って半世紀は道路維持を目論む営林署の必殺技である。どうしても険しい地形に開鑿する故に災害に脆く、膨大な維持管理を県道化で補う為だと個人的に思っている。
 観光林道にしたいとか言う事もあるが、基本半世紀前基準の営林事業なので長丁場の間に不具合は出るものだ。



「おぉ久し振りの田代山山系」背中方面に主峰田代山が在る。


「空だけ秋空」
 
紅葉?いや周り何か立ち枯れしてない?。

 この県道360号線も震災前に県境付近が数十mに渡って路盤崩壊し、確か4年ぐらい通行不能だった。30m以上下から基礎を築き、通行が可能になる迄その位掛かるのだ。工事費など億を超える規模だろう。
 
猿倉登山口から県境まではフツーにダート路で拍子抜けする程だ。管理してないからそれなりに荒れているが落石や洗掘はあっても路盤欠損は無い。良い?廃ダートである。
「クマが出なけりゃな」
 やがて風景が開け、県境の標識が見えてきた、
福島栃木県境「田代峠」である。
 
始めて走ったのは90年台だが標識が廃れてるがその解放感ある風景は四半世紀変わっていない。
 唯一違うのは2車線分の道幅いっぱいに渡された、目前の栃木県側に通行止めのゲートである。
 
単車を降りて一通り撮影するとマジマジと閉鎖されたゲートを歩って見に行く。



「林道の破壊者」水は凡ての道路のアンビバレンツ。


「県界の連絡林道の雰囲気マシマシ」
どうせならこの辺に県道標識建てろよ。


うわぁ「倒木か!?」

「自転車は担いで越えられるが、バイクはどうすんだよ」
と、路肩に目をやればその理由は直ぐに気がついた。

 セローくんに戻り進路左手の路肩に進むと、
なんとワイヤーロープが地に落ちるほどにたるみ切っていて、幾つものバイクや自転車のトレッドが置き土産に刻まれていた。
 なんだ、自転車担いでる奴なんていないんじゃないか?そう思いつつ自らもワイヤーを文字通り踏み越えて行く。




「取り敢えず突破」路肩はけっこう泥濘。


「道半分落ちてる」ガードレール支柱がぶら下がっている。


「5年ぶりの越境、栃木県入りか」
 県境の尾根筋は平坦と思える程の緩やかさで風景を楽しむ。しかしそれも束の間、前方に早速倒木に塞がれる。
「右だ!」進行方向左の崖側からの倒木、木の先端である右側にセローを滑り込ませるが、この路肩は罠だった。派手な泥飛沫に反射的に立ち上がり沈みゆくフロントを持ち上げに掛かる。


「また部分鋪装」
この辺、昔道路ごと落ちた所か?。


 うわぁ「路肩の升が圧壊してる」
そして溜まった砂でプランター化?


 しかし直後に僅かな魚信の様にフロントタイヤを掠める異物感。倒木のこずえか、次の瞬間リアが引っ掛かったセローはシーソーの様に再びフロントを泥の中に叩き落とす。
と同時に左足が倒木のこづえを捉える、
ヨシ!
 ところがリアタイヤは梢にすぐ乗り上げする事が出来ず表面を木の先端に沿って右にスライドしてしまう。それでも車体が傾き、それに依ってタイヤエンドで推力を戻して倒れながらも倒木をクリアする。
 そして俺はかろうじて道路中央のオアシスのような砂利の路面にゆっくりと倒れ込んだ。
「おおう、このタイヤで初転倒」
 なんか転倒というより立ちゴケみたいに倒れ込んだ。サイドバックと自分の左足て接地し、土を舐めたのはハンドルバーエンドぐらいで済んだ。
 足を車体の下からゆっくり抜けるのはサイドバックとそれを支える純正サイドバーのおかげだ。
 すぐに立ち上がりセローを起こし写真を撮る。
 旧田代山林道はこの辺から徐々に下りつつ、南の尾根に道筋をゆくと次第に視界が林に遮られてゆく。



