温泉ツーリングスポット




   
      
(青森県)









みちのく 深沢温泉
内風呂・露天風呂







「モヤヒルズキャンプ場」青森市内から約20分、
冬は勿論スキー場、GWから10月まではレジャー施設となる。



●騙し絵風?箱庭の露天風呂

 2021のGWは、単にフツーのツーリングで青森県立美術館で「富野由悠季展」青森新聞ホールの「江口寿史 彼女展」を見にいっただけであった。
 
林道も廃道も一本も走らないと言う最近のMRにしてはまさに”前代未聞”なツーリングである。
 
いや多分、フツーの人のツーリングてこういうもんだろ、的な所だな、うん。当然ツマんないのでレポートはしない(笑
 だって当然だけど
青森近辺の林道なんて冬季通行止めだもん、ジモティはスノーモビルで林道行く季節なのだ。
 中日二日目は
富野展でガッツリ4時間も見入って、それでも膨大な情報量に圧倒的に時間が足りなかった。 因みにその後、彼女展も2時間以上見てしまいホールを出た頃は夕闇迫る勢いであった。



国道103号線並び、モヤヒルズとの中間に在る
「カッパの湯」食堂付き日帰り温泉だ。
ここに来るとキャンプ感が薄まる(笑




「なんじゃこりゃ」
国道103号線の高台に在る展望台。



「岩城山展望所」八甲田表山除雪隊発祥の地。
青森市内も眺望する北側。素晴らしい。


「八甲田山除雪隊の歌」歌碑。
現在は除雪業者が除雪終了(開通)した時歌うとか?。ライオンズかよ。


 そんな訳で、時間があれば三沢の航空博物館で再びF4ファントムを見たかった、が心残りであった。

 だが、そんな他愛無いフツーのツーリングでも皆さんに書き起こし、楽しんで貰えるであろう事案がある。
それがまさに「東北露天情話」なのである。

 
この日、青森市内にほど近いアウトドア施設「モヤヒルズキャンプ場」に連泊したMRは、連チャンで青森市内とキャンプ場のほぼ中間にある温泉保養施設「かっぱの湯」で温泉にありついていた。内湯と箱庭のような露天風呂があるここは、しかも食堂を併設し思わず二日間夕食を食べ、ある意味キャンプは形骸化してる気がした程だ(爆
 青森市内と湾を一望できる素晴らしいロケーションのキャンプ場にテントを張ったものの、それゆえ初日は浜風が舞い上がってとても焚き火が出来る状態ではなかった。
 早々にテント内に篭りネットや地図を見まくる事となる。
 その過程で見つけたのが、この「みちのく深沢温泉」である。


みえますか、あれが「岩木山」


「青森県道40号線に分岐」
GWには除雪も終わり通行出来ます、
少なくとも温泉までは。



露天風呂でゆったり気分!「みちのく深沢温泉」
年中無休冬も来いー!。え、写真右の県道40号って通年通行可能なの?



「おおっ!朝6時から日帰り温泉出来るぞ!」
 明後日はテント撤収、帰投予定日なので、時間が取れそうなのは明日朝だな、美術館の開館は9時半、現場9時到着として移動時間が40分程だから7時に入浴できれば十分に間に合うよ。
 温泉に入っておけば体が温まるから、朝多少寒くても大丈夫と思いつつ、急速に下がる気温におののいてシェラフにホッカイロを2個入れるMRであった。 



 温泉オタクのキャンプ場の朝は早い。朝5時に目が覚めると早速朝食を済ませてカタし、6時すぎに出発。
 ヤフナビ君によればキャンプ場から約30分といった所だ。八甲田山に向かう国道103号線から青森県道40号線に分岐し道が緩やかに下りに転じると、程なく
「みちのく深沢温泉」の大きな看板が左手に現れる。

 左折というよりヘアピンに近い入り口を回り込むと路面はダートだ。山の中の秘湯感がさらに増すなあ。
 ほぼ直線といった感じの緩やかな下るダートを3分ほど行くと建物が見えてきた。



「完全にヘアピンコーナー」
ターンして直ぐに始まるダート林道。


「白樺並木と残雪を抜ける」
あ、ツーセロ帰りに撮影したので本来逆向き、写真奥が温泉場です。


「これがみちのく深沢温泉か」
 その佇まいは温泉というよりもはや営林組合の飯場?現場事務所という雰囲気である。車は四台ほど停まっているので宿泊客は居るようだ、半分が県外ナンバーだな。
「ごめんくださ〜い」と声を掛け中に入る。
 いわゆる風除室というべき12畳ほどの横長に広い空間には、やっぱり飯場のごとくあらゆる資材、道具、小型除雪機などが所狭しとブチ込まれ、まるで旅館の雰囲気ゼロだ。山小屋だってもうちょっと整理されているぞ?多分。
 中に人影と囲炉裏の火が見えたので
「お早う御座います」と声を掛けて内側の引き戸を開けて暖かい室内に入る。木の燃える暖かな香りが鼻をくすぐる。ここも12畳程の玄関ホールにあたる場所だが土間には物が溢れている。奥からおかみさんと思しきおばさんが現れた。宿泊客用の朝食を作っていたのだろう、一緒に美味しそうな香りもやってくる。
 日帰り温泉の入浴料500円を払って案内に沿って旅館の通路を進む。
 壁にはお決まりの登山写真が飾られ、県道ができる前から登山基地だった事が窺い知れるが、何せ写真が黄ばむ程に古い物ばかりだ。昭和ノスタルジックが染み付いている。
 男湯の木製の引き戸を開けると8畳程の小さな脱衣所だ。家庭用の洗面台が一つと20個程の篭が誂えてある。
 誰か1人入浴中の様だ、宿泊客だな。
 服を脱いで準備を整え、アルミサッシの引き戸を開けて中に入る。
 猛烈な水蒸気で前がよく見えないが、風呂場には誰もいないぞ?
てか、猛烈にでかい湯船が横たわってるぞ。


「みちのく深沢温泉」
パッと見製材所にしか見えない。


おお、ホントに製材所の倉庫みたい?。


「露天風呂出入口」
廊下正面突き当たり、外に道がある。


「おぉ広い、デカい〜〜」内風呂


 
体を洗う為にしゃがんで漸く浴室の全貌が判った。広い!小さなプールの様な大きさだ。
 
広い浴室の片側2/3を塞ぐ巨大な湯舟が、脱衣所から入って浴室の右にオフセット配置してあり、通路兼洗い場と言うべき1m半のスペースが左手となる。
 右手の小さなタイルを貼って仕上げられた昭和4〜50年代を彷彿とさせる湯船は長さ10m幅4m程はあろうか?
 体を洗って湯船に入るってば
深い!


椅子や風呂桶が入口脇に集められている。



「鏡がいい味だしてる」シャワーって何?。


「エンビ管から豪快に吹き出す源泉?!」
この豪快な水音は廊下からも聞こえるのだが。


 
深さは実に80cmぐらいか?下手に口を開けよう物なら即座に温泉水が自動給湯される深さだよ。
「いわゆる千人風呂って奴だな」
そう、長野県松代の富岡製糸場に併設された女工が立って入浴できると言うアレである。
いや舟底?に玉砂利は敷かれて無いけどね。
 まるで初めて深い方のプールに入った小学生の様にアップアップで入浴するので全く落ち着けない。
「・・・それにしても誰もいない、脱衣所の服は忘れ物か


湯気に包まれて全く見えない。
「露天風呂」入口の表示。
な?」
と油断すると沈没して鼻から温泉水を吸引してしまう。
「ウエェ〜ゲホゲホッ!」
 慌てて立ち上がりもがいていると、唐突に洗い場スペースの奥にある非常口?にしか見えないサッシ引き戸が空いて、お客さんが1人そのまま脱衣所に向かっていった。
「え?!」
 お客さんが脱衣所から出ると、そっと先ほどの非常口みたいなアルミサッシの引き戸を開ける。同時に湯気と県道を走るトラックの走行音も飛び込んで来た。
「おおう!」
 