「何か居る!!!」側溝だけ組まれた道を何かが横断してる。


「熊ではなくサル」肩を怒らせて歩くボス猿も
バイクの音に慌てて肩を落とす。クマじゃなくて良かった。



「そして倒木」笹薮を潜って倒木の下を潜ってゆく。


ここだけ真新しいコンクリート路肩と鋪装、
豪雪で曲っていないガードレール。

 
 しかしそれも束の間、
まずは巨大な水溜りに道を塞がれその先の道床は道幅半分の幅3m程の崖側が、ほぼ四角に切り取られて陥没していた。
 確か前もここが大きく崩落してた筈だけど、前回は幅6m全てが落ちた前回に比べ今日は半分の幅3m、差し渡し20mの長さで道がない。通過しながら下を覗き込んでも見えないので10m以上崩落してるかな?という感じだ。
 一応工事用のガードが置いてあるので随分前から落ちてるのだろう。



「やっと秋らしい風景に」
林道は川俣ダム方面に降りてくる。




道路を跨いだ倒木をチェンソーで切断処理。
流石栃木県道。


 
なぜここばかり、と通過する最後が結構な泥濘だ。これはいつものパターン
”水ある所に道路崩壊あり”という奴だな。
 さらに下って行くと何故か唐突に道路を横断する幅30センチの側溝と短いアスファルトが現れる。 

 もしかしたらこっちが2000年代に道路丸ごと落ちた地滑り地点だろうか?あの復旧に4〜5年かかっていたが、うろ覚えだなぁ。
 アスファルトの長さは200m程しかないが10年?以上の放置で側溝端となるコンクリート枡が地圧で変形して流れ込んだ土砂が溢れ出しすでにタンブラー状態である。

管理者(日光土木事務所)も状況は把握してるようで杭が打たれていた。
 
 ゲート、ダメじゃん。 5

 何か理由が出来て通過出来なければ戻ればいい。そんな感じて進行していたが意外とバイクどころか車で来れる路面状況が続いている。先程の道路補修に伴う補修や舗装以外は基本ダートのままである、尾根沿いをぐるりと回って方向がいよいよ南向きに変わると尾根越えの馬の背を走る。
 ここで栃木側から伸びる側溝が現れた。測量杭もありここまでの路盤整備が進捗している事が伺える。
「クマ?いやサル?」コーナーからの直線の先に黒くゆっくり動く動物が現れ、身構える。カメラを構えてズームすると肩を怒らせて歩くボス猿の姿を捉える。エンジンは絶対止めないが、良かったクマじゃねえ。
 やがてボス猿の道路横断に合わせて路肩から猿の一団が横切って行く。
 ここでも倒木越えタスクを無事ぬけて、道は尾根の南西側、いわゆる川俣ダム側に降りてくる。



「緑のトンネルを越えて」林道は下り続ける。


確実に侵食して来た鋪装、緑が眩しい。

 この辺でも突然200m前後の短い舗装路が現れたりするが、先ほどから路肩に側溝が連なって、舗装のための下準備が行われているので、ここ数年の内に舗装が予定されている印象があった。栃木側の全長の約半分が舗装化の為の測量などが行われているようだ。
 しかし標高が高いとはいえ南に降りていくので、益々緑が濃くなるばかりで紅葉の紅の文字もみえない。やはり7月初旬の色合いだ。
 たぶんここも路盤復旧後の舗装だろう。真新しいコンクリート路肩とガードレールの先は、この後断続的にアスファルトがパッチワークの様に現れてはダートに戻るが確実に侵食して行く。


「ゲート終了の詔」ラストでこれかよ!
目前にはアリ一匹通さない強固なゲートが閉鎖されていた。

そしてカタルシスは突然現れた。「閉鎖かよ」
ダートの先にはあの栃木県側のゲートは見事に閉鎖されていたのだ。どうするんだよ?今更14kmも戻るのは時間的にも正直ツライ、もう時計は昼前だ。大体皆んな通過してるって言ってたよな?



旧田代山林道から下の馬坂林道を望む。

「という事は、何処からか抜ける所、ルートがあるんじゃないか?」
 まあチャリンコは本当にゲートの上を持ち上げての通過ができるだろう。
 だが単車はそうはいかない。何処かに抜け道がある筈だ。写真を撮りつつまずはゲート周りを調べるがなかなか完璧にガードしてある。
 ゲート脇も見事に阻止され真田丸の様に張り出した林道と急速に林道左に下って行く川俣ダム方面に向かう道の地形的有利もあって、キャンプ用品満載では話にならない。
ふと、気がついて振り向く。
「そもそもゲート前に足跡がないじゃないか?」
 大抵路肩とかタイヤのトレッドが残ってる筈だが、無い。それはその手前に抜け道があるからだ。
 ゲート手前のコーナーまで戻る。コーナー出口は浅い切り通しで左右に山を従える。その山際が怪しい。



「これかよ!!!」成る程、これがマニア道か。
フルペイのセローだと下るならいい勝負。



「下ってみた」
転倒した(笑、しかも自爆

 立地から言ってゲート進行方向右手の接続する馬入林道側が怪しい。
「これだ!」
 田代山林道の右側、ゲートに辿る路肩は2段のコンクリート擁壁で、その高さは上の段が約4m、下の馬入林道の側壁を兼ねる土留めが約1mあり、瞬間最大斜度はざっくり35度くらいか?登る事は出来ないが下りなら大丈夫だろうか?
 どうやら皆さんここを登る方が多い様で、50センチ程の踏み跡の真ん中にリムまでそっくり入る程の洗掘がガッツリ出来ていた。
 ルート的に1段目と2段目をくの字に270度回頭しなきゃならない幅1.5mのヘアピンだ。ほぼゼロ発進なので瞬発パワーがないと2段目は登れないだろう。セローにツーリスト履かせて空気圧0.8hkpで登れそう。
 ハラは決まったので、今頃ここで空気圧を落とし、バイクを抜け道の入り口にターンさせ下を覗き込む。




「一段目に無事到達」取り敢えず舗装路に降ろしてから
トップケースは付けよう。



「最後の1.5m」馬坂林道に無事着地する。



交差点から福島県境まで13Km。
湯西川温泉側から来てここで右折。

う〜ん、止まれなさそう(笑。
 林道の基礎に付いてるコンクリート製のリブを足蹴にする感じでいいか?
いっそ轍に入れた方か制動が効くな?その瞬間ブレーキレバーを解放する。
「止まらんな」流石に重くてハンドABSで全然減速しない(笑 
 一速エンブレもスリップして、トドメに落石にハンドルを取られて車体が右に跳ねて差し出した左足がコンクリートのリブをスカってしまい即座に転倒、というかほぼ立ちゴケで倒れる。
 先ほどと違い足は抜けて股下でセローだけ倒れた感じ、よく1段目から滑り落ちなかったなぁと振り向けば、コンクリートリブにリアのトップケースVIGI42が引っ掛かってる。
暑い!
ヘルメットを脱いで写真撮影。



「川俣檜枝岐林道」手前が馬坂林道、案内板側から撮影。


針葉樹の林がすっかり無い。おかげて景色はいいが。




林道脇の砂防ダムに降りる。
ぜーんぜん紅葉無いのである。

 フロントこそ平場に着地してるがリアはまだ1段目の坂の上だ。
 ワンタッチでトップケースを外し、坂道で幾分軽くなった車体を引き上げ、半クラッチでエンジン停止のまま1段目の擁壁の上に下ろす。
 ちょっと倒したが損害はなく上出来、トップケースは後にしよう。

 さてさて、帝釈天から檜枝岐までの林道は通過情報があるので、これで田島に3時頃に戻れる目安が付いた。
 エンジンを掛け、普通に乗って擁壁の端から林道上に到達し、
無事田代山林道、いや県道230号田代峠を通過した。



「やはり秋に見えん」ススキがなけりゃホント初夏の風景。


川に平行して登る。

紅葉してないと集中するので移動速度は速い。



この直後に対向のバイク。
走行中はおちおち写真もままならない。
 
 最初のエピローグ 6

 舗装の馬坂林道から入口からダートの
川俣檜枝岐林道(通称・帝釈天林道)に入る。
 いつものダムのほとりで家族キャンプする四駆パーティを遠目に、いつもの定点撮影ポイントへ。
 しかし相変わらずの目に眩しい緑、アングルにススキが無ければ秋口とすら思うまい。
 
そのまま帝釈天峠に登って行く。
 昨年10月の紅葉撮影ポイントも豊かな緑に溢れ、仕方なく撮影する次第だ。
 まあ紅葉は兎も角ダートは折紙付けたい楽しいルート、まして上りともなれば気合も入ろうと言うものだ。
  峠区間は猛烈なガレ石なので路盤が安定しているウチに飛ばして行く。
 とは言っても対向車もあるので注意は必要だ。丁度帝釈天林道ゲート付近で山チャリに追いつく。手をあげて挨拶を交わし更に登る。



よし「封鎖区間だ」県境の約3Km前後は冬期通行止区間である。
路線名標識と簡易ゲートが在り封鎖される。


「帝釈天峠、到着」時間的に本日最後のステージ。


帝釈天の下りは冬期封鎖区間の福島側が砂利との戦い


川と平行に走る所から極上ダート。

景色よし、グリップ良し、レイアウトよし。


 あまりのガレに度々足を取られ、舌打ちを打つ荒れ具合だか次の年にはまた走りたいと思う中毒性があるのは甲子林道に通じるものがある。

 青空に見晴らしよい峠に到着、先に来ていたストロボカラーのトリッカーの方と雑談する。駐車場は8割が埋まり盛況の様だ、トリッカーの彼と別れ、檜枝岐側のくだりに入る。



「撮影ポイントあり」お約束とも言える場所。


あれがマイナスイオンだ!


垂直の法面区間。紅葉だとコントラスト好いんだが。




檜枝岐も紅葉どころか落葉。
道は最高なんだがさみしいね。


「あらよっ!」
 グリップが効いてエンブレのリア周りの具合も感触いいのでついついスピードが出てしまう。
 まあ登山客はもうとっくだろうから?などと考えると対向車が来て慌てて減速したりするが、
総じて扱いやすいGP-610ただあまりにハードグレーキングだとターンインでフロントが外に持ってかれる挙動がある。
 新品タイヤでサス設定をハードにしてあるがソフトの方が曲がり易いカモ?と思う。



部分鋪装もある。川べりならともかく切り通し鋪装は珍しい。


最後の直線だ。
標高が下がる度に緑が濃玖なる。

 そんなこんなでほぼ時間通りに檜枝岐に到着。
「クソ、風呂に入ってる時間はないか?」
 
今日は時間が無いので温泉は諦め、国道289号山口トンネルから田島に入り、給油の後に来た時と同じ下郷から甲子道路を抜けて白河インターから高速に上がる。
 時計は4時半だ。空気圧を戻すのを忘れた事を思い出しPAで圧上げしてキャンプ場に向かう、
6時頃には着くな(笑



川俣檜枝岐林道、完貫。最後まで豊かな緑の森でスた、


121号線を戻る。
前を走るのはカンナム・スパイダーかな?。



「あばれ太鼓」ってば今日か。
東和町針道の秋祭りなんだが。何故に山車が
「チェンソーマン」?



 そして時計はもう6時半。
「何処回ってきたの?」と言われながら、薄暗くなってきた川俣のキャンプ場でテントを建てながら、友人からお裾分けを貰うMRだった。キャンプ場で他人から貰うおかずは、何故こんなに美味いのだろうか?
「紅葉してた?」
「全然ダメ、時間を空けてもう一回チャレンジだわ?それでも時期は合わないかも知れんが
 取り敢えず上出来だったと思うMRは上機嫌でビールを頬張るのだった。
「林道ツーリングに乾杯」「焚火に乾杯」
「廃道じゃねえのか?」
流石、バレてるなぁ、と舌を巻くMRであった。


「さぁ、焚火の時間だ」何の疑問もなく参加者それぞれが
持参した物で各々焚火を始め、酒を酌み交わす。それだけの集りなのだ。






 
次回予告。

「廃道、駒止峠」
飛び石の二日目は11月23日に決行された。

後半戦やいかに。

        
 つづく