僅か一段の石畳の先には2人くらいしか入れない小さな岩風呂。
 
見上げれば八甲田の山並みと言うよりモロ山腹の白樺林がまるでシマウマの騙し絵の様に一面に広がる。赤い車が通ってゆくのが見え、見上げれば青空に雲が流れてゆく。
 こりゃあご機嫌のマイクロ岩風呂露天じゃ無いかい!早速ドボンだ。



おぉおぉぉ「凄い!!」定員3名くらいかな?。


「二つの温泉井戸から引湯している」
野趣溢れる痛んだエンビ管。


と言うかマジ外寒い、お湯に入ってないと凍死レベルではないか?
 岩風呂の湯船の大きさは実は最初の描写、印象と少し違う。どうやらこの浴場棟は建物半分に男湯女湯が併設されるお馴染みの構造だ。
 その外側に一つ露天岩風呂を作り、その真ん中かオフセット配置に板塀があるのだが、水位ギリギリの所で塀がなく、思い切れば向こう側に潜って行けそうなのだ。
「まあまあ、思い切れないよね、普通」
 でもカップルが手ぇ繋いで入浴できるな、と何か間違った仕様が脳内循環する。と言うか誰もいなさそうなのでギリギリ水位から一瞬見えた限り(オイオイ)では反対側の方がこちらの倍湯船が広い印象だ。
 よく日によって浴室の男女を入れ替えるのは温泉宿の常套手段でもある。
 
本来はあちら側が男湯なのかもしれない。
 つまり当然というかあちら側の方が景色も良いのかも知れない。
 しかし、今日のところはそれを確かめる術は無い。わざわざ女将に聞くほどでも無いしどうしても気になるなら、また来れば良いだろう。


「県道40号を走る車が見える」
車から見える事は無いと思うが、多分。


露天風呂の方はお湯が青い気がする。



「独りだと広い」完全に貸し切り状態、もう最高。



気軽に来れる距離では無いがな。なんせ片道高速で5時間(笑
 半日くらい入浴したいが、飲み物も
時間も無いので上がる事とする。
寒い露天から熱い内風呂を通って寒い脱衣所で着替えるが、便宜上寒いと書いてはいるものの、体感的には温浴効果で然程でもなく、最後にマスクを着けて玄関ホールに戻ってくると、宿のご主人らしきおじいさんが暖炉にいた。
 相手もマスクをしているので、どこから来たと言う趣旨の青森弁の最後がよく聞き取れない。
 福島から山バイクで来て昨日はモヤヒルズキャンプ場に泊まったと言うと、今度はウチに来なさいと勧誘される。なんかいい林道いっぱい教えて貰えそうだな、熊もいっぱい居るだろうけど。


「HPでみる隣の内風呂」
八甲田山九湯会HPより引用:https://hakkoda9spa.com/distinations/michinokuhu
ガラス張りだよ、露天も少し広そうだな。



滑川温泉とほぼ同じ成分か?


みちのく深沢温泉 内風呂/露天風呂」
 
日帰り入浴/時間帯:6:00〜20:00*季節に因り時間変動、冬期は短いので注意。
 入浴料      :大人500円/子供250円。
温泉成分
●泉質:ナトリウム/カルシウム/硫酸塩、炭酸水素塩泉
●源泉温度:44.8℃
●適応症:神経痛、皮膚炎(アトピー、虫さされ)、冷え性、動脈硬化症、肥満症、痛風、
     糖尿病、ねんざ、うちみ、便秘、やけど、水虫、ひざや関節の痛みなど
     
*適応症の記載は八甲田山九湯会HPより。
      八甲田山九湯会HPより引用:https://hakkoda9spa.com/distinations/michinokuhukazawaspa/
●ホームページ;https://hakkoda9spa.com/distinations/michinokuhukazawaspa/



ここも昭和香るノスタルジー空間だった。



次の温泉へマッパGo!